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22-66

スレ番号 タイトル カップリング 作者名 備考 レス
22 店主の話 否エロ 66〜70

店主の話


シュレイド地方からヒンメルン山脈を越えた東の地、切り立った山間にドンドルマの街は築かれている。
 朝の陽射しに鈍く輝くこの街の門を、1人のハンターが潜り抜けた。
 背の高い建物が立ち並び、ハンターのみならず多種多様な人々が行き交う街並みを物珍しげに眺める彼は、
雪深い辺境の村出身であった。

 故郷の村とはまったく違う都会の雰囲気に、このハンターは少しのたじろぎを覚えていた。激化する
モンスターの恐怖から村を守り抜き、凶悪なモンスターたちに囲まれようとも眉ひとつ動かさない村の英雄が、だ。
 遠方の地への使いついでに、話のタネにと噂に聞くドンドルマの街へ寄ってみたのだが、まさかこれほどの
ものだとは。

 田舎者の常、きょろきょろと落ち着きなく周囲を見回す彼の目に止まったのは、こじんまりとした酒場の
看板だった。
 小洒落た看板が並ぶ中、どっしりと分厚い木で作られたそれには、番いの火竜を思わせる美しい模様が描かれて
いた……故郷の無骨な酒場を思わせるそれを目で確認した時には、彼はすでに酒場のドアを押し開いていた
のである。

「ああ、いらっしゃい!」

 威勢の良い声で出迎えてくれたのは、無精髭を生やした大柄な男で、目の前のカウンターへ座るよう
ハンターを愛想良く促す。
 店には彼以外に人気はなく、看板と同じくどっしりとした造りの椅子は、カウンターのもの以外すべて
テーブルの上へあげられたままだった。
 準備中の看板を見落としていたかもしれないことに気が付き、ハンターはすまなさそうに詫びて店を出ようと
したが、店主は豪快に笑うと、カウンターへ彼を招いた。

「昨日からウェイトレスが風邪でよ、俺が看板を出し忘れてたんだ。すまないな、簡単なものなら出せるが……」

 と、言って彼は苦笑した。ハンターはその笑顔にふと、村の酒場のような居心地の良さを覚え、小さく笑い
ながら街のちょっとした名物だと聞いていたドリンクを頼んだ。
 ほどなくして出てきた、汗をかいたグラスからまずは豪快に一口。口の中で少しだけ酸味の利いた味が広がり、
埃っぽい街の空気に晒された喉を潤す……とても美味い、と店主に告げると、このドリンクは店によって少しずつ
味が違うのだと嬉しげに説明してくれた。

「兄ちゃん、この街には来たばかりかい」

 店主の言葉に、ハンターはやや驚いた。これほど大きな街だ、余所者が誰かなど分かりはしないだろう。
しかし、店主は例の豪快な笑い声をあげ、

「雰囲気がな、違うんだよ。この街に馴染んだ奴らと、新入りではな」

 なるほど、そういうものかと素直に感心したハンターはドリンクをもう一口、そしてふと、壁に掛かった
赤と緑の鱗を目に留めた……手入れが行き届いた店内で、埃一つなく小奇麗に飾られてはいたものの、それでも
多少は古びれており、随分古いもののように見える。
 ハンターの性か、思わずそれをじっと見つめるハンターのグラスにお代りを注ぎ、店主は彼の視線の先を
目で追った。

「……なんの鱗か、分かるかい?」

 色と質感からして、リオレウスとリオレイアに違いない。それも、鱗の大きさからして、比較的若い個体だ。
形の特徴からして、生息地域は森丘だろうか……その推測を告げると、店主はひゅう、と口笛を吹いて拍手をする。

「種類はともかく、鱗だけで年齢や生息地まで分かっちまうのかい! あんた、若いのに凄腕だねえ」


 村を頻繁に出入りしていた王立古生物書士隊の1人を案内しているうちに、自然と覚えたのだ。
 そう説明するハンターの目に映る、感嘆の溜め息を吐きながらリオレウスとリオレイアの鱗を眺める店主の
姿は、どこか物悲しげに見えた……昔を思い出しているのだろうか、遠い目をする店主へ、ハンターは尋ねずには
いられなかった。

「――そうだなあ、俺も元はハンターでねえ……あんたの足元にも及ばない程度の腕前だろうが、それでも
リオレウスとリオレイアを討伐するくらいの、ちょっとした自信はあったさ」

 誇れる過去を話しているにもかかわらず、後悔の滲むその声にハンターは、もし彼が良ければ、あの鱗の話を
聞きたいと告げた。
 店主は小さく頷き、そして語り始めた。





 昔々、まだあんたが産まれてもいない頃、俺がガキだった頃の話さ。
 俺の親父はそこそこ腕の良いハンターで、ある日面白い土産があると言って、大きな包みを抱えて帰ってきた。
 丸みを帯びた包みの中から出てきたのはなんと飛竜の卵だったが、それにしちゃ小振りで、子供の俺でも
なんとか持てるくらいの大きさだった。

 なんでも、ほかの卵とは違って巣の隅に追いやられるように置かれていたため、中身はすでに腐っているのかも
しれないとのことで、ギルドが引き取るのを渋ったそうだ。その結果、面白半分に親父が持ち帰ったと、そういう
わけらしい。
 あの業突く張りの脳なしギルドハンターめ、と冗談と本気半々で毒づく親父を、お袋が怖い顔でたしなめて
いたのをよく覚えている。

 飛竜の卵はそこら辺の卵とはまったく違った。大きさも、質感も。分厚い殻に覆われたそれは、とてもじゃ
ないが中身が腐っているようには思えず、俺は親父に散々粘って手に入れた卵を部屋の窓辺へそっと置いた。昼は
日光に、夜は月光に照らされ、神秘的にほの輝く飛竜の卵を眺めては、中から凶暴なモンスターが飛び出して
くるんじゃないかと夢想したもんさ。

 そして、親父は狩りへ出かけ、お袋は朝早くに市場へ買い出しに出かけたある朝、こんこん、とドアをノックする
ような音に、俺は起こされた。
 家にも部屋にも、誰もいない筈だった。俺は用心深く部屋を見まわし、ドアを薄く開けて家の中もそっと確認した。
誰もいない。気のせいかと思ってドアを閉じ、振り返った俺はぎょっとした――飛竜の卵が動いている!!

 慌てふためいた馬鹿な俺は、卵に近づくと、まるでそうすれば飛竜を卵の中に閉じ込めておけるみたいに、卵を
ぎゅっと抱きしめて押さえつけた。腕の中で小刻みに震える卵は、やはり、確かに生きていた。
 ばきっ! そんな音が耳元でしたと思った次の瞬間、卵が俺の腕から飛び出し、床の上で粉々に砕けた。

「あっ!!」

 その時、俺は凶悪なモンスターが産まれることに心底怯えていたくせに、卵が割れてしまったことに、ショックを
覚えていた。
 放心したように立ち尽くす俺に、しかし、卵……の殻は、再びかたかたと動き出した。ぎょっとして後退り
すると、1番大きな殻の下から、黄緑色のなにかが見える。
 どんなに怖くとも、子供ってのは好奇心には勝てないもんだ。俺は完全に引けた腰で、それでもそっと卵の殻を
摘まむと、黄緑色の上から除けてやった……そこにいたのはなんと、陸の女王、雌火竜リオレイアの雛だった!!

 話に聞くリオレイアとはまったく違う、きゅう、と高い声で鳴き、よたよたと俺の脚にまとわりつく雛を前に、
俺は心底途方に暮れた……ああ、いったい俺に、どうしろっていうんだ?
 俺はその時、どれくらいの間立ち尽くしていたんだろうか。ふと、太陽が真上に登りつつあることに気が付いた俺は、
リオレイアの雛をたどたどしい手付きで抱え上げ、大振りの鞄の中へ突っ込んだ。着替えている間中、雛は
きゅうきゅうと不安げに鳴いたが、俺が鞄の上からぽんぽんと軽く叩いてやると、すぐ大人しくなった……再び鳴き
だすのも早かったが。

「いいか、大人しくしてるんだぞ」

 言葉なんて理解できないだろうに、俺はリオレイアにそう呟いて、一目散に家を飛び出した。家を出てすぐ
突き当たりの角を曲がる瞬間、目の端に反対側の道から帰ってきたお袋の姿が見えたように思えたが、今はそれどころ
じゃなかった。
 親父はハンターで、お袋はハンターの妻だ。このリオレイアは俺が守らなきゃならない。俺は子供っぽい正義感と
義務感に駆られていた。

 村を出てちょっと入った森の中に、俺だけの秘密基地がある。大きな木の洞で、小さなリオレイアの雛くらいなら、
簡単に隠せそうだ。俺は鞄の中へ手を突っ込みかけ、噛まれないか少し不安で一瞬躊躇し、それでも結局手を
突っ込んだ。

 ちくちくとしたリオレイア特有の背毛はまだ柔らかかったが、薄くともきちんと生え揃っていた。成長すれば
ハンターの鋭い剣さえ弾く鱗は、まだ小振りで柔らかく、ほんのわずかに弾力があるように感じる。
 きゅう、と不安げな声が上がり、堅い嘴が手に触れた。ぎょっとして手を引っ込めそうになったが、リオレイアは
すぐに俺だと気が付いたらしい。次に手に触れたのは、生温かく湿った小さな舌だった。

「ほら、良い子だから、大人しくしてろよ。あと、絶対噛むなよ」

 やはり意味は通じないだろうにそう話しかけながら、俺はそっとリオレイアを鞄の中から取り出した。
 ちょん、ちょんと跳ねるように歩き、ふんふんと洞の中を嗅ぎまわる姿はとても愛らしく、このリオレイアを
守らねばならないという使命感をいっそう強くした。

「俺が、守ってやるからな」

 意味も分かっていない癖に、リオレイアはきゅう、と返事をするように鳴いた。
 その日から俺は頻繁に森へ足を運んだ。餌が心配だったが、最初は柔らかく煮た肉を、やがて柔らかめの生肉、
と少しずつ与えてみたところ、どうにか上手くいったようで、リオレイアは日に日に大きく成長していった。
 小型犬程度だったサイズは今やちょっとした大型犬くらいで、俺が帰ろうとすると服を引っ張っては困らせた。
まだ小さいとはいえ、さすがに飛竜。力はとても強い。

 何時の間にかなくなっていた飛竜の卵について、親父もお袋もなにも言わなかった。
 幼心にも、何時までもリオレイアを隠し通せるとは思っていなかったが、それでも俺は踏ん切りが付かずにいた。
俺はあのリオレイアが大好きで、心底愛おしかった。

 そしてある雨の日、仕事から帰ってきた親父の顔は酷く疲れていて、俺とお袋を驚かせた。後々になって、狩りの
最中に仲間を1人亡くしたことを聞いた。酷い最後だったらしい。
 雨はそれから3日間振り続け、親父は仕事に行けず、俺もリオレイアのところへ行けず、時間を持て余していた。
キッチンでぼんやりと果物を齧る俺に向かって、親父はぽつりと呟いた。

「……お前、ハンターになるつもりなんだってな」

 親父に言った記憶はなかったが、お袋が話したのだろう。特に秘密にするつもりでもなかった俺は、あっさりと
頷く。

「……飛竜は元気か?」

 俺はびくりと飛び上がらんばかりに驚いて、親父を見た。親父の顔は怒っているようにも、悲しんでいるようにも
見えず、俺はどう答えて良いのか迷ってしまった。
 親父は、そしておそらくはお袋も、知っていたのだ。あのリオレイアのことを。

「飛竜は人に懐かない。もうしばらくすりゃ、お前にも牙を剥くだろう」
「そんなこと、」
「俺は、お前が知らない間にそいつを処分することだけは、したくないと思っている……分かるか?」

 お前の手で殺すんだ。
 親父は言ったわけじゃないのに、俺の頭にははっきりとそう響いた。俺が、あのリオレイアを、俺の手で。

「ハンターってのは、生きていくってのは、こういうことだ」


 静かにそう呟いた親父の横顔を眺め、俺はふと、親父の友達を殺したのが、リオレイアでないことを願った。
 その翌日の早朝、いまだぱらぱらと小雨が降る中を、俺はゆっくりと歩いていった。手には親父の片手剣がある。
 数日振りの再会に、リオレイアはぴょんぴょんと飛び跳ねながら木の洞から飛び出てくると、俺の腹に尖った
頭を甘えたように擦り付けてきた。その頭を撫でながら、俺は手の中の片手剣の重みをぼんやり感じていた。

 リオレイアは頭の肉質がもっとも柔らかい。俺はゆっくりと片手剣を持ち上げた。リオレイアは俺がなにを
するつもりなのか、興味深くじっと見つめている。
 俺は、片手剣を振り下ろした。

 ぎゃッ!! と鋭い悲鳴が上がり、リオレイアは勢いよく俺の傍から飛び退いた。俺は、リオレイアを殺せ
なかった。迷いに迷った刃はリオレイアの首の鱗を浅く掠めただけで、それでも多少は痛かったのか、リオレイアは
俺に対して初めて低く威嚇的な鳴き声を上げた。
 リオレイアは怒っている。俺に対して。それが堪らなく悲しく、俺はやけくそにそう叫ぶと、わあっとその場に
突っ伏して泣きだした。

「行っちまえ!! 出ていけ、2度と俺の前に姿を見せるな!!」

 地面に額を擦りつけたままの俺の耳には、自分の荒い呼吸しか聞こえず、辺りはとても静かだった。もう
リオレイアはいなくなってしまったのだろうか。
 自分から彼女を裏切ったくせに、未練がましく顔を上げた俺の目の前には――俺と同じくして途方に暮れ、立ち
尽くすリオレイアの姿があった。俺とリオレイアの視線がぶつかり合う。
 彼女の目は俺にこう問いかけていた……何故? と。

「……ごめんな」

 涙で濡れた手を伸ばすと、リオレイアは1歩後退り、そしてためらいながらそっと鼻っ面を押しつけてきた。俺は
立ち上がり、リオレイアの頭をぎゅっと抱え込むようにして抱きしめ、彼女に囁いた。

「…………お前と、離れなきゃいけないんだ」

 言葉は通じていなかっただろう。だが、確かにリオレイアは俺の言った意味を理解していた。
 リオレイアはまるで産まれたばかりの雛みたいな声できゅう、と小さく鳴くと、森の奥へと静かに去っていった。
それきり、リオレイアは戻ってこず、俺はまた空っぽの木の洞の前で泣いた。もう顔を上げても、彼女の姿は
どこにもなかった。
 その日夜遅くに帰ってきた俺が差し出した、小奇麗なままの片手剣を見ても、親父はなにも言わず、その片手剣は
くれてやる、と言ってくれた。

 それから月日は流れ、俺はちょっとした腕利きハンターと言われる程度には成長していた。
 リオレイアを狩ることもあったが、昔は若かったなあなどと思うことはあっても、狩ることへのためらいは
もはやない。その日も丁度、俺はリオレウスとリオレイアの番いを狩りに、森丘へとやってきていた。

 巣の入り口近くでリオレウスと鉢合わせした時は少しだけ慌てたが、なんとか押し戻し、巣の中で討伐に成功する。
死しても卵を守るかのように倒れ伏したリオレウスの身体の影から覗く卵に気が付き、昔の思い出を薄ぼんやりと
思いだしたが、やはり罪悪感は湧いてこなかった。ハンターってのは、そんなもんだ。

 さて、番いのリオレイアでも探しに行くかと思った俺の耳に、突然の鋭い咆哮。そして、真上からの強烈な
炎ブレス! リオレイアだ!
 俺は弾かれたようにリオレイアと距離を取ると、得物をしっかりと握り締めた。緊張感と高揚感が俺を支配する。
リオレイアの咆哮が巣を揺るがした。

 勝負はすぐについた。勿論、俺の圧勝だった。リオレイアなんてすでに何十匹も仕留めたことがある。歳若い
リオレイア相手に、今更苦労するまでもない。
 いまだ息のある雌火竜を楽にしてやろうと近づいた俺は、ふと、先程の戦いで出来たものではない、リオレイアの
古傷に気が付いた……気が付いてしまった。

「――お前、」

 自分の声が震えているのを感じた。
 首についたその古傷は。ああ、待ってくれ、そんな筈あるか。そんな、そんな馬鹿馬鹿しい、嘘だ!!
 俺と、倒れ伏したリオレイアの視線がぶつかり合った……あの時のように。

 何故?
 言葉もなく、唇を震わせ、俺はその場に崩れ落ちた。

 謝ることさえできなかった。足元には彼女と、彼女の夫の血に濡れた大剣が転がっている。ああ、おい、待てよ、
こんな三文芝居みたいなことが、あってたまるか。大きくなったんだな、旦那と、子供まで作って。なんでこんな
人里近くに降りてきちまったんだ。なんで俺に依頼がきたんだ。なんで俺は引き受けちまった。ああ、なんでだよ、
どうしてだよ、畜生!

 そうしている間にも、リオレイアの目はどんどんと曇り、虚ろになっていく。今更ながらこの巣の雰囲気が、かつての
木の洞に似ていることに気が付き、俺は愕然とした。
 俺が彼女にしてやれることはなにもなかった。最後に彼女は雛の頃みたいな小さな鳴き声を上げて、こと切れた。
 彼女と彼女の夫へ跪くようにうずくまり、地面に額を擦りつけて、俺は咽び泣いた。

 親父、親父は言っていたような。ハンターってのは、生きていくってのは、こういうことなんだと。俺はその意味を
初めて理解した。
 頭も顔もぐちゃぐちゃだったが、それでも長年染み付いたハンターの習性に、俺は忠実だった。俺はリオレウスと
リオレイアから鱗を1枚ずつ剥ぎ取り、そしてテントへ戻って報酬を受け取った。
 それからハンター生活に必要だった一切の物を売り払い、このドンドルマの街で酒場を開いた――2枚の鱗を残して。





「……つまり、そういうこった」

 そこまで話し終えると、店主は悪戯っぽくにやっと笑った。まるで、今までの話が冗談であるかのように。
 ハンターは口を開きかけ、再び噤む……寄り添うように飾られた鱗がすべてを物語っているように彼は感じたのだ。
 代金を支払い、店のドアを開いたハンターの背に、店主は「また来いよ!」と言って笑った。ハンターはただ軽く
頷き、店を後にした。
 街を出た先、ぶらぶらと歩きながら、たまには採集クエストでも行ってみるか、と思いながらハンターが見上げた
空は、青く澄み渡っていた。
2010年08月15日(日) 03:29:31 Modified by kongali




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