マナーを守って楽しいお食事
スレ番号 | タイトル | カップリング | 作者名 | 備考 | レス |
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17 | マナーを守って楽しいお食事 | 擬人化パリアプリア | 擬人化(呑竜)・否エロ・是ゲロ | 175〜177 |
マナーを守って楽しいお食事
「どうした、パリアプリア。
今日は久々に大物を仕留めたからな。
好きな物なんでも頼んでいいぞ」
「う」
目をぱちくりさせながらメニューを覗き込むパリアプリア。
口を真一文字に結んで眉間に皺が寄る。
真剣に悩んでいるらしい。
吹き出しそうになるのを堪えてブレスワインを飲み干した。
パリアプリアはおどおどしながら給仕を呼び付け、覚束ない口調でメニューを読み上げていく。
メイド服が眩しい女の子が、それを片っ端からメモしては復唱する。
「…以上でよろしいですか?
お時間掛かりますけれど…」
「う!まちます!」
苦笑いともつかない笑顔で給仕が去ったあと、パリアプリアは大袈裟に溜息をつきながら机に突っ伏した。
無理もない。
こいつは人間になってまだ一月しか経っていないのだ。
見た目は少女(…だが中身は知らない)な呑竜を討伐に出た俺は、焦った余りに回復薬とモドリ玉を間違え…
突進してくる呑竜に投げつけてしまった。
あまりの迫力にビビって気絶した俺。
ギルドの迎えのアイルーに肉球でぺたぺた起こされて、あの子は誰にゃ、なんて聞かれた時には携帯食料吐きそうになったもんだ。
何せモドリ玉効果で竜が人になる、なんて、信じちゃいなかったから。
そんなこんなでパリアプリアを保護することになっry
「ゴルァ!良く噛んで食べなさい!」
「う゛ぐ、んぐぅ」
全く、少しは考え事くらいさせて欲しい。
ちょっと目を離した隙に、30センチはあろうかという魚類のキモのソテーを丸呑みしようとしているのだ。
当然人間の姿では無理なので、無理矢理皿から引き剥がす。
「やー」
「やーじゃない。ナイフとフォークを使って、ほら」
手本を示すべきだと考え、小さく一口サイズに切り分けたキモをぱくりと口に入れる。
恨めしそうにナイフを睨んだパリアプリアは、諦めたのか手掴みに移行した。
俺涙目。
胃袋にアレコレと詰め込んでいくその様は、喰うというより呑んでいる。
テーブルの上は凄惨な事故現場よろしく、ソースやら肉やらが飛び散っていた。
「………」
「ん?どうした、眠くなったか?」
急に大人しくなって、ぽすん、と胸に倒れこんできた。
腹が一杯になったらすぐ寝るなんて、なんとも竜らしい。
「う、…う…ぅえー」
「え、ええええええええ」
「ん゛ー」
すかさずお手拭きで口を塞ぐ。
被害が少ないうちにトイレに引きずり込んだ。
ひくひくと痙攣する背中を、撫で擦ってやる。
「ごぇんなさい」
「いいよ、大丈夫か?」
「へいきうぷ」
「全然平気じゃねえ」
食ったもの全部吐き出すつもりか、ってぐらいえづくパリアプリア。
でもしばらくしたらスッキリした顔しやがって
「これででざーと食べられるぞ!」
「…ヨカッタネー」
鎧吐瀉物まみれ。俺涙目。
まぁ飛竜のフンよりはマシだ。
ババコンガの糞よりはマシだ。
フルフルの唾液よりはマシだ。
そう自分に言い聞かせるのに、ナズチの臭い息食らった気分になるのはなんでだろう。
どうやらマナー云々の前に、吐くまで食うなと教えた方が良かったらしい。
鎧を洗いながら、腹の底から溜息を吐き出した。
2010年08月31日(火) 11:59:57 Modified by gubaguba