「コラーッ!またお前らか!」
軽音楽部部室。
テスト前は部活動禁止と以前も言ったはずだが、
「ひゃあ!!」
「わわっ・・・だからやめましょうって言ったじゃないですか!!」
「注意されんの2度目だしこりゃひょっとしたら廃部も・・・」
「は、廃部、廃部はやだよぉ・・・」
相も変わらず茶をしばいている部員達と、
「わ、私は注意を今まさにしようとしてたところです。
ほら、前と違ってフォークは持ってな・・・」
「口の周りについてるのはなんだ、山中」
この部の顧問でありかつての俺の教え子である山中さわ子。
「ったく。流石に二度目は見過ごせんな。今度の職員会議で報告するしかない」
当然だ。
テスト前の部活動だけならまだしも校則違反の茶菓子まで持ち込んでやがるんだから。
「あちゃ〜」「ちょ・・・どうするんですか先輩達!」
「申し訳ありません皆さん・・・私が色々と持ってきたせいで・・・」
「いや・・・それを毎度心待ちにしてた私らが責めれるもんじゃないよ」
「は、廃部だ・・・いやだぁああ〜」
流石にこれには部員共も深刻に捉えたようで、
皆沈痛な面もちだ。
まあ今度こそ反省してくれればいいんだがな。
しかし、
「せ、先生。実は私、校長先生の秘密を知ってるんですよ」
口の周りについたクリームをぺろりと舐めながら、山中がそんなことを言ってきた。
この期に及んでまだどうにか頑張ろうとするとは、
山中、逞しい奴。
「それを聞いたとして俺が今回の件に目を瞑るとわけがないだろうが」
これも当然だ。
当然だが、
「校長、女装癖があるんですよ」
――――俺の雄は微かな反応を示した。
「・・・山中、状況を考えろ。冗談は言っていい時と悪い時があるのはわかるな」
「冗談ではありません。その証拠に・・・」
山中は携帯を取り出すと、ムービー機能を立ち上げた。
『私もまだまだ・・・・・・』
そこには、メイド装束を身に纏った山中が映し出されていた。
「・・・学生時代にパンクな格好してた反動か?にしても今更・・・」
「い、言わないで下さい!それよりそろそろです。見て下さい」
山中の更なる意外な一面を見て少しばかり驚いた俺だが、
『ガラッ』
扉の開かれる音。
そして――――
『校長!?』
画面内の山中が驚きの声を上げると同時に、
俺は思わず息を呑んだ。
――――そこには、
山中と同じくメイド衣装に身を包み、
しかし山中と違って膝下辺りまでしか裾が無く野郎溢れる雄臭ぇ脚を堂々と惜しげもなく晒している校長の姿があった。
(・・・・・・たまんねぇ)
―――俺は画面から得られた情報熱が視覚器官から脳を通し脊髄を下り俺の雄自身に蓄積されていくのを確かに感じた。
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