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秘湯での対談

スレ番号 タイトル カップング 作者名備考 レス
避1秘湯での対談擬人化ジンオウガ×ハンター 名無しさん微エロ 700

秘湯での対談


「…………おや、先客がいると思えば、貴方か」

そうやって声をかけてきたのは、ある意味とても馴染みのある女性。

一糸纏わぬその姿は彼女の凛々しい雰囲気と相まって、いやらしさより美しさを感じる。

湯煙があるおかげで動揺は少なかったが、何も無ければ見呆けていたかもしれない。

「アレの後に入ると気持ち良さそうだったので。
最近見つけたのですが、貴女の指定席でしたか」

実を言えば、彼女の容姿に覚えはない。
彼女ほど美しい人間に会えば間違いなく記憶に残っているはずだ。

しかし彼女の言葉と立ち振舞いは、あの『王者』を一瞬で思い出させた。

「構わないさ。ココは誰の物でもない。無礼を働けば少しばかり躾るが、貴方には必要ないだろう?」

そう言いつつ彼女は白濁とした湯に浸かる。そのままゆったりと過ごすかと思いきや、彼女はこちらによってきた。
というか、寄り掛かってきた。

「…………何をしているんですか」

「ちょっとした求愛行動さ」

「余計に訳が分かりません」

「簡単な話だ。
強い雌は、より強い雄に惹かれる。
こちらの姿でも私を受け入れてくれた事もあるな。以前の発情期に何度か妥協してそれなりの人間に晒しては見たんだが、全員バケモノ扱いだ」

今が発情期なのは初耳だ。

「まぁ、分からなくもないですけど」

「どちらが?」

「両方です」


彼女の行動理由も分かるが、
つい先程まで互いの命を賭けて戦っていた相手と和気藹々と話せるほうがおかしいだろう。

……うん?それだと僕もおかしいのか?

「とりあえず、そんな不粋な話は無しだ。私は貴方に惹かれた。後は据え膳に手を出すか、貴方の判断だ」

「どこで覚えたんですかその言葉……」
しかもこちらではあまり聞かない例えだ。

「人間は万年発情期というのは本当なのだな。まさかそこらの茂みで盛りだすとは思いもしなかったよ」

せめて拠点までもどるべきだと思う。

情事に使われたベッドで瀕死の人間が休む状況にはなりたくないけど。

「理解できない訳ではないがな。命の危機に晒されれば、子を残したくなるのは私達も変わらない。今が正にそれだ」

話が戻された。
あやふやに終わらせたかったのだが、腹を括るしかないか。

「あー……えーと、うん」

「?」

「それじゃ、頂きます」

所詮、僕も男だったみたいです。
2015年03月23日(月) 18:23:18 Modified by sayuri2219




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