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喰気よめ 2

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
喰気よめ 2 珍味の人否エロ81〜89

喰気よめ 2


 私が天を仰ぐ間に、酔狂氏が小さく声をあげた。
 なんぞやとそちらへ目をやれば、無表情に野菜(多分キングターキーの詰め物)を食む眉ピアスの横顔の向こう、義兄も私を見ていた。
 その表情は、なんと表したものか。情けなさそうだ。
 そんな顔で見られる覚えもなく、不思議に思っていると、酔狂氏が口を開いた。
「なあ、緑髪。尻尾を切るのがどうとかいう話だが」
 それでしたか。
「一番簡単な解決方法を忘れてるのは、俺の気のせいか。それとも意図的に外したのか?」
 後者だと言ってくれと、言外の響きが込められているのは、ありありとわかる。
 だが断る、じゃなくて。正直、それが何なのか思い出せない。
「残念ながら気のせいでは無いよ、酔狂氏。その解決法とやらをご教示願えると、非常に有り難いのだけれど」
 この場でスルッと答えが出せるようなら、何もわざわざメガネ嬢や堅物氏にまで、自分の技量の無さを知らしめるような話にもっていくわけもない。
 酔狂氏の視線に少しの呆れの色が混じるが、それ以上にその目は温かい。
 やんちゃしていた幼少時によく向けられたようなこの目は、いい歳の身にはかなり恥ずかしいというか、居たたまれないというか。
 
 私達の向かい。嫌々、半ば涙目でネギ一片を咀嚼中のメガネ嬢が、震える小動物的雰囲気を強めつつも、左右から熱く応援されている様子がチラリと目に入る。
 その左右の二人の表情が、妙に生き生きしているというか、嬉しそうなのは気付いてはいけなかったことだろうか。
 真面目な性格に思える二人だが、あれで案外、可愛いモノはいじめたい人達なのかもしれない。
 そんなように見えてしまう、私の心は汚れているのだろうか。
 そう思うと、心にすきま風が吹くようだ。
 
 視線を泳がせた私へ、苦笑を浮かべた酔狂氏は、少し考えるそぶりを見せた。
 そして、隣の眉ピアスへと、目を移す。
「眉ピアス、考えてみてくれるか」
 急に話題を振られ、一瞬咀嚼の動きを止めた眉ピアスだが、数回瞬いた後に無言で頷き、また口を動かし始めた。
「例えばの話だが、クエストボードに貼り付けられた依頼書を読んでいて、読めない言葉混じりの物があったとしよう。その内容を知りたいならどうする?」
 私も人のことは言えたもんではないが、眉ピアスの読み書きは、まだまだ拙い。
 田舎なら識字率壊滅的という地方もあるからに、そう恥じるような事でもないけれど。
 ハンターをやっていくには、少しばかり困る事態もあろう。
 
 向かいの堅物氏の前に『フラヒヤミナベ【ドキドキョウソウ風味】』が置かれた。
 小さな土鍋の中、黒緑っぽい汁が湯気を立てている様は、どう好意的に見たって食い物ではない。
 別段悪臭がしないという事実が嘘に思えてしまう。
 
 暫しの間があって、眉ピアスはよく噛んだらしい食物を飲み込み、低い声で答えた。
「その言葉のつづりを憶えて、自分で調べろっつわれるが。面倒くせぇから、無視すっか、それか誰かにきくんじゃねぇか」
 その答えに、良くできましたとばかりに酔狂氏は頷いた。
 無視よりは、きいてくれた方がいいけどと、呟いた後、酔狂氏は私へ視線を戻す。
「つまりはな、自分の力が足りないならそれを補おうと努力するのも大事だが。多少は他人に頼るのもありだろう、緑髪」
 目からウロコとはこの事か。
 思い起こせば、ガンナーであるこの義兄に連れられ、剣を得物としていた頃の私は、何度となく飛竜の尻尾を切ってきた。
 それは私を鍛えるためでもあったろうが、まだブーメランの出回る前、ガンナーに出来ない尻尾切りを私に任せていたとも言える。
 
 ネギの口直しにと、メガネ嬢が炎熟マンゴーのグラタン(チーズグラタンでなく、カスタードグラタンだそうで)を注文していた。
 それが持ってこられた暁には、『フラヒヤミナベ』との凄い対比が見られそうだ。
 しかし今更ながら、ここのメニューは無法地帯過ぎやしないか。

 上級の狩猟・討伐依頼を一人で請ける事などまず無いし、複数人数で行けば切断可能武器持ちも一人くらいは居る、かもしれない。
 しかしながら、他力本願というのも多少気が引ける。
 故に私は酔狂氏へと言葉を返す。
「それは、誰かに甘えることになると思うんだけど」
 だいたい自分で切断可能武器が扱えないというならともかく、鎚や狩猟笛に拘るのは、ただの趣味だ。
 解決法を教えて貰っておいてごねる私に、酔狂氏が妙に優しげな笑みを浮かべた。
「甘えていい相手ってモノもいる。例えば俺とか」
 ……この。
 間に眉ピアスが居なければ、照れ隠しに酔狂氏をはたいてしまっていたところだ。
 
 レンゲでもって黒緑の汁をかき混ぜていた堅物氏はそれをすくい、口へと流し込んだ。
 普段やや細めな彼の目が、クワリと見開かれた。
 ……予想を裏切らず、壊滅的に不味いのかもしれん。
 咀嚼と嚥下。それを済ませた堅物氏は、一声あげた。
「思考が疾走する」
 君に何が起こっているんだ、若人よ。
 首をひねりながら、堅物氏はもうひとすくい、口に運ぶ。
 レンゲの上に具がちらほら見えたからに、多分リゾットっぽい物なんだろうな。
 今度は「柔らか地引き網味シーフードサラダ」とか呟いている。
「なんとも言い難いが、すごいぞ、これ。マカライト鉱石の三歩先を行く味って言えばいいか? 恐ろしい程の疲労感を食ってる気分なのに、それでも不快でない。むしろ癖になりそうなまさたう」
 違う意味でマズいこと言ってないかい。
 くれくれと伸ばされたメガネ嬢の小さな手に、堅物氏はレンゲを譲り渡した。
 果たして恐怖は倍増され、増殖するのか。
 
 私が好意に甘えた場合、酔狂氏が尻尾を切るのだろうか。
 ブーメランを投げるのか、はたまた弓の矢でのぶったぎりなんて無茶をやらかすというのか。
 各種の武器は一応使ってみたことがあるそうだけれど、私の我が儘のために剣士をやらせるかもしれない、というのもどうなんだ。
 口にすべき言葉を探して、目を泳がせていると、酔狂氏の笑みが人の悪いものに変じた。
「だから可愛い妹へ、俺から特殊なブーメランをやろう」
 なんと私にブーメランとな。
 呆気にとられたような顔をしているはずの私の耳に、酔狂氏の言葉は淀みなく届く。
「ただのブーメランだと思うなよ。投げても多分壊れない。勝手に標的に当たってくれる。その上、ちゃんとお前んトコに戻る。ちょいとばっかり燃費は悪くて音がうるさいが、意外に便利だ」
 投擲武器の燃費って何。
 ……けど何か、聞き覚えのある性能だな。
「取っておきたいとっておきだ、大事に使え」
 言いながら、酔狂氏は眉ピアスの肩に手を置き、私の方へ押しやった。
 
 黒緑の色合いは、湖の浜で拾った黒真珠を思い出させなくもなかったが、あれよりもっと底知れない。
 そんな汁を口に含んだ瞬間に、メガネ嬢の目が据わった。
「メガネ嬢……?」
 恐る恐る御嬢様がかけた声に隠れ、メガネ嬢の喉がコクリと鳴った。
 レンゲを放した手をゆらと立て、それをくるくると回しながら、メガネ嬢は下唇を舐める。
「前人未踏の空前絶後。天下無双の針小棒大」
 彼女の声は、艶やかで熱っぽいのにどこか清々しかった。何言ってるんだかわからんが。
 毒かい、あの雑炊もどき。
 伊達眼鏡を押し上げ、メガネ嬢は堅物氏の方へ顔を向け言う。
「確かにすんごいね。みなぎり煮たぎり、ぐるぐらするさ。てっきりどこかの隠れ里にレシピが伝わるという、黒い龍の髭入りスープかとか思っちゃう」
「飯屋でそんなもん出ねぇよ。麦だのイカスミだの骨タコだのを突っ込むのは良いにして、店で出す料理にドキドキノコってどうなんだろうな?」
 ある意味毒じゃないか。
 黒はイカスミ、緑はドキドキノコ由来なのだろう。名前的に、強走エキスも入ってそうだ。
 やたらにツヤツヤとした笑顔のまま、メガネ嬢は唱い上げる。
「詩をたたえよ 詩は幸いなり。いざ幸いの地へ」
 キテますキテます。

 この間、酔狂氏と御嬢様は真剣な表情で何事かを小声で語り合っていた。
 唇の端から菜の緑色をはみ出させたまま、眉ピアスが彼の左右に座る私達の顔を交互に見た。
 その様子は、周りを窺うランポスに似ている。
 眉ピアスがちらと茶碗に目をやり、無表情な面のまま首を傾ける。密かに奥歯を擦り合わせる音がした。
 おかわり頼みたいけど、おひつに近い酔狂氏が取り込み中だから、どうしたもんかと考えているようだ。
 顔は無表情なのに、コイツの表情は顔以外のところで豊かだったりする。今見えない部位だってのが残念だ。
 そう観察しているうちに、向こうの二人の会話は決着がついたらしい。
 酔狂氏に指差され、眉ピアスの人相悪い顔はこちらを向いたままになった。
 するりと菜が唇の内に引っ込み、眉ピアスは再び口をもぐつかせた。
 
 私の向かいでは、メガネ嬢が絶好調に言葉を幾つも連ねており、ややくったりした堅物氏がそれを黙って眺めていた。
「……小百合の弓弦は湯壺に揺らぎ、夕陽譲らうかの行く手。ゆなゆな指の由々しさを許(ゆる)……ってか。ところでね、堅物氏」
 言葉に意味があるのか知れないが、堅物氏は頷いてる。
 あれはきっと「どーでもいい」状態だ。
 メガネ嬢は堅物氏の片手をとり、頬擦りしながらうっとりと呟いた。
「僕と、や ら な イ カ」
 公衆の面前で不穏な響きを出すもんだ。けれど、メガネ嬢には珍しくもなく思えてしまう。
 ただ、品のない冗談が苦手な御嬢様が居る場でとなると、彼女のこういった発言はかなり珍しい。
 そんな言葉を告げられた堅物氏は、一瞬顔をしかめて即切り返した。
「何をかは知らんが、色々とそれはイカがなもんかと」
 物がイカスミ入りだからその答えなのか、堅物氏。
 
 眉ピアスは菜っ葉を飲み込み、口を開いた。
「で、俺に何やれっつぅんだよ」
 ヤツは便利なアイテム扱いされている事を、判っているのかいないのか。
 そもそもこいつと私では、投げられるのは私の方だ。
 嫌がらせ半分に、大剣に引っ掛けられて、放られた事が何度となくあった。いや、それは関係なイカ。
「ハンターの仕事を一緒にやればいいだけだ。緑髪を手伝ってやってくれ」
 言い含める酔狂氏の声は、冗談めかして本気をはらむ。
 そういえばこの人、いつからか眉ピアスを色々と焚き付けてたらしいが、その魂胆が今読めた。
「一緒にか」
 わずかに目を細める眉ピアスへ、「そう、ずっと一緒に」と重ねる酔狂氏は、思いっきり人の悪い笑みというものが貼り付いている。
 企む三十路男、その実態は遣り手婆か。
「……保護対象二人を一まとめで自立させて、身軽になろうって腹積もりと見た」
「大当たり。正解者にはこの眉ピアスをプレゼント」
 うん、確かにその男を拾ったのは酔狂氏だけど、物扱いは止してやろうよ。
 
 堅物氏の手に頬を寄せたまま、ふつふつと笑うメガネ嬢の横から、ついと御嬢様が身を伸ばす。
「お話中失礼……」
 いつもならここで、堅物氏の表情にやや硬さが出て、内心の「おのれー」という声が聞こえそうな雰囲気になるものだが。
 今回の彼はむしろ、ほっとしたような顔をしている。御嬢様がランスの使い手なだけに、ナイス横槍といったところだ。
「いや、話ってほどのこともなかった。何か用でも?」
 解放されない手を諦めたか、堅物氏はレンゲを持つでもなく、テーブルの縁を指でトントン叩いている。
「ああ、実は他でもない。その黒緑の鍋、か……? 私にも一口くれまイカ」
 まさかのイカ連携発動に、私は少し噴き出しかけた。

 慌てて渋面を作り直したが、間に合ったのかの自信はない。
 そんな私に向けて、酔狂氏の売り込みは続けられる。
「おまいも不満はなかろう。これで結構切れる男だぞ、眉ピアスは」
「むしろ結構キレてる男じゃないか。眉ピアスが切断武器大好きだって言うのは知ってるけども」
「打撃武器と切断武器なら相性抜群だが。嫌なのか?」
「嫌なのか?」
 酔狂氏の言葉尻を繰り返す眉ピアスは、細めたままの目で私をじとりと見詰めた。
 その向こうでニヤニヤテカテカしている酔狂氏が、ほんの少し恨めしい。
「まさか。嫌でないさ」
「ならいいだろう。俺は別に嫌じゃねぇ」
 便利なブーメラン自身がそう言うなら、断る理由もない。
 本人同士が嫌でないのだから、甘えさせてもらうとするか。微妙に、こっぱずかしいのがなんだが。
 私はため息の後、「なら頼む」と呟いた。
 ブーメランを てにいれた?
 
 実のところ、あんまり仲の宜しくない堅物氏と御嬢様は、実に珍しく、暫く見詰め合っていた。
 そして、やや姿勢を正した堅物氏の「ご武運を」という言葉と共に、かの土鍋は御嬢様の前へと送られた。
「有難う。……骨は拾ってやってくださいまし」
 花のように微笑む御嬢様が言う。
 (一応)食品を前に発される冗談にして物騒極まりない言葉と微笑みは、酔狂氏に向けられたもののようだ。
 私は知っていた。ハンターになるような人間は、ワケ有り、宿無し、ろくでなし、粋狂者のどれかに当てはまると。
 御嬢様の場合、ワケ有りのパターンだと思っていた。しかし考えてみれば、必ずしもただ一つにしか当てはまらない、というワケでもない。
 彼女はワケ有りにして、酔狂者でもあったらしい。
 かくて凝(こご)る腐泥色の汁への挑戦者がここに、また一人。
 レンゲを用いてなお、スウプはひらりと飲めるもの。その事実を私は初めて見知ったと告白しておこう。
 
「漁業ノー・マージンを拿捕(だほ)すため 錨で身を寄越せ」
 よく判らないけれど、ともかく強そうな言葉が、御嬢様の唇から滑り出すのは、実に不思議なものだった。
 御嬢様ですら、『キテますキテます』状態に追い込むフラヒヤミナベ、恐るべし。
「不味いトロロは 夜冷ます……もとい、妙な高揚感を覚えます。金火竜であろうと金獅子であろうとキリンですらも、恐るるに足らぬと吐きそうなほどに」
 長い睫毛に縁取られた目を瞬かせ、軽く眉をひそめた彼女は、今のところの具合は悪くなさそうだ。
 その彼女の言に真っ先に反応したのは、意外な人物であった。
「金(キン) 金(キン) キリン 騎士として はずかしくないのか」
 低い声で平坦にぬかした男は隣の眉ピアス。
 自分で発した言葉の意味をわかっているのか怪しいもので、顔にも声にも険はない。
 またそんな台詞、どこで憶えてくるんだ。
「金だ。キンではないぞ、カネだぞ」
 眉ピアスの向こう側から一応のつっこみが入ったので、私は受け流しに徹しておく。
 何か言わんとしたメガネ嬢は、堅物氏の片手に言葉を封じられ、小さく身をよじっている。
 眉ピアスがそうだっけと言わんばかりに小首を傾げるのを、御嬢様の青い目が真っ直ぐに捉えた。
「私は騎士の出のはずだ」
 
 どこぞの貴族のご子息がハンターの真似事をするのとは違い、御嬢様はハンターが本業である。
 家出したとかそんな事情でなく、彼女の家はもうない。
「生まれはそうでも、私は騎士ではない。成ることもできないだろうな」
 御嬢様の顔には陰も険もなく、ただの事実をはっきり口にする。
 少し口調が硬いのは、単純に彼女が男性を苦手とするからだろう。
「それはそれと。まみえた事もない怪物共を『恐るに足りぬ』と言い切るのは、些か虚勢が過ぎたかもしれない。確かにそれは恥ずかしい」
 自嘲気味に笑う御嬢様の視線を受けて、眉ピアスは傾けっぱなしだった首をもう一段階傾けた。
「そうか?」
「ええ。そう、です」
 口調を柔らかにと努めたらしき御嬢様が、應揚に頷いてみせた。
 その隣、堅物氏の手より解放されたメガネ嬢は、小動物そのものの仕草で、ぶるりと身震いする。

 首の角度を戻した眉ピアスは、再度口を開く。
「ところで、その黒っぽいのは美味いのか?」
 件のブツを口にした三人の視線が土鍋に集まり、次の瞬間には顔を見合わせた。
「美味い不味いとは別次元の味だな」
「筆舌に尽くしがたいね」
「強いて言えば、普通です」
 あれらの反応は、どう見ても普通の味のなせるわざではなかったような。
 こちらに座る三人は、首をひねるばかりだ。
 そんな中、眉ピアスの思考がそこに行き着くのは無理も無かった。
「百聞は一見にしかず、だっけか。俺もソレ食ってみてぇが、いいか?」
 眉ピアスが堅物氏にそう尋ねる。勝手に食べたりしないあたり、いい子に育ったもんだ。
 堅物氏の承諾を得て、いそいそと小さな土鍋を引き寄せる眉ピアスだが、その腕を掴む者がいた。
「嬉しげなのを止めるのはなんかあれだが、しかし待て。そして聴け」
 真剣な声で眉ピアスを制止したのは、酔狂氏だった。
 怪訝な顔をする眉ピアスと私に対し、彼は「近う寄れ」と手招く。
 何故私もかという疑問はすぐに解けた。
 
 巨漢が一人と大女が一人と、中背中肉が一人。雁首揃えて内緒話を開始する光景は、端から見れば結構奇妙かもしれない。
「先に緑髪に言っとくか。近頃噂のドキドキノコの効果について、知ってるな?」
 なるほど、確かにあれは、眉ピアスにはどう出るかわからない。
 頷いてみせると、酔狂氏は私に、眉ピアスの説得を手伝えと言う。是非に協力させてもらおうじゃないか。
 話が見えずに少し苛立ってきたのか、眉ピアスは薄い唇からギザついた歯をのぞかせながらクルクルと、うなっている。
 カエルか何かみたいな音出しやがって。
「お前はアレは食べるな。何の問題もないかもしれんが、安全の保証はできん」
 誰の安全をとは言わないが、結局はやっぱり眉ピアスの命に関わる事態も想定できる。
 それだけに、酔狂氏は常の穏やかさを引っ込めて、やや厳しめに言葉を放った。
「あっちの三人は食ってて、大してヤバげじゃねぇだろが。俺はダメってのはどーいうこった」
 半眼にもなろう。そう、言いたくもなるのも理解はできる。こっちだって、意地悪で止めようとするわけでないがな。
 
 背後より眉ピアスに身を寄せ、その頭の上に顎を乗せてみた。抵抗されないうちに、ヤツの顎下に腕を回し、その腕をもう片方の腕で後ろに軽く引く。
 体のひやっこさは、いつもどおりだな。
 あくまで緩く眉ピアスを拘束し、急角度に吊り上がる眉の端に触れて囁いた。
「普通なら耳たぶに付けるピアスを、こんな位置に付ける必要があった根本原因。忘れたワケじゃないだろう」
 唇ピアスにしようかって話は、ピアス穴からスープ類がこぼれるから却下、だったんだっけな。
 この拘束は、物理的にはちっとも効果がない。しかし眉ピアスに対しての人質を取っているというか、そんな状態だ。
「先に言っておくけれど、暴れてはいけないよ。この状態の私は、君によって容易く危険に晒される。」
 なんの予備知識もなく、この男の背面に密着するのは、冗談抜きで危険だったりする。
 俺の背後に立つなとか、そういう問題でなく。

 きゅぅーる
 大人しくしている眉ピアスと目の高さを合わせ、酔狂氏は少し困ったような笑みを浮かべた。
「お前だけダメなワケはお前の特別っぷりのせいだって、理解して貰えたか? まあ一人仲間外れってのもなんだから、緑髪も食べるの止めておこうか」
 何です酔狂氏ったら、その巻き添え案は。
 ザ・とばっちりですって?
 きーぅ
 酔狂氏の目線が、私の顔とその顎下に拘束される眉ピアスの顔とを、交互に移る。
「無表情が縦に並ぶってのも、変な威圧感があるな。いや、緑髪、睨むの止せ」
 まあいやだお兄様、見てるだけですよ。睨むだなんて、人聞きの悪い。
 ぃゅるる
 他人様に聞こえないよう、内緒話にしてるけど。
「頼むからヘソ曲げんでくれ。……糧の行く末と、お前とソイツの関係ってモノを考慮して、念のため、だ」
 例えるなら、生肉に毒テングダケを混ぜ込むように、私があの黒緑汁を飲んだ状態で。
 きゅぅーる
 一応、恋人みたいなモノであるこの目付きの悪い男と口付けたりして、うっかり黒緑汁の効果が出てしまって大惨事。
 ……なんてことも有り得ると。下手すれば口付けでなく、アンナコトとかソンナコトでも起こりかねない。
 きーぅ
「うん。命や平穏を秤にかけてまで、満たしたい好奇心でもない。承服しよう」
 私はため息を吐き、少しだけ腕に込める力を強めた。
 ぃゅるる……
「ところでさっきから『きゅー』『きゅるる』だの、うるさいぞ眉ピアス」
「あぁ?」
 機嫌良いと、変な音出すことが稀によくあるんだよ、この眉ピアスって生き物は。
 
 ギリギリとやや耳障りな音が、体伝いに響く。
 顎下の男の歯ぎしりだが、機嫌が悪い時以外に考え事の時にも発されるんだから、少しばっかり紛らわしい。
「つまるところ、俺があん汁飲むと、どうなるって思ってる?」
 そう言えば、そこの予想を言ってなかった。
 事実ではないとは思うが、ドキドキノコの噂が本当だとしたら、先程の三人とは違った身体的変化があるだろう。
 酔狂氏は砂色の目を瞬き、予想を述べた。
「多分だが、お前の大事なアレが、もげるか引っ込む」
 ああ、うん。よく聞くパターンでは、きっとそうだね。
 眉ピアスが生唾を飲むのがわかる。
「アレって、もしかしてアレかよ……」
 明らかな動揺の色が、その低い声に含まれていた。
「そう、アレさ。君がよく私に擦り付ける、私を傷つけんばかりに凶悪でお綺麗な、アレだとも。それがもげるか引っ込んで、全然別な肉色のモノが生えるかもしれない」
「お前の、敏感で触られるのを嫌がるアレだ。生えくるモノは、あまり美しくなくて、しわくちゃかもしれない」
「君が密かに自慢に思ってるらしき、まあ私も結構お気に入りの、ご立派なアレだ。アレがアレでなくたって、私が君を嫌いになるわけでもないよ」
 腕の中の体が、一瞬震えた。
「予想される効果の内、それが一番有りそうな線だが、眉ピアスはアレなしの人生じゃ悲観的になりそうだと思うが。どうだ?」
 こくりと眉ピアスが頷くのに合わせ、ほんの少し私の視界も上下する。
 かくて眉ピアスと私は、フラヒヤミナベを賞味することを諦めた。
 説得というか、脅迫タイムだったが、判って貰えたようでなによりだ。
 ゲテモノ料理くらいで大袈裟なと、思われるかもしれない。
 コイツの場合、まさかの事態を引き起こす前例持ちだから、私はあんまり楽観的にはなれない。
 ちなみに、この場合の『アレ』とは卑猥なものだったりはしない。悪しからず。

 家族会議を終え、元どおり横並びに座り直した私達を、向かいの二人……いや、三人は生暖かい視線で迎えた。
 一瞬二人に見間違えたのは、メガネ嬢がその席を、堅物氏の膝上だかに移動していたからだ。
 いつの間にやら来ていた炎熟マンゴーグラタンをつつきながら、家族会議の様子を見守っていた彼女らは、感想らしきものを三者三様聞かせてくれた。
「いじられ担当が居るのは、そっちも同じか」
「人前でイチャイチャとは珍しいね」
「食べて、何か良くないものなのでしょうか。先程のあれは」
 あちらのいじられ担当はメガネ嬢だろうな。涙目になってたのに、ネギ食べさせられたし。
 それはそうと、イチャイチャしてたか? 膝抱っこ中の人に言われることか?
 御嬢様の問いには、酔狂氏が答えた。
「全身これ凶器の塊な眉ピアスが、万一錯乱でも起こそうもんなら、止める自信が有りませんよって」
 酷い言い様だけれど、一部本音混じりなせいか、変に説得力あるな。御嬢様は一応納得したようだ。
 少し前までの眉ピアスは、全身これ狂気の塊に見える者だった。そのうち寝首かいてやらーって雰囲気を発していたものだ。
 現在の彼は狂気が突き抜けたのか、はたまた更に変質したのか、ある意味偏執しているか。
 グラタンつつきに参加しているヤツには、狂気のきの字も見い出せず、どうみてもただの甘いもの好き強面。
 彼が狩猟の仕事にも、おやつ持参で来てるアホだと気付いたのは、わりと最近のことだ。
 
「異常なコーヒー煮 迫力の完成度」
 声と発音が良いという前提条件があれば、そんな謎発言でさえ不思議にありがたい言葉に聞こえるんだから、恐ろしいものだ。
 私や眉ピアスには件の黒緑汁賞味を禁じておいて、酔狂氏は召し上がりましたよ。フラヒヤミナベ。
 たまに思うに。
 メガネ嬢がよくやるような『キテますキテます』発言を、真面目な顔した酔狂氏がええ声でのたまえば、宗教の一つでもぶち上げられるんじゃなかろうか。
「その、飛び出すトンでる発言は何なのか、説明を求めてもよろしいか」
 食べてみれば判ると思って、御嬢様までにはきかなかったけれど、気になってしょうがない。
 かの好奇心に従った巨漢は、暫しの沈黙の後に言った。
「猫飯食べた後に、思わずこう、力を誇示するようなポーズをとってしまうことがあるだろう」
 ……ほう。って、お嬢さん二方が「言い得て妙なり」って顔して手を打ってる。
 あのポーズとってるんですか、あなた方も。
「あれみたいなもんか。いや、ちょっと違うかもしれん。でも反射的というか、味がどうこうでなく、言葉が口から滑り出る感じだ」
 出たのが恥ずかしい言葉でなくて、何よりですね。
 ようやく堅物氏の前に戻された土鍋は、湯気の一つもあげなくなっていたけれど、残りどうするんだろう。
 一口食べる度に変な言葉が飛び出るんじゃ、大変そうだ。
 
 結局のところ件のものは、どうしたか。止せばいいのに堅物氏が完食を果たしたのだ。
 食材を無駄にしない根性もここまでこれば、貧乏性の枠を越えている。
 膝上をメガネ嬢に占拠されたまま、「せつなさみだれうち」などともらす彼は、少しばかり輝いて見えた。
 そう、霞龍の角程度には。
 
 御馳走様ムードが漂う中、茶をすする人あり、米酒を呑む人あり、ツマミの干しイカしがむヤツあり。
 この面子で酒を呑まず呑めないのは眉ピアスのみ。強くないのが堅物氏、強いのは酔狂氏と私とメガネ嬢、多分底無しが御嬢様。
 現在呑んでいるのは、お嬢さん方と巨漢だけだ。
 お嬢さん二人は、酒の芳醇さ旨さを語り合いながら、やんわり拒否する堅物氏へ熱心に酒を勧めていた。
 あからさまに面白がっているからに、あれもある意味絡み酒かもしれない。
 堅物氏は頭痛を堪えるような顔で、「帰っていいか?」とぼやく。
 苦労性の気のある彼の毛を案じ、私は助け船を出すことにした。
「あまり遅くなると物騒だから、そろそろ帰っては如何かな、お嬢さん方」
 お嬢さん二方は首を傾げてまばたき一つ、顔を見合せ、うふふと笑う。
 それは見事なシンメトリー。二人は四年強の付き合いだと言うけれど、仲のいい姉妹のようにも見える。

 手を振り去るお嬢さん方の後ろを、(失礼ながら)辛気臭い背中がくらりとついていく。
 同居するお二方を送るは堅物氏、妙に疲れはてたその後ろ姿が哀愁を誘う。
 助け船にはならなかった。力及ばず申し訳ないと、どこか煤けた背中にこっそり謝罪の意を示す。
 彼女らの後ろ姿が闇に紛れ見えなくなるまで見送り、振り替えってみれば、眉ピアスが一匹立っているだけだった。
 見逃しようもなく大きな私のお兄様は何処へ。支払い済ましておくとか言っていたのは記憶にあるが。
 土産持たせて貰ったとかで、微妙に機嫌の良さげな眉ピアスに尋ねてみたところ、ヤツは答えた。
「えとな。『どーせ今夜はうち泊まってギシアンだろ。そんなモン聞かされんのも癪だから、ちょっくら遊びに行ってくる』……だとよ」
 暫し、絶句した。
 ギシアンて。また変な言葉をコイツに吹き込んでくれるな、あの人は。
 有り体に言えば、そういうつもりもなきにしもあらずだが、『どーせ』と思われると、予想を裏切ってみたくなるでないか。
 特殊なブーメラン譲渡にしろ、『お兄様、家を空けて夜の街に遊びに行く』にしろ、お膳立てが整い過ぎだろう。
 こういうのは、なんと表したものか。
 悶々と思案に沈み出した私の袖を、ヤツがついついと引っ張る。
 他人との接触嫌いだったくせに、気安く触ってくるようになりやがって。
「帰らねぇのかよ?」
 夜風も少し冷たくなってきた。道端に突っ立ってたって、なんら良いことは有りはしない。
「帰るとも。なんなら手でも繋ごうか?」
 半ば自棄で、右手を突き出しながら言ってみた。
 ヤツは少し無表情に黙り込んだ後、じわりとした笑みを浮かべる。微妙にやらしげなその笑みはなんだよ。
 尋ねる間もなく、手を取られ、その甲にひやっこいものが押し当てられた。
 するりとヤツの髪が、ヤツの面の横を流れ落ちるのを見ながら、絵になるもんだとぼんやり思った。
 さて、手の甲に口付けるなんざ誰が仕込んだのか。考えるまでもない。
 私が何度かやらかしたのの真似だろう。
 
 見た目いい歳した大人が二人、指を絡ませる繋ぎ方で手を繋ぎ、夜道を歩く。
 体温低めのヤツの手は、店を出る前からずっと指ぬき手袋に覆われたままで、人前でこれが取られることはない。
 何故なら、コイツの指の間には小さいながら水掻きが付いていて、手袋でそれを隠しているから。
 腕の側面、髪に隠れた後頭部、うなじや背筋や後ろ腰、布が押さえた耳の位置、コイツには各所にヒレがある。
 容易く人を昏倒させる毒を持つ鋭い刺を備えていながらに、それは綺麗なヒレなのだ。
 そんな物が生えてるコイツはヒトデナシ。本性はカエル大好き水竜・ガノトトス。
 竜に生まれたこの男が、何を血迷ったか私の一部に執着を持ち、それが元でヒトの身に変じたのが二年ほど前のこと。
 どうやってヒトになったかは、本人にすらわからないようだ。
 そんなワケわからん変異を遂げた男に、モンスターをヒトに化けさせるなんて噂のあるドキドキノコを食わせるのは、冒険が過ぎる。
 もしもそれが、ヤツを竜の身に戻してしまったりしたら。
 街中に突如出現した水竜の巨体は多くの人を圧し潰し、人を害した化け物として問答無用で討伐されてしまうだろう。
 そうでなく、ただコイツを完璧なヒトに変じる効果が出たとしたら、この男のヒレ耳が引っ込み、普通の耳たぶが生えてくるのかもしれない。
 それはそれで、少しナルシスト気味に自分のヒレを愛するこの男は、ひどく落胆するはずだ。
 何の効果も現れない可能性もあるけれど、起こって楽しい効果が想像しがたかったのだ。
 ヒトになったコイツを拾った酔狂氏は勿論、私もコイツを失いたくはないと思っている。
 何せ便利なブーメランだから、じゃなく。
 まあ、個人間の契約ってものがある。
 コレをやるからソレよこせ、といった感じので、眉ピアスの一生貰う代わりに私はヤツのもの、ということになっていた。
 口約束だから、この内面の幼い男がどこまで本気かは知らないが、本気でなかった場合は喰ってやる予定だ。
 年増の深情けを舐めるなよ。

 ふと考えが逸れて、あることに気付いた。
 特殊なブーメランは特殊過ぎるもんだから、私の駐在する村での仕事には持って行けないじゃないか。
 独りで果たさなければならない依頼は、基本的にギルドで請ける上級の物ほどは危険でもないし、報酬として手に入る素材の質もそれなりだが。
 尻尾切断を自分一人でどうにかしなきゃいかんのは、動かしようのない事実としてそこにある。
 切断だけに、スパッと諦めようか。それとも。
「一つ、提案があるのだけれど」
 繋いだ手の持ち主は、「あんだ?」と応える。
 耳慣れた低い声はほんの少しだけ、不機嫌の色を滲ませていた。何故によ。
「君の忍耐を育む事には興味は無いかい?」
「あぁ?」
 不機嫌さが アップ!
 ……なんだか喧嘩を売ってるみたいな事、言った気がする。そういうつもりではないんだ。
 私は前言を訂正すべく、半眼になっている眉ピアスへ、急いで言葉を継ぎ足した。
「私に、ブーメランの投げ方を指導して欲しいと言おうとしたんだがね。思いっきり教え甲斐ないこと折り紙付きだから、かなりの忍耐を期待しなきゃいけなくて」
 眉ピアスはまばたき一つ、目の険を引っ込めた。
「……てっきりコトの最中早過ぎっから、もちっと堪えとけってのの遠回しな要求かと」
 開いた口が塞がらなかった。
 驚きの連射性能なの、気にしてたのか。さすがガノトトスの水ブレスとか思ったことが、ばれてたんだろうか。
 それ以前に、夜道で歩いてるのに何考えてんだよ。ナニか。
 早いのに関しては、私は別段気にしてないんだが。一度でも私が「あの人より……はやーい!」なんて、言った事があるか?
「そちらに関しては、まだ君も若くて不慣れだからってことにしよう。私もいい歳して凝らす技巧があるでもないが」
 何でも飲み込み早いってワケじゃないところに、却って安心しているくらいだ。
 話を戻そうか。
「それはそうと、ブーメランの投げ方指導は、お願いしてみてもいいのかな?」
 諦めたらそこで試合終了だと言うじゃないか。一応、下手なりに足掻いてみよう。
 眉ピアスは片眉の端を少し上げ、応と言った。
 
 今夜は薄ら寒いが、月は温かい。
 眉ピアスが居候している酔狂氏のうちに着く頃には、お膳立てを有り難く戴こうって気にならんでもなかった。
 アチラにも多少その気はある模様だ。
 誰も居ない家の戸を開けて、「タダイマー」と呟いた眉ピアスに「お帰りー」と返してみた。
 家族ごっこをやってみて思うに、私はこの元竜の子を生むことはできるんだろうかな。
 ヒトの形をしていて、ヒトとして交わる事も出来る眉ピアスだが、その種は私に根付くのか。
 いずれ試してみれば判る話だろう。
 私はまだ繋いだままの手を持ち上げ、その掌同士をひっぺがす。
 眉ピアスがたまに私に仕掛けるように、ヤツの掌に口付けた。
 手袋も剥いでやれば良かった。あのくすぐったさを味わわせてやろうと思ったのに。
 前回はうっかり眉ピアスの興が乗りすぎて、髪の毛束を噛み切られたが、コイツに噛み付かれかけるなんて、珍しくもない。
 喰うか喰われるかが、性的な意味であったりなかったり、いろんな覚悟を決めた上でコイツに手を出したからには、その辺の諦めはついている。
 便利な『ブーメラン』とはいえ、投げ出してなどやるものか。
 
 
*この後、ガノトトスはハンターが美味しくいただきました
―完(食)―
2010年08月15日(日) 08:43:34 Modified by gubaguba




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