しばし、沈黙が二人を包む。
「マサちゃん、どう?」
 ミサキが口火を切った。
「あ、うん・・・、気持ちよかったよ。うん」
 しどろもどろなマサヒコ。
「でも、さ。今度からこういうことは勝手にしないでくれないか。その、俺にも心構えっ
てのが必要だからさ」
「そう、分かった」
 マサヒコの答えを聞いて、ミサキはマサヒコの股間に手を伸ばす。
「もう一度・・・、やっていい?」
「な、ちょっと待て!」
「いいでしょう?だって、まだセックスしてないよ?」
「まあ、そうだけど・・・」
「だから、私がもう一度元気にしてあげる」
 そう言って再び咥え込むミサキ。もう抵抗する気が起きないマサヒコ。
 慣れというのは怖いもので、2回目になる今回はマサヒコもそれなりに余裕を持って楽
しむことができた。萎えきっていた竿が、ミサキの口による愛撫と本人の若さゆえの余力
で徐々に持ち直してくる。
「ふぉれふらいでふぃふぃ?(これくらいでいい?)」
 大分堅くなったところでミサキが問いかける。
「ああ、もうこれくらいでいいと思う」
 あとは二人でじゃれ合っているうちに回復するだろう。
「すごいね。やっぱり男の人は一回じゃ満足しないんだね・・・」
 ミサキが寂しげに呟く。
「あ、いや、一回じゃだめってわけじゃないぞ?!その、あの、男だって2回もするのは
本当はすごく疲れるんだし」
「でも・・・、マサちゃん本当は一日3回毎日出来るんでしょう?」
「そのことは言わないでくれ!!」
 動揺するマサヒコ。
「じゃあ・・・、始めよう」
「ああ」

 ミサキが立ち上がり、マサヒコに寄りかかるようにする。そしてベッドに倒れ込む2人。
 口付けをかわしながら、マサヒコはミサキの下の口に手を伸ばす。
「(濡れてる・・・)」
 ミサキの陰部は、すでに行為に及べるくらいに潤っていた。それを感じ取るとマサヒコ
の息子も臨戦態勢に入る。
「じゃあ、ミサキ、早速始めようか」
「うん、じゃあ、コンドーム付けてあげる」
 しっかり堅くなったマサヒコの陰茎に、ゴムを装着するミサキ。
 付け終えるとミサキはまた淫靡な表情でマサヒコを見つめた。
「ねえ、マサちゃん・・・」
 とろん、とした眼差し、甘く気だるい声色。マサヒコはまたミサキの雰囲気に絡めとら
れていくのを感じた。
「ちょっと、横になって」
「ん、あ、ああ」
 仰向けにベッドに横たわるマサヒコ。するとミサキは子供が父親にじゃれるようにマサ
ヒコにまたがってきた。
「どうした」
「ねえ、マサちゃん・・・」
 腰を浮かせながらミサキが告げた。
「今日は私が上になってみたいの」


「え、それは・・・、どうだろ」
 これまで正常位でしか交わったことのないマサヒコはうろたえる。
「ねぇ、いいでしょう?」
 淫らな眼差しでマサヒコを見下ろすミサキ。彼女の手が肉茎に添えられる。
「あ、ああ」
 マサヒコは唾を飲む。
「じゃあ、行くよ」
 ミサキがゆっくりと腰を下ろし、自らの股間の割れ目にマサヒコを触れさせる。当然彼
女自身もこのような体位は初めてなのだから、緊張している。自分で自分を貫くようなも
のだからなおさらだ。陰唇をつい閉ざしてしまい、うまく入らない。
「ミサキ、本当に大丈夫か?」
「大丈夫、大丈夫。ゆっくり、ゆっくりとやれば・・・」
 自分で主導してみて改めてセックスの難しさを実感するミサキ。それでもマサヒコの昂
りを感じると股間はますます濡れてくる。
「はぁ、はぁ、アン!」
濡れてくれば、1ミリずつでもマサヒコが入ってくるような気がする。ゆっくりとあせら
ずに彼女は体位を調整していく。
「ん、んんぁああっ!!」
 ミサキが嬌声を上げる。亀頭の先1センチほどがミサキの割れ目を押し開いて入った。
ようやく入り口が開いたのだ。後はミサキの体にマサヒコの肉銛を埋め込んでいくだけで
ある。
 ここまでですでにミサキは汗だくである。しかし、それでもミサキは焦らない。膣でマ
サヒコの一物の形を確かめるようにゆっくりと体を下ろす。さっき口と舌で感じた微細な
起伏、浮き出た血管の脈動までゴム越しに感じ取れるようにゆっくりと味わって。
「ア、アン。すごい。マサちゃんが私の中で震えてる!マサちゃんが私の中で感じてるん
だね!」
「ああ、凄い!良いよミサキ!」
 マサヒコの方はこれまでと全く違う性交の感触に驚いていた。突く性交とは全く逆の埋
め込まれる性交。柔らかく、不規則に締めつけてくる膣の感触。知らず知らずのうちに茎
がどんどん飲み込まれていく感触。先程のフェラチオと同様に、自分の方では次にどのよ
うな快感が襲ってくるか分からないという、受動側の喜びと快感に感じ入っていた。
「う、あ、ハァンッ!!」
 ミサキが小さくのけ反り、ひときわ大きな声を上げる。遂にミサキがマサヒコの上に完
全に乗りかかった。つまりマサヒコの分身を完全に飲み込んだのだ。少女は口の端から少
し涎を垂らしながら呆けたような笑みをマサヒコに向ける。
「じゃ、じゃあ、ゆっくりと動かすよ」

 まるで、男が処女を相手にするようなことをマサヒコに告げるミサキ。
「ああ、無理しないでくれよ」
 微笑み返しながら健気な相手を気遣うマサヒコ。
「ん、あ、ああっ!」
「う、んぐっ!」
 ミサキは出来る限りの力でマサヒコを締めつけながら体を再び持ち上げる。マサヒコは、
締め付けられ、引っ張られた上、体勢の変化により予想外に性器を曲げられ少し顔をしか
めた。痛いわけではないが完全に不意を突かれ、いつ暴発するか分からない不安が頭をよ
ぎった。
 ゆっくりと体を上げ続け、マサヒコの物は完全に抜けてしまう。一呼吸置いてまた体を
下ろす。先程と違い、完全に蕩け切ったミサキの外性器はマサヒコを何の抵抗もなくスム
ーズに包みこむ。
 そして、
「あぁん!」
 ミサキが急に体を下ろす。
「うわっ」
 流石にちょっと痛みを感じたマサヒコ。その表情を見てミサキが涙目になる。
「ご、ゴメンネ、マサちゃん。ちょっとペース上げようと思ったら変にひねっちゃった?」
「いや、大丈夫。続けてくれよ」
 過度に心配するミサキをなだめるマサヒコ。マサヒコもこの新しい状況を楽しんでいる。
はじめのうちは下手でもしょうがない。けど、熱心なミサキのことだからすぐにコツを掴
むだろう。
「じゃあ、続けるよ」
 ミサキがまた体を上げる。ミサキ自身、大いに感じてしまっているので呼吸にあえぎ声
が混じる。今度はおおよそ亀頭が全部飲まれている状態で止まった。
 そして降りる。今回は上るときと同じくらいのスピードでゆっくりと飲み込んでいく。
マサヒコの陰茎の表面に、皮膜越しで膣の入口が這い進んでくる感触が伝わり、マサヒコ
の全身を痺れさせる。
 そして降りきったところでまた上る。
「あ、あぁ」
 ミサキは絶えず小さく喘ぐ。マサヒコの方も時折目をつむって快楽に耐えている。

 また下がる、また上る。数往復したところで慣れてきたのかペースが上げてきた。
「ウン、アン、アン!」
「うっ、あ、すごっ」
 動きが激しくなるとともに、二人の声が大きくなる。ミサキの体から溢れてきた潤滑油
がマサヒコの股間まで濡らしてきた。
 スピードは上がり続けミサキの体が可能な限界の速さに達した。髪を振り乱し、狂った
ような笑みでよがる。自分の体の中で動く、いや動かしているマサヒコのペニスがたまら
ない。強く咥え込んでマサヒコを喜ばすだけでなく、自分で痒いところに手を届かすよう
に膣を抉りこすることができる。セックスと道具を使ったマスターベーションが組み合わ
さったような感触だ。
 ミサキの動きは激しいが、もてなされるマサヒコの方にとっては忙しなくしつこいが優
しく包まれている感じだ。慣れたミサキは先程のように変に肉棒をひねったりはしない。
動きは激しくとも膣壁は柔らかく快楽をじっくりと絞り出そうとしてくる。一度発射した
あとなのに先ほど以上の性欲が湧いてくる、自分で一切動かなくとも快楽が押し寄せてく
る、そんな初めての経験にマサヒコは夢心地になっていった。
 激しく乱れながらも、ミサキはマサヒコの変化を感じていた。マサヒコの昂りが大きく
なる。あと少しでマサヒコに奉仕するという当初の目的が達せられるのだ。もはや自分も
限界寸前だが、そのことで理性を微かに取り戻し、懸命に上下運動を続ける。
 そしてその時が来た。
「ううっ!ふぅ」
 達したマサヒコが声を上げる。彼の亀頭が一瞬爆発的に大きくなったように感じられ、
コンドームを突きあげるような衝撃を体で感じたミサキ。それで理性の糸が切れた彼女は
その直後にイッた。
「アアッ、アアッ、マサちゃーん!!」
 絶叫。首を大きく後ろに逸らしたきり、これまでの激しい動きが嘘のように、ミサキが
硬直する。それも数秒、急に脱力しマサヒコの物を入れたまま彼の胸に倒れ込んだ。二人
ともこれまでにないほどに息を荒げていた。
 2、3分ほどそのまま無言で身を寄せ合っていただろうか。ようやく落ち着いてきたマ
サヒコが声をかける。
「ミサキ」
「うん・・・」
「今日は凄かったな」
「ありがとう」
 見つめ合う二人。マサヒコはミサキの頭を包むように抱えると彼女の唇に自分の唇を添
わせ、重ねた。二人はそのまま何度も唇を塞ぎ合い舌を絡めた。
 徐々に動きが激しくなる中、マサヒコが一度唇を放して告げた。
「ミサキ。今日はまだ大丈夫かな」
「え?」
 ミサキは訳が分からず問い返そうとした、が、すぐにその意味を感じ取ることができた。
 行為を終えた後もずっと挿入されたままだったマサヒコの性器がまた固さを取り戻して
きていたのだ。自分の体もそれに呼応して再び熱くなる。
「うん、もっと、もっと楽しもう」
 やや疲労を滲ませながらも甘ったるい声でミサキは答える。
「よし、じゃあ」
 マサヒコはミサキを抱いたまま上体を持ち上げた。ミサキを貫いたまま膝を崩して座る
形になる。
「今度は俺がミサキを楽しませるよ」
「えっ?」


No title濱中:傍観者氏4

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