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フルフルといっしょポータブル

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
フルフルといっしょポータブル女ハンター×擬少年化フルフルいっしょの人MHP・擬人化(フルフル)329〜347

フルフルといっしょポータブル


「外来のハンターのかたですね、何をお出ししましょう?」
「ブレスワインの白で。あとキングターキーのミドル。バリューセットでお願いするよ」

ココット村の集会所に現れたハンターとおぼしき見慣れぬ男は、
周りの同業者たちの不審の視線を気にせずに、受付係のギルドのお姉さんに笑顔を向けて注文した。
伝票を受け取って、テーブルの端に座る。

「おっ来た来た!んじゃあいただきます!」
照明のろうそくの炎にも負けぬ真紅の髪を持った男は、
このあたりでは見かけぬ東洋風のかぶとをわきに下ろすと、運ばれてきた料理を前にして、
歴戦の装備とは不釣合いの笑顔を浮かべて、まるで子供のように嬌声を出して料理にむしゃぶりついた。
あたりの不審の目が、興味へと変わる。

「…そういえばさぁ、ここへくる途中で、フルフルを見かけたんだけど。
あんな村の近くにフルフルがいて、誰もなにも言わないのかい?」

口をもごもごさせながら言う男に、料理を運んできたメイドさんが快活に答えた。

「そのフルフル、かわいい幸せそうな女の子と一緒じゃありませんでした?」

「んぁ? そういえば、いたなあ。銀色のツンツンした髪の毛の子が。珍しいこともあるもんだと思ったけど」

「そのフルフルでしたら、大丈夫ですよ。最初は私たちも警戒していましたけど、
そのハンターさんと一緒に村を何度も救ってくれましたし。
今じゃ、あのフルフルに対しての依頼はなにもなくなったほどです」

「ほゥ… あの人見知りのするフルフルがねぇ…」

ふとした瞬間、その男の目にするどさがよぎったのを、この場にいた何人が察することが出来たか。

「けっ!俺は気にいらねえな」
男の対角線上に座っていたハンターが、グラスをテーブルにたたきつけておめいた。

「だいたいハンターってのは何だ?モンスターをとっておまんま食ってる人間だろ。
それをあんなふうにイチャイチャイチャイチャ…
見てろ、あいつが何かしでかしたら、俺が… いってぇっ!」

男の手からはじき出された500ゼニー金貨が、勢いよくそのハンターの眉間を打った。
気色を変えて立ち上がったハンターに、男がいっそ丁寧なほどの言葉を返す。

「モテない男のヒガみはよくないぜ?俺の分もついでに払っといてくれよな。
あ、お姉さん?これテイクアウトで頼むよ」

満場の笑い声を背に集会所を出て行く男の背をみつめながら、ハンターは渋面をつくって
渡された500ゼニー金貨をみつめた。そして瞠目した。その金貨の表面には、
まるで今さっき焼きごてでも当てられたかのような焼け焦げができていたのだった。


さわやかな風が吹き抜ける。
集会所の話題になっていた二人(?)、あのフルフルとリリィは、フルフルのねぐらから程近い、
一面に金色の長丈草の生える草原で、大きな岩に寄りかかって、その風のにおいを楽しんでいた。
薄い雲ごしにかかる日光も、今のフルフルには心地よいものに感じられていた。

鼻の先に近寄ってきた光蟲を唇で弄びながら、フルフルは自分の羽に寄り添っている人、
リリィをみつめていた。

「ねぇ、フルフル……」

ん?と、フルフルが視線を(聴線を?)リリィに向ける。
リリィは、目の前に広がる黄金色と対比するような銀髪を風になびかせながら、
かすかにほほを染めて、一言一言をかみしめるようにつぶやいた。

「私のフルフルへの気持ちって、やっぱり、初恋っていうものなのかな…?」

ぶっ。

いきなりそのようなことを言われて、フルフルは中くらいに吹き出した。
その勢いにおどろいた光蟲が、一瞬光を放って逃げる。

「ふつうの男の人がダメってわけじゃないんだけど… なんていうかな、う〜ん…」
指をあごにあてて考え込むようにしていたリリィが、フルフルのほうを向き直って、思い切ったように言った。

「最初にあなたと会ったとき、ほんというとね、怖くてたまらなかったんだ」

…さもあろう。フルフルも、このごろは自分の風貌が、
ヒトという生き物の目にどういうふうにうつるか、わかってきたところだし。

…本人がどう思うかにかかわらず。


「でもね、何度も貴方と戦ってるうちに… そんなこと、思わなくなっちゃった。
いまでもリオレウスとかの前にでると、すくんじゃうんだよ、私」

「あなたと、初めて一緒になったとき… それから、あなたと何度も会ってるうちに…
あなたのそばにいると、心があたたかくなるってことに気がついた。
それで、今では、あなたとずっと一緒にいたいって思ってる」

「ごまかしても、しかたないよね… 私、フルフルのことが好き!」

好き… そう、君は僕のことが好き。 リリィの言っていることが、好き、っていうことなら…

僕も、君のことが好きなんだよ、リリィ。

頭に浮かんだ言葉(?)に、フルフルはらちもなく赤面した
(どうもあの時アカくなってから、こういうことが出来るようになったのかも)

その様子をみて、リリィが笑い転げる。
なにやら意識に浮かんだ、くすぐったいような、どうにもならない気持ち
(フルフルにとっては、とても新鮮な感覚だった)に当てられて、フルフルは触手で頭をかいた。



話題を転じるつもりはなかったが、リリィが笑ったはずみに、
胸のうちからこぼれた新しいにおいに、フルフルは興味を覚えた。
それは、リリィの首からさがった、虹色とも、なんともつかない欠片… うろこ、かな?

「ああ、これ?今日、東から来たっていう行商人のお姉さんにもらったんだ。
なんでも、ここからずっと東のほうに住んでる飛竜の逆鱗… ってものらしくて、
ほら、半分になってるでしょ? 二つを一つにあわせると、
それをもってた人たちの願いがなんでも叶うっていうんだって」

どうせ作り物だろうけどね、とは、リリィは言わなかった。
今まで見たことも無いような輝きが、そうさせたのかもしれなかったが、
本当言うと、リリィはその言い伝えを、話の端に上っただけの逸話を信じたかったのだ。

これからも、この白い大きな飛竜との平和がずっと続けばいい…と。


あいかわらずねぐらで甘美な眠りを楽しんでいたフルフルの感覚に、ヒトの…
リリィのものではないにおいがただよってきたのは、それから程なくした日のことだった。
朝から小雨がぱらついていて、遠雷の響きがとどろくなかで、その男は現れた。

「よぅ、邪魔するよ。あんたかい?ハンターの女の子となかがいいって言うフルフルは…

 …ぁあ、やっぱりあんたか」

ぶしつけに口を聞くハンターに、フルフルは威嚇の意を込めて、小さく電気を走らせた。
だが、その男は苦も無くそれをブーツで踏みつけると、背後から空恐ろしい長さの槍を取り出した。

「ごあいさつだなあ。久しぶりに会ったっていうのに… まぁ、これでも丸くなったほうかな?
いや、もともと丸いか」

不敵に口をほころばせた男の言葉に、フルフルはまだリリィと出会う前、
あくまでただ一匹のフルフルとして暮らしていたころのことを思い返していた。
ならば、この男は以前に自分とあった事があるのか? においを思い返すも、そういったにおいは…

いや、たしかにどこかで…

「ま、ともあれ… 俺もおまえさんに興味がわいてきてね。人間とともに生きることを選んだフルフル…
 その覚悟がどれほどのものか、確かめさせてもらおうか」

その男は、いきなり突進してきた。強走薬でも飲んでいるのか、その勢いはとどまるところを知らない。
フルフルはその鋭い切っ先を間一髪でよけた。

「へぇ、やるじゃない。それも君が変わったせいかい?」
男の飄々とした口調とは裏腹に、その突撃は、情け容赦も無い。


…強い…

それから何合、何十合と打ち合った後、フルフルは、このハンターが、
あの一つ目のリオレウスよりも、今までに戦ったどんな敵よりも強いということを思い知らされた。

ランスはその装備の重さでいやがおうなく動きが端的、直線的になるものを、
そいつはなんとしたことか、フルフルの巨体を以っての突進も、
いわんや本来防げ得ぬはずの電撃さえも、その大きな盾で受け流し、的確に反撃を叩き込んでくる。

それに、こいつはフルフルの… 前とは比べ物にならぬほど多彩になった動きすら
読みきっているようだ。まるで、自分でその流れを模したことがあるように。

「やれやれ… もっとやるかと思ったが、興ざめだな。
そんなんじゃあ、この世知辛い世の中渡っていけないぜ?」

男が大きく息をつくフルフルを尻目に、構えをといて頭をかいた。
そのとたん、そいつの胸元からこぼれ出たもの。それは…

あの、リリィが持っていた、なんともいえぬ輝きを放つペンダントだった。

リリィに見せてもらったときと寸分変わらぬにおい…

このあたりでは、二つと無いであろうにおい。

!まさか… こいつ…!

それを見た途端、フルフルの心は燃え上がった。怒髪天を突く勢いの怒りが、
その巨体をも粉々に砕きちらすような哀しみが、フルフルの体を、心を駆け巡った。
その帯電する勢いに、男が咄嗟に、得物を構えなおすほどに。

こ… こいつは…こいつは!!!

…こいつだけは!!!!!

「何だ… 何をするつもりだ?」

男の見守る中、フルフルは尻尾を地面につけ、あきらかに射程範囲外でありながら、
その身にバチバチとはじける電撃を帯電していった。最大まで電気を溜め込んだ後、
尻尾を天に、天井にあいている穴に向けて高々と上げる。

「何!?」
男は驚いた。フルフルが電撃を出すときに尻尾を地面に押し付けるのは、
余分な電気を地面にアースして自らの身を焼かないためだ。
それを取り払った今、フルフルの体の中には身を焦がす電流が満ち満ちているはず。

そうか、それほどまでに…

フルフルが、天に上げた尻尾から穴にむかって鋭い電撃を放った。その電撃に感応し、
折から天で渦巻いていた雷が一閃、フルフルの尻尾に轟音とともに落雷した。
洞窟のなかを震わせるような電撃が飛び散るなか、フルフルはその尻尾を軸に、男に飛び掛った。

「う、うぉっ……!!!」

咄嗟に男は武器も何も投げ捨ててそれをかわした。だがかわしたといってもかろうじて直撃を避けたのみで、
電撃のあおりをもろに胸元に食らって吹き飛んだ。一瞬の静寂ののち、男はしびれる体を
なんとか起き上がらせて、全ての力を使い果たしたフルフルに向き直った。

「む、ムチャをするぜ… ぐふっ!げほっ」
そのとき、男の胸に着けていた甲冑が、電撃の高熱で焼けとけて地に落ちた。
そこにあらわれた傷…斜めに一閃に走る傷、その「におい」を… フルフルはかいだ。
そのにおいは確かにフルフルの記憶にあった、そう、以前は奇異の感覚でしかみれなかった、


 あの… 赤い…


「フルフル!? 何かあったのフルフル!?」

洞窟の外から、リリィの声がする。フルフルはその方角に向けて首をあげようとしたが、できなかった。

「おっと、彼女が来ちまったか」

「…悪かったな、余計な差し出事をはさんで。まさかこんなことになるとは…
 本当にすまない、このとおりだ、ごめん」

男は胸元にかかっていたリリィのものとは「別の」
東方の飛竜の逆鱗といわれるものをむしりとり、そっとフルフルに手渡した。

「そいつは詫び料だ。治療代ってことにでもしておいてくれ。それじゃあな」

「どう… したの… フ…」

駆け寄ってきたリリィが、地に倒れ伏していたフルフルの有様をみて絶句した。
フルフルに駆け寄った後、一瞬遅れて、その大きく透き通った、鳶色の瞳から涙をこぼれさせる。

「…いや… いやだよ、フルフル! こんなことって… フルフルぅ!」
リリィが、フルフルの頭に寄り添って、激しく頭を振った。いかないで、いっちゃいやだ、と、
涙ながらに懇願した。

リリィ… 僕もいきたくないよ… だけど…

フルフルははじめて、自分がフルフルというものにうまれたことを後悔していた。

フルフルには瞳がない。リリィの顔をみつめ、微笑みかけてあげるための瞳がない。


ああ… 最後に… 一目でもいいから… 君の… リリィの顔を「みてみたかった」な…


リリィの涙が、フルフルの想いが、ひとつにかさなったとき。リリィが胸から提げていたペンダントが…
フルフルのたもとに置かれていたペンダントが… 寄り添うようにひとつになり、
閃光玉10個分の光でもこうはいかないという、だが不思議と瞳を刺さない光が…

薄暗い洞窟の中に満ちた。そして…

フルフルは、ひとみを開けた。そしてその紅い光彩の中に、リリィを見た。

「……え……?」

哀しみでくしゃくしゃになっていたリリィの顔が…
涙にかきくれながらも当惑の意をあらわにした瞳が…

フルフルには「みえた」

うまれてはじめて経験することにとまどいながらも、フルフルは自らの体を見た。
翼だったものは、ちょうどリリィとおなじように二対十本の指を備えた「手」になっていた。
大地を踏みしめ、体をささえていた後ろ脚と尻尾は、ちょうどリリィとおなじように細い、
だが確かに自らを支えることができる「足」になっていた。
自分とリリィの間に感じていた大きさの違いゆえの距離が、いまではずいぶんと、すぐちかくに見えた。

「…き… 君は…」

フルフルは、自分が、洞窟に住んでいた飛竜のかたちでなく、
リリィとおなじ…「人」のかたちをとっていることに気がついた。見た目が少年のようなのは、
リリィとフルフルの寿命の違いによるものなのか。驚きながらも…
リリィの瞳にあふれんばかりに、すでにあふれている涙があるのを見て…

これは唯一前と同じ感覚だった… くちびるを寄せて… それを拭った。

「フルフル…! フルフルなのね!」

リリィが新たに生じさせた涙とともに、フルフルに抱きついた。
だがフルフルは前のように大きい体でない。リリィに覆いかぶさられるように、地に背中をつけた。

「………っ!」

自らに抱きついて泣きじゃくるリリィの豊かな髪ごしに、フルフルは自らの「手」を見た。
何回かそれを握ったり開いたりしていたが…その両手をリリィの背中と頭に回して…
リリィを撫でた。前に、自らの触手でそうやっていたように…

「これ… ほんものだったんだ」

リリィが、今はずいぶんと広くなってしまったねぐらで、
手の中に、一つになって赤く輝いている逆鱗をみつめた。
そのとなりに寄り添いながら、フルフルは
以前の彼が持っていた触手が細分化したような、滑らかな白い髪を持つ頭をリリィに向けた。

こうなっちゃった僕は… リリィは嫌い?

かれはこうなったばかりゆえにまだ言葉を知らなかったが、
リリィとの間にはそんなことは関係なかった。フルフルの端正な赤い瞳が、
心配そうに曇っているのを見て、リリィはフルフルの首筋に頭を預けて言った。

「フルフルはフルフルだもの…

わたしにはわかる、あなたは今も変わらない、私が好きになったフルフルだって…」

「だから、わたしは…あなたのことが… フルフルのことが好きだよ…」

そう… よかった。

フルフルが、その瞼を伏せてリリィを抱き寄せた。一瞬の懐かしい暗闇のなかで、
フルフルのなごりを残した切れ長の口に、リリィの唇が重なった。
いままでにも何度か交わしたことがある口付け。

だけど、今はじめてフルフルは、その事の持つ意味をほんとうに知ることができたと思った。


そうか… くちには、こういうつかいかたもあるんだね…


「んむ… ん… はぁ… ぁん…」

最初は小鳥がついばむように、そののちは相手の思いを汲み取るように。
瞳を伏せて、お互いの唇を合わせ、相手の息をまぢかに感じながら。
今は新たな意味をあたえられた舌を、リリィのそれと絡ませ。

「んっ… ぅ… ふぁあ…」

リリィのものとからんだ白い糸をかけながら、口をずらし、薄くピンク色になったほほに、
リリィのほっそりとした首に、そこからつながる鎖骨のあたりに、うなじに続く肩に、
外に降っていた雨のようにキスを降らせる。
まだクセが残っているのか、彼の口が触れたところには、しばらく桜色のあとがついた。

「ぁあ… あ! …そ、そこ… ああっ」

いつも以上に赤みがさし、月の光に照らされて確かに立ち上がっていた乳房の上にある果実を、
口に含んだ。舌の先で丁寧に想いをまぶしながら、かなり力加減を注意して、交互にやさしく歯を立てる。
そのまま、ちゅう… と、彼女の想いを味わうようにすると、ぴくん、と震えたリリィの胸ごしに、
リリィの心の音が、とくん、とくんと伝わってきた。

「ぁ… ふ、 んく、んっ、 んんっ…」

再びリリィに千もの口付けを込めながら、触手の代わりとなった両手で…
リリィのふたつのふくらみに触れる。真ん中の指で、先ほど湿らせた突起をさすり上げながら、
そのやわらかく張りのあるふたつの形を、すこし強めに変えていく。

「… は… ん… あ…。 …ぅ…んふ…」

そして、彼の目に映ったのは、あのときあの飛竜に負わされた、
彼の想いによっても消し切れなかったお腹の傷あと。

ごめんね、リリィ…

そっと、いつくしむように舌を這わせていたとき、フルフルの瞳から、
知らず、涙がこぼれおちていた。
もう彼にはそれ以上のことはできなかったけれど、
その涙が、リリィにとっては、何よりの癒しになった。

「ぁ… そ… そんな… とこ…」

リリィの足の甲に、そっと口付け。両手でするすると手繰り挙げながら、
こまかい玉の粒が浮かんだ膝に、そこから連なるももに、すぅ…っと線を引くように。

「んんっ… … ぁあ…」

背中を壁につけ、リリィを後ろから抱きしめ。片手をお腹に、もう一方をわきの下から首筋に絡めるように。
背中から、リリィの髪にキスをおとす。シャギーを受けて固まっていた髪が、
互いの気持ちでゆるやかになっていくなか、リリィは腰に、彼の立ち上がった熱さを感じて、
彼と、今自分が感じている心地よさを共有できたと思った。

「ひゃあっ…! あっ、ゃっ… ああっ!」

リリィがこちらを向いたのを見て、彼はそっと、彼女の秘所に手を滑り込ませた。
一つめと二つめの指を使って、すでに十分になめらかになったそこを、くちゅくちゅともてあそぶ。
指を動かされるたびに小さくあえぎをもらすリリィの顔を見て、彼はなぜか自分も赤面しながらも、
その指の動きを止めようとはしない。前の触手とはまた違った可動性をもった指というものをつかって、
彼女の内面を、くすぐるように撫で、触れて、押し込んでみる。

「…! ぃ… ぃゃぁ…」

リリィが、抜かれた彼の指についている蜜に、
彼がそっとくちびるをあてるのを見て、真っ赤になって瞳を閉じ、彼に抱きついた。

ぎゅう、と、いままで以上に密にふれあう肌を感じながら、彼は自然に笑顔を浮かべて、
力ないリリィの抵抗を排し、今さっき指を抜いたそこに顔を近づけた。

「そ… そんなに… みちゃ… はあっ!ぅぁ… うんんっ…」

改めて、彼がその瞳で自分のそこをみつめているということを自覚して、
リリィは耳たぶまで赤らめて、顔をおおった。
彼がそこに舌を這わせた刺激に耐え切れないかのように、必死に息を飲み込むけれど。

がまんしなくていいよ…

前の自分とはまた違った、彼女から湧き出る想いの味をかんじながら、彼はリリィの手を優しくどける。

「ぅんんっ… ぁあ、んあぁっ! い、いじわる…だよ、こん… な… ぅんっく、ひゃあぁっ」

だが、なんとか自分が先に達してしまう前に、リリィは彼を押しとどめ、
そっと、彼のそれに手を伸ばすと、背中を温水が流れる床に横たえた。
手を伸ばしたときにちょっと驚いたのは、たぶん今の彼との比率のせいだろう。

「いっしょに… きもちよくなろう? ね…」


彼は、リリィの広げた手に導かれるように、そっと彼女に覆いかぶさった。

残念なことに、彼はまだ人がこういうときにどういえばいいのかわからない。
自分の気持ちをどういえばいいのかわからない。

「あいしてる… って、いうのよ… こういうときは」

あいしてる… それって、すき、ってことなのかな…

「すきよりも… もっと、もっと… すき、って、ことだよ…」

そうなんだ…  リリィ… あい、してるよ…


「ぁあっ!… ぁ…! んんっ… ぅあ… ぁあっ!」

彼女のなかで受け止められた彼の分身が、ややぎこちない動きながらも、
以前にリリィが感じていたところを突く。
前はリリィの声とリリィの香気でしかわからなかったけれど、
今はその瞳越しに、彼女が感じていることがわかる。
いつしか彼は自分に歯止めをかけることをやめて、いっそ思い切ったように彼女のなかを突いていった。

「ひゃあっ!? あん、ああっ… そ、そんな、はげ…しく… ぁああっ!」

「ぅあっ…! あぅ…! ぁ…! すき、すきだよ…! ぁあっ…!」

「っ… ぃぃ、ぁあ…! きもち、いいっ… ふぁぁっ…!」

リリィの甘い声に、彼がなんとか薄く開けていた瞳を閉じて、
リリィを強く抱きしめ、リリィもそれにこたえる。
彼の想いがこもったそれが、いちだんとおおきくなって、リリィのなかをみたした。

「ぁあっ… いいよ…  …きて… !

 ぅんっ、は… んぁ…  あああっ…!!」



…いつもそう。おわったあとは、私より早く眠っちゃって、
  こんなにも無防備なきみをさらけだしてる。

…かわってないよ、ぜんぜん、かわってない…

リリィは、前のように自分の体を包もうとしているフルフルの腕をとると、
そのひらかれたてのひらに、じぶんのそれをかさねあわせ。

ぎゅっ、と、指どうしをからめあわせて、
耳元を流れるあたたかい流れに髪を浸しながら、瞳を閉じた。



「人が悪いなぁ… 俺が確かめに行く前に、君が先に渡しちゃ。おかげで俺もあいつもひどいめにあったよ」

「一目見て気に入っちゃったんだもの… でも、やっぱり、おせっかいだったかしら。
 私たちみたいにじゃなく、あのままでもよかったんじゃないかな…」


俺は断然、こっちのほうがいいと思ってるけどね。
 偶然2枚剥ぎ取れたんだから、もう一つは渡してもいいさ。

 なに、あいつらなら、うまくやっていけるよ…
 あれだけお互い想いあっていれば…」

「昔の私たちみたいに?」

「今でも、そうだよ…」

「うん…」



「性懲りもなくまた来たわね、まったくしょうがないおじいちゃんなんだから!」

遠くから近づいてくる地響きの音を聞きながら、青空の下の砦、突き抜けるような風が吹くなかに、
リリィは立っていた。いつもより挑戦的な言葉をつむいでいるのは、
そうしなければ膝が笑いそうだったからだ。 いまだに、そうだった。

「彼には彼の理由があるんだよ… どうしてもここをとおらなきゃならないっていう…」

リリィの傍らに寄り添っていた、今ではリリィの背をだいぶ追い越した白い髪を持つ青年が、
達観したような視線で、遠くをみつめながら言った。

「でも、ここを通られたら… 村に被害が及ぶ。そんなことをさせるわけには…いかない」
「そうだね…」

「とーさん、かーさん、がんばれー!ラオシャンロンなんかやっつけちゃえー!」
「とーたん、かーたん、がんばれー!」

「! …あの子達…!」
「しょうがないよ、君はあの子達のお母さんなんだから」
「あなただって、お父さんでしょ? …でも、あそこにいたら…」
「そうだ、彼に頼もう。おーい、そこの人ー」

「…何っ! 私の居場所を見破るとは… やつの弱点を狙うために岩を落とさんとする私を… やるな」

「!彼、あんなところにいたの?」
「前にもいたよ… 気付かなかったの?」

「むむっ… 私がいなければ戦力が激減するが、きみたちのたってのたのみとあればしょうがない!
 アイルー食堂松セットには、ドラゴンテールもつけてもらうぞ!

 …さ、きみたち、ここはあぶないから、もっと遠くで見ようね」

「がんばってね〜」
「がんばって〜」

「ふふ……」

「…あの子達のためにも、必ず生きて帰ろう」

「うん…でも、前はなんとか追い返せたけど、今度はどうなるか…」

「大丈夫」

「え…


   ん……」


「…僕が、君を守るよ」


「…うん…」



遠くから霞のかかった巨大な影が近づいてくる。それにあわせて、
リリィは古代の塊から生成したいにしえの武器、封龍剣【超絶一門】を、
彼女とともにあるかつて飛竜であったフルフルは、
自らのいまだ残されている力を上乗せできる雷神宝剣キリンを、それぞれ構えた。


「行こう、リリィ!」

「…うん!」

「わー、おじさんおもしろーい」
「おもちろーい」
「こら、ヒゲを引っ張るのはやめなさ…いたたた」



ちゃんちゃん

フルフルといっしょ・ドスへ                             一覧へ戻る
2010年08月19日(木) 11:51:56 Modified by sayuri2219




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