1−2行政による法律の原理

法律による行政の原理

 行政法の基本原理となるのが「法律による行政の原理」である。これは、行政活動は法律の定めるところにより、法律に従って行わなければならないという原則のことをいう。これは自由主義・民主主義の要請により当然のことであるが、その具体的内容として、「法律の優位」「法律の専権的法規創造力」「法律の留保」の3つがあげられる。以下に解説する。
 「法律の優位」とは、法律は法律のみによって廃止され、法律に反するものはおのずと廃止・無効となるということである。憲法41条により承認されており、これは行政のあらゆる活動に妥当する。
 「法律の専権的法規創造力」とは、「法規」(国民の権利義務に影響する一般的な規定)をつくる力は法律のみが持っているということである。行政立法に関わる部分であるが、現在の通説によれば、国民の権利義務に関する行政立法は法律の授権なしに行われてはならないということを意味するということになる。
 「法律の留保」とは、行政作用のうち、ある一定の部分については、法律の根拠があってはじめて行政が行動しうるという原理である。この「一定の部分」の範囲に争いがあり、「侵害留保説」「全部留保説」「権力留保説」が主なもの(通説といえるものはない。強いていえば侵害留保説か。)である。また、「社会留保説」という、生活配慮行政には法律の留保を必要とする立場もある。
2005年09月26日(月) 23:44:20 Modified by kasumi1998




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