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これは、女同士で結婚OKで子供もできちゃう世界でのお話です。
年齢とか細かいことは気にしない方向でひとつ。

<萩原家の人々>
雪歩 …お父さん。七六五商事の課長兼永世お茶汲み名人。マイホームパパ。
春香 …お母さん。専業主婦。お父さんとは今でもラブラブ。
真 …長女。高2。青春真っ只中。
美希 …次女。中2。まだまだ子供。
やよい …三女。小4。しっかりさん。
千早 …四女。幼稚園年長さん。おうたがだいすき。
真美 …おばあちゃん。今回は旅行中のため不在。
亜美 …おじいちゃん。同じく旅行中のため不在。

  ※ ※ ※

日曜日朝の萩原家ダイニング。

「ドドドドド(階段を駆け下りる音)おっはよー!!
 あれ?父さん、日曜なのに早いね。どうしたの?」
「うぅ……今日はね、休日出勤なんだ……」
「へー大変だね」
「本当にご苦労様。晩ご飯は雪歩の好きな焼肉にするから、お仕事頑張ってね」
「うん、ありがとう。仕事は別にいいんだけどね。
 日曜なのに……日曜なのにちーちゃんと遊べないなんて!辛すぎるよぅ!
 もう一回ちーちゃんの寝顔見てくる!」
「あーもう、雪歩ってば」
「ちーちゃん、パパ頑張ってくるから。待っててね?絶対だよ?」
「zzz……」
「ほら、雪歩。そろそろ行かないと、電車に遅れちゃうよ?」
「うん、行ってくるね……」
「いってらっしゃい」

「父さんは本当にちーちゃん溺愛だなあ」
「でも真が小さい頃もあんなだったよ?」
「そうなの?あまり覚えないんだけど」
「そりゃーもう呆れるくらいラブラブのベタベタだったんだから。
 真が『ボク今日からお風呂一人で入るね』って言った日は、気絶してそのまま一昼夜うなされてたし」
「そんなことあったんだ」
「美希の時もやよいの時も同じだよ。
 美希が熱出した時は、徹夜でつきっきりで看病してくれたしね。
 やよいがおたふく風邪になった時は、願掛けするって治るまでお茶断ちして」
「あ、それはなんか覚えてるよ。父さん手が震えててちょっと怖かったから」
「そのくらい、お父さんにとってあんたたちは宝物なんだよ」
「母さんも、でしょ?未だに父さんと母さんラブラブだもんね(ニヤニヤ)」
「(カァァ)こ、こら、大人をからかうんじゃありません!
 そりゃ、今でも一日一回はチューしちゃうし可愛いよとか愛してるよって言ってくれるし、
 家庭大事にしてくれるいいパパだし、お仕事も頑張ってるし、
 ちょっとヘタレで気弱で泣き虫なのは昔からだけどそれもまた可愛いし、
 世界で一番素敵で最高な旦那さんに決まってるけど……」
「はいはい、ノロケ乙。ボク今日律子とデートだから、行ってくるね」
「それにそれに、すっごく優しくて、でも決める時はビシッと決めてカッコ良くて、
 プロポーズしてくれた時なんてそりゃあもうデヘヘヘヘ……。ってアレ?真?」

  ※ ※ ※

午前、リビング。

「美希、今日何か用事ある?」
「別にないよ」
「じゃあ、やよいとお留守番しててくれる?
 お母さん、ちーちゃんと子ども会のバザー行ってくるから。
 真は出かけたし、おじいちゃんとおばあちゃんは町内会の旅行で今日帰ってこないから」
「いーよ。お留守番ならミキにおまかせなの。お昼寝してればいいし」
「ちゃんとお留守番しててよ?まあ、やよいがいるから大丈夫だと思うけど……」
「むぅ。やよいの方が頼られてるとは心外なの」
「あんた『日頃の行い』って言葉知ってる?
 とにかく、お昼はおにぎり作ってあるから、それとお味噌汁あっためて食べて。
 やよい、大丈夫だと思うけど雨降りそうだったら洗濯物取り込んどいてね」
「はーい。わかりましたー」
「いってらっしゃいなのー」

「じゃあ、わたしは一階とお風呂のお掃除するから、美希ちゃんは二階を掃除機かけてね」
「えー。ママがいない時くらい好きなだけゴロゴロすればいいの」
「そんなこと言ったらメッです。おうちを綺麗にすればその分気持ち良く過ごせるんだよ」
「むー。やよいに言われてはやらざるを得ないの。しょうがないからさっさと終わらせるの」
「おねがいしまーす」

  ※ ※ ※

昼、リビング。

「おにぎりおにぎり〜。やよい〜お昼にするの〜」
「はい……」
「ん?どしたの?」
「なんか、気持ち悪いかも……」
「どれどれ?ん〜、顔、赤いね。あ、体も熱いかも。熱はかろっか」
「うぅ〜ごめんなさい……」
「別に謝ることないと思うな。はい、体温計」

ピピッ。ピピッ。

「見せて……これはまずいの!38度9分とか終わってるの!」
「うぅ〜ん」
「お薬とか病院はママが帰ってきてからの方がいいよね。
 とりあえず寝かせなきゃ。二階だとママが見る時不便だから……。
 おじいちゃんの部屋でいいよね。
 やよい、お布団敷いてあげるから、もうちょっと我慢してね」
「うぅ〜……はい……」

  ※ ※ ※

〜やよいの夢〜

うぅ……。ここはどこなんだろう?
なんか暑くて、でもゾクゾクして、ベタベタして、足元もフワフワで気持ち悪いです。

みんなどこいっちゃったのかな?暗くて見えない……。
お父さん、お母さん、お姉ちゃん、ちーちゃん。

あ、誰か、いる?影が見えるけど……。

あの、すいません。ここは、どこですか?

『なんだ、お前は』

グニャリ。

ひぃっ。に、逃げなきゃ。
あ、でも足が、足がもつれて、動けません!

ヒタヒタヒタ。ピチャピチャ。

こわい。こわいよ。助けて。
重いよ。苦しいよう。

ピカッ。

『悪者、やよいから離れろなの』
『なんだとーぐおー』

美希ちゃん?

『やよいをいじめるとはいい度胸なの。成敗してくれるの!てやーっ』
『うわーもうだめだーぐはー』

美希ちゃん、大丈夫?

『大丈夫だよ。ミキがついてるから、やよいは何も怖がらなくていいんだよ』

えへへ、美希ちゃん、ありがとう。美希ちゃん……。

  ※ ※ ※

「うぅ〜ん……」
「あ、起きた?」
「美希ちゃん……?」
「ちょっとうなされてたよ。怖い夢でも見たのかな?」
「美希ちゃん、大丈夫?」
「ミキ?ミキはなんともないよ?」
「よかったです〜ぐす、ぐす」
「??? よく分かんないけど、泣くことないの。
 汗かいてるから、体拭いてパジャマ着替えようね」

「ハイ、さっぱりしたね。あ、ポカリ飲む?」
「うん……(ゴクゴク)」
「じゃあもっかいお布団入って寝ようね」
「(ゴソゴソ)美希ちゃん?」
「なに?」
「また、ついててくれる?」
「うん、いいよ。ミキ、ちゃんとやよいの側にいるから、安心するの」
「うん……」
「そうだ、やよいの好きな歌、歌ってあげる。
 GO MY WAY〜♪ GO MY WAY〜♪ がんばってゆきましょ〜♪」
「美希ちゃん……ありがとう……zzz……」

  ※ ※ ※

「あ、もしもし美希?お母さんだけど。あとスーパー寄って帰るだけなんだけど、
 あんた明日のおにぎりはシャケで……って、え?やよいが?うん、うん……。
 それで今は?……そう。
 うん、いや、風邪だと思うからそれでいいよ。後はお母さんがするから。
 じゃあ、早めに帰るから、もうちょっと頼むね。はい、はい」

「まま、やよいおねえちゃんどうしたの?」
「あのねー、やよいお姉ちゃん、お熱があるんだって」
「おねえちゃん、びょうきなの?」
「ううん、ただの風邪だと思うから、大丈夫だよ。
 今は美希お姉ちゃんがついてるし、あったかくして寝てればすぐに治るよ」
「なおるんだ。よかった。でもしんぱいだから、はやくかえろう?」
「うん、そうだね。お熱ある時はうるさくしてると辛いから、帰ったら静かにしてようね」
「うん、わかった。しずかにする。きょうはおうたもだんすもしない」
「ありがとうね。ちーちゃんはいい子だな〜えらいえらい(ナデナデ)」

  ※ ※ ※

夜、リビング。

ダダダダダダッ。ガチャッ。バタンッ。

「やよいちゃんが熱を出したと聞いてすっ飛んで来ました!!」

注)雪歩パパは必ずカエルコールをするので、その時聞きました。

「あ、雪歩おかえり」
「ゼーハー、や、やよいちゃんは、げほ、ぶ、無事なの!? げほがほぐほっ」
「ちょ、もしかして駅から走ってきたの?」
「ぱぱ、やよいおねえちゃんはおねつがあるから、うるさくしたらめっなんだよ」
「はうぅ、ごめんなさいちーちゃんごめんなさい。そ、それで、やよいちゃんは?」
「もう、そんなに慌てないで。さっきおかゆ食べて薬飲んだから、今は寝てるよ。
 熱は下がってきてるし、もう症状は落ち着いてて、そんなに辛そうじゃなかった。
 明日は念のため学校休ませるけど、大丈夫だよ」
「そっかぁ。ふぅー。安心したよぅ」
「その袋は?何買ってきたの?」
「あ、(ガサゴソ)アイスとプリンとゼリーとヨーグルトと桃缶を」
「そ、そう……。えーと、明日好きなの食べさせてあげるね」
「うん。ちょっとやよいちゃん見てくる」

「雪歩ってば、こんなに買い込んじゃってお小遣い大丈夫なのかな?
 子どもたちが熱出すなんて何度もやってるのに、相変わらず心配性なんだから」
「『でもそんな雪歩がス・キ(はあと)』でしょ?ママ、顔に書いてあるの(ニヤニヤ)」
「(カァァ)お、大人をからかうんじゃありませんったら!」

  ※ ※ ※

雪歩と春香の寝室。

「やよいちゃん、大したことなくて本当に良かったよ」
「まあやよいは普段丈夫だから、たまに熱出すとちょっと焦るよね。
 でもね……ふふっ」
「どしたの?」
「今日ね、美希がずっとついててくれたんだって。だから辛くなかったって、やよいが言ってた」
「そう、美希ちゃんが……」
「あの子は昔からぐうたらだけど、やよいとかちーちゃんの面倒はよく見るよね。
 やっぱりお姉ちゃんなんだね」
「真ちゃんもそうだったけど、子どもだ子どもだと思ってると、
 いつの間にかしっかりしてくるんだよね。なんだか嬉しいような、寂しいような」
「ホントだねー。真だって、ついこの間まで『かあさーん』って泣いてたのに、
 もう高校生なんだもんね。あっという間に大人になっちゃうんだろうなあ」
「もっともっと世話焼かせてほしいけどね。
 でも、みんないい子に育ってくれて幸せだよ。ありがとう、春香ちゃん」
「ううん、雪歩がみんなを守って、大事にしてくれてるからだよ」
「ほんとに……ありがとう……はるか、ちゃん……」
「あ、寝ちゃった。今日もお仕事だったから、疲れてたのかな。
 ……私こそ、幸せをいっぱいくれて、ありがとうね。
 大好きだよ、雪歩。おやすみ。……ちゅっ」

おしまい。

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