「右」の諸君、米国が、戦前、日本、ひいては東アジアに対して犯した犯罪と戦後日本がその占領下にあることに憤れ。「左」の諸君、米帝国主義への憤りを忘れたのか、その米帝の植民地となっている現状に甘んじ続けるのか。日本独立に向けて決起を!〜作成中

  1. 沖縄のあり方について
  2. 普天間問題
  3. 宮里立士氏
    1. 沖縄について
    2. 選挙について
    3. メア発言について
  4. 関連コラム抜粋


沖縄のあり方について
コラム#3306参照。

普天間問題
 この際、普天間問題を考える場合に押さえておかなければならないことをまとめておこうか。

一、米軍駐留負担が大きすぎることで沖縄が苦しんでいるというのはウソだと考えるべき。
 というのは、米軍の駐留それ自体で沖縄にカネが落ちている(だからこそ、普天間等、米軍基地の周辺が人口密集地になった)上、沖縄は日本政府から夥しいカネをせしめているからだ。
 沖縄が本当に苦しんでいるのなら、(現状程度のカネが日本政府から流れ続けるよう担保した上での)沖縄独立論が唱えられるても不思議はないところ、ほとんどそんな声は出ていないよな。
 それは本当のところ、打ち出の小槌である米軍基地を失いたくないからだ。

二、つまり、苦しんでいるというイメージを沖縄が振りまいてきたのは、もっぱら、日本政府からカネをせしめるためさ。
 最大限カネをせしめるためには、「苦しみ」の種を増やせば増やすほど効果的だろ。
 だから、例えば、普天間の移設先について、沖縄は、円滑に事業が進展しないような場所、工法等に固執することになる。
 そうすれば、普天間でも移設予定先でもカネをずっとせしめられるからだ。
 別段、沖縄で誰かがウラでそういう絵を描いているってことではないだろうが、客観的に見れば、結果としてそうなっているということだ。

三、在沖米海兵隊は、海兵隊そのものの存在意義が薄れたのと、支那に近すぎるのと、日本や朝鮮半島や支那がらみの紛争シナリオではその出番がほとんどないため、廃止されても文句は言えないところを、日本政府から引き続き沖縄駐留経費をせしめつつ、日本政府に経費を分担させてグアムにその大半を移駐する案をひねり出すことで、存続がかろうじて図られたと考えるべき。

四、だとすれば、海兵隊としては、上記の二種類のカネさえ日本政府から確保できれば、何も困らないはずだ。

五、結局、普天間問題が解決することなくこのままの状況が続いたとしても、沖縄も海兵隊も困らないと見てよさそうだ。
 困るのは、ドブに捨てるようなカネを沖縄と海兵隊にせしめられ続ける日本政府と日本の納税者のみということになる。

六、私に言わせれば、普天間問題を解決するには、日本が集団的自衛権行使に踏み切り、米国から「独立」する決断を下し、海兵隊の沖縄撤退を米国に求めることしかありえない。
 その場合、沖縄には、これまで日本政府が流してきたカネが引き続き、ただし沖縄が自由に使えるカネとして、流れるようなスキームをつくることが望ましい。
(以上、http://blog.ohtan.net/archives/51970034.htmlより)

沖縄について

#3949(2010.4.15)

<宮里立士>

 <前回のオフ会で沖縄の話題が出た際、沖縄出身の>自分としては、沖縄の「独立」といった趣旨の話ではなく、沖縄の防衛は自衛隊が担うという前提で、「どうしたら沖縄から米軍を撤退できるか、」という議論に展開<して行けばよい>と・・・思<っていたのですが、議論は>意外な展開<になってしまいま>した。

 たしかに太田さんが言われるとおり、アイデアリズムで沖縄の「独立」を考えるのは、一種の思考実験としておもしろいのですが、私の知る「沖縄独立」論者(ごく少数ですが沖縄知識人の中に存在します)は、ただ気分に任せて情緒的にこれを振り廻しているようにしか見えません。
 日本からの「独立」というのなら、沖縄内部に本土から離脱してもよしとする、強固な団結力のような、「沖縄アイデンティティ」というのが前提となると思います。
 しかし、ご承知のように沖縄は島嶼県で、多くの島々からなり、島それぞれで生活様式や思考様式も異なります。
 たしかに、奄美諸島から沖縄全域に「対ヤマト意識(反ヤマトではありません)」のようなものはありますが、それがひとつの国家連合にまで昇華されるかどうか、はなはだ疑問を感じます・・・。
 外側から見える「沖縄アイデンティティ」のようなものは、沖縄本島中南部の人々の(一部の)発想を指しているようにしか見えません。
 もとよりこの地域で、沖縄県の人口の過半数(60パーセント強ぐらいだったと思います)を占めておりますので、その地域が外に対して沖縄を代表して見えるのは、ある意味で当然だと思います。
 が、「独立」となると、まさか沖縄本島のみ(周辺の島を含めても)ですると言う訳にもいかず、かつまた、沖縄本島中南部でも地域によってそれぞれ違いがあります。
 どうも「独立」論者は、こういうことをよく詰めて考えずに、「空想的」に主張しているようにしか見えません。
 また、「独立」となると、ふつうに考えれば、まず、国の安全保障と、国民生活を支える経済の確立というのが必要となってくるかと思うのですが、この2点については、いっそう想像の外において、「沖縄独立」を振り廻しているように見えます。
 結局、「沖縄独立」を唱える人々(本土の応援団的人々も含め)は、戦後の社会党の唱えた「非武装中立」と同じく、悪しき意味で自民党が進めた「現状維持」に加担しているのではないかと、思えてならないのです。
 それによって、現在の「沖縄利権」や「沖縄ブランド(の言論空間)」の値を吊り上げ、これを享受しようとしているようにしか、自分には感じられません。
 沖縄の「属国根性」というのは、情けないのですがたしかに若干ありますが、これは直接には、沖縄戦で米軍に占領され、復帰運動で日本復帰は果たしたものの、やっぱり米軍がそのまま居続け、日本政府から「日本の安全保障上やむをえないので、すみません。」といった、説明を復帰後でも40年も聞かされ続け、なんとなくそれを受け入れてしまった産物だと思います。
 それが過去の歴史に反映され、いろいろ複雑なことも思い出し、屈折してきたのだと思います(そのこと自体は自分にも半ばは解るので、沖縄で一種の思考実験として「独立」というのを考えるのも、それなりに有意義とは思いますが……)。・・・

<太田>

 沖縄本島、とりわけその中南部の特異性についてのご指摘は新鮮ですね。
 沖縄についてお書きになったものも送っていただけるようで、今後とも沖縄について、ご教示いただければ幸いです。



#3953(2010.4.17)

<太田>

 宮里立士さんから、撃論ムック『沖縄とアイヌの真実』(オークラ出版)に掲載された、ご本人による「「日本の古典」と「沖縄の古典」の重なる世界」という論考が送られてきたので、その一部をご紹介します。

<宮里立士>

 「・・・日本という国家の中で、<中華冊封体制に組み込まれ、かつその後島津氏の侵攻を受けて徳川幕府の間接的傘下に入り、戦後は27年間米国の統治下で本土と分断されていた、といった>「異質性」と特異な体験を経ながら、沖縄で「独立」が現実政治のプログラムとして浮上したことは・・・「反<本土>復帰<が>、復帰運動の最終段階に問題提起として、ごく少数の前衛的立場に立つものから提示されたものに過ぎなかった<ことを含め、>・・・一度も無いという事実こそが、自分などには極めて驚くべきものに見えてくる(確かにその気運が一定の程度で潜在してきたのは認めるが)。・・・
 本土から琉球に、かな文字が流入したのは、特定できないほど古い。現存する資料では15世紀末のものが最古である。・・・
 「和文学」とも称せられる日本本土の文藝が受容されたのもかなり古い。これも「古琉球」と呼ばれる薩摩島津氏の支配を受ける以前にさかのぼる。当時の沖縄の貴族・士族の儀礼や年中行事を伝える『琉球往来』には、その頃の連歌会の様子、「当世連歌ノ式目」「古今・万葉・伊勢物語・新古今集・千載集」が借覧され、蹴鞠が打ち興ぜられ、その伝授に京より公家衆・・・の下向もあったと記される。・・・
 古今・新古今の和歌集や伊勢物語、源氏物語といった、平安朝の文学は、その後の琉球に大きな影響を与え、今日近世琉球の「古典」とされる・・・文人の作品は、みなこれを養分として産み出されている。・・・
 文字を介した世界と違い、「話し言葉」。方言(沖縄ではこれを「うちなーぐち」と称する)と本土の「標準語(沖縄では同じく「やまとぐち」と云う)」との落差は大きい。・・・
 が、近代以前(あるいはそれ以後も長らく)沖縄内部の各地域共同体での、「話し言葉」の差異は歴然とあり、同じ沖縄の人間でも遠く離れた村落に住む人びとは会話が不可能なほど大きかった。現在、沖縄で流通している・・・「うちなーぐち」とは、明治以降、「標準語」の普及によって新たな対応を迫られた沖縄の諸方言、主に沖縄本島中南部の地域共同体の「話し言葉」が融合して形成された、謂わば近代に「創られた伝統」なのである。・・・
 <言葉に限らず、>われわれが現在、「沖縄的」だと感ずるものの多くは、近代以降に形成されたものではないか。・・・」

<太田>

 コラム#3949でおっしゃっていたことを補完する論考をありがとうございました。
 ただ、文化、言語、ひいては民族意識を共有していることと、一つの国家を形成するかどうかとは別問題です。
 ベルギーやスイスのように、それぞれ2つと4つの「民族」が一つの国家を形成しているケースもあれば、1つの民族が、ドイツ、オーストリア、スイスと3つの国に分かれているケースもあります。
 アラブ諸国だってたくさんありますよね。
 ドイツ民族やアラブ民族の場合、宮里さんがおっしゃる「「異質性」と特異な体験」・・これは「歴史の違い」と言い換えてもよさそうですが・・が、一つの国家を形成することを妨げているように思われます。
 従って、私としては、沖縄でも、独立志向が将来高まる可能性はゼロではない、と「期待を込めて」見ているわけです。

<宮里>

 太田さんのコメントの通り、世界的には言語や慣習を同じくしていても別国家というのは珍しくありませんね。
 しかし沖縄はなぜ前近代は一応、「外国」だったり、近代でも日本から「分断」されたりしたのに、「復帰」を望んだり、今でも日本国に「甘え」たり(自分にはそう見えます)しているのでしょうか?
 これをただの「属国根性」と言えば、割り切って解りやすいのですが、それこそ日本が「一国一文明」という世界的にユニークな存在であることと関係しているのではないでしょうか? 
 それが前近代には「半分日本」だった沖縄のその後の歩みにも影響を与えているのではないでしょうか?(つまり、日本国から「離脱」されるとなんだか疎外されているような気になる、とか)

<太田>

 今のところ、私は、「属国根性」が染みついているために、独立志向がほとんど見られないという、日本本土と似た状態に、沖縄がよりひどく陥ってしまっている、という見方を変える必要は感じません。
 なお、一国一文明は、支那もそうですし、イギリスの君主を元首としている諸国を一つの国と考えれば、アングロサクソンもそうであり、決してめずらしくはありませんよ。


選挙について

#4127(2010.7.13)

<太田>(ツイッターより)

 沖縄を巡る選挙結果をどう見るか、誰か意見聞かせてくれないかなあ。沖縄は普天間問題について意思表示をしたのかしないのか?

<宮里>

 --参議院選挙を巡る沖縄の「意思表示」について--

 太田述正様、今回の参議院選挙を巡る沖縄の結果に「普天間問題」への意思表示が現われているか? という問いかけをツィッターのつぶやきで見ました。

 端的に言って、私はまだそこまで明確な意思表示は出ていないと思います。
 民主党は沖縄選挙区から結局、候補者を立てられず、出馬したのはみな野党。
 当選した自民党の島尻安伊子氏も、野党の立場から鳩山民主党が稚拙な対応の挙げ句に元に戻した「県内移設」には反対と言うしかなかったでしょう。
 しかし、島尻氏に投票した人びとのどれだけが「県内移設絶対反対」と思っているか? 
 この半年あまりの政治状況から「とりあえず反対と言わんとなー」と思っている人が多数と推測します。
 これが社民党(山城氏)か、共産党(伊集氏)の押す候補者が当選していたら、もちろん「県内移設」は絶対反対です。
 とは言え、県議会で与野党ともに全員一致で「県内移設反対」の決議が出たので、当分これが表向きの沖縄の「主張」になると思います。
 そこを押さえて考えると、今年の8月(だったと思います)に名護市議選、11月に県知事選が控えていますので、今年の後半に「普天間問題」は大きなヤマバを迎えると思います。
 これへの対応を民主党政権が誤れば(菅政権は続いているか?)、「沖縄独立」まではいかなくとも、それに似た気運が生まれる可能性も無くはないと思います(菅首相も、沖縄は独立すればいいと思っているみたいだし……)。

<太田>

 どうもありがとうございました。
 比例で、沖縄の喜納昌吉前参議院議員が落選したこともイミシンですね。



#4405(2010.11.29)

<太田>(ツイッターより)

 <沖縄県知事選挙の結果を見ると、>中共・北朝鮮が頑張ってくれたことに藉口して、結局、沖縄の人々、日和っちゃったね。
 こうなったら、中共・北朝鮮による片肺飛行だけに期待せざるをえない。
 多分それだけで本土の人々を覚醒させるには十分だろ。

<太田>

 それにしても、沖縄の皆さん、ここまで日和るかねえ。↓
・・・仮に県外や国外への移設で合意できない場合、どのような対応が望ましいと思うかを<沖縄県で>聞いたところ、「名護市への移設実現に向けてさらに努力する」27%、「普天間飛行場が残ってもやむを得ない」10%で、「どちらとも言えない」が57%と大勢を占めた。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20101129-OY...



#4411(2010.12.2)

<宮里>

 --沖縄県知事選挙について--

 選挙結果に、何だか拍子抜けしてしまい、すぐに投稿する気が起らずに過ごしてしまいました。
 まぁー、尖閣事件から北朝鮮の攻撃騒動などが直前にあって、それがやはり選挙結果に影響したと思います。
 3万余りの票差というのは接戦とはいえなくとも大勝とも言えない数字です(逆にいえば一連の事件がなければやはりかなりの接戦だったはずです)。
 しかしそれでも、これだけの追い風で反対派が29万余りの票を取ったことに、現職の仲井真氏は無視できないでしょう。
 少なくとも菅政権が続く限りは辺野古移設は無理です(個人的には知事任期前半の2年は無理、というか、その態度の振りをするでしょう)。
 願わくはこのまま日本周辺の状況が流動化して「戦後」の既成観念が崩壊してくれることです(個人的には尖閣事件の余波を受け、今まで無防備だった「国境の島」与那国島への自衛隊の配備が決定されるなど、少しはマシに変りつつあると考えておりますが)。
 それからついでに、いかにアメリカが日中韓の紛争を自分に都合よく操作しているかも暴露されれば、なお良いのですが……。
 自分は民主党支持者ではありませんが、「隠蔽」だけが得意だった自民党から民主党に政権が変り、そのおかげで「現実」が、よりよく見えてきて、これが政権交代の効用かと思っています。
 民主党政権が自民党と違い、ちゃんとした「国防政策」を打ち出せれば良いのですが、これはナイモノねだりでしょうか?
 もうしばらくその「成長」を見守っていたいという気持ちも無きにしも非ずです。

 以下はオフレコでお願いいたします。・・・

<太田>

 これに引き続く部分、別件だったけれど、転載させていただきたかったですね。
 これからは、ハンドルネームでの投稿もお考え下さい。


メア発言について

#4601(2011.3.7)

<太田>

 航空基地は民間空港よりは危険だから、普天間が「特別に危険でない」というのは言い過ぎだが、その他は、まことにそのとおりだ。↓
 米国務省のメア日本部長(前駐沖縄総領事)・・・は「日本の和の文化とは常に合意を追い求める」と説明したうえで「日本人は合意文化をゆすり の手段に使う。合意を追い求めるふりをしながら、できるだけ多くの金を得ようとする」と述べた。
 沖縄については、日本政府に対する「ごまかしとゆすりの名人」「怠惰でゴーヤーも栽培できない」などと発言。普天間飛行場は「(住宅地に近い) 福岡空港や伊丹空港と同じ」で特別に危険でないとし、日本政府は仲井真弘多・沖縄県知事に「お金が欲しいならサインしろ」と言うべきだと述べてい る。・・・
http://mainichi.jp/select/world/europe/news/201103...



#4603(2011.3.8)

<δχχδ>

http://www.nhk.or.jp/news/html/20110308/t100145161...
 ↑↑沖縄の人たちは恥ずかしくないのかねえ

<ΨΨΔΔ>

 今朝の琉球新報に掲載されてる「メア氏講義メモ(日本語訳)全文」
http://miyagi.no-blog.jp/Nightmaretext.pdf
と原文
http://peacephilosophy.blogspot.com/2011/03/anger-...
だって。

<太田>

 ここにも記事出てるね。↓
http://www.asahi.com/politics/update/0308/TKY20110...

 沖縄に関して、この点で、米前那覇総領事/国務省日本部長、守屋元防衛事務次官、そしてボクがみーんな同じ考えだってことは、沖縄の人々の方が、その総体としてウソツキだってことさ。
 いずれにせよ、公式に問われたら、日米両国政府とも、遺憾の意を表明せざるを得ないわね。↓
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/20110308010002...

 時間ないんで、教えてくれた邦訳の方だけ読んだが、「安保の下での日米関係は不均衡で、日本にとっては有利だが、米国にとっては損失だ。米軍が攻撃された場合、日本は米国を守る義務はないが、米国は、日本の国民と財産を守らなければならない。
 集団的自衛権は、憲法問題ではなく、政策の問題だ。・・・
 沖縄の人たちはゴーヤーを栽培しているが、他県の栽培量の方が多い。沖縄の人は怠惰すぎて栽培できないからだ。沖縄は離婚率、出生率(特に非嫡出子)、度数の高い酒を飲む沖縄文化による飲酒運転率が最も高い。・・・<彼らの>3分の1・・が、軍隊がなければより平和になると信じている。そのような人たちと話をするのは不可能だ。」というくだりも、日本(本土)と沖縄の人々は噛み締めなくっちゃね。
 アメチャンは、沖縄の人々だって日本(本土)の人々だって、侮蔑してるのは同じだ。
 日本(本土)の人々を侮蔑してる理由は分かるよね。

 ついでながら、昨日私がメアを唯一批判したところの、普天間基地の危険性(数字がこの基地だけのものかどうかは必ずしも明らかではない)をガーディアンが書いてくれている。↓
 ・・・Futenma air base runs through the middle of his town. Since the islands reverted from US to Japanese rule in 1972, there have been 42 crashes of US aircraft, 37 cases of falling parts, 328 emergency landings, 17 landing failures. For Londoners, it would be like having F22s landing in Hyde Park.・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2011/mar/07/okinaw...



#4605(2011.3.9)

<ΨΔΔΨ>

≫アメチャンは、沖縄の人々だって日本(本土)の人々だって、侮蔑してるのは同じだ。≪(コラム#4603。太田)

 以前、「一般人(海外赴任したとしても)が、属国であることを蔑まれる機会なんて無いからちゃう? (コラム#3448)」と書いたんだけど、メア発言で裏取りできたのは、太田コラム的には良かったんじゃなかろうか。

≫いずれにせよ、公式に問われたら、日米両国政府とも、遺憾の意を表明せざるを得ないわね。≪(コラム#4603。太田)

 一般人が、このような米国務省官僚の生々しい本音を聞ける機会はほぼ無いってことだよね↓。
大田昌秀氏・元県知事
 失言ではなく本気でそう思っている。オフレコと自己弁護しているが、単に本音が出ただけだ。
 歴代の総領事は、少なくとも沖縄に敬意を持っていた。メア氏は沖縄の人の心や魂を金で買い取れると思っている。
http://www.okinawatimes.co.jp/article/2011-03-09_1...

<太田>

 メア日本部長は、国務省を辞めてから発言すべきだったし、少なくともオフレコであることを学生達に徹底すべきだった。↓
・・・ フランソワ・ド・カリエールはルイ14世に仕えた17世紀から18世紀のフランスの外交官である。その著書「外交談判法」(邦訳=岩波文庫)は、今日でも世界各国で外交に携わる者の必読書といわれる▲カリエールはだまし合いが珍しくなかった当時の欧州外交にあって外交使臣は「交渉において誠実であるべきで、ウソをつかぬことが大切だ」と訴えた。また同著は交渉者の専門職化の必要も主張した。つまり近代のプロの外交官による持続的な外交を提唱したのだ▲この本では外国使臣が赴任国の王や大臣の行状をけなして不信をかうのは「交渉家に許されぬ非常識」と述べられている。だが非常識に陥る者は何人もいて「必ず告げ口するに決まっている廷臣の前で任国の宮廷の利害に対して甲斐(かい)のない反感をあらわにする」のだ・・・▲カリエールは先の「非常識」な行いについて、自分の感情のために国の利益を損ない「自らの無能力や不忠実を証明するもの」と手厳しい。そして言う。「よい助言者がいる君主ならば、こういう過ちに陥る交渉家を召還するに違いない
http://mainichi.jp/select/opinion/yoroku/news/2011...



#4607(2011.3.10)

<宮里立士>

 --メア前沖縄総領事の「失言」に関連して--

 ・・・メア前沖縄総領事の「怠惰な沖縄の人はゴーヤーの栽培もできない」には苦笑いさせられましたが、「(沖縄の)3分の1の人が、軍隊がなければより平和になると信じている」という言葉には、沖縄にいる米軍関係者が沖縄側との対話に、だいぶ限界を感じていることを感じました。
 やはり、在沖米軍の大半は、その居心地の悪さに、かなりストレスを溜めているんだなぁー、と思いました(在日米軍全体がそうかもしれませんが)。
 彼らをつなぎ止めているのが、日本の「思いやり予算」ということになるのでしょうか?
 ところで最近、必要があって、沖縄の経済学者の来間泰男氏の論説を読みました。
 来間氏は基地反対論者ですが、沖縄知識人の大半が「米軍基地が無くなれば沖縄はすべて良くなる。経済も良くなる」という主張に、「経済に限っては、米軍基地があろうが無かろうがやっぱり良くならない。多数の島々からなる沖縄の島嶼経済は、はっきり言って経済発展に向かない、しかも歴史的にも沖縄にはその蓄積が無い。しかしだからといって、たとえば、現在の軍用地料の人為的な高値に代表される不労所得をあてにした生活は不健全。基地問題を経済と切り離してその撤廃を考えなければ、いつまでたっても米軍基地は無くならない」との主張には納得しました(私が読んだのは『エコノミスト』2010年8月3日号の同氏のエッセイ、来間単著『沖縄経済の幻想と現実』(日本経済評論社)、共著『沖縄「自立」への道を求めて』(高文研)、インターネット上では「癒しの島」から「冷やしの島」へ:沖縄「自立」への道を求めて 来間論文が来間氏の主張の一端を紹介しています)。
 日本の多数派が、国防こそが国家が一番に考えることで、経済は二の次という、日本以外の国では当たり前の認識を本気に持てば、すぐにでも駐留米軍の大半は日本国内からいなくなるのでしょう。
 が、戦後60余年の吉田ドクトリンのシガラミはなかなか抜けないようで…(ちなみに言えば、自分なども今の世の中で軍隊がなくなれば平和がやって来ると、本気で思っているひととは、対話はムリだなー、と考えていますが)。

 ところで先ほど本日のコラムを読みましたが、やはり植田さんは「病膏肓に入る」人のようですね(自分の周りにもタマに、当たり前の常識よりも勘違いした「高尚な知識」に幻惑されている人は見かけますが)。

<太田>

 メア、やっぱクビになった(引用なし)けど、お話の中に出てきた植田の患者と産経新聞とは、ちょっと似てるところがありますねえ。

 この産経の記事↓、メア発言で最も「当たっている」部分だけを批判してんだから・・。
 (ちなみに、沖縄の経済至上主義は日本(本土)の吉田ドクトリンの系に他なりません。)
 また、「自国の守りを他国に頼る日本」を維持し続けて来た自民党の提灯持ちに徹してきた自社の責任を棚に上げて民主党政権批判を行うという鉄面皮ぶりだもんね・・。↓
・・・<メア>氏の滞日歴は20年に及び、夫人は日本人だ。沖縄に赴任する前の福岡では博多の山笠祭りに魅せられ、締め込み姿で参加した。2009年までの3年間、沖縄総領事を務めた氏は一貫して親日家である。その人物が思いがけない非難を沖縄に浴びせた理由は何か。・・・
 メア発言は・・・「日本政府は沖縄県知事に「もしお金が欲しいならサインしろ」と言う必要がある。彼らは合意と言うが、合意を追い求めるふりをし、できるだけ多くの金を得ようとする。沖縄人は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ。」・・・<の部分を除き>大体当たっている。・・・
 氏は日本には憲法改正はできないと見る。自国の守りを他国に頼る日本への最も深い侮りはまさにこの部分だ。だからこそ、菅直人首相も民主党も、メア氏に抗議する前に、まず、日本の国防の無責任体制の是正に手をつけよ。
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110310/plc1...



#4652(2011.3.29)

<太田>

 宮里さん、伊東乾のコラム↓
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/2011...
 「普天間は飛行場ではあるけれど、軍事基地と民生の空港をごっちゃにして論じるスゲカエの方が、遥かに問題だと僕は思います」のくだり以外はみんなおかしいような気がするのですが、どう思われますか?
 (なお、英文が全部載ってないので断定は出来ないけど、メアは、「コンセンサス」に関しては本土人と沖縄人とを区別し、「タテマエ/ホンネ」に関しては本土人=沖縄人と見ているような感じですね。)



#4654(2011.3.30)

<宮里立士>

 --伊東氏のコラムに関して--

 伊東乾氏がどういう趣旨からメア「失言」問題を取り上げているか、いまひとつ判然とせず、また自分の英語力も稚拙なため、とりあえず同氏のコラムを一読した感想のみ述べます。
 アメリカの「沖縄専門家」が、沖縄侵攻以来、一貫して沖縄は、日本とは別の「民族」であると、理解することで沖縄統治や占領を合理化しようとしてきたのは事実だと思います。
 これは太田さんもよくご承知だと思いますが、アメリカは自己の世界戦略の必要から世界各地の地域研究(エリア・スタディ)を、政府が音頭を取ってその研究に力を注いできました。
 沖縄に対しても、戦前からそれを行っています(その昔を尋ねれば、ペリー来航時からです。
 かれは日本が開国に応じない場合、まず琉球を占領する準備をしていました)。
 復帰前の米軍統治時代、米軍は日琉離間政策と呼ばれる「琉球は日本と別なんだよ」という政策を推進して、逆に沖縄県民の「本土復帰熱」を喚起してしまいました(「OKINAWAN」と「JAPANESE」を別分けしていたということは、復帰前の米軍基地内で働いていた人から聞いたことがあります)。
 ただ、それをどれだけアメリカ人一般が理解しているかどうか……。
 メアの「失言」から自分などが感じた印象は、アメリカの「沖縄専門家」にウラで伝えられていた自分達に都合が良い「沖縄理解」が今でも「生きているんだなー」ということです(「沖縄のひとがゴーヤーも栽培できない」という言い方からも日本人とは違い、勤勉ではないというニュアンスが、含まれているのでしょう)。

 すみません。私も今回の地震で東北の惨状に驚き、福島原発事故の動向が気になり、メア「失言」問題に気持ちが遠のく思いが今はしております。
 しかし、たしかに日本の人間(じんかん)主義はすばらしいし、原発事故に見られる日本の官僚的硬直は酷いようですね。

<太田>

 沖縄が、明治維新以前と(本土「復帰」までの)戦後、本土とは異なった歴史を持っている
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%96%E7%B8%84%E7...
ことは厳然たる事実であり、そのことは、立場の相違を離れて、大前提として認めなければならない、というのが私の考えです。
 なお、(薩摩藩の琉球支配以降の)明治維新以前と戦後において、日本と外国(前者では支那、後者では米国)に重属していた(ウィキペディア上掲)という、まことにもってユニークな経験を有することもあり、タテマエとホンネの使い分けに沖縄の人々は本土の人々以上に長けている可能性があるのではないでしょうかね。



#4656(2011.3.31)

<宮里立士>

 --伊東氏のコラムに関して2--

 昨日はどうも論点がうまく整理できておらず、いささかズレた話になってしまったようです。
 昨日、投稿した後に伊東氏のコラムを読み直してみると、どうも伊東氏はケビン・メアは「OKINAWANS」は、日本政府に「ゆすり」「たかり」をしているのではなく、日本政府を「操作」(「操縦」)しようとしているのであって、自民党はそこを心得て、沖縄の人が求めている「ホンネ」部分を掴んでいた。
 これに対し、民主党はそれが解っておらず、困ったもんだ。
 安全保障の問題にまったく理解のない沖縄の一部の人を相手にしても埒が明かない、
 それをうまく処理する(というか、誤魔化す)技術を自民党は持っていたし、「OKINAWANS」のことをよく知っている自分たちアメリカの当事者も知っているのだ、と、ケビン・メアは「オフレコ」の積りでぶっちゃけた話、というかたちで、この「失言」問題の真相に迫ろうとしているのかと感じました。
 そこにはなぜ外国の軍隊が日本にいて、それが「カネ」の話にすり替わるのか、という根本の問題が抜け落ち、その前提の問題のみで議論を進めようとする姿勢を感じました・・・。
 現在のアメリカの政治エリートから見ると、沖縄の人間も、日本本土の人間も「国防」や「安全保障」の問題をまともに論ずる相手にはならないという点では同じなのではないでしょうか?

<太田>

 沖縄の唱えるタテマエをホンネだと誤解してひどい目に遭った民主党政権、そしていい面の顔の米国政府ってわけですが、メア、長期的視点に立ってもうちょっと民主党政権に温かい目を注いで欲しかったですね。

 ところで、メア、その後、急遽栄転の運びとなり、活躍してるらしいってことからすると、(かなり件の発言に誇張はあった点はいかがかと思うけど、)米国政府、メアを高く評価してるようですねえ。↓
・・・原発施設の崩落、爆発による放射線漏れは明らかに人災である。東京電力、経済産業省原子力安全・保安院、歴代の自民党政権、官邸、原発御用学者、大手メディアがこの人災のA級戦犯である。・・・
 解任されたはずのケビン・メアが、今回の大震災における米軍と日本政府の調整担当に任命されたのをご存じだろうか。「火事場ドロボー」のような節操のない米国のやりくちだった。反省ゼロ。それは、菅総理も一緒で、参議院の問責決議で「処分」されていた仙谷代表代行と馬淵国土交通大臣を震災対策で現場に呼び戻した。危機対策の一言で、最低限のルールである政治倫理すらも吹っ飛ばしてしまった。それが国家であり、政治の本性といえばそれまでだが、完全に民意を無視したやり口が許されていいのか。
 今回の東日本大震災で、米軍が被災地支援で政治的プロパガンダを行使し、一部で批判を浴びた。まさに「火事場ドロボー」みたいなものだ。その代表格は、普天間基地の海兵隊が支援物資を空輸したことをアピールするあまり、「普天間飛行場の死活的重要性が証明された」と強調したことだ。「沖縄に海兵隊はいらない」という沖縄県民の意思を完全に無視した、米軍の「宣戦布告」は沖縄県民の気持ちを逆なでした。この救援活動の背後には、「沖縄はごまかしとゆすりの名人」「沖縄人は怠惰でゴーヤーも栽培できない」と言い放ったケビン・メアが暗躍したことが容易に想像できる。・・・
http://news.livedoor.com/article/detail/5452604/


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