「と、言うわけで、第1回タカ兄争奪チキチキ…えーと…」
「無理してボケんでよろしい!!」
「てへへ…」
やけにハイテンションな我が妹を窘める。
台風の暴風雨が吹き荒れた空模様のせいで、兄妹2人で過ごす予定だった夜は賑やかになった。
「面白そうだな。」
会長と
「勝負だね、シノちゃん。」
七条先輩と、
「津田を賭けてってのは、気に喰いませんが、勝負事に負けるのは私の主義ではないので。」
萩村。
だったら参加すんなよ。
喉元まで出かかった言葉はよりによって飲み込む。
まぁ、何と言うか、桜才学園に入学して、生徒会に入って身につけた処世術という奴だ。
なにせ、変な方向に流れて行く話を、俺が修正出来た試しが無い。
入学当初の会議のはずが、会長プレゼンツ校内案内になった時点で悟った俺の限界。
悲しい限りである。
「さてさて、タカ兄の胃袋を見事篭絡したお三方ですが、」
無理して難しい言葉を駆使しながら、勝手に場を仕切るコトミ。
「3人で作った料理と言うことで、勝負はイーブン。正々堂々、決着をつけようというこの企画です。」
ハイテンションを保ちながら、全ての説明を言い終える。
というか、冒頭の第1回なんちゃらをかみ砕いただけのような気がするのは、気のせいでは無いはず。
「ルールは簡単、この紙にそれぞれ、タカ兄としたいことと名前を書きます。」
コトミの手には4本のアミダクジが掲げられる。
「ちょっと、待て4本!?」
「ん、あってるよ、ほら4人いるじゃん。」
言われて、部屋を見渡す。
1、2、3、4……
いや、確かに4人いるけどさ…
「コトミも参加する…のか?」
マヌケな声をあげる。
「モロチン!!やばい、噛んじゃった。」
「絶対わざとだろ…」
もはや、ツッコミ等というレベルでは無い、呆れの声が俺の口から漏れる。
「何て言うか、お約束かなって。」
てへへなんて言いながらコトミが後頭部を掻く。
おまえはどこかの駆け出しアイドルグループの中学生か!!
なんて心の中で悪態をつく。
「まぁ、良いや。続けるね。その行為を経て、見事タカ兄を落とした人が勝負有りということで。」
全く良くない事、この上無い限りである。
とりあえず全面的に俺の意志はスルー。
かつ、俺の人権が蹂躙されるのは確定的なようだ。
主にどう転んでも、損をするという意味において。
目の前で女性陣4人はジャンケンでの順番決め、アミダクジに書き込む行為を行っていく。
「それでは、正々堂々勝負だな。」
「2人には負けないよ。」
「1番になるのが、私の流儀ということで。」
「タカ兄を熟知した私の力を見せてあげますよ。」
何故に皆やる気満々なのか?
嗚呼、千の時間と万の言葉を用いて問い正したい。
こうして、表の台風さながらの嵐の夜は幕を開けた。

………………………………
アリア編 (抱擁)
「というわけで、一番最初は私ね。」
どうやら、トップバッターに決まったらしい七条先輩がそう宣う。
「ということで、アミダクジいきましょうか。」
相も変わらず司会進行のコトミの言葉で場は流れて行く。
「ふむ。まぁ、妥当か。」
結果を受けての会長の声が聞こえる。
果たして何が出たのだろうか。
一切こちらに公開はされないので、俺としては怖いものである。
「発表します。七条先輩の項目は抱擁です。」
やたらめったら、高いテンションのコトミ。
そんなコトミの口から語られた項目は「抱擁」
…………要はアレだ、七条先輩と抱き合うわけだ。
一体誰だろうか、こんな事を書いたのは…
「これ書いたのは誰だ?」
はからずも俺の考えと一致したのか、会長がそんなことを言い出す。
「……私です。」
そして、控えめに上がる手。
見れば、頬を染めながら、萩村が手を挙げている。
「なんか、普通過ぎてつまんないよ〜」
萩村の自己申告を受けて、コトミが言う。
いや、おまえ失礼だろ…
心の中で毒づく。
俺としては人知の及ぶ範囲で非常に助かったのだが。
「ま、スズちゃんらしいね。」
俺に向かって一歩踏み出した七条先輩が言う。
「スズちゃんはツンデレだもんねー」
続くのはそんな言葉。
無邪気。
というか、天然。
果たして一般にツンデレという言葉がどこまで通用するのだろうか?と思う。
ある種世間ズレしたお嬢様とこれから抱き合うわけだ…
そうなると、どうしてもある事が脳裏を掠めるわけで…
「タカ兄……さっきから七条先輩の胸チラ見してますよ。」
「うむ。……くっ、やはり胸か……!!」
そこ、事実だとしてもそういうことはスルーしていただきたい。
俺だって健康な男子だ。
そう…先程からすごく意識してしまうのは、七条先輩の胸。
冬服であろうとも、強烈に自己主張する七条先輩の胸。
その胸が自らの身体を押し返す事に思いを馳せ…じゃなかった、その事が大いなる問題な訳で…
なんだかんだ、状況を楽しんでるじゃん。みたいな言葉は言わないでいただきたい。
すごい巡り会わせだなと思う。
よりによって七条先輩と抱き合うことになるかね…
せめて、本人の希望通り萩村となら気にならな…
「萩村先輩、タカ兄何か失礼な事考えてますよ。」
「あら、興味深いわね。」
くはないな。うん。

余計な事を萩村に吹き込もうとするコトミの声に、俺は一切の考えを破棄する。
「あの…津田君…そろそろ…」
「あ、あぁ、すいません。七条先輩。」
周りにばかり気を散らして、一行に進まなさそうな空気を察したのか、七条先輩から声をかけられる。
「それじゃ、ハイ」
そう言って、自らの手を伸ばす七条先輩。
妙に乗り気な七条先輩を前に、やらなくて済ませる方法など無いんだろう。
そう思い、俺は覚悟を決めると、七条先輩と同じように、手を延ばして抱きしめる。
「……………………」
そうした先にあるのは、予想を遥かに超える勢いで自己主張して来た2つの膨らみ。
「どう、津田君?」
「…………!!」
だが、それ以上に耳の側から感じる七条先輩の息遣いや、良い匂い。
それから、抱きしめた腕から伝わる女性特有とでも言うべき柔らかさ…
どちらかと言えば、そちらの方が遥かに深刻な問題であった事が良く分かる。
クラクラと頭に酸素が回らなくなる感覚。
血の巡りが明らかに下半身に偏る感覚が良く分かる。
一瞬でも気を抜いてしまえばやばくて…
「あれ?」
それは七条先輩にも伝わったのだろう。
綻びを見つけたかのような、七条先輩の声が耳元で聞こえて…
「……………っ!」
俺は慌てて七条先輩から体を離してしまう。
「半勃ち……」
「……半勃ちか…」
「半勃ちですね。」
「…………………」
……それが結果、1番取ってはいけない行動であることに気づいた時には、遅かった。
辱めを受けて、固い殻の中に、閉じこもりたい気持ちになった。

………………………………
スズ編(ディープキス)
「さて、じゃあ、続いて萩村先輩のクジいきましょうか。」
8月の北半球と南半球かと言わんばかりの女性陣と俺との温度差など、
あたかも鼻から存在しないかのように、進行のコトミが告げる。
何かうまい例えでも出して、現実から逃げよう等という俺の例えは完膚なきまでに失敗に終わる。
先程、針の筵状態から身を守るように体育座りに移行した俺は、俎上の鯉が如く…
いや、もう良いや。
きっと、これが欝という感情なんだろうな……
「萩村先輩は……ディープキスです。」
「……ふむ。引き当てられなかったか…」
コトミの発表に続いたのは会長の声。
ああ、それを書いたのは会長なのですね…
ディープとか、余計な事が、キスの前につくあたり、非常にあなたらしいです。
それでも、レロチューとかじゃないだけ…
今度は、半ばやさぐれだす俺だったりする。
「あんたには、同情するわ…」
俺の目の前までやって来て、萩村がそう告げてくる。
「…ありがとう萩村。」
そんな萩村に一言だけ言葉を返す。
「…でも、ゲームはゲームだから…七条先輩の時の、アンタのあんなリアクションだけ見せられて、
引き下がるのも酌だし。」
それでも、引き下がるという意志は萩村には無いみたいだ。
負けず嫌いなんだよなぁ…
同じ下級生の生徒会役員として、そして、今年同じクラスになって…
その中で知った萩村の性格。
ホントに萩村らしいな。
「……?どうしたの?」
そんな考えが表情に出ていたのだろうか?
萩村に声をかけられる。
「いや、萩村らしいなと思って、さ。」
「……っ!何でも知り尽くしてるかのような言い方はしないで!!」
で、七条先輩の言葉を借りるところのツンデレ。
正に俺の知ってる萩村だと思う。
そう思えば気分は幾分、楽で、
「それじゃ、キス…するぞ?」
わざと雰囲気をだしながら萩村に問い掛ける。
「早くしなさ……んっ、ちゅっ……」
萩村の返答が返ってくるよりも先に、萩村の唇に自らの唇を重ねる。
「ちゅっ……っ、ふ、ちゅ…」
徐々に啄むように。
先程、七条先輩を抱きしめて慣れた部分もあるのか、顔にかかる吐息は、さほど気にならない。
「ん、ちゅ、ちゅ……っ、ちゅ」
それよりも、唇から伝わる熱というか、独特の感触が気持ち良くて、夢中になっていく…
「キスって思った以上に見ててエロいですね。」
「あ、あぁ…」
外野の声が聞こえる。
「ていうか、私の時に比べて、時間長くない?」
「まぁ、あれは事故が…」
七条先輩の不満の声を打ち消すように、会長が言う。
もう蒸し返さないでいただきたい。
俺は心の中で思う。
「でも、まだ本題にもいってないですし…タカ兄、ディープだよ、ディープ!!」
コトミの声が聞こえる。
そういえば、そうだったな。
「ん……ふ、ちゅっ、ちゅぷ…れろ、ちゅっ、……っ!」
その言葉を認識すると、俺は舌を伸ばして、萩村の口内に侵入する。
「れろ、ちゅぴ……ふ、ん、ちゅっ、れろっ……」
控えめながら、何度か萩村と舌を絡ませて、唾液の交換を行う。
他人の唾液を口にするというのは初めてだけれど、決して不快ではない事に、不思議な気持ちになる。
「ちゅっ、ちゅふ、れろっ、ふ……っ!」
徐々に、絡める舌を激しくする。
軽く開いた目に飛び込んでくるのは、目を閉じた萩村の顔。
長い睫毛がひどく印象的で、凄く綺麗だと思う。
見た目は、本当に同い年か?と疑いを持ってしまうほどの容姿の萩村だが、
その容姿とは裏腹に整った顔のパーツのひとつひとつが芸術品の様に思える。
「ふ、ん……ちゅっ、れるっ、れっ……ちゅる、ちゅぷ……っ!」
最初はゲームだからと、始めたはずなのに、気付けば夢中になってしまっている俺に気付く。
普段は一切、意識などした事が無いのに、物凄く萩村の事が気になってしまう。
「ちゅっ……れるっ……ちゅふ……ぷはっ……」
そんなことを思いながら、暫く続けていたキスは、どちらからとも無く、離れて行く。
名残惜しさを感じながら。
「……………………」
唇を離した後、萩村は何も言わなかったが、頬を赤らめている様も、やっぱり無茶苦茶綺麗だった。

………………………………
コトミ編(乳揉み)
萩村とのキスを終えて、なんだか、気恥ずかしいような、何とも言えない空気に包まれてしまった。
「はい、はーい、次は私の番でーす!!」
そんな強烈な自己主張いらねーんだよ。
と、思わず心の中で毒づいてしまうほど、本日ずっと見てきたハイテンションなコトミ。
「アミダクジいきます!!」
司会進行役自らのターンを迎えて、正しく独壇場で場を支配して行く。
で、気になる結果なのだが…
『乳揉み』
なんだか、見てはいけない文字が並んでいる気がします。
「…えーと、ちなみに、どなたのご意見でしょうか?」
俺は女性陣にお伺いをたてる。
「私。」
うん、だろうね。
自ら申告して来た七条先輩を一瞥する。
「津田君を落とすのが趣旨なんだから、駆使できるものは駆使しないとね。」
─ピシッ─
瞬間空気がひび割れるような感覚に教われる。
…怖いので、これ以上のコメントは差し控えさせてもらおうと思う。
触らぬ神になんとやらだ。
「と、言う訳でサクッといこうタカ兄。」
サクッと行けたら苦労しないんだけどな。
苦笑してしまう。
実の妹の胸を揉むことになる日が来るとはまさか思わなかった…
「さ、タカ兄、早く!!」
何故、こうも女性陣は乗り気なのだろうか…
そろそろ、洒落にならないものが混ざりはじめた今、俺は辞退したいのだが…
「昔、一緒にお風呂も入ってたし、今更でしょ?」
渋る俺にかけられる言葉。
「それとも、妹の事を意識しちゃってるのかな?かな?」
くそ、なんだ、そのハイテンション。
そのツインテールの両端を持って、つむじから真っ二つに裂いてしまいたい。
そんな感情が沸々と沸き上がる。
「だーっ、分かったよ!!」
俺は一声あげて、気合いを入れる。

「そうそうそれで……っ、ふあっ!!」
「……っ!コトミ……!!」
それで、意を決して、コトミの胸に俺の手が触れると、思いもかけないコトミのリアクションに、俺はドギマギしてしまう。
そこから、俺は、コトミの胸の重みを感じながら、ゆっくりと手を動かしていく。
「……んっ、ふっ、あ……ふあっ…」
いや、気づいていなかった訳ではない。
分かっていた。
その…コトミの胸は大きいのだ。
ずっしりと、俺の両手に重みを伝えてくるの等、朝飯前なのだ。
「ふあっ……っ!ふ……」
改めて、その事を意識してしまうと、コトミの胸に触れる手に自然と熱が篭ってしまう。
それはコトミにも、確実に伝わってしまうわけで…
「タカ兄は……っ、ふあっ、妹の、っ、おっぱい揉んで興奮しちゃう変態さんなんだね……っ!」
そんなことを宣う。
「…………うるせぇ」
バツが悪くなった俺はそれだけ呟くのがやっとだったりする。
「いや、1度言ってみたかった……ふ、あぅ、だけ、なんだけどね…」
俺を茶化すようなコトミの声。
考えれば考えるほどドツボに嵌まってしまう。
熱を帯びるのは手だけじゃなくて、お恥ずかしながら、本日2度目の、下半身に血が収束していく感覚。
「タカ兄、あ、……っ、さえ、よければ…また……」
暫くそうして、コトミの胸を揉んでいると、コトミの口からそんな言葉が漏れる。
「………………っ!」
「「はい、終了!!」」
コトミの言葉を遮るように、会長達がコトミを引きはがす。
「コトミ、その発言はアウトだ。」
その後でそうコトミに告げる会長。
正直助かったと思った。
あのままだとどうなっていたかわからない。
はからずも会長達に救われた形になった。
妹に手を出す人の道から外れた道が待っているところだった。
コトミの胸に触れて、俺はひそかに興奮を覚えてしまったのだから。


………………………………
シノ編(兄妹プレイ)
ここまでを終えて…
七条先輩……気まずい(性的な意味で)
萩村……気まずい(主に甘酸っぱい感じに)
コトミ……気まずい(兄妹的に)
一応勝負事として、各々が真剣に挑んでいるのだから、ここまでを一応自分なりに総括してみる。
本音を言えば、エスカレートする行為に、脳はショート寸前で、頭の中で纏めておかないと、
不意に感想を求められた時に袋だたきにされそうだからに外ならないのだが…
「さて、それじゃ、最後に、会長のいきましょう!!」
そういうときに限って、完膚なきまでにスルーしてくれるのが、俺の周りの女性陣である。
「最後なんで、もうそのままいきます。ハイッ!!」
勢いよく、内容が発表される。
『兄妹プレイ』
ちょ……!
消去法で書いたであろう人物を突き止め、そちらに視線を向ける。
「いや、妹萌えは必須かなって。」
俺の視線を感じて、コトミが後頭部を掻く。
「それで、墜ちないのは、城島さん家のシンジさんぐらいだよ。」
「誰だよそれ…」
聞いたことも無い名前に俺は疑問符を浮かべる。
「お兄ちゃ〜ん!!」
そんな俺の体に不意に重みがかかる。
まぁ、言わずもがなやる気満々な会長のせいだ。
「お兄ちゃん、遊ぼ?」
…………………………
思わず心の中で3点リーダーを大量に発生させてしまう。
ドン引きして絶句したわけではない。
普段クールな会長が、俺をお兄ちゃんとよんで、小首を傾げた様があまりに……
「どうしたの?お兄ちゃん?」
そんな俺の様子に、再び小首を傾げながら、会長が言う。
その様は反則だと思う。
いつぞやコトミに言われた、退行萌えとはこういうことなのだろうか?と思ってしまう。
「シノねー、生徒会長頑張ってるんだー。」
なんだか、アホの子のようにも思えてしまうのだが、普段の会長を知っている分だけ、
ドツボに嵌まってしまう。
何故にここまでノリノリで、恥ずかしげも無く、自らのキャラを崩せるのか?
そして、会長の演じている、この妹キャラの元ネタは?
甚だ疑問である。
「ね?シノ偉いでしょ?」
そんな疑問を一撃で吹き飛ばす会長の妹キャラ。
破壊力は抜群なのである。
「あ、あぁ…」
狼狽気味に、会長に返事をする。
「ね?撫でて?シノの頭。」
慣れない。
本当に慣れない、自らを下の名前で呼ぶ会長。
それでも、俺は会長の求めに応じて会長の頭を撫でる。
「………♪」
頭を撫でられてご機嫌そうに、会長は目を細める。
会長の綺麗な黒髪が、指の間を抜ける感覚が気持ちが良い。
そして、ゴロゴロスリスリと俺の胸元へ、甘えるように、顔を擦り付けてくる…
その感触と共に、撫でる黒髪から、良い匂いが抜ける。
今までの事もあってか、そんな今まで見たことも無い会長の姿に、俺はKOされてしまうのであった…

………………………………

「さて、どうしたものか?」
タカトシを囲むようにしながら陣取った一番上座でシノが呟く。
気を失ったタカトシをいかにすべきかで頭を抱える。
勝負の結果は明らかなような気もするのだが、
「なぁ、私はどうすれば良いのだろうか?」
シノとしては難儀な事。
何故ならば、
「妹キャラの演技じゃなぁ…」
軽く溜息をつく。
他のメンバーは各々の魅力でタカトシに追ったのに対し、シノだけは自らと乖離した自分。
何となく、納得がいかないのである。
「まぁまぁ、シノちゃん…」
そんなちょっと落ち込み気味な親友にアリアが声をかける。
「そうですよ、会長。私達がすべき事は一つですよ。」
コトミが言う。
何となくそれぞれに腑に落ちない部分を残したままのゲームの終了。
何となく灰色決着。
アリアはアリアで、向こうから離れられてしまったし、
スズはスズで、何となく気恥ずかしさが先に立ってしまった。
コトミはコトミで、シノはシノ。
成すべき事はあるわけで、
「「「これからは、お兄ちゃんって呼ばないと。」」」
「3人揃って、その結論なのにはびっくり!!」
3人の言を受けて、スズのツッコミが部屋には響いた。

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