「卒業生退場です」
う〜う〜う〜〜う〜う〜う、名もない花には名前をつけましょう〜〜〜 この世に1つしかない(ry
BGMでコブクロの桜が流れ出し、卒業生は卒業式会場である、体育館を退場しみんな、それぞれの教室に戻っていく。


3月1日、寒い冬を通り越し、ほんのり暖かくなってきた3月の始まりの日
この時期はどの高校も卒業式である。
そして、この小笠原高校も例外でなく、3月1日卒業式が行われていた。
「あ〜あ。卒業式終わっちゃったね」
「本当ね。ケイ泣いてたでしょ?」
「だって、もう高校生活も終しまいだし、みんなと会えなくなると思ったら」
「まあね。私も悲しいけど、涙は出なかったわ。まあ、ケイとは同じ大学だから、別れなくていいけどね」
「まあ、受かってたらね」
「大丈夫だって。ケイも私も去年の合格点ライン結構超えてるんだから」
「でも、私たちがいいんじゃなくて、今年の問題が簡単なのかも・・・」
「また、ケイはネガティブに考える。今年も、去年と合格点変わらないぐらいだろう、って小宮山先生も言ってたじゃない」
「そうよね。大丈夫よね」
「そうそう。きっと受かってるって。」
すると、
「おいおい。お前ら昼間から何、卑猥な話をしてるんだ?」
「?」「?」
「受けとか、言ってたじゃn「ゴフッ」・・うっ、う〜〜」
話の内容を全く理解してないで、話に入ってきたカズヤが今岡に、殴られている。
「うう、もう今岡に殴られるのも最後なのか・・・いや、これも長期の放置プレイと思えば・・・」
ボコッ、ボコッ、ズカッ(ry
「うっ、あっ、うへ〜〜〜(ry 」
「この光景も最後なんだな」
カズヤと一緒に来ていたシンジが、目の前の光景を見ながらケイに話しかける。
「ふふ、そうだね。新井君も今までよく死ななかったね」
最初はこの光景におびえていた、ケイももう慣れたらしい。
「まあ、美人な天使たちが空から飛んできて、連れて行かれそうにはなったそうだけどな」
「でも、新井君もよく懲りずに、何度もナツミに、ちょっかい出したよね。殴られるの分かっているのに」
「いや、あいつは殴られるのが目的で・・・いや、なんでもない」
「?・・まあ、いいや。そういえば城島君は、打ち上げ行くの?」
「う〜ん、どうしようか、迷ってる。あんまりお金持ってないし。カズヤは行くらしいけど。
木佐貫たちは行くのか?」
「行くよ、私もナツミも。もう、みんなで遊べるの最後だしね。城島君も行こうよ!」
「そうよ。城島君も来なよ。お金だったら、カズヤにおごって貰えばいいし、
あれだったら私たちも借すよ。」
カズヤを、ボロ雑巾のようにぐちゃぐちゃにして、今岡が話しに入ってきた。
「今岡、あれ死んでるんじゃ・・・」
「最後だから、思いっきりやってやったわ。まあ、カズヤだから死なないでしょ。で、来るよね?」
「う〜ん、そうだな。行くか!」
「ナツミ〜〜。最後、クラスのみんなで写真とろうよ〜〜」
向こうから、クラスメイトのカズミが呼んできた。
「うん、撮ろう撮ろう。早く、ケイも城島君も行くよ」
「よ〜〜し、撮るのは全部俺に任せろ」
いつのまにか、ボロ雑巾のようになっていたカズヤが復活していた。
「カズヤが撮ってくれるのか、じゃあ俺のカメラ頼むぜ」
「あたしも」「私も」「俺の分も頼む」「俺も、俺も」
「全部任せろ。じゃあ、女子は前に座って、男子は後ろに立ってくれ」
(よっしゃあ、女子が座る時、パンツを拝むチャンス。そして、女子みんなが俺を見る。)
「カズヤ、あんた、そんなこと考えて。自ら率先的に撮る側にまわったのね」
「へ?」
(俺の心の声が、なぜ分かるんだ?)
「そりゅあ。あんた、全部声に出してるもの」
「へっ?へっ?」


そうカズヤは、今まで妄想していることを、自分の中で止めておけばいいのに、いつも口に出していた。
そして、今回は心に思っていたことを口にしていたようだ。
「カ〜〜ズ〜〜ヤ〜〜〜」
「うへえ〜〜〜〜〜」
カズヤは今度はナツミだけでなく、クラスの女子ほとんどにボコボコにされていた。
それを見てシンジは思った。
(それにしても、カズヤ、気持ちよさそうな顔してるなあ)




シンジは、お世話になった、先生方に挨拶を済ませ、1度家に戻り私服に着替えて、打ち上げ会場に向かった。
むろん、小宮山先生に挨拶をするときに
「卒業おめでとう。あ!でもまだ下の方は卒業してないか。なんなら、ついでに卒業していく」
「いえ、お断りしておきます」
という、やりとりも当然あった。



そして、打ち上げ会場にて、
「はい、おまえら、みんなお疲れ〜〜〜〜〜。これで会う機会は少なくなるけど、
我が3−○は永久に不滅です!!乾杯!!!」
「「「かんぱ〜〜〜〜〜い」」」
と、クラス委員長の長島の乾杯で3−○の打ち上げが始まった。
会場はクラスの和田の家が開いている、居酒屋「和田屋」の大部屋で貸しきって行っている。
ちなみに、乾杯といったものの、シンジ達はまだ未成年なので、飲酒は無理なので、ジュースで乾杯だ。
乾杯後、みんな思い出話、今後の話、趣味の話と、それぞれ話をして過ごしている。
シンジも、クラスメイトと会話を楽しみ、今はケイと話していた。
「ねえ、城島君。点数どうだった?」
「ああ、うん、なんというか、微妙なんだよな。去年の合格点ラインの十数点上って感じ。
しかも、自己採点だし、それもどうだろうな。木佐貫はどうだったって、聞く必要ないか、はは。木佐貫だったら大丈夫だよな。」
「う〜ん、どうだろう。私も分からないよ」
「いやいや。木佐貫が落ちるんだったら、俺も当然落ちてるってことだろ」
「城島君はネガティブに考えるね。今年も、去年と合格点と変わらないぐらいだろう、って小宮山先生も言ってたし大丈夫よ。
まあ、これさっき私がナツミに言われたことと同じなだけどね、きっと、大丈夫よ。ポジティブに考えよう」
「ははは、まあ、俺もポジティブに考えてみるよ。うん、絶対受かってる!」
「そうだよ。みんな一緒に行けるよ」
「といっても、カズヤは違うんだけどね」
「そういえば、新井君はどこ行くの?」


「うん・・まあ、知らない方がいいこともあるよ」
「・・・そうだね。聞かない・・・」

今更だが、シンジ、ナツミ、ケイの三人は国立大学の星野大学を受けた。
ランクは国立の中でも中の上とまあまあのところだ。
シンジ達が住んでいる都道府県ではないので、シンジ達のクラスからはこの3人だけであった。
また、カズヤはというと・・・・・・まあ、夢をかなえたらしい

そして、しばらくシンジとケイと話していた。
すると、ケイが口をモジモジしだした、何か言いたいことがあるようだ、
「ねえ・・・あ、あの・・あの城島君」
そして、心を決めて、
「・・・あの城島君、大学どっちも受かってたら・・・い、い、いっしょに住まない!!」
「・・・・・・・。あのさ、木佐貫どうしたんだ?お前らしくないな、こんなところでこんな冗談言うなんて。
一瞬、思考回路が停止したぞ」
「・・・ははは、ごめんあそばせ。私が冗談言うと、城島君がどういう反応をとるのかと思いまして、ほほほ。
卒業記念に冗談言ってみましたの。おほほほほほ・・・」
「・・木佐貫、口調おかしくなってるぞ」
「いや、なれない冗談をいってみるのも緊張して、ははは」
(はあ、城島君どんだけ、鈍感なの。冗談で言ったんじゃないのに・・・
城島君には、直接言わなきゃ、分からないのかな・・・はあ)

まあ、みなさん途中でおきづきになっただろうが、木佐貫 ケイは、同じクラスの城島 シンジが好きである。
そして、彼女は今、一緒に住もうと遠回りながらも、生まれて初めての告白をしたのだ。
しかし、このMr.鈍感キングは、これを告白ではなく、冗談だと受け取ったのだ。
今まで、彼女はほとんど冗談を言ってないと分かりながら。

シンジよ、鈍感すぎるぞ TMK砲のK砲並に鈍感すぎるぞ



そして、これをすぐ隣で、クラスメイトと話しながらも聞き耳をたてている、彼女の親友がいるわけで・・・・・

「・・・あの城島君、大学どっちも受かってたら・・・い、い、いっしょに住まない!!」

親友の仰天発言を聞いた。
城島君とケイが私のすぐ隣で話していた。それを、最初は悪いと思いながらも、聞き耳を立てていた。
最初はたわいもない話だったが、少したって大学の話をし始めた。
すると、「一緒に住まない?」という、私も思考回路が停止するほどの仰天発言がケイの口から、発せられた。
ケイは、親友の私と話していても、あまり冗談を言わない。
まして、ケイが男子に対して冗談を言うなんて、全く考えられない。
城島君は冗談と思い、ケイもそのまま冗談で話を流したけど、あれは冗談なんかじゃない。
気安く、一緒にすまない?なんてケイは言わない。

きっと、・・・・・ケイは城島君が好きなんだ。

確かに、ケイが城島君に好意を寄せていそうな感じはあった。
ケイは、男子が苦手だ。
中学生まで女子校にいて、1人っ娘なので、男性と接する機会なんて、父ぐらいだったのだろう。
そんな、ケイが小笠原高校に来て、初めての共学で仲良くなったのが、城島君のようだ。
私がカズヤに制裁をあたえている時に、2人は仲良くなっていたみたいだ。
城島君は、変態のカズヤと仲良くなっているように、

誰とでも気さくに話でき、誰とでも仲良くでき、
そして、・・・誰にでもやさしい・・・

そんな、城島君くんだからこそ、彼を好きになる人がいるのだろう

妹カナミちゃんの友達、1年の後輩、ケイ、そして・・・・・・私

そう、私も城島君が好きだ。何度も露骨にアピールしてみたが、その度にカズヤに邪魔され、鈍感な城島君は気づいてくれない。
ここ半年は、受験勉強で忙しかったので、この気持ちは受験が終わるまで閉ざしていた。
私は受験が終わった後、この気持ちを告げるつもりだった。しかし、告げる機会がなくここまで来ていた。

今、ナツミは2つの選択肢で葛藤していた
私はどうしたいいんだろう この気持ちを城島君に伝えずに親友の初恋を応援するべきなのかな、
それとも、この思いを伝えるべきなのかな

「ナツミ?ナツミ!お〜い、ナツミさ〜ん!」
「ん?」
ケイが話しかけてきた。
「どうしたの?ナツミぼーとしちゃって」
「いや、なんでもないよ、ははははは」
「そう。なら、いいけど・・気分悪いなら言ってよ」
「ありがとう、ケイ」
「もう打ち上げも終わりだって、帰ろう」
「そうだね。帰ろっか」
そして、打ち上げは終わった。みんな、それぞれの別れのあいさつして、別々に帰路に着く。

その帰り道、
「しかし、今日はなにも考えないで騒いじゃったけど、いよいよ明後日は発表だ。気合を入れないと!」
「まあ、気合を入れて結果が変わるもんじゃないんだけどね」
「いやいや、気持ちの問題だよ。受かると思ってたら、受かってるって」
「ふふふ、そうだね。そういえば、発表はどうする?一緒に行く?」
「一緒に・・・・・・・」
ケイは普通に口から出た言葉なんだろうが、私にはさっきの「一緒にすまない?」が脳裏出てきた。
「・・・・・・・・・・・・・・」
「ナツミ、どうしたのナツミ?」
「ん?・・・あ!合格発表だっけ?やっぱりばらばらに行って見た方がいいんじゃないかな、はははは」
「そうだね・・・・・・・ねえ、ナツミ・・・」
声のトーンを落としてケイは
「私ね。城島君のことが好きなの。でね、合格発表の日にね、どっちも受かってたら告白しようと思うの!!」
「え?」
ケイが急にそんなことを言うので驚いた。でも、それはもう完全に覚悟が決まっていて、
普段のケイからは考えられないほど、はっきりした口調で発せられた

「ナツミ、私、城島君に告白してもいいかな?」
「え?・・・・・なんで、私にそんなこと聞くのよ、はははは。
それは、ケイの問題なんだから、私がいい、いけない、っていう問題じゃないじゃない、ははははは。・・・・・うん、がんばってね、ケイ」
「な、何言ってるのナツミ?」
「何って、何よ、はははは」
「だ、だって、ナ、ナ、ナツミも城島君の子と好きなんでしょ」
「え?!」
「私ね、ナツミが城島君のこと好きなの、ずっと前から気がついてた、何度も、何度も城島君にアピールしてたし、
そして、城島君と話しているときのナツミはいつもとっても楽しそうだった。」
「ナツミはその気持ち伝えなくていいの?」
「・・・・・・・・」
私は、何も声にできなかった。
「ねえ、もし、私と城島君が付き合うことになったら、ナツミは2人を祝ってくれる?ナツミは絶対に後悔しない?
・・・・・・私ね、城島君が好きだけど、同じくらい、いや、それ以上にナツミのこと親友だと思ってる。
だからね、ナツミには絶対後悔して欲しくなんかないの!」
「・・・・・・・・・」
「ねえ、ナツミ!」
私は短時間ながらも、私はこの気持ちを整理して、答えを出した。
「・・・・・・・・・・・・・。わ、私も告白する。私も城島君に告白する。この気持ちを城島君に伝えるよ」
「そう、それでこそ、ナツミだよ。で、城島君がどちらを選んでも恨みっこなしね」
「そうね。そして、どちらを選んでもお祝いする」
「うん。告白する日は、合格発表が終わったあと、抜け駆けは禁止だよ♪」
「分かってるって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・。ねえ、ケイ、ありがとね。私に告白する機会与えてくれて、私、前から機会があれば告白しようと思ってた。
けど、機械がないからできなかった。でも、それはないんじゃなくて、作らなかっただけだった。本当にありがとう」
「何言ってるの、お礼を言うのは私の方だよ。ナツミがいなかったら、城島君の告白するどころか、話すこともできなくて、ただのクラスメートで終わってた。
ナツミがいたからこそ、私は初恋ができたんだよ・・・・・・・・・ナツミ、私達こんなことがあったけど、親友だよね?
どっちが付き合うことになっても親友でいてくれるよね?」
「あたりまえじゃない。私にとって、ケイは一生の親友だよ」
「ナツミ・・・私もだよ・・・・」
2人は、どちらともなく抱きついてないていた。

ケイ、本当にありがとう

やっぱり、ケイはとてもやさしくてとってもいい娘だよ

絶対に一生親友でいようね

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます