魔導

精霊」というシステムに干渉する現象操作術の総称である

基本的に十三始祖を起源とする技術であるがそれ以外を起源とするものもある

精霊に対して力を貸してもらうのではなく強引に割り込んで現象を起こしている

(その剣が折れるまで スレ17 4301,4309,4313)

基本

  • 魔術とは世界を運営するシステム―《精霊》に対し干渉を行う事で、望む結果を引き出す現象操作術の総称。*1
    • 魔術は《始祖》によって大陸に齎され、その同友たる《花の魔術師》マーリンによって蔵書という形で《学院》に記録された。
    • 魔術は《始祖》に開発された時点で既に完成していたため、現在行われている魔術研究は「発展」というより「再発見」に近い。
  • 魔術は常に「等価交換」が原則。術式を起動させる為の魔力に、その術式を編み上げる時間、術式そのものの精密さとそれを制御する術者の力量、それらを対価にして、それに見合うだけの結果が100%出力される。*2
  • 原則として《古いモノには力が宿る/宿りやすい》という理論がある。
    古来より魔術師は自らが用いる触媒の為、深山に分け入って何百年という樹齢を
    持つ古木の枝を求めたし、時に遥か空の彼方から落ちてきた星の石を求めてきた。
    多くの年月を経た物質はそれだけで魔力を徹しやすくなるし、魔力を貯め込みやすくなる。*3
    • そしてこれと似た原則で、《人の手で長く使い込まれたモノにも力が宿りやすい》と言われる。
      「古い人形が勝手に動き出す」、「覗く人間を呪う鏡が存在する」、etc、etc。
      そういった怪談話じみた事例の多くは、この魔術的現象に由来する。
      例えただの人間であっても魔力というものは常に無意識でも帯びているものであり、それが
      長い年月をかけて物品に刷り込まれ続ける事で、そういった不可思議な現象を引き起こすのだ。*4
  • 昔は魔術の秘奥は一子相伝が常識だったが、カリオストロのおかげで多くの人間に広まるようになった。
  • 《学院》では《魔導師(スペルキャスター)》の「呪文(スペル)」、
    《魔具職人(エンチャンター)》の「呪付式(エンチャント)」、
    《錬金師(アルケミスト)》の「錬金術(アルケミー)」の三大部門に分かれている。

《魔導師》スペルキャスター

  • 一般的イメージとしては「呪文を唱える者」
    学院の多くが学ぶ学科。
  • 「呪文(スペル)」は精霊という世界の理に対し「呼びかける」事で干渉を行う。学派、様式によってその形は千差万別だが、「基本」は必ず共通してる。
    「呪文を唱える(スペルキャスト)」は基本ではあるが、必ずしも声に出して唱える必要はない。ただ「発声干渉」が一番やりやすくて失敗も少ない。
    • 「強力で複雑な呪文ほど発動させる為に必要な詠唱が長く複雑になるんで、ちゃんと詠唱して安定して発動できるのは間違いなく才能ある」
    • 無詠唱は「思念干渉」、つまり「頭の中で術式を描いて発動させる」一番難易度が高いヤツ。エイワス「君は頭の中で思い描いた絵(現実には存在しない)を、もう一度正確に頭の中で思い浮かべられますか?」
  • 「呪文」は術式構成―「この魔術がどんな結果を発生させるか」という設計図を、実際に世界に対して出力させる為のツール
    設計図は設計図のままじゃ何の力も持たない、設計図通りの事を「世界にやって貰う為」に「呪文」が必要になってくる。
  • 大きな世界に対し、自分の中で編んだ小さな世界を押し付けて、本来はあり得ないモノ――――即ち「魔」を導き出す。
  • 利点
    • 「大規模な術式を容易に取り扱える事」。「長くて複雑な構成式」を編めれば理論上は現象規模の制限は無い。
      構成式の記述と、それを干渉式として用いるのに必要な魔力さえ賄えるなら、大体なんでも出来るのが《魔導》
    • 「学派・様式が共通してる術師同士だったら複数人の儀式形式で個々人の実力以上の術式を取り扱える事」。
      「一人一人じゃ力量足らんくても、複数人が集まって頑張れば通常よりも高度で複雑な術式も発動可能」
      • 例:《重爆撃魔法式》 戦場でも使用可能な戦略術式として成立した事で「乾いた戦争」が始まった。
  • 欠点
    • 術式構成は設計図を100%の正確さが常に求められる。
      元の術式構成が仮に完璧だったとしても、それを出力する為の「呪文」をミスれば同じ事。
      例え1%未満の失敗でも、それは大きな狂いになって術者に対し跳ね返ってくる。
    • 魔術を成立させる為に、その場その場で「呪文」の行使が必要になる。
      事故の多くは「術式構成の欠陥」か「呪文をトチった」
    • 「だから優秀な《魔導師》ってのは7割(AAでは9割)が才能
      正確な術式構成を編めるか、それを正しく「呪文」として成立させられるか、
      術式を発動させた後、それによって生じる「世界のズレ」を
      正しく修正する事が出来るか。
      どれ一つミスっても致命的だし、ミスらなくても多かれ少なかれ術者は精神的・物理的な反動を受ける事になる。」

《魔具職人》エンチャンター

  • 「魔法のアイテム」を造る術者こと技師
    《魔具職人》の技術、そのものずばり《呪付式(エンチャント)》
  • 「魔法の剣」とか、そういうのを創造する技術者
    実際造る多くは、《魔導》を補助する為の術具、生活用品。
  • 利点
    • 「一度完成した魔具は誰でも扱える」。発動に魔力が必要な場合、それを満たす魔力量が使用者に求められたりする。
  • 欠点
    • 技術的難易度が高く《学院》でも《月枝》以上の《魔具職人》はかなり少ない。
      • そのためエルフなど寿命の長い種族の方が《学院》よりも《呪付式》の扱いに長けている。
      • 大陸創生時から生きる魔剣鍛冶師シースも《魔具職人》の一種だが、彼女の習作1本を解析しようとして、道半ばで終わる《魔具職人》も珍しくない。
        「白竜の武具」は《魔具職人》にとっては伝説であると同時に禁忌であり、「白竜に鱗を問うな、命を奪う禁忌となる」と言われるほど
    • 《呪付式》は刻んだ式そのものか魔具本体が破損したりしない限り、術式を永続化させる必要が有る。
      そのため術式構成の複雑さは《魔導》よりも更に上で、「火がなくても明かりが灯るランプ」など単為的な物でも難易度が高い。
      《魔導》全般に言えることだが、本来の世界のルールとは外れた違法行為を世界の修正力を避けて実現するのは極めて難しい。
      • 魔力と親和性の高い素材(高級品)を使ったりする事である程度はハードルを下げられる。

《錬金師》アルケミスト

  • カリオストロが創り出した分野
    この分野の最大の特徴は、術式構成を「呪文」ではなく「発動式」という形で【術者自身に刻み込む】事にある。
  • 《魔導》では「術の発動」は何らかの形で「呪文」を外部に向けて投射する事で行う、
    《錬金術(アルケミー)》はそれを術者の内側、術者の身体そのものを術を出力させる為の魔具に改造する。
  • 利点
    • 一度「発動式」として術者に刻んだ魔術は、適切な魔力さえ通せば必ずその通りに発動する。
      術式を刻む難易度も、最初の術式構成にさえ失敗がなければ「術者の内的世界」に刻み込むのは魔具の作成よりずっと低い。
      加えて、術式構成も定型文化(テンプレート)すればその最初のミスも取り除くことができる。
      適切な師の下で適切に教えを学べば、誰であっても一定の成果を得る事ができる。
    • カリオストロ「《錬金》卑金属をより価値の高い金に変えることを示す言葉だが、
      それは即ちただの人間が奇跡の一端に触れる領域に高める事に通じる。
      それがオレ様が描き出した《錬金術》の本質だ」。
  • 欠点
    • 「出来る事しか出来ない。」
      あくまで自分の内に修めた術式しか使えないし、それもその通りそのままにしか発動できない。
      《錬金術》は奇跡じゃなくて学門。
      自分を含めた世界という要素を「分解」し、その一つ一つに「理解」を深め、そして己の内でそれを「再構成」する。
      そうやって少しずつ、「出来る範囲」を広げていく。
    • 錬金術として記憶できる術式の容量も個人個人で限界があるので、複雑な術式を詰め過ぎると
      扱える範囲が狭くなる。だからより「無駄なく」簡略化した術式を編めるよう、「物事の理解を深める」事が大事になる。
      だから錬金術は奇跡ではなく学問。自分に出来ることしか出来ない。

作中に登場した魔術

《転移魔術》

  • 学院では召喚学の学科に分類され
  • 基礎の召喚術は物質転送(アポート)、別の位相に存在する「モノ」の影を物質世界に投射する事で一時的に使役する魔術等を主に学ぶ。高度になれば生体の空間転移(テレポート)も可能。
    • 本来は物理的に隣り合っていない「A地点」と「B地点」の座標を、魔術によって一時的に「同一」であると世界を誤認させ、これにより物理的な距離を「0」にしてしまうのが空間転移。
    • 現実に対する術的干渉度が極めて高く、物理的座標の正確な術式記述が必要である為、行使難度は「大魔術」、安定性を高める為に「儀式魔術」にも分類物理座標を入力しで術式が発動する、
      不明な位置に転移する事は不可能。
    • 座標計算ミスすると物体同士が転移の最中に"混ざって"しまったり、成功しても《酔い》など難易度は高い。*5

TS《美少女化》

  • 何らかの原因が男からアイドルのような美少女に転換した現象。
  • 大抵は邪悪マスコットに類する存在が合意なしで体を弄びモゲさせて《武勇・魔力》を強化させる現象。
  • 元に戻った例?そうねえ……*6
  • 体をいじくり過ぎて、エロイ身体に魂が引っ張られ《雌落ち(ゼパる)》しちゃう事も。
  • 一説では始祖が面白半分で造りだし、AM時代には原因不明で淫魔になる事も。(剪定)*7

《重魔法爆撃》

  • ネロ帝の時代に《学院》の魔導師が開発した《暗黒領域(モンスターの巣窟)》の開拓の為に用いられた大規模攻撃術式。
  • 暗黒領域を住処にしてる大量の魔物ごと吹き飛ばし、
    戦争なら「一撃で数千の兵を吹き飛ばせる術式」で国力に差が有っても覆せる魔法。*8
  • 元は英雄のみが使う魔法だったが魔力のコストが激しく術者が死んでしまう事と、最悪術式が暴発し周辺に途轍もない被害を出し、
    とても実用できる技術では無かった事であえなく禁術師弟された代物。
  • 学院はこの魔術を既に実用化と防御対策ばで引き上げていたが外部には漏らさしてはいなかった。
    理由としてはネロ帝が起こした戦争で悪用されるのを防ぐために、一端沈黙した後に密かに公表は或いは蔵送りする予定だったがらしい。*9
  • それを掘り返したのがタマモ帝。母ハクノ帝は実用化には至らなかったが、後に魔法帝と呼ばれる才覚を有したタマモ帝は戦略術式として汎用化し、
    アーサーが空戦魔導士の《概念》を持ち込むまで、長年に渡って戦術の主流となった。長らく戦争を泥沼化へ引き込んだ《乾いた戦争》の原因。*10

《魔女術》ウィッカ、ウィッチクラフト

  • 始祖のリオンが庇護を求めた人間達に知識の一部を施した魔術、後に《マテリアル王国》が生まれた。
  • 《魔女術》は「自然にあるモノ」の扱いに優れた魔術大系であり、また儀式的な魔術行使を得意としていた。
  • 《古龍》時代一人一人では大きな力を持たなかった人間達も、この《魔女術》によって大きな術を取り扱えるようになった為、ただ無力に飢えていくだけの運命を克服できた。
  • また自然操作は空戦魔導士」と相性がいい。*11

《ソウルの大剣》

攻撃呪文としては極めて初歩的かつ単純なもの。
魔力や魂魄(コトゴトク)の力によって巨大な刃を形作り、剣の如く敵を薙ぎ払う。
杖や剣の延長線として振るわれるため、術者にも相応の心得が必要となる。
しかしそもそも魔術師が剣を振るうような状況に陥る事自体稀なことから、
誰によって何のために考案された術なのかは、もはや歴史の彼方に消え果てている。*12
  • ――余談だが《薪の王》の剣も、聖王(もしくはソウルカリバー)の剣も、松明百本を束ねたよりも眩く輝いたという。
  • 長谷部の場合、少ない魔力で、効率よく威力を向上させる為に編んだ術式、刃の切先、その僅かな範囲にのみ魔力を収束させる《ソウルの刃》。
    自身の剣技も合わせれば、それが竜の鱗であろうと構わず切断できる。*13

《竜化(ドラコナイズ)》

かつて始祖達が求めたモノにして禁忌。所謂不死の秘法
この大陸に渡ってきた時点で始祖は理論上は朽ちる事のない肉体を実現していたが、実際にはどれほど試行錯誤しても肉体の劣化は免れなかった。
アインズは不死者になる事で問題を解決したが、そんな彼でも心身の劣化までは完全には防げなかった。
その中でドラグナール大陸に渡った始祖達は竜達の“不死の秘密―不滅の魂”から新たな術式を編み出した。
本来なら魂は肉体という器に守られていなければ存在できず、それでも時間の流れと共に少しずつ拡散してしまう。
始祖達の不死が完全でなかったのはそれが理由、どれだけ器の保全をしっかりしたとしても、中身が腐ってしまえばどうしようもない。*14
そこで始祖達は《竜化(ドラコナイズ)》とも呼ばれる「魂の永遠化」を施す秘儀を見出した。これにより「魂」は摂理に還る事無く、それのみで永遠を保つ事が出来る。*15
しかし「永遠に生きられる」ように出来ていなかった人間(始祖)の魂を不滅にしても、精神や自我は時間(数百年)と共に歪み出し、正気を失ってしまう。
更に不滅になった事で子孫を残す事が出来なくなった始祖はその大半が発狂し、アインズに討たれることになる。
逆に吸血鬼やエルフなど最初から長寿の種族では比較的保っている。(赤薔薇で1000年以上)
但しこれは正気で居られる時間が伸びただけかも知れない。

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