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蛙の面に水ブレス

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
蛙の面に水ブレス sage忘れ擬人化(翠水竜)・否エロ258〜261

蛙の面に水ブレス


ポッケ村の、朝だぞ〜い。
…とまあ、冗談はさておき、今日もポッケ村に朝が来た。
そしていつものようにポッケ農場に向かう青年が一人。ジュリオである。
「いやあ、今日もいい天気だなぁ…」
などと彼が空を見上げながら言った、次の瞬間。
「隙あり! 死ねぇ!!」
「うわぁ!?」
突如にして後ろからジュリオに飛び掛ったこの翠色の髪の女の名はエメラ。
元ガノトトス亜種の女である。
このように彼女は毎日のようにジュリオを殺そうとしているが、これももはや日常茶飯事である。
「フフフ…隙を見せたな! 死ね!」
と、いきなり本日二回目の「死ね」を口にしてエメラが高圧の水を吐き出そうとしたが…

ぴしゃっ

「うわ、冷た!」
「…へ?」
驚いたことにエメラの口から吐き出されたのは子供のおもちゃの水鉄砲程度の威力の水だった。
「な……


何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」



「どういうことだ…なぜ急に……!?」
あれから何度も試してみたが、エメラの口から出てくるのはやはり水鉄砲ぐらいの勢いの水である。
本当に勢いのない水だ。何せ「うわ、冷た!」で済んでいるのだから。
「具合でも悪いんですか?」
危うく殺されかけたというのにエメラの心配をするジュリオ。
「いや、健全だ。…だが、これは一体…」
と、その時。

「ジュリオさんのお宅かニャ〜? エメラさん宛にお手紙だニャ〜!」
大声で外から叫んでいるのは、各地へ手紙を届けて回るアイルーこと、手紙ネコである。
※オリジナルキャラクターです
「エメラさん宛に手紙…?」
「私に……? 誰からだ?」
「さあ…? とりあえず受け取りに行きます」
そう言って、ジュリオは家の外に出た。
家の前には赤い帽子を被ったアイルーが立っている。
「アンタがジュリオさんかニャ? 印鑑をお願いするニャ」
「はい、どうぞ」
「…確かに。それじゃ、これが手紙だニャ! それじゃあニャ〜!」
手紙ネコが去っていくのを見届けると、ジュリオは手紙の便箋に目をやった。
そして、一瞬で誰が手紙を送ってきたのかを悟る事となる。
便箋には、こう書かれていた。

『by 愛しのおじいちゃま』



『可愛い孫娘エメラへ
こないだはいきなりわしを空の彼方へ吹っ飛ばすなんてひどいぢゃないか!
でもそんなとこも可愛い孫娘。許しちゃう。
そういうことされるとつくづく成長を感じるよ。
そうそうそれはそうとこないだ隣のガッさんが

中略

というわけでとてつもなくなんぽぽだったんじゃよ。
…そういえばエメラはまだ人間になったさほど経っておらんかったの。
人間になると時間が経つにつれて変化が起きるからいきなり起きたときにあせらないように
わしが説明しよう。
人間になってからしばらく経つと、モンスターとしての能力の一部が徐々に失われていくのじゃ。
例えば超高圧の水の勢いが弱まったり、泳ぐのが遅くなったり…などなどじゃ。
しかし、残る能力ももちろんある。
何が消えて何が残るかは人(?)によるみたいじゃ。
大体のものはモンスターと話せるという能力は残るみたいじゃがの。(※モンスターと話せる事自体初耳)
そうゆうわけじゃから、健康に気をつけて暮らすんじゃぞ。
by 翁

追伸
婿殿とはうまくやっ


ここまで読んだところでエメラが手紙を真っ二つに引き裂いた。




「…それで水の勢いが弱まってたんですね。というか中略した部分だけでも軽く1000文字はありましたね…」
「まともな手紙も書けんのかあのジジイは……」
「まあ、エメラさんの異変の原因もわかったことだし…僕はクエストにでも行ってきますか」
ジュリオは立ち上がると、クエストに行く支度を始めた。
「……その『くえすと』とかいうのは一体何なのだ?」
「ああ、クエストっていうのはですね…まあ簡単に言えば誰かから依頼を受けて狩りに行ったり採集に行ったりする事ですよ」
「ふむ…というと、この間のように雪山へ行ったりするのか?」
「まあ、そうですね」
支度が終わると、ジュリオは鎧と武器を装備し、村長のところへ行くために家を出ようとした、
その時。エメラが一言、こう行った。
「その『くえすと』とやら…私も同行させてもらおう」
「…………!!??」
ジュリオは相当驚いたのか、その場でこけそうになってしまった。
慌ててとどまると、そのままエメラにこう言った。
「クエストについてくるって…この間も危険な目に会ったじゃないですか! 絶対に駄目です!」
「黙れ。これは私が決めることだ」
「何だったそんな急に…」
「……あの時のガキに、一発ぶちかましてやりたい」
そう言うエメラのバックには何やらとてつもなく黒いオーラが見えた。
おそらく少年に対する憎しみと殺気の表れだろう。
「…で…でも、駄目なものは駄目です!」
「うるさい。お前が断っても私は勝手についていくぞ。お前を殺すために使えそうなものも見つかるかもしれんしな」
「………」
「それとも他に何かまずいことでもあるのか?」
「…………僕と一緒にクエストになんか参加したら…」
ジュリオはそのまま押し黙ってしまった。
…そして、しばらくの間考え込むと、エメラの方を見て、言った。
「約束して下さい。絶対に無茶はしないと。僕から離れないと」
「何を…」
「約束して下さい」
こうなるとジュリオに逆らえないのはわかっていたが、この時のジュリオの目はいつになく真剣だった。
「……わかった」
「…それじゃあ、ついて来て下さい」
太陽の光に照らされ、二人は家を出た。
そして、太陽の光だけが、部屋に取り残された。


※ブタヒレは散歩中なので部屋の中にいない
2010年07月19日(月) 11:15:03 Modified by sayuri2219




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