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小噺・鳥竜のつぶやき

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
11小噺・鳥竜のつぶやき  否エロ257〜259

小噺・鳥竜のつぶやき


 おりしも季節は冬。私ら鳥竜どもは、このような気候になると、すごすごとどこかの洞窟に逃げ帰ってしまうわけでして。
 いえいえ、臆病とかそういった問題ではないのです。むしろ、逃げなきゃ死にます。エサもろくにない寒空の下に、わざわざ命かけて行く必要など、寸毫微塵たりともありませんので。
 それに、寒い地に降り立てるのは、あの白い鱗の同胞だけです。私のような青い鱗もちが行ってはならぬのです。寒い日は外にでちゃいかん、これ鉄則。エターナルフォースドドブランゴ、我等は死ぬ。

 私、しがない鳥竜でございまして、いついかなる時も飛竜から逃げようかと画策しているのでございます。この前も、悪魔の名を意味する猪突猛進飛竜に、内臓ブチ抜かれてヤッダーバアァァーッした同胞がおりまして。
追悼の意味も込めて、私の両足は常に逃げを考えているのでございます。ジョースターという紳士は、この『逃げ』を窮地におちいった際に多く用いるとか。
 まあ、人間の信念なんぞ私にとってはどうでもいいのですが。

 そうそう、人間といえば、彼らは独自の行動理念があり、こちらにしてみればなかなかに面白い観察対象でございます。されど、手に持つ凶器は我等を何度殺してもありあまるもので。
 この前も、我が同胞が観察に集中しすぎた結果、散弾を顔面にブチ当てられてしまい、運悪く弾のひとつが眼球を貫通して脳にまで到達、ぶゴゲェェェッ、と相成ったのでございます。
 というわけで、人間観察は命がけ。しかしながら、私の生活は毎日が命がけなのでありまして、危険度の大きさやらうんぬんしか差異点がなく。失敗すりゃ死ぬのはどこも一緒ということでありんす。エターナルフォース田代、失敗すりゃ我等は死ぬ。

 話を戻しましょう。そうそう、人間の話でしたね。
 彼らは生殖行為を狩場にて行うこともあるのです。その鎧を脱いで、です。
 これは我等にとって信じられぬことであります。種の繁栄本能に隷従するのが生物の常とはいえ、鬱蒼と生い茂るジャングルの中で爆竜合体するなど、それなんて自殺? といった所存。げに恐ろしきは、男女の情愛でせうか。

 しかしながら、鎧を脱いだ際の話ですが。この前、ズボンを下ろしたオス個体の排泄部に、何をトチ狂ったのか、ランゴスタという巨大昆虫が針を突っ込みまして。
 その際に響いた悲鳴が、これでございます。

『アッー!』

 どうでしょうか。
 一体ぜんたい、声帯のどこをしぼればこんな音色が出せるのか、私には皆目検討が不可能な次第でございます。鳴き袋も用いずにあのような真似……到底できるものではありません。
 時代は常に日進月歩、といいますが、生物の進歩もそれに準ずるのではないのでしょうか。とはいえども、我等が最弱種であることは絶対不可避の運命。約束された敗北の剣でございます。

 そうそう。そういえば、人間ばかりに着目して忘れていましたが、やはり我等も生物であるからして生殖行為に走ることがあります。
 体の構造上、常にドッグスタイルであり、パンスケスタンスに甘んじなければなりませんが、それはそれ。正義の剣……否、性技の剣の前には無力なものでありまして、こう、いけない場所にミサイル針をブチ込めば、双方快楽を覚えまして。
 結果として周りの状況も見ず、公の場でやることもしばしば。

 そりゃ仕方ないでしょ、私ら獣ですもん。モラルも何も、毎日生きるだけでも大変なのに。
 ブルーファックでスタイリッシュな性生活など、我等にとってはそれがデフォ。でもやりすぎるとメスに蹴り殺されますが。いつの時代も、ほどほどにしておいた方が良い事物はあります。あって然るべきなのです。

 と、そんな理屈めいたことを考える私ですが、これでも妻と息子と娘がおりまして。これが私に似ず、たいそう可愛らしい容姿なのです。とはいえども、それで私の正義棒がエレクチオンする理由にはならないのですが。
 しょーがねーのです、やっぱり我等は獣であるからして、相手の状況とか容姿とか考えないのです。サーチ、アンド、ブルーファック。よほど反りが合わない以外は、互いに股を開いてアンアンアアン。
 まあ、そんなんだからそれなりに危機的意識もあるといいますかなんといいますか。

 さて、ではそろそろ誰かの足音が近付いてきたので、私は逃げくぁwせdrftgyふじこlp;@




「……お、すげーすげー。このランポス、上質な皮をもってたぜ。他の部位もなかなか……」
「そう? こっちは、小柄なのが二体、大きなのが一体いて、全部狩ったけれど……。牙ぐらいしか使えるのなかったわ」
「運が悪いなー。わざわざ接近戦までしたってのに」
「そうね。……私もあなたみたいにボウガンを使おうかしら」

「ボウガンはいいぜー? さっきもぼうっとしてたランポスの脳天だけを、こう、ずどん! と」
「だからか、結構きれいに剥ぎ取れたのね」


 ――そこには、鳥竜の遺体が転がっていました。

 ――皮を剥がれ、爪をひっぺがされ、牙を抜かれた、残骸のような遺体。

 ――肉のかたまりのそれは、すぐに地にいる微生物に食べられていき。

 ――最後には、最後には、あとかたもなくなりましたとさ。

 ――まるで一個の存在そのものが、もとから何もなかったかのように。


(おしまい)
2010年08月18日(水) 08:40:50 Modified by gubaguba




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