最終更新:ID:y1Jm3rV6rg 2009年02月01日(日) 18:34:52履歴
「これは私個人の君へのプレゼントだ。
今年副会長としてがんばってくれたからな」
「ありがとうございます会長」
タカトシが礼を言った瞬間、ヴィイイイ、と。
箱の中から物騒な音が聞こえてきた。
先ほど出島さんからも同じ音がするものをもらったような……。
暗澹たる思いでプレゼントの箱を持っていたタカトシだが、
「え、うそ! な、なんで?」
「??」
シノの様子がおかしい。
驚きと、若干の悲しみが含まれた表情。
タカトシは包みを破り、箱の中のものを確認する。
「?? ケータイ?」
箱の中にあったのは携帯電話。
着信を知らすライトをチカチカ光らせながら振動している。
「あ、えっと……会長、これっていったい??」
プレゼントに携帯電話とはこれいかに?
そもそもタカトシはすでに携帯電話を持っている。
シノはぎゅっと唇をかんでうつむいていたが、やがて顔を上げる。
「私、だけの……」
今にも泣き出しそうな顔だった。
「私だけの、津田との、つながりがほしかったから……」
そういって顔を真っ赤にする。
「なのに」
そういって、またふにゃっと顔をゆがめ、振動を続ける携帯電話に目をやる。
「もう誰かがこの番号を知っているんだな」
「……」
タカトシはしばし絶句し、
「いやいやいや! 違うでしょ会長!!」
言うなり携帯電話を手に取り通話ボタンを押す。
「もしもし、電話番号間違えてませんか?……いえ、津田です。はい、はい……いえ、それでは」
通話を切り、シノに向き直る。
「間違い電話に決まってるじゃないですか」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ。いつ俺がこのケータイの番号を人に教える隙がありましたか?
そもそも電話番号自体まだ知りませんし」
「む……言われてみればそうだな」
得心が言った様子で、いつものシノに戻る。
「うむ、つい取り乱してしまったようだな。すまん津田」
「それは別にいいんですけど……会長」
「ん?」
「あの、俺とのつながりがほしかったって……あれはいったいどーいう意味で?」
再びシノの顔がカーッと赤くなり、
「そーいう意味だ!」
起こったようにぷいっと顔を背けてしまった。
でも耳まで真っ赤。恥ずかしくって真っ赤。
タカトシもだいぶ照れたのだが、それでも言わなければいけないことは心得ている。
「ありがとうございます会長。大事にします……それと、番号は誰にも言いませんから」
タカトシの言葉にシノは背を向けたまま、
「当然だ」
満足そうにうなずくのだった。
END
今年副会長としてがんばってくれたからな」
「ありがとうございます会長」
タカトシが礼を言った瞬間、ヴィイイイ、と。
箱の中から物騒な音が聞こえてきた。
先ほど出島さんからも同じ音がするものをもらったような……。
暗澹たる思いでプレゼントの箱を持っていたタカトシだが、
「え、うそ! な、なんで?」
「??」
シノの様子がおかしい。
驚きと、若干の悲しみが含まれた表情。
タカトシは包みを破り、箱の中のものを確認する。
「?? ケータイ?」
箱の中にあったのは携帯電話。
着信を知らすライトをチカチカ光らせながら振動している。
「あ、えっと……会長、これっていったい??」
プレゼントに携帯電話とはこれいかに?
そもそもタカトシはすでに携帯電話を持っている。
シノはぎゅっと唇をかんでうつむいていたが、やがて顔を上げる。
「私、だけの……」
今にも泣き出しそうな顔だった。
「私だけの、津田との、つながりがほしかったから……」
そういって顔を真っ赤にする。
「なのに」
そういって、またふにゃっと顔をゆがめ、振動を続ける携帯電話に目をやる。
「もう誰かがこの番号を知っているんだな」
「……」
タカトシはしばし絶句し、
「いやいやいや! 違うでしょ会長!!」
言うなり携帯電話を手に取り通話ボタンを押す。
「もしもし、電話番号間違えてませんか?……いえ、津田です。はい、はい……いえ、それでは」
通話を切り、シノに向き直る。
「間違い電話に決まってるじゃないですか」
「そ、そうなのか?」
「そうですよ。いつ俺がこのケータイの番号を人に教える隙がありましたか?
そもそも電話番号自体まだ知りませんし」
「む……言われてみればそうだな」
得心が言った様子で、いつものシノに戻る。
「うむ、つい取り乱してしまったようだな。すまん津田」
「それは別にいいんですけど……会長」
「ん?」
「あの、俺とのつながりがほしかったって……あれはいったいどーいう意味で?」
再びシノの顔がカーッと赤くなり、
「そーいう意味だ!」
起こったようにぷいっと顔を背けてしまった。
でも耳まで真っ赤。恥ずかしくって真っ赤。
タカトシもだいぶ照れたのだが、それでも言わなければいけないことは心得ている。
「ありがとうございます会長。大事にします……それと、番号は誰にも言いませんから」
タカトシの言葉にシノは背を向けたまま、
「当然だ」
満足そうにうなずくのだった。
END
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