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鋼竜のつらい日

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
14鋼竜のつらい日男ハンター×擬人化クシャルダオラ観察記録の人 ◆ifhFvwrEHs擬人化(「半」黒狼鳥、鋼龍)750〜753

鋼竜のつらい日



「ゲルダ、ちょっといいかな?」

クエストを選んでいるゲルダに話しかけてきたのは同僚のキリだった。

「お前…凄い髪型だが、寝グセか?ポポロングが暴走してるぞ、ドスポポロングと命名していいか?」
「しないでください。」

あっさり却下されたところで本題に入る。

「君、元ガルルガの同居人がいるよね?」
「あぁ、シコンのことか、それがどうかしたか?」
「いや、その…なんともない?」

なんともないわけではないが…ゲルダは答えに詰まる。
はっきり言ってたまに寝かせてくれないときもある。
ガルルガであんなにしつこくて精力的なのだから狂走エキスを持つゲリョスだったら大変だと思う。
最近、シコンが簡単にイカなくなってきたからさらにきついし…

「ほら、人間になってから、体が痛いとかさ。うまく動けないとか」

あぁ、シコンのほうの話ですか。
危ない危ない、同僚にガルルガとの性交渉を話すところだった。馬鹿か私は。

「いや、いたって元気だ。無駄に元気だ。」
「そう、あのさ、ゲルダ…」
「男のくせに、うじうじしたやつだな、さっさと言え。」

キリは決心したように言った。

「ウチにもいるんだ。人化した鋼竜が…」

そのとき丁度クエストを終えて戻ったシコンが見たのは、酒を噴き出しているゲルダだった。





キリはその日、雪山草集めのクエストで雪山にいた。
しかし、彼の本当の目的はクシャルダオラの脱皮の瞬間を見ることであった。
正直な話、彼はクシャルダオラの脱皮の瞬間ははこの世で一番美しいと思っている。
錆色の殻を脱ぎ棄て、羽化したばかりの蝉のように白い鱗と体。

それが瞬く間に硬化して鋼のようになる。
彼の実力ではまだ鋼竜は狩れないのでいつものように、見物だけで終えるつもりだった。
だが、あの日のクシャルダオラは様子がおかしかった。
錆色の羽根を必死に動かしてよろよろと雪山を呼ぶ様子はまるで瀕死の蝶。

それでもいつもの場所で落ち着くと鋼竜は脱皮を始めた。
望遠鏡でその様子を覗くキリが見たのは…白い鱗を持つ、女の姿だった。
本来の竜よりも小さい、脱皮というよりは、鋼竜の中から新しく生まれるように見えた。

理解できなかった。しかし、目がそらせない。

錆色の皮を脱ぎ棄てるのは間違いなく一人の女。雪よりも白い、長い髪が風で大きく揺れる。
背中にはあのクシャルダオラの翼があり、ゆっくりと広げられた。
女が吠えた。あの誇り高き鋼竜の咆哮を。
瞬く間に色がついていく、彼女の髪と翼、そして体の一部についた鱗…
クシャルダオラの脱皮そのものである。
ただ違ったのは、女の姿であることと、脱皮した後、バタリと倒れたことだけ。





「そのままにしておくわけにもいかないから一応連れて帰って…服は着せたからね!?」
「ふむふむ」
「最初はすごく警戒されてね。何度も自宅にいながらネコタクのお世話になったよ。」
「へー…」
「どうも、錆色のとき、街に行ったらしい。そこでハンターたちを戦ったんだけど、なんか緑色の煙で見えなくな ったんだって…」

おそらく勝てないと悟ったハンターたちが一斉に戻り玉で撤退したのだろう。

「ちょうど脱皮の時期だったのとモドリ玉のせいであんな変化を起こしたんだと思う。
 一か月経った最近やっと慣れてきてくれたんだけど…」

そこでシコンはキリを制した。もう言うなということである。

「あー、そレ以上惚気るナら、わたシも負けないゾ」
「…はっ?」
「つまりハ自分の番い自慢ダろう?よし、わたシのゲルダは…」

そこでゲルダは近くにあった他人の黒鍋でシコンの頭をテーブルに叩きつけた。思いっきり。

「すまない、話を続けてくれ」
「あぁ…しかしいいのか?嘴とか耳とか部位破壊してそうだぞ?」
「続けろ」

ゲルダの眼が怖いのでキリは従う。

「昨日から体調が悪くてね。薬を飲ませても効き目がなくて、むしろ酷くなってる。
 医者なんて無理だし…どうにかしたいんだけど…」
「それで元モンスターのシコンなら何かわかるかと思ったわけか。
 えーと、昨日からなんだな?それに、女。薬は効かない。一か月…今は寝てるのか?」
「あぁ、なんか動けないらしい。近寄ると風で吹き飛ばされるから様子がよくわからないけど、
 とにかく苦しそうなんだ。」

ゲルダは少し考えた。思い当たることが…ある。

「よし、私たちを家へ連れていけ。シコン起きろ。」

テーブルに突っ伏したままのシコン。起きれないのは嘴が突き刺さっているせいである。





「ここだよ」

キリの家からは突風が吹いていた。
吹き飛ばされ、追い出されたのだろう、アイルー達が泣きながら御主人のキリに抱きつく。

「さぁ入ろう。気合で」
「龍風圧をか。笑顔で無茶をいうなこのポポロング」

どうやらこの風のせいでドスポポロングになったようだ。

「…しかたない」

ゲルダはありったけの閃光玉を家の中に放り込んだ。ピカピカと、光るキリの自宅。そして風がやんだ。

「はい、お邪魔しまーす。」

ズカズカと入るが、家主の許可があるので気にしない。
ベッドに、一人の女が横たわっていた。鋼色の髪に、青い瞳。恐ろしく色白の肌。
しかし、頭には小さいながらも角があり、体の一部は鱗がついたままだ。

「キリ…?誰?その人たち」

顔色の悪い元鋼竜が不安そうにキリを見つめる。

「こいつの同僚だ。名前はゲルダ。こっちはシコン、元イャンガルルガ。
 で、体の調子が悪いって聞いたけど、どこが痛いの?」

元鋼竜は小さな声で呟いた。

「…ぽんぽん」

思わず笑いそうになるシコンに裏拳を入れて止めるゲルダ。

「やっぱりねぇ…どんな痛み?」

元鋼竜は語彙が少ないのだろう、必死に痛みに耐えつつ説明する。

「あのね。ぽんぽんの下でね。ぐいー、ぐいーって。ちっちゃなチャチャブーがね。体をね、伸ばしては縮めてる ような痛みなの。」
「なるほど…」

そこでゲルダはくるりとキリとシコンの方に向き直る。

「悪いが、お前ら出ていけ」

ぐいぐいと男二人を押しだして、蹴り出して、追い出すとガチャンと扉を閉めた。
ベッドで縮こまっている元鋼竜にゲルダは問う。

「血が出てるね?」
「どうしてわかるの!?」
「しかも…キリにはいいたくない場所だろ?」

元鋼竜の顔が怒り状態のババコンガのように真赤になる。

「恥ずかしがらなくていい。とりあえず、シーツを変えよう。どうせ血で汚れちゃってるんだろう?」
「あのっ…キリにはいわないで!」
「あぁ、大丈夫、あのね、これは人間の女なら誰にでもあることなの。」

ゲルダは元鋼竜に、生理というものについて説明をした。

「…これで大丈夫。腰を暖めておくといい。今日が二日目だから痛いのはしかたないよ。
 明日はだいぶ楽だろうさ」
「本当?」
「あぁ、でもこれからだいたい一か月に一回はこの痛みは来るからね?」
「嫌だなぁ…」

子供のような顔をする元鋼竜。
元の竜の姿と、今のセクシー美女の姿に似合わない言葉使いに笑みがこぼれる。

「そう言えば、名前、なんだっけ?」
「シャルナ…キリがつけてくれたのよ」

うふふと、幸せそうな笑みを浮かべる元鋼竜。

「シャルナ。これ、あたしが愛用してる薬。マヒダケが入ってるからあんまり多用しちゃダメよ?」
「ありがとう、ゲルダさん。ねぇ、ゲルダさんもこの痛い日がくるの?」
「来るよ?毎月」
「…シャルナ、なんで人間が強いか分かった気がする…こんな痛みに毎月耐えるなんて人間凄い…」

あぁ、そういえば股間を強打したシコンも似たようなこと言ってたな。

『こんナ弱点を放置してイる人間は凄い…死ぬかト思った…』

ガルルガ時代では想像もつかない痛みだったのだろう。

「まぁ、薬を使わずに痛みをなくす方法もあるんだけどね」

きょとんとするシャルナに、ゲルダはその方法を教えてやった。


「もういイのか?」
「あぁ、キリには軽く説明してやったしね。」

元々ポポのように大人しく、純な男だ。変な眼でシャルナを見ることはないだろう。

「さて、帰るよ。」
「結局何だっタんだ?元古龍が耐えきれズ暴れるヨうな病なんて…」
「あんたがなることは一生ないから安心しな。…おい、まだ家についていないんだ、べったりするな」
「求愛行動を無碍にするナ。サマーソルトすルぞ」
「やめろ」

シャルナが変な病でないと知って安心したキリはにこにこしながら部屋を掃除していた。
シャルナが痛みに耐えきれず、突風で散乱させた家具をテキパキと片づけていく。

「ごめんね。キリ」
「気にしなくていいよ。とにかく、ゆっくり休んで。アイルーにお粥でも頼もう。」
「ありがとう。キリ」
「どういたしまして」

本当は、痛いから暴れてるんじゃなくて…
こんなところから血が出てることをキリに知られたらと思うと恥ずかしくて、嫌われたくなくて…
だから近づかないようにわざと突風で遠ざけたのに…

「キリ…怒ってないの?」
「なんで?」

本気で分からないといったようにキリは首を傾げる。
その答えを聞いて、シャルナは安心して、決心する。

「あのね、キリ…この痛みなくす方法ゲルダさんに聞いたの。この生理が終わったら…手伝ってほしいの」
「へぇ、そんなのがあるんだ。いいよ。手伝う」
「約束ね?」

どうして、このときシャルナの眼が少しうるうるしていることにキリは気づかなかったのだろう。





一週間後…
キリはシャルナに組み伏せられていた。もちろん、裸でだ。

「シャルナ?え?これは?」
「あのね、生理はね。赤ちゃん産むと痛みがなくなるんだって…シャルナ。赤ちゃん欲しいな。」
「シャシャシャ!!シャルナァ!?」
「シャルナ、キリの赤ちゃん欲しいなぁ…」

元古龍の力に人間が敵うはずもなく、ましてや、全裸で自分にまたがる美女の魅力に、男の自分が敵うはずもない。
すでにキリの愚息は待ってましたとばかり、先を濡らして戦闘準備であった。

「大丈夫ぅ…シャルナ…シコンさんに聞いたよ。男がどうすれば…喜ぶか…」
「あの馬鹿ガルルガ!待って!シャルナ!あのね!赤ちゃんはね!?」
「駄目…もう耐えられない…シャルナ、キリが欲しいの。だから…いただきまーす」

鋼竜が下の口で、ハンターさん、食べちゃった…

プツンと、キリの理性が音をたてて、切れた。





後日…
キリにべったりとくっついているシャルナを見た。
彼女もハンターを始めるらしく、背中には太刀を背負っている。

「…その…そんな恨めしい目で見るな。キリ。自己責任だろう?」
「ははは、原因だという自覚はあるらしいねぇ。ゲルダ」
「まさか、本気にするとは思わなくて…もしかして…毎晩か?よく持つな…」
「ハンターするっていい出してからかなり収まったけどね…あと、シコン君、殴っていい?」
「シェルカスタネットでか?やめてくれ」

微妙に疲れている弓使いと狩猟笛使いの横で元黒狼鳥と元鋼竜が楽しそうに話している。

「あのね、やっぱりまだ二人でらぶらぶしたいから赤ちゃんはしばらくお預けなの〜」
「そうか、まあ頑張れ。わたシも頑張ル。いツかゲルダを孕まセる!!」

次の瞬間、ゲルダがキリのシェルカスタネットでシコンをぶん殴った。
めぎょごりん、といういい音がしたのは気のせいではないだろう。

「…狩りに行くぞ…今日はバサルモスだ…」

それは双剣のシコンと太刀使いシャルナに対しての嫌がらせであった。
シャルナは泣きそうな眼でキリを見るが、にっこり笑ってダメvと言われてしまう。

可哀そうなシコンとシャルナ。
何よりも可哀そうなのは、また痴話喧嘩で狩られるバサルモスである。
今日も火山はバサルモスとガルルガ、そしてクシャルダオラの咆哮で騒がしい。

 終
2010年08月22日(日) 11:45:01 Modified by gubaguba




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