「久しぶりね、姉さん。」
「沙羅・・・!」
薄暗い地下闘技場に先に立っていたのは、菊恵に良く似た顔立ちをした女。
だが人を見下すようなその妖絶な笑みと目つきは、どこか生真面目な印象感じさせる菊恵とはまるで正反対な印象を与える。
サイドにウェーブがかかった、肩に届かない程度の長さの髪。
胸元を露出しセクシーさを強調させた黒を基調に赤い刺繍が施された中華風なコスチューム。
しかし菊恵にも決して劣らぬ、いやそれ以上にも見える隆々とした筋肉と体付きは明らかに闘う人間のそれそのものであった。
「私の夫はどこだ。」
「さあ?もしかしたら"もう"いないのかも?フフフ・・・。」
不安を煽る言動で挑発する沙羅。
「私に勝てれば教えてあげないこともないわよ。」
「元よりそのつもりだ…!」
戦いの火蓋は切って落とされる。柔道と同じ右利き右構えの菊恵に対して、軽く膝は曲げるもののほぼ直立のままの沙羅。
「どうせ姉さん、先に見えるんでしょ?」
菊恵の視力は生まれつき、常人の3〜5倍程度発達していると言われる。静止視力だけに留まらず動体視力にも長けることは格闘における大きな優位性だ。
他の人間から見ると、まるで菊恵は一寸先の未来を見通したような的確なカウンターを仕掛けているように見える。
打撃で相手の対応を引き出し、掴み、有利な体勢で寝技へと引きずり込む。
歴代最強とも言われる菊恵のシステムは目の力と本人の地力の噛み合いもあり、あまりにも高い完成度を誇っていた。
じっくりと沙羅が距離を詰める。一見無防備にも見えるその姿に得体の知れない圧力を纏っていた。
弾けたように、沙羅が動き出す。
(!・・・右のオーバーハン―――)
菊恵の反応は完璧だった。パンチの勢いを殺し、掴み取る体勢に即座に入る。
これほど大振りな一撃ならもはや引っ込みも付くまい。捕った。菊恵は確信した。
単に乾いた音、と表現するにはあまりにも重く。
ゴツン、という表現で終わらせるにはあまりにも甲高く。
人体同士によるものであることさえ疑わしい衝突音が会場内に響き渡った。
誰もが目を疑う光景だった。完璧にガードした菊枝が横薙ぎに吹き飛ばされ、意識を朦朧とさせているのだ。
「あら?随分軽いじゃない姉さん。それとも歳?」
「・・・っ・・・ぅぁ・・・・・」
元々男性並みの筋肉量を持つ沙羅、更に薬物による肉体強化が加わったこの娘の怪力は恐ろしい領域へと到達していた。
視界も定まらぬ中、菊恵は何とか再び立ちあがる。
「ああ良かった。さすがに丈夫ねえ。」
ゆっくりと菊恵に組み付く沙羅。元々立ち組は菊恵の土俵、このような形で付き合う必要は本来存在しない。これは沙羅による挑発である。
「舐め…るなっ!」
憤りを力に変え、さすがの技の冴えで沙羅に仕掛ける菊恵。だがその腰の重さもまた、想像以上だった。まるで巨岩を相手に稽古するかのような不毛さ。
逆に沙羅が菊恵の腕を掴み返し、力任せに握りしめ捻り上げ、沙羅は邪悪な笑みを浮かべる。血流は止まり、腕の先が変色する。
骨まで握り潰されそうな握力に菊恵が悲鳴を上げる。
「・・・・・・ぁっ・・・・・・・ぐあああああっ!!」
腕を持ち替えると投げっぱなしの一本背負いで菊恵をマットに叩き付ける。
体に染みついた動きが本能的に受け身を引き出すも、ダメージを殺し切れず菊恵は咳き込む。
「ゴホッ!ケホッ・・・!」
「せっかく付き合ってあげたのに、この程度なの?退屈だわ。今度は楓ちゃんを連れてこようかしら。」
「・・・・・!」
何か憑き物でも憑いたかのように体が突き動かされ、菊恵は再び立ち上がる。
「クスッ。あの子のことが本当に大事なのねえ。かわいいわ姉さん。」
前蹴りに押され金網を背負う菊恵。悪夢の時間が始まった。
菊恵にラッシュをかける沙羅、その打撃の加減ぶりは明らかに甚振り続けるのが目的だ。
だが菊恵からすれば暴風雨も同然、ただ両腕ガードを固め防戦一方な展開を強いられる。
沙羅の打撃がガードごしに菊恵を叩き潰す、ヒットするたびに菊恵の上半身が右へ左へ、振り子のように大きく揺れる。
時折り隙間を縫った拳が骨に当たる鈍い音を立て、菊恵の顔面を腫らせていく。
再び意識が朦朧とし始める菊恵の意識を再び覚醒させたのは腹部の鈍痛。
「うっ・・・・・・!」
首相撲からの膝。沙羅の引き込みに抵抗する力などもはや菊恵には無い。いや、あったとしても無駄であっただろうか。
続けて2発、3発、威力を強めて傀儡人形を弄ぶ。
「っぅ・・・・・・・!げえええええええええっ!!!!!!!」
半固形物が落ちる音。腹部を抱えもがき苦しむ菊恵を見下し高らかに笑う沙羅。
沙羅が無防備な菊恵のバックマウント取ると足までロックをかけ、首元に腕を回す。チョークスリーパーの姿勢だ。
しかし絞めているのは頸動脈ではない。気道だ。
「・・・・ぅえっ・・・・・・・・かっ・・・・・ぁ・・・・」
呼吸困難に苦しむ菊恵。更に片腕で首を確保した状態で体を回し横たわるような姿勢へと変わると…沙羅は空いたもう片腕で垂直に菊枝の顔面を殴りつけ始めた。
もはや自力ではどうにもならぬ体勢。沙羅に命の手綱を握られた菊恵は…初めて戦いで恐怖を覚えた。
脳は揺れ、酸欠にもがき、臓物が全て引っ繰り返ったような苦痛…三重苦に耐えかね絶望した菊恵は意識を手放した。
「は〜いおねんねにはまだ早いわよ姉さん。」
往復ビンタによる鋭い痛みが顔面に走り菊恵は無理矢理覚醒する。
「こういう場で敗けた女って…どうなるかぐらいわかるでしょ?お約束よねえ。」
襦袢の掛け襟の部分に手を入れられ一気に広げられる。
これも阿武の遺伝子と鍛錬の賜物か…四十手前とは思えぬほど美しく若々しい、そして力強く引き締まった菊恵の上半身が露わになり、衆目に晒される。
更に沙羅は袴の前部分、丁度股間部から下にあたる部分を強引に引き裂く。
菊恵の武道を支えてきた、力強い脚が、隙間から覗かせる。
「阿武の女ってすっごい感じやすいのよねえ。どうやら神様は"健全な"女がお好きなようで。」
沙羅は菊枝の秘部に指を入れると波のように指をバラバラに動かし蠢かせる。
「・・・・・・ぅぁあ・・・・・っ!・・・・いっ・・・・・!」
「ほらもう音が湿ってる。んっ・・・!」
沙羅は菊恵の唇を奪い、責めはより苛烈になっていく。
「・・・・・・んんんんっ!!!!・・・・・・・むぅっ!!!!!」
湿った音と嬌声が地下に響き渡る。沙羅はカメラに向かって母の醜態を見せ付けるかのように挑発する。
いよいよ頂点を迎えた菊恵の体がびくんと跳ね仰け反る。
「あああああああああああああっ!!!、っあ、っあ、っあ、っあ・・・・・・・・・・」
「最高よ姉さん。まだゾクゾクしてる…。きっと楓ちゃんもビデオレターを喜んでくれるわ。」
「沙羅・・・!」
薄暗い地下闘技場に先に立っていたのは、菊恵に良く似た顔立ちをした女。
だが人を見下すようなその妖絶な笑みと目つきは、どこか生真面目な印象感じさせる菊恵とはまるで正反対な印象を与える。
サイドにウェーブがかかった、肩に届かない程度の長さの髪。
胸元を露出しセクシーさを強調させた黒を基調に赤い刺繍が施された中華風なコスチューム。
しかし菊恵にも決して劣らぬ、いやそれ以上にも見える隆々とした筋肉と体付きは明らかに闘う人間のそれそのものであった。
「私の夫はどこだ。」
「さあ?もしかしたら"もう"いないのかも?フフフ・・・。」
不安を煽る言動で挑発する沙羅。
「私に勝てれば教えてあげないこともないわよ。」
「元よりそのつもりだ…!」
戦いの火蓋は切って落とされる。柔道と同じ右利き右構えの菊恵に対して、軽く膝は曲げるもののほぼ直立のままの沙羅。
「どうせ姉さん、先に見えるんでしょ?」
菊恵の視力は生まれつき、常人の3〜5倍程度発達していると言われる。静止視力だけに留まらず動体視力にも長けることは格闘における大きな優位性だ。
他の人間から見ると、まるで菊恵は一寸先の未来を見通したような的確なカウンターを仕掛けているように見える。
打撃で相手の対応を引き出し、掴み、有利な体勢で寝技へと引きずり込む。
歴代最強とも言われる菊恵のシステムは目の力と本人の地力の噛み合いもあり、あまりにも高い完成度を誇っていた。
じっくりと沙羅が距離を詰める。一見無防備にも見えるその姿に得体の知れない圧力を纏っていた。
弾けたように、沙羅が動き出す。
(!・・・右のオーバーハン―――)
菊恵の反応は完璧だった。パンチの勢いを殺し、掴み取る体勢に即座に入る。
これほど大振りな一撃ならもはや引っ込みも付くまい。捕った。菊恵は確信した。
単に乾いた音、と表現するにはあまりにも重く。
ゴツン、という表現で終わらせるにはあまりにも甲高く。
人体同士によるものであることさえ疑わしい衝突音が会場内に響き渡った。
誰もが目を疑う光景だった。完璧にガードした菊枝が横薙ぎに吹き飛ばされ、意識を朦朧とさせているのだ。
「あら?随分軽いじゃない姉さん。それとも歳?」
「・・・っ・・・ぅぁ・・・・・」
元々男性並みの筋肉量を持つ沙羅、更に薬物による肉体強化が加わったこの娘の怪力は恐ろしい領域へと到達していた。
視界も定まらぬ中、菊恵は何とか再び立ちあがる。
「ああ良かった。さすがに丈夫ねえ。」
ゆっくりと菊恵に組み付く沙羅。元々立ち組は菊恵の土俵、このような形で付き合う必要は本来存在しない。これは沙羅による挑発である。
「舐め…るなっ!」
憤りを力に変え、さすがの技の冴えで沙羅に仕掛ける菊恵。だがその腰の重さもまた、想像以上だった。まるで巨岩を相手に稽古するかのような不毛さ。
逆に沙羅が菊恵の腕を掴み返し、力任せに握りしめ捻り上げ、沙羅は邪悪な笑みを浮かべる。血流は止まり、腕の先が変色する。
骨まで握り潰されそうな握力に菊恵が悲鳴を上げる。
「・・・・・・ぁっ・・・・・・・ぐあああああっ!!」
腕を持ち替えると投げっぱなしの一本背負いで菊恵をマットに叩き付ける。
体に染みついた動きが本能的に受け身を引き出すも、ダメージを殺し切れず菊恵は咳き込む。
「ゴホッ!ケホッ・・・!」
「せっかく付き合ってあげたのに、この程度なの?退屈だわ。今度は楓ちゃんを連れてこようかしら。」
「・・・・・!」
何か憑き物でも憑いたかのように体が突き動かされ、菊恵は再び立ち上がる。
「クスッ。あの子のことが本当に大事なのねえ。かわいいわ姉さん。」
前蹴りに押され金網を背負う菊恵。悪夢の時間が始まった。
菊恵にラッシュをかける沙羅、その打撃の加減ぶりは明らかに甚振り続けるのが目的だ。
だが菊恵からすれば暴風雨も同然、ただ両腕ガードを固め防戦一方な展開を強いられる。
沙羅の打撃がガードごしに菊恵を叩き潰す、ヒットするたびに菊恵の上半身が右へ左へ、振り子のように大きく揺れる。
時折り隙間を縫った拳が骨に当たる鈍い音を立て、菊恵の顔面を腫らせていく。
再び意識が朦朧とし始める菊恵の意識を再び覚醒させたのは腹部の鈍痛。
「うっ・・・・・・!」
首相撲からの膝。沙羅の引き込みに抵抗する力などもはや菊恵には無い。いや、あったとしても無駄であっただろうか。
続けて2発、3発、威力を強めて傀儡人形を弄ぶ。
「っぅ・・・・・・・!げえええええええええっ!!!!!!!」
半固形物が落ちる音。腹部を抱えもがき苦しむ菊恵を見下し高らかに笑う沙羅。
沙羅が無防備な菊恵のバックマウント取ると足までロックをかけ、首元に腕を回す。チョークスリーパーの姿勢だ。
しかし絞めているのは頸動脈ではない。気道だ。
「・・・・ぅえっ・・・・・・・・かっ・・・・・ぁ・・・・」
呼吸困難に苦しむ菊恵。更に片腕で首を確保した状態で体を回し横たわるような姿勢へと変わると…沙羅は空いたもう片腕で垂直に菊枝の顔面を殴りつけ始めた。
もはや自力ではどうにもならぬ体勢。沙羅に命の手綱を握られた菊恵は…初めて戦いで恐怖を覚えた。
脳は揺れ、酸欠にもがき、臓物が全て引っ繰り返ったような苦痛…三重苦に耐えかね絶望した菊恵は意識を手放した。
「は〜いおねんねにはまだ早いわよ姉さん。」
往復ビンタによる鋭い痛みが顔面に走り菊恵は無理矢理覚醒する。
「こういう場で敗けた女って…どうなるかぐらいわかるでしょ?お約束よねえ。」
襦袢の掛け襟の部分に手を入れられ一気に広げられる。
これも阿武の遺伝子と鍛錬の賜物か…四十手前とは思えぬほど美しく若々しい、そして力強く引き締まった菊恵の上半身が露わになり、衆目に晒される。
更に沙羅は袴の前部分、丁度股間部から下にあたる部分を強引に引き裂く。
菊恵の武道を支えてきた、力強い脚が、隙間から覗かせる。
「阿武の女ってすっごい感じやすいのよねえ。どうやら神様は"健全な"女がお好きなようで。」
沙羅は菊枝の秘部に指を入れると波のように指をバラバラに動かし蠢かせる。
「・・・・・・ぅぁあ・・・・・っ!・・・・いっ・・・・・!」
「ほらもう音が湿ってる。んっ・・・!」
沙羅は菊恵の唇を奪い、責めはより苛烈になっていく。
「・・・・・・んんんんっ!!!!・・・・・・・むぅっ!!!!!」
湿った音と嬌声が地下に響き渡る。沙羅はカメラに向かって母の醜態を見せ付けるかのように挑発する。
いよいよ頂点を迎えた菊恵の体がびくんと跳ね仰け反る。
「あああああああああああああっ!!!、っあ、っあ、っあ、っあ・・・・・・・・・・」
「最高よ姉さん。まだゾクゾクしてる…。きっと楓ちゃんもビデオレターを喜んでくれるわ。」
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