保管庫内検索
作品メニュー
作者別

スレ別

画像保管庫

キャラ別

編集練習用ページ

まだ必要なものあったら編集頼む
最近更新したページ
最新コメント
キャラ別 by 名無し(ID:5Lz/iDFVzA)
キャラ別 by 名無し(ID:cOMWEX4wOg)
キャラ別 by 物好きな狩人
キャラ別 by  
降りてこないリオレイア後編 by 名無し(ID:UKypyuipiw)
25-692 by 名無し(ID:PnVrvhiVSQ)
一角獣 by ケモナーかもしれない
誇り高き雌火竜 三 by ルフスキー
暴君と暴姫 by 名無し(ID:vg8DvEc9mg)
タグ
Wiki内検索
カテゴリー

22-159

スレ番号 タイトル カップリング 作者名 備考 レス
22 いつでも心に弾丸を 第四話 否エロ159〜163

いつでも心に弾丸を


「さてと」
 そういって筒を地面に置くリン。
「それじゃあ早速試し撃ちをやります」
「応」
「じゃあこれをつけるから利き手を出して」
「頼む」
 かなりがっしりした腕に皮ベルトを回して固定していく。こうしてみると体中に古い傷跡が沢山ついている。
「にしても、これはどうやって使うんじゃ」
「グリップの横に付いてるこのボタンを押す、だって」
「ふむ」
そのまま上に向けたままの状態でボタンを押すフィスト。カチッという軽快な音と共に腹の底まで響く巨大な音が室内に広がる。
あまりの爆音に目を回す二人。何とか意識を保って上空に眼を向けると何かが落ちてくる。
ゴスッと言う音を立てて床に半分ほど埋まったのは、燕雀、輝竜、霊鶴、鳳凰が綺麗に混じった弾丸だった。
「は?」
「ほう、綺麗じゃのう」
 あの轟音の正体はこれか?これなのか?何故こんなに大量の鉱石の塊を?
 頭の中には疑問符ばかりが並んでいた。
「大丈夫、結構凄い音がしたけど?」
 少しだけ真面目な声音でジョージが入ってくる。
「言い忘れたことがあって言いに来たんだけど…」
 大量の煙を払いながら近付いてくるジョージ。
二人の元にたどり着いて発した一言は、
「あちゃー。やっちゃったーのね…」


「あら。何??」
「何でこんなに弾が豪華なの」
「企業機m、おk、わかった仕舞ってすぐに」
「色々聞きたいことがあるけど」
「わかったよーう。話しますーよ」
 なるだけ温度を下げたリンの目線に怯むジョージ。
(蛇と蛙の喧嘩の様じゃのう)
平和なのはフィスト一人だった。
「当たり前だ〜〜けどモンスターには、利きやす〜〜い属性と利きにくい属性ってものがあるでしょ」
「うん」
「例えば金銀の二匹はー雷が利きやすいとか、金獅子には氷を使うとか」
「うん、で?」
「弾丸にも同じことが言える。だか〜〜ら属性なんか関係無しに装甲を完全にぶち抜く、
だ〜〜から弾丸を単純に鉱石で固めてみたわけ」
「なるほど」
「?やはり難しい話はわからん」
「そうすれば属性に左右されないーーで、しっかりとしたダメージを与えられると思ったのよ」
「なるほどね、でもそうするとこれだけ純度の高い鉱石の塊って結構大変じゃない?
値段にしても運ぶにしても」
「そ、でここから本気モード。使い方とかしっかり教えるからしっかり聞いて、OK?」
 年に一回か二回、それぐらいしか見られない。それほどの本気がひしひしと伝わってくる。
 自分の武器でさえへらへらと要領を得ない説明しか何のにも関わらず。
「フィスト、こっち来て」
「あ?おお」
 武器をつけたままゆっくりと立ち上がるフィスト。
「念のためにリンちゃんも覚えておいてね。まずはこれの仕組みを簡単に説明するわ。
まずこれの弾だけど、一発ごとに補充する必要があるから気をつけてね。
そんでもって、少し重量があるから弾籠めしたままの殴り合いはお勧め出来ない」
懐から取り出だしたるは、という感じで弾丸を取り出したジョージ。
外見的には、既存の薬莢の上に磨かれた鉱石の塊が様々な色を湛えて乗っかっている。
これをあの音とあの速度で相手に撃ち込む。天井の大穴も含めて想像すれば火力は凄まじいものになるだろう。
 実演を踏まえながら説明するジョージ。まず触れたのが筒の後ろ側に畳まれている取っ手らしき物。
「これがリロードのときに必要なの」
そう言ってフィストの腕につけたまま、取っ手の付いたカバーをずらす。
すると空の薬莢が景気のいい音を立てて飛び出す。
「そしたら弾丸を頭から入れる」
その言葉通りにこれまた軽快な音を立てて弾室に滑り込む弾丸。
「そしたらさっきとは逆の手順で、カバーを閉めて、これで出来上がり」
「ほう、ずいぶん簡単に弾込めができるんじゃのう」
「あら、なんで知ってる風な言い方?」
そういわれたフィストは懐かしそうな顔をして、
「なあに、昔、槍に弾丸を詰めたものを喰らってのう。いやあアレは痛かった。はっはっはっは!」
「いや笑えないから」
さらっと一言だけ突っ込みを入れるリン。
「ジョージ黒グラの甲殻って予備あるの?」
「もっちのろんろん、しっかり正規ルートだかーら、安心して〜ね」
「そう、じゃあ用意してくれる?」
「はいは〜い」
そのままいつもの調子に戻ったのか、ご機嫌な様子で駆けていく。


「のう」
「ん、何?」
 横からは座りながらレバーをいじっているフィストが。
「これに注文をいくつかつけるのは構わんのかのう?」
「さあ、でもあいつは気まぐれだから、もしかしたら聞いてくれるかもね」
「そうか…」
 おくから鎖が擦れるのに似た音をたてながら、二メートル程に区切られた
黒々とした雄雄しいまでの甲殻が出てきた。
「凄い…」
「これはまた立派な物じゃのう」
「凄いでしょ?このサ〜イズまで小さくす〜るのに、丸四日〜も掛かったの〜よ」
 ゆっくり近付きそっと手に触れる。
四日も掛かったということは切り出すのにも同じほど掛かったということだ。
あわせて八日。それほどの時間が経ったはずなのに近付くだけでむせ返るほどの
熱量を維持している。何百年と生きてきたそのいきざまがまざまざと感じられた。
「これは誰が倒したの?」
「ポストマンとレディウルフよ」
「え?あの二人が」
「そう、ポストマンった〜ら、僕の所にやってき〜て何か言うと思ったら、
ぼろぼろ涙流し〜ながら、闘うのがつらいと思ったのは初めてとか言うし
レディウルフも見てるこっちがつらかったとか言ってね……」
「誰じゃその郵便屋と狼女とか言うのは」
「後で会えるわよ。今はそれの」
「試し撃ち、じゃろう?わかっておる。全く…突っ込みも無しか」
「じゃ〜、さっさ〜とやっちゃいましょ〜うか」
 そう言って後ろから杭が出てきて、床に固定された。
「さあ、ぱぱっ〜とその筒の中に籠められた熱い熱い一発をドドンと!」
 それを全く聞かずに甲殻の前に進んでいく。そのまま一例。左足を前に出し右足を後ろに。
 右腕を後ろに下げ左手を前に。
「ま〜た随分と」
「慣れてる…」
 そのまま強烈なストレートと共に繰り出される白の筒。そして拳が当たるその瞬間。
爆音としか形容しようの無い音が室内を覆った。
仕組みを理解していたジョージは耳をしっかりと塞ぎ、
一度しっかりとその身をもって、体験しているリンはより一層耳を塞いだが、
まったくの無意味だった。
目の前の甲殻にはひび一つ無い、綺麗な新円が空いていた。


「ねえ、リン?」
「何?」
「どうし〜て僕の四肢に強固な縄が〜結ばれているの?」
「それはね、あんたの自由を封ずるためよ」
「ねえ、リン?」
「何?」
「どうし〜て僕は猿轡を〜噛まされようとしているの?」
「それはね、あんたの口を塞ぐためよ」
「ふぇえ、ひん?」
「何?」
「ほうひてほふはふふっはふうをふへへいふの?」
「どうして僕が作った銃を向けているのかって?それはねあんたを本格的にぶっ飛ばすためよ」
「ふぇえ、ふぃふほ?」
「ん?」
「はんへあはははほへほうほひはいほ?」
「『何で貴方は止めようとしないの』だって?どうでもいいからじゃ」


「にしても、凄い威力だったのう」
「確かに、でもあれだけ強いと使いどころを考えないとね」
「確かにのう。まあ、今はシークのところに行かんとな」
 そのままギルドに向う二人。
「そういえば」
「ん、なんじゃ?」
「フィストは何であんなにしっかり構えが出来てたの?」
「何、昔取った杵柄と言うやつじゃ。中々様になってたろう?」
「杵柄?」
 いきなり出た単語に首を傾げるリン。
「『昔』って何かやってたの?」
「ああ、さっき言ったろう。三月ほど人の姿になったと。そのときにな、
わしを襲おうとしてきた木っ端共からの護身術代わりに少し練習しておったんじゃ」
「へえ、じゃあ我流?」
「うむ、まあ射程が違ったり踏み込みが浅かったりと色々大変じゃったんだがな」
「へえ」
そうこうしているうちに、ギルドの前に着いた。その途中で道具屋や顔見知りの連中が
ついにリンもか…だとか、男を捜すくらいならポポと遊んでたあの子にも春が…、
色々な憶測が耳に入ってきた気がするが全て無視と決め込んだ。
2010年08月15日(日) 03:54:34 Modified by kongali




スマートフォン版で見る