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「織姫と彦星って可哀相だよね。年に一回しか会えないのに、
 七月七日って梅雨真っ直中の時期だから、天の川なんてちっとも見えなくって」
「ん〜……ああ、ほら、私たちには見えないけど、
 あの雨雲の上ではちゃんと二人とも会えてるんじゃないかなぁ?」
「そっか、そうだと良いな。頑張って頑張って我慢して、
 やっと会えるってなった日まで雨でおじゃんなんてミキなら絶対耐えられないもん」
「でも、あれは織姫と彦星も悪いんだよ? お互いが好きだからって、
 仕事を放ってまでイチャイチャしてるから天帝の怒りを買っちゃったわけなんだし」
「てんてい?」
「神様、で良かったのかな? 織姫のお父さんでもある人なんだけど、
 働き者だったから結婚を許した天帝はその怠慢っぷりに呆れて二人を引き離しちゃったの」
「へえ。知らなかった、そういうお話だったんだね。何かそれって今のミキたちっぽいかも」
「……リハーサル中はまだしも、本番中までよそ見するのはよくないよ、美希」
「春香も、ミキのことずーっと意識してたね?」
「だ、だって視線感じるから……もう! 次からはカメラに集中しなきゃだめだよ。
 また律子さんに怒られて、今度は本当に織姫と彦星にされちゃうかもしれないんだから」
「なるほど。神様も律子もミキと春香の仲を焼いてるんだ」
「……お願いだから、律子さんの前でそういうことは絶対に口にしないでね」
「大丈夫だよ。――春香、ミキのこと好き?」
「はぁ……好きじゃなかったらこんなにくどくど怒らないよぅ……」
「ほら、大丈夫。ミキね、たとえ、あの空の織姫と彦星みたいになっても、
 春香がミキのこと好きって想ってくれるなら、頑張って川を越えて会いに行くから。
 だから、安心して欲しいな」
「美希……」
「春香……」
「最初からきちんとお仕事に集中してくれれば良いだけの話なんだけどね?」
「あれ? キスのタイミングだと思ったのに何かミキ怒られてる?」
「まったくもう。二言目にはキスキスって……」
「だってもうずっとしてないんだよ。彦星だって一年もお預け食らったら浮気しちゃうよ。
 あ、ミキはしないけどね。イッパンロンとして。そういうのよくないと思うな」
「いや、ここに彦星は関係な……ちょ、だめ!
 律子さんが、ちゃんと反省してるかどうか後で様子見に来るって言ってたでしょ!」
「春香の方こそ、二言目にはだめだめって……ひどいよ。前に春香がミキのこと
 猫みたいって言ってたけど、猫は猫でもミキはライオンさんだから、
 もう春香の言うことなんて聞かないことにしちゃうよ?」
「言っている意味がわかんないよ……ほら、良い子だからジージャン返して?」
「春香の服、お菓子とミキの匂いがする〜」
「し、しないよ、ばか!」
「くんくん。ちゃんとマーキングが効いてるみたいで一安心なの」
「こら! 返しなさい!」
「そのスカートと交換なら良いよ」
「しません!」
「じゃあ、無理やり剥ぎ取っちゃおうっと」
「きゃっ……み、美希! いい加減にしないと怒るよ!」
「えへへ、そう言って春香が本気で怒ったところ、一度も見たことないよ。
 春香ってば、優しいから結局最後は許してくれるもんね。先月のときだって〜」
「私じゃなくて、律子さんが!」
「そう、律子が――律子?」
「…………」
「…………」
「…………」
「……や、ヤキモチで愛する二人の仲を割くのは良くないって思うな」
「言うに事欠いてそれか」
「ご、ごめん、ごめんなさいなの! いっぱい反省してるから許して!
 わ、わわっ、ははは春香! ミキ、会いに行くから! 絶対に会いに行くからね!」
「美希……」
「だから後でちゅーしようね!」
「反省が足りないようなのでたっぷり叱ってあげてください、律子さん」
「うわぁん!」
             っていうネタを温めてたんだけど、思いっきり晴れたね、今日。

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