当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2017年11月30日放映の「みなさん」である。今回は人気企画の「2億4千万のモノマネメドレー選手権」である。もう、9回目らしい。
 過去には「抱きしめてTONIGHT」や「仮面舞踏会」でやったこともあったが、今回はまた楽曲をまた「2億」に戻していた。

 改めて見てみたが、やっぱり「2億」に乗せる意味はあまりない。うまくて感心するモノマネはいくつかあった(花香よしあきのみやぞんとか)が、笑えないとダメだろう。そして、笑えるモノマネはやっぱり単品で笑えるモノマネが主で、2億に乗せる意味はそれほどなかった。
 単品で笑えるモノマネは、まず模倣対象のチョイスを考え抜かないといかない。笑いは、ズレから生まれるので、「そこに目が行くか!」という驚きを呼び起こすようなチョイスが必要である。「言われれば分かるけど注意して見てはいない」レベルの存在(これを筆者は「潜在的知識」と呼んでいる)を狙っていく必要がある。今回出てきた中で代表的なのは原口のやっていた「あの学園の息子」である。それ以外にも色々とマイナーな芸能人のモノマネもあったが、全体的に対象年齢が高めで筆者にはあまりピンと来なかった。ただ、筆者にピンと来なかっただけなので、発想はそれでいい。半沢直樹が流行った時に半沢直樹を真似るのでは宴会芸を脱せない。「そこに目が行くか!!」という潜在的知識を狙うには、そこから一つズラす必要がある。みんなが覚えている主人公ではなくて、脇役の大和田常務や黒崎に目を付けた方がいいのである。あるいは作品ごとズラしてリーガルハイに手を出してみてもいい。笑えるネタ作りの際の発想の基本は、そういうことである。
 ただそこまでやってネタを考えても、日村のアドリブのモノマネに勝てないのである。事前にネタを考えるのも大事だが、そうやって増やした引き出しをああいう感じでポンポン出していく訓練を積まないといけない。アドリブは予想していないところから出てくるので、練ったネタよりズレを呼び起こす力が強いのである。ただまあ、日村のアドリブっぽいものも台本ありきのやり取りだった可能性は当然ある。そうだったとすれば、台本ありきに見えないようにできていたのが日村の腕である。

 ああいうアドリブを出せるかどうかが、モノマネ以外の仕事の有無の違いだと思う。


その他寸評
・神無月
 時事ネタを盛り込むことを意識し過ぎでモノマネのクオリティが低い感が否めなかった。

・JP
 全体的にあんまり似ていなかったような気がする。とんねるずの番組なんだからそこをイジってやれば日村のような笑いを生み出せたと思う。

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