論題:「男が得か?女が得か?」


※このモデルディベートは、「ベスト」のディベートではありません。「ツッコミどころ」を探しながらお読みください。

男が得側:主張カード

  1. 女は出産が大変で、仕事をやめてしまう人が多い。
  2. 女は仕事で頑張っても能力が認められない。
  3. 女は子供の世話や家事をしなければいけない。

女が得側:主張カード

  1. 女はファッションを楽しむことができる。
  2. 男は仕事上のプレッシャーが強い。
  3. 女は優遇されることが多い。

男が得側 立論

男の方が得だと思います。
  1. まず、女は子供を産む時すごく痛いというし、産むまでの間の10か月も不自由で、大変です。生んだ後も仕事を休まなければならないし、そのために仕事をやめてしまう人も多いです。
  2. また、女は職場でも、お茶くみとか、コピーを頼まれたりとか、その他にもいろいろと雑用係をさせられて不利です。女は仕事で頑張っても男性に比べるとなかなか能力を認めてもらえないのではないでしょうか。
  3. 次に、女は家にいても子供の世話や家事が大変です。それは仕事をしている女性でも専業主婦でも同じです。私の母は、毎日朝早く起きて、子供のお弁当を作って、部屋の掃除をして、買い物をして、家族の晩御飯を作ってと、大変忙しい日々を送っています。でも、父は会社から帰って、お風呂の後はビールを飲みながらテレビを見てリラックスしています。父と母を見ていると、やはり男のほうが楽だなと思います。
今の社会は男に有利にできていて、男の方が得だと思います。

女が得側 立論

女の方が得だと思います。
  1. 女はいろいろな服を着てファッションを楽しめるけど、男には限りがあります。デパートに行けば、2階から4階くらいまで、婦人用、ヤング用と分かれていて、女物が占めている場所が多いです。紳士服売り場は上のほうの階にちょっとあるだけです。『TaipeiWalker』2008年7月号のデパート特集記事*1には、大手デパートのバーゲン広告のページ数は、女性を対象にしたものが男性を対象にしたものの8倍以上だという調査結果が紹介されています。
  2. 次に、男は学歴がないと厳しいこの社会で生きていけないけれど、女はそんなに大変な思いをしなくても、結婚してしまえばいいですから、気楽です。仕事のプレッシャーも少ないと思います。
  3. また、今の社会で女はいろいろな点で優遇されていると思います。例えば、ディスコや行楽地に行ったとき、女性だと割引があって得ですし、パーティーの会費でも女性の方を安くすることが多いです。またデートのときお金を出すのは男だし、「レディーファースト」といって男が女を優先することからも、社会が女性にやさしいと言えます。
 このような社会の中で女は男より自由に生活をすることができます。だから女の方が得だと思います。

女が得側 反駁

(⇒1・3)出産や、家事が大変だと言いましたが、子供を産むことで家庭の中で主導権を持つことができます。また子供を産むことは大きな喜びです。それに、おいしい料理を家族が食べた時の笑顔を見ることは、うれしいことでしょう?こんな喜びは、女性だからこそ感じることができるのだと思います。
(⇒1)それから、妊娠して仕事をやめる人が多いと言いましたが、それは一時的な休みをもらうだけであって、出産の後また社会復帰する人も多いのではないでしょうか。私の姉は大学の助手をしていますが、子供を産んだ後また大学に戻って仕事を続けています。姉はこの休みを使って、好きなドラマをたくさん見ることができたと言っています。男にはこんな休みはないでしょう。
(⇒2)次に、女は仕事で頑張っても能力が認められないと言いましたが、女性が男性と同じように頑張っている職場も多いのではないでしょうか。例えば、学校や病院、市役所などもそうです。
(⇒3)それから、女が子供の世話をするのが大変だと言いましたが、今は男女平等の時代ですから、女だけではなく男も家庭でそれなりの仕事を負担しなければいけないと思います。実際、そういう夫婦も増えているのではないでしょうか。私の友人は看護士をしていて、仕事が毎日忙しく、勤務時間も不規則なので、ご主人が子供を幼稚園まで送り迎えしているし、子供をお風呂に入れるのもご主人の仕事です。家事は二人で協力して行うのが、正しい姿だと思います。

男が得側 反駁

(⇒1)女だけがファッションを楽しむと言いましたが、今は男性向けのファッション雑誌もたくさん出ています。それにいくらデパートにきれいな服がたくさんあっても、女は太ったらダイエットしなければファッションを楽しめなくなるでしょう。その点、男は太っても中年太りとかビールばらとか、笑って誤魔化していればいいし、そういう男のほうが貫禄があっていいという女性もいます。
(⇒1)次に、デパートで女性物の売り場が多いと言いましたが、それは女性がお金をよく使いそうだから、デパートが利用しているんじゃないですか。それは得とは言えないと思います。
(⇒3)ディスコや行楽地で女性は割引してもらえると言うけれど、映画館とかボーリング場などは男も女も同じ値段だし、女性が安くなる場所というのは一部だけです。デートで男がお金を出すというのは、そう決まっているわけじゃないし、割り勘のケースも増えているんじゃないですか。男女関係は平等にしたほうが長く続くと思います。
(⇒2)それから、女は結婚してしまえば気楽だと言いましたが、結婚はそんなに気楽なものじゃないと思います。結婚して主人の収入だけで生活するのは苦しいので、女性は独身のときのように自由に好きな物を買ったり、旅行したりできなくなります。家事や子供の世話をするのも大変です。
(⇒2)それに、男は学歴が必要だと言いましたが、学歴がなくてもできる仕事はたくさんあるでしょう。

男が得側 再反駁

(⇒1)女性が家庭で主導権を握ることができると言いましたが、家庭ではやっぱり男が一家の主で、みんなから信頼され、愛されているからこそ、大事なことを決めるときの決定権は男が握ることが多いのです。『自由時報』2008年5月10日の記事*2によると、家や車などの大きな買い物をする時には男性の発言権・決定権が大きいという家庭が70%を超えています。
(⇒1)それに、仕事をしている女性が妊娠して休暇をもらっても、会社に行けるようになるまでには結構時間がかかるので、結局会社に残るというのは難しいのではないでしょうか。
(⇒2)それから女性が男性と同じように頑張っている職場が多いと言いましたが、それは一部の話で、今の社会はまだまだ男社会です。
(⇒3)また、男も女も家庭で同じように家事を負担するべきだと言いましたが、家事には女がしたほうがいい仕事も多いのではないでしょうか。例えば、男には赤ちゃんに母乳をあげることはできないし、服にボタンをつけたり、お菓子を作ったりするのは男には苦手なことだと思います。

女が得側 再反駁

(⇒1)中年太りとかビール腹は笑ってすませられる問題でしょうか。太りすぎは健康上大きな問題で、それが原因で死に至ることもあるのです。
(⇒1)太っている男性が貫禄があるといっても、それは価値観の問題で、太っている男性が嫌いな女性もたくさんいます。
(⇒1)次に、デパートが女性を利用していると言いましたが、ファッションを楽しむことで女性のほうが精神的に豊かな生活をしているんです。
(⇒2)結婚したら女性は独身のときのように自由な生活ができないと言いましたが、それよりも男性のほうが仕事や家庭を守るプレッシャーが強いのではないでしょうか。
(⇒2)また、学歴がなくてもできる仕事はたくさんあると言いましたが、公務員になったり大企業で働くためにはある程度の学歴が必要です。
(⇒3)女性が安くなる場所は一部だけだと言いましたが、私たちが言いたいのは安くなるかどうかではありません。女性は社会に守られているということです。残業で遅くなれば女性を先に帰そうとするでしょうし、重い荷物は男が運ぼうとするでしょう。『男はつらいよ』という映画を知ってますか。つらい思いをするのはやっぱり男のほうなんです。

女が得側 まとめ

 男が得側の主張は仕事に関する「得」ばかりです。男はみんな、仕事上でプレッシャーを受け、辛い思いをしなければなりません。しかし、女性は自由です。仕事をしたければ仕事を頑張ることもできますし、ファッションを楽しんだり、素敵なお店で優雅なお茶の時間をすごしたり、男はつらい…社会でいろいろ優遇されながら、生活を楽しんでいます。男より自由な人生を楽しむことができます。
 確かに出産、家事、子供の世話は大変かもしれません。しかしそれらは私たちが反駁で言ったように、愛する家族の喜びに直接つながるものなのです。男性が仕事上で受ける辛いだけのプレッシャーとはワケが違うのです。
 このように、女性は自由で楽しく生活することができるのです。絶対に女性のほうが得です。

男が得側 まとめ

 女性が得という主張は、ファッション、レディーファースト、産休時の映画鑑賞など、表面的な楽しみばかりでした。われわれが主張している「男社会」という前提で見れば、それは「女性が優遇されている」「楽しめる」と勘違いしているだけです。そのような「表面的な楽しみ」が本当に「得」と言えるのでしょうか?私たちはそうは思いません。
 また、仕事についても、「男が仕事上のプレッシャーを受けている」ということは、男の仕事をする能力が認められていることの現われなのです。もっともっと大きな仕事をするためには、プレッシャーを受けるのは当然のことなのです。
 女が得側は『男はつらいよ』を例にしましたが、さっきも主張した通り、この映画の主人公「寅さん」は、家族やみんなのために「つらい」思いをしていますが、だからこそみんなから愛されているんです。
 こんなにも重要な責任を感じることができ、社会的に認められている男が得でないわけがありません。

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