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ロリババアな岩山龍・外伝― とあるガンナーの伝説

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
ロリババアな岩山龍・外伝― とあるガンナーの伝説男ハンター×擬幼女化ラオシャンロン亜種664擬人化(岩山龍)・否エロ138〜141

ロリババアな岩山龍・外伝― とあるガンナーの伝説

 


 ジクジクと、足が痛む――――――



「せん……せっ!……先生っ!!……っああ!!」

 ――――――女の喘ぎ声が聞こえる。

 松明の炎が照らす中、情事で熱を持ち汗に濡れた身体が、赤銅色に輝いている。
 結合部より流れ出た血よりも、女が流す涙の方が、酷く心を締め上げた。
 その痛みは少なくはないはずだろうに、一心に腰をくねらせている。
 女が、己の体の上で跳ね上がる度に、また――――――

 ジクジクと、足が痛んだ――――――






―――【ココット村英雄伝 第六章  決戦 一角竜モノブロス】より抜粋――― 


『――――よおハンター、邪魔するぜ。依頼を頼めるか?
 獲物は白銀の角を持つ一角竜なんだがな……』
 
『ああ?何だその面ァ?俺はいつも飲んだくれてるわけじゃねぇんだよ』
 
『俺に代わって、奴を討ってほしい』

『気を付けろよ。俺の脚を御釈迦にしやがった奴だからな』

『ああ、もう報酬は村長に渡してある。 ……まあ、がんばってくれや。
 その腰の剣は飾りじゃないんだろう?』

『……ところで、だ。
 この家に、お前の前にもハンターが住んでいたってこと、知ってるか?
 ふん、知らなかったのか。……何だ?聞きたいのか?』

『……そうだな、野郎はお前に似て、すっ呆けた面構えをしていてなぁ――――――』




「よい……しょっ、と!
 うん。これで荷物は全部かな?」

「婿殿っと『でぇと』っ♪
 婿殿っと『でぇと』っ、なのじゃ〜♪」

「はは、どっちかっていうと新婚旅行かも」

 はしゃぎ声を上げる若夫婦を横目に見つつ、荷造りを手伝う。
 旦那の方、どうにもぱっとしない顔をした優男は、俺の相棒だ。
 相棒には名前は無かった。名前が無いってのは、寂しいだろう? 
 だから俺は“ナナシ”と呼んでやっている。

「おーうい!ナナシよー!荷物はこれで全部かー!?」

「おー!ありがとさん。それで全部だよー!」

 コイツはこれで中々腕の立つハンターであり、
 ガンナーである俺が、安心して後方から弾をばら撒けるのは
 相棒が前衛を一手に引き受けてくれているからだった。
 本人を前にしては一度も言ったことはないが、心から信頼するに足る男だと、
 そう認めている。

「炊事洗濯、果てはネコタクまで……ご主人様達はネコ使いが荒いニャー……」

「お前も大変だな……まあコレでも飲めや」

 先日の黒龍との一戦以来、所々がメラルー色になってしまった給仕ネコと桃色空間を脱出する。
 比喩ではなく本当に背中が煤けているネコに、ねぎらいの言葉と栄養剤をくれたやった。
 ありがとうございますニャーと薬を飲み干すネコを……薬?
 あー……渡したビンに強走薬って書いてあるな……しかも“グレート”な方。 
 ……よし、見なかったことにしよう。

「にゅふふふー、むぎゅ〜なのじゃ。婿殿〜」

「ははは、シャロ。ちょっと重くなったね……ってあだだだだだ!!」

 それにしてもまったく、あいつ等は人目もはばからずイチャイチャと……
 傍からみるとロリコンにしか見えないのだから、微塵も羨ましさを感じないのが救いか。
 独り身には空風が身に染みる。俺も女でもつくろうかね?





「じゃあ、暫くは帰って来れないと思うから。村のことはよろしく頼むよ」

「暫く……ねぇ……」

 積み込んだ荷物は、旅装、というよりも引越し荷物のようだ。
 どう考えても日用雑貨、趣向品はともかく、狩りの装備一式など旅には必要ないだろう。
 自覚はしてないのだろうが、親父さんの故郷に腰を据えるつもりだな。

「む、婿殿?何やらネコの様子が……」

「どうしたシャロ?っと……あー、それじゃあ行ってくるよ。相棒」

「ああ、アバヨ。達者でな。相棒」

 途端、キョトンとした顔をしやがった。 
 らしいといっちゃあらしいが、こいつは最後まで締まらない野郎だな。
 そう、きっと最後だ。
 こいつ等の顔を忘れないよう、脳みそに焼き付けておこう。
 何かを感じたのか、相棒が、じっと眼を合わせている俺を訝しげに除きこんでくる。

「え?……それってどういう意味……」

「フォォォオオオオ!!マタタビを齧っても居ないのにこの湧き上がる力は一体何ですニャ!?
 世界を縮めよと兄貴が叫んでいるニャアァアア!!猫撃のぉ!初弾ォォォオオ!!」

「ちょ、ま、それ何て猫スキルーー!?」

「ひゃああ!!お、落ち、婿殿ぉぉぉぉぉ……――――――」

 シャロの譲ちゃんの叫び声が、糸を引くように流れていった。
 これが最後の別れってやつになるんだろうか?
 ……なんだかなぁ。
 呆れたというか、脱力したというか。

 ともかく、これからは一人で村を守らなければならないだろう。
 相棒はもういないのだ。
 しかし、不思議と寂寥感は感じなかった。
 
 友の門出だ。祝福してやろうじゃないか。
 あいつ等に届くよう声を張り上げる。
 いつもの、お決まりのセリフを――――――

「はぁーぁあ!ったく!面倒くさい相棒を持っちまったもんだぜ!!」


 ――――――旅立つハンターに幸あれ、だ。
2010年08月19日(木) 12:02:44 Modified by sayuri2219




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