市・問題の経過
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archives_osk 2012年06月13日(水) 23:58:55履歴
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０．前提
１．運営委員会で体制見直しを表明(2010/1/25)
２．要望書の提出(2010/3)
第43回市公文書館運営委員会（2010年9月24日）
第44回公文書館運営委員会（2011年2月9日開催）
1 大阪市公文書管理条例の一部を改正する条例案
なお、管理条例改正後に公文書管理委員会が新設されるため、2月28日付で公文書館運営委員会は廃止されることになりました（運営委員会設置要綱の廃止を了解）。
議論されなかった点
4．公文書管理条例の改正
公文書管理委員会設置
改正・公文書管理条例の論点（仮・ご意見募集中）＝第2回運営委員会前に記入したものです。
2011年3月30日 第2回公文書管理委員会
�∂薫羂儖� 館の体制強化に関連して。
学術会議の調査として各地の公文書館を視察したが、感銘を受けた事例として、館が新人職員研修などにも関わっている沖縄県を挙げる。館内外で「公文書館の応援団」をつくることが必要。
質問書・要望書の提出
2011年12月22日 第3回大阪市公文書管理委員会
2012年1月24日 第4回大阪市公文書管理委員会
2012年1月31日
5．運営上の課題
『大阪市公文書館研究紀要』21号(2009)
『アーカイブズ』39号(2010/3)
０．前提 
- 2006/3 大阪市公文書管理条例を制定
- 2008/4 ガラス張りの市政を目指して「情報公開室」（局に相当）を新設←公文書館から現用文書の情報公開機能と行政刊行物の供覧を行う「行政資料センター」が分離される＝市公文書館はアーカイブズとして機構的に自立
- 2008/4 大阪市総務局（公文書館を主管）、平成20年度経営方針で職員数40名以上削減を表明
- 2009/2 大阪市による事業仕分けで公文書館運営事業が議論され、「市実施（民間活用拡大）」という判定を受ける
- 2009/4 事務部門職員の削減
１．運営委員会で体制見直しを表明(2010/1/25)
- 「事業仕分け」の結果を踏まえ、2010年度以降、館内から正職員を引きあげ、再任用職員・非常勤嘱託のみの運営体制に移行することが表明されました。当日の議事録はこちら（大阪市公文書館）をご覧下さい。
主な内容
２．要望書の提出(2010/3)
第43回市公文書館運営委員会（2010年9月24日）
- 本委員会で市は公文書管理法の制定を受けて市公文書管理条例の改正を行う方針を示しました。議事録はこちら（運営委員会HP）で公開されています。この議論に関係する部分の配布資料は下記PDFをご覧下さい。ただ、2010年9月時点では、条例改正時に検討すべき論点が挙げられ、公文書の利用請求権を認めるか否かなどが議論されました。
改正上の論点・主なやりとり
第44回公文書館運営委員会（2011年2月9日開催）
- 利用請求権を認め、公文書管理委員会を新設することなどを骨子とする公文書管理条例の改正、関連して公文書館条例の改正について審議されました。2月議会での改正を踏まえ、3月中に選別・公開基準などが定められることになりそうです。
主なやりとり
1 大阪市公文書管理条例の一部を改正する条例案
(1) 目的の追加…本市及本市が設立した地方独立行政法人等の諸活動を現在及び将来の市民に説明する責務が全うされるようにすること
(2) 用語の定義の追加 歴史公文書等 歴史資料として重要な公文書その他の文書 特定歴史公文書等�）椹圓竜ヾ愿�から引き継がれた歴史公文書等であって、保存期間の満了後、公文書館に保存されているもの��第三者から、歴史公文書等として公文書館に寄贈文は寄託されたもの
(3) 特定歴史公文書等の利用請求権の新設…特定歴史公文書等の利用を市民の権利として明確に位置づける(←これまで、公文書館収蔵文書の利用は行政サービス) ・利用制限情報の範囲は情報公開制度の非公開情報の範囲よりも限定する ・利用制限情報に該当するか否かを判断するにあたり、「時の経過」を考慮する利用請求対する処分等に不服がある者は行政不服審査法に基づく異議申立てができることとする ・市長は異議申立てがあった場合、公文書管理委員会へ諮問する義務を規定する
- 【総務局】「時の経過」…国立公文書館の基準を参考に、市としての基準をつくる。
- 【澤井委員】…2点目「情報公開制度の非公開情報範囲よりも限定する」とあることの具体的な内容は？
- →【担当係長】情報公開制度よりも公開範囲をひろくすることを条例で規定する。個人情報・法人情報はそれぞれの保護制度にならうが、「時の経過」をふまえた基準で対応する。具体的な解釈基準の制定・改正は公文書管理委員会に諮ることになる。
- 【林委員】…30年を経過した文書は原則公開とすべき。
- 【小林委員】…閲覧制限理由の「時の経過」とは法に準じたものか、また制限理由にこれ以外の要素は加味されるか？
- →【副館長】「時の経過」は法に盛り込まれたもの、学歴・職歴・門地・疾患などが国立公文書館で公開までの年限が定められている。2点目については、例えば、ある事案のうち一部は現用・一部は非現用で公文書館に移管されているなどの場合、公開のやり方について整合性をどうとるかなど検討すべきこともあると考えている。
- →【担当係長】現在、国立公文書館の利用規則がパブリックコメント中で、このなかに公開のための審査基準も含まれている。当初は準じた取扱となるか。これは公文書管理委員会で審議してもらうことになる。
- 【澤井委員】…2点目「情報公開制度の非公開情報範囲よりも限定する」とあることの具体的な内容は？
(4) 歴史資料として重要な公文書の決定及び当該決定にかかる基準を制定文は改廃する場合の公文書管理委員会への諮問の条例化…歴史公文書等の選別の基準や手続きの根拠を明確にする
- 【総務局】選別基準がわかりにくい、期間との関連性が明確でない→国立公文書館にならって具体例を示すような基準をつくる
(5) 本市が設立した地方独立行政法人等の保有する歴史公文書等の市長への引継ぎ…本市が設立した地方独立行政法人や公社は、保有する公文書について、歴史公文書等に該当するかどうかを決定し、該当するものについては市長に引き継がなければならないことを規定し、利用請求権の対象とする(これまでは公文書館に引継ぎをせず)
(6) 大阪市公文書管理委員会の新設…（所掌事務）・歴史公文書等の決定に関する基準の調査審議・特定歴史公文書等の利用舗求に対する処分等に係る異議申立ての調査審議・特定歴史公文書等の廃棄に関する調査審議・公文書の管理に関する重要事項の調査審議（組織等）・委員は7人以内。学識経験者等の中から市長が委嘱.・任期は2年。再任可。・委員3人以上で構成する部会に、特定歴史公文書等の利用請求に対する処分等に係る異議申立てについて調査審議させる
(7) 保存期間の有期化(永年区分の廃止)…・特定歴史公文書等への利用制限基準は保存期間が満了していることを前提としていることから、保存期間を有期化する・同時に、歴史資料として重要な公文書は、保存期間の満了後も公文書館に永久に保存しなければならないことを規定する
- 【総務局】移管文書は現用期間が満了したものという考え方から、「永年」文書を廃止し、各部局での保存期間を最長「60年」に短縮し、現在現用文書中のうち「永年」保存文書は「60年」に改めた上で選別にかける
(8) 施行日平成23年4月1日 ただし、公文書管理委員会に関する規定については、平成23年3月1日
なお、管理条例改正後に公文書管理委員会が新設されるため、2月28日付で公文書館運営委員会は廃止されることになりました（運営委員会設置要綱の廃止を了解）。
議論されなかった点
- 歴史学会との交渉のあらましと今後の方針
- 職員数削減による影響の程度
- ワールドトレードセンターなどからの庁舎引っ越し問題に関する対応状況など
- 2010年12月に締め切られた「事業仕分け」対象事業に関する意見募集の結果について（new!）
4．公文書管理条例の改正
公文書管理委員会設置
- 2011年3月1日、公文書管理条例のうち公文書管理委員会に関する部分が施行され、以下の7名の方が委員が任命されました。
| 氏 名 | 職業名 | 位置づけ | 関連委員など |
| 小林邦子 | 弁護士 | 学識経験者（弁護士） | 公文書館運営委員 (43回-) |
| 澤井 実 | 大阪大学大学院 経済学研究科教授 | 学識経験者 （日本経済史、経営史） | 公文書館運営委員 (43回-) |
| 塩見 昇 | 大阪教育大学名誉教授 | 学識経験者（図書館学） | 公文書館運営委員 （会長、36回-） |
| 土谷 喜輝 | 弁護士 | 学識経験者（弁護士） | |
| 野呂 充 | 大阪大学大学院 高等司法研究科教授 | 学識経験者（行政法） | 市情報公開審査会 （平成20・21年） |
| 林 真貴子 | 近畿大学法学部准教授 | 学識経験者（日本法制史） | 公文書館運営委員 (39回-) 府公文書館運営懇談会 (第8期) |
| 吉川萬里子 （著作・GeNii） | 守口市消費生活センター | 学識経験者 （消費生活専門相談員） | 公文書館運営委員 (39-42回) 内閣府消費者委員会 個人情報保護専門調査会 |
- 2011年3月8日 17:00から大阪市公文書館で第1回公文書管理委員会が開催されました。詳しくはこちら（大阪市）をご覧ください。
- 議題
- 委員長の互選、委員長代理の指名
- 大阪市公文書管理条例第7条第1項に規定する議長が定める基準案及び市長が定める基準案について
- 大阪市公文書管理条例に基づく利用請求に対する処分に係る審査基準案について
- 議題
改正・公文書管理条例の論点（仮・ご意見募集中）＝第2回運営委員会前に記入したものです。
2011年3月30日 第2回公文書管理委員会
- （議題1）平成23年度公文書館に移管すべき文書について
- 平成24年度以降は平成23年度中に策定する新方式により、公文書館への文書引継ぎを行うが、暫定的措置として平成23年度はこれまでの公文書館運営委員会によって指定された文書を移管することとする。
- （議題2）利用請求に対する審査基準について
- 提出された意見に対する市としての考え方はこちら（総務局）。なお、館運営のための専門性確保に関連して、「利用決定等の取扱いに関して情報公開制度に精通している情報公開室との連携も図り、適切な公文書館運営を行」っていくとして、情報公開室（現用文書の情報公開制度を取り扱う部局）との連携がうちだされています。
- 関連する議論
- 小林委員 国の制限期間との異同はあるか
- 総務局 全く同一のもの
- 澤井委員 パブリックコメントに関連して制限期間の根拠について
- 総務局 利用請求が権利として認められ、第3者からの異議申し立てもあるため慎重案対応が必要と考えて期間を設定した。別表が定める期間とは、この期間を経ないと公開しないということではなく、30年経過したうえで、それでも保護が必要とされる情報の判断基準を示したもので、具体的にはケースバーケースによる
- 野呂委員・林委員 長期間の保護を要する情報について、本人ではなく遺族が利用請求を行った場合の取り扱いは？
- 総務局 個人情報保護条例の趣旨をふまえて、利用は本人のみ。遺族は第三者の利用と同じ扱い対応になる。
- その他の議論
- 総務局の見解 （6月めど）条例の趣旨をふまえて庁内各部署で文書分類表を再定義する作業／（9月めど）総務局、国の基準をふまえて移管基準の大枠を示す／（10-11月めど）公文書管理委員会に諮問→基準作成／（年明け〜）庁内各部署で実際の移管対象文書を判定する作業。新基準に基づき外部委員が選別をやりなおすということは実質的に不可能。どういう基準を作るか、という際に「専門委員」を委嘱したり、国立公文書館で移管基準作成作業を担当した方の意見を聞くことはあると思う。
�∂薫羂儖� 館の体制強化に関連して。
学術会議の調査として各地の公文書館を視察したが、感銘を受けた事例として、館が新人職員研修などにも関わっている沖縄県を挙げる。館内外で「公文書館の応援団」をつくることが必要。
- 次回開催予定
- 異議申し立てがあれば随時部会を開催するが、委員会は10月以降に開催予定
質問書・要望書の提出
2011年12月22日 第3回大阪市公文書管理委員会
- 大阪市公文書管理条例第7条第1項に規定する議長が定める基準案及び大阪市公文書管理条例第7条第1項に規定する市長が定める基準案について議論されたとのこと。
- 詳しくはこちらをご覧ください
2012年1月24日 第4回大阪市公文書管理委員会
- 大阪市公文書管理条例第7条第1項に規定する議長・市長が定める基準改正案の諮問が行われました。
- 会議の開催要項はこちらをご覧ください。
- 議論について（船勢肇・2012を参照）
- 移管対象文書の選別をまず職員が判断し、そのあとで専門委員が検証する
- 収集基準案は原案通り答申された
- 総務局が各部局に対して示す文書選別のためのガイドラインのような「内部通達」を管理委員会に提示すること、重要文書が移管されないことを避けるため移管基準に「その他」という概念を取り入れること、などが委員から求められたとのことです。
2012年1月31日
- 大阪歴史学会・大阪歴史科学協議会が総務局と交渉を行いました。（船勢肇・2012を参照）
- 1.マスキングについて…デジタルカメラによる撮影者に対しては直接マスキングすることもあるが、現在はできるだけ資料を傷めないようにしている。
- 2.新収集基準を過去の歴史公文書にも遡るような文書全体に対する見直しを行うか→行う考えはある、担当課職員による追加指定もありうる
- 3.(2)の見直し業務は記録化されるか→判定記録は1点ずつ作成する
- 4.専門委員には簿冊の実物を確認させるか→必要なら実物も提示する
- 5.収集基準の弾力的な運用方法（例：制度新設時期のみ・数年間に1度だけ・一部の区だけ収集）の導入検討を→特定区だけ残す「一部歴文」の精度はは既にあるが、他の形も検討したい
- 6.新しい移管・選別の仕組みは規定等のかたちで明文化されるか→各課に提示する「細目」の作成を進めるが、これは要綱のようなかたちで、文章化し公開する
- 7.常勤職員の配置（学会側が特に強く主張した点）→現状では困難だが必要だと認識している。非常勤調査員の採用にあたって「再任用」の枠を外すことはありうる
- 8.もっとフリーなかたちでの議論はできないか、質問書・要望書を提出するなど市との交渉が遅延した理由→市役所の現在のルールだと今回のようなかたちでしかできない。
5．運営上の課題
- 大阪市公文書館のあり方については、これまでもさまざまな点から論じられてきました。近年発表された論考をご紹介します。
『大阪市公文書館研究紀要』21号(2009)
→現職・元職の館長から次のような課題が指摘されています。
- 庄谷邦幸（大阪市公文書館長）「大阪市公文書館開設二〇周年を迎えて」
- 個人情報を含む公文書の取扱いについて不開示期間の基準を明確化すべき
- 利用者の利用促進のため、検索しやすいデータベースの構築
- 公文書の保存のための修復、燻蒸問題。原資料の物理的、化学的劣化を防ぐため、現状の再点検と、移管時期と保存・点検時期との整合性を見直す。
- 公文書の電子化の問題
- 牧英正（大阪市公文書館元館長・大阪市立大学名誉教授）「大阪市公文書館 発足二十年」
- 公文書館に配置された職員は業務に慣れ始めたころ次の職場に転じていく→行政と歴史に明るい専任の職員アーキビストの設置
- 市の財政は苦しくても、公文書館を維持する措置は講じてほしい（燻蒸予算さえ欠くのは由々しき問題）
- 政策の決定過程で作成される内部資料（調査・報告書など）の収集保存
『アーカイブズ』39号(2010/3)
→全文が国立公文書館のサイトで公開されています。
- 庄谷邦幸（大阪市公文書館長）「開館二十二年を迎えた大阪市公文書館」
- 利用請求権の整備…法第16条において規定された特定歴史公文書等の利用に対する請求権について､ 当館においても制度整備に向け検討を行う必要があります｡
- 利用制限基準の検討…利用制限基準について､ 法第16条第２項に規定された ｢時の経過の考慮｣ や ｢三十年原則｣等を踏まえ検討を行う必要があります｡
- 保存のための修復・燻蒸対策…公文書等の物理的､ 化学的劣化を防ぐための修復や燻蒸対策については､ 予算が縮減される中ではありますが､ 優先して取り組む必要があると考えています｡
- 公文書の電子化対応…電子公文書及び電子化された行政刊行物について､ その収集・保存方法の検討を行う必要があります｡
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