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23-50

スレ番号 タイトル カップリング 作者名 備考 レス
23将軍様いらっしゃい 後編擬人化ショウグンギザミ×女ハンター観察記録の人 50〜56

将軍様いらっしゃい 後編


二本だけとなった足でふらつきながらも、どうにかベースキャンプにつく。
ギザミのころは、ここに近づくのは無意識のうちに避けていた。彼女がここに入ると追えなくて歯がゆい思いをしたものだ。
一度、どうしても自分の綺麗に取れた殻を彼女に渡したくて、ここに向かったことがあるがすぐ嫌な気分になり逃げ出したこともある。
今はそうでもないということは、どうにか人間にうまく変わったのだろう。
彼女をベッドに寝かせると、青年は変化した自分の体に確認するため、ギザミX装備もインナーも脱ぎだした。
柔らかい自分の姿に少々不安を覚えるが、まぁ、こういうものだろうと納得する。
そしてふと、彼女の体が気になり、ついでとばかりに彼女の装備も外していく。
兜を脱がし、鎧の帯をほどく途中、待ち切れずに何度鎧を壊してやろうかと思ったことか。
ようやくすべての装備をはがし終えたときには、青年の性器はすでに勃起していた。
彼女の胸にある大きな膨らみが何なのか理解できず、つんつんと軽く突く。とても柔らかい。
とにかく、この体なら彼女を傷つける心配もないとみて、柔らかな彼女の体を堪能しようとのしかかる。
彼女の匂いを感じる力はだいぶ弱くなったのか、近寄ってようやく彼女の香りを認識することができた。
あんなに小さくて、遠くにいた彼女がこんなに近くにいることに少々感動しながら、インナーに手をかけた時だった。
「こらっ!!」
ミチッ!と肉を打つ音と共に、激痛が走り、青年の意識は空へと散った。
自らの性器を両手で押さえてベッドから転がり落ち、手負いの獣のような声で呻く。
「あー、びっくりした……」
リカルダは嫌な汗をかきながら、ベッドから起き上がり、もんどりうっている青年に目をやる。
伝説に近い黒龍を見て気絶したのまでは覚えているが、今の状況は理解できない。まさに、どうしてこうなった!という気分だ。
「あー、気持ち悪い。素足で蹴りたいもんじゃないね……」
そんなに勢いよく蹴ったつもりはなかったのだが、やはり男にとって急所は急所らしい。
「お、起きていたのか……」
「ついさっき。さて、説明してもらいたいんだがねぇ……大丈夫かい?」
「だ、大丈夫…だと…思う」
こちらを涙目で見てくる男に、リカルダはちょっと驚く。
まだ若い男で、しっかりと筋肉のついた体になかなか凛々しい顔だ。若武者……という言葉が浮かぶ。
「何なんだ……この痛みは……」
まだぷるぷるとしている男を見るとさすがに罪悪感がわいてくる。
こんないい男が、もうすぐ30でしかも地味なリカルダを相手に発情するのかと思ってしまうではないか。
自意識過剰なんじゃないかといわれたら、自分でも納得してしまいそうだ。
「……いや、全裸だし」
全裸の男を前に、さすがにそれは卑下しすぎかとリカルダは思わず突っ込む。
いくらなんでも全裸の男が圧し掛かってきたら金的ぐらいは許されるだろう。
「っふぅ……あー、死ぬかと思った……」
ようやく落ち着いたらしい青年は、リカルダの前に全裸で正座する。
「……」
「……」
双方とも、どう言葉を発していいかわからないのか、嫌な沈黙が続く。
「あのさ……」
「何か?」
「襲おうとしたの?」
「応」

よし、ギルドナイトに引き渡そう

リカルダは大きなため息をついて頭を抱えた。

「その……だな……好きなんだ」
おずおずと、青年が言い訳を始めるのをとりあえず聞いてやる。
「……そう」
「あなたが好きなんだ。だから人間になったんだ」
「……はぁ?」
「あなた、いつも逃げていくから。人間になれば、逃げないでくれるかなと思って」
「よし、つまり、あんた、元は人間じゃあないと?」
青年は至極真面目な顔で応、と答える。
「それで黒龍の力を借りて……」
「待って、ちょっと待って」
リカルダは必死にあの恐怖の邂逅を思い出す。
そういえば、あの黒龍は青い装備の人を口に咥えていなかっただろうか。
少し周りを確認してみれば、青年のものと思われるギザミX装備が投げ捨てられていた。
「……ははは、ギザミかぁ……」
また嫌な事を思い出し、リカルダはさらに大きなため息をついた。
おそらく、この青年は黒龍に挑み、負けたショックで記憶が変化してしまったのだろう。
ただ姿をみただけのリカルダでさえ、恐怖でおかしくなりそうだった。
とにかく、あの黒龍に挑んだことからかなり名のあるハンターに違いない。ギルドで保護と身元確認を頼んでやるのが一番だろう。
「なぁ、抱きついていいか?」
「駄目に決まってるでしょうが」
お前は何を言っているんだと、リカルダはこのおかしな青年を睨みつけた。
しかし、あからさまにしょんぼりした顔をする青年をみると、なぜかリカルダのほうが居心地悪くなる。
弟達と似たような雰囲気だからだろうか、元々面倒見の良いリカルダはついつい青年を気遣ってしまう。
「あのねぇ、あたしみたいな女なんかよりも」
「あなたがいい」
まっすぐに、リカルダの目を見て青年はそう言い切る。
年甲斐もなく、リカルダは頬を染めていることに気付き、恥じるようにまた大きくため息をついて苦々しく顔を伏せた。
いくら若くて良い男で、しかも自分を好きだといってくれてもだ。
相手は気絶している自分にのしかかってくるようなろくでなしだ。関わってはいけないだろう。
とはいえ、もし今力づくで襲われても勝てる気がしない。それに悪い子ではなさそうだ。
って……何を自分は……こいつにならいいかな、なんて納得しようとしているんだ。
リカルダは自分の考えに酷く動揺するが、その心の奥底でどこかこの青年に既視感を感じていたのは気付いていなかった。
それがあったから、リカルダは青年を拒絶する気にならなかったのだが……
「あなたに触れてもらいたい。足でもいい。というかもう踏んでくれ!」
「落ち着け」
この子はずいぶん混乱しているのだろう、少し落ちつけてやってからギルドに引き渡したほうがいいし……

……ふと、彼女は嫌な記憶を思い出してしまった。その記憶を頭から出そうとするように、軽く頭を振る。
「仕方ないね……」
そうだ、これは仕方ないんだ。落ち着かせるためにも少し抜いてやるだけだ。
それに……どうせ一度は男に遊ばれた体だ。もう一度遊ばせてやってもいいじゃないか。
彼女はそう自嘲すると靴を脱ぎ捨て、青年の股間に足を伸ばした。
「あっ……!」
リカルダの足が青年の性器の先に触れると、青年は体を震わせた。
「こんなのが気持ちいいのかい?」
ベースキャンプのベッドに腰掛けつつ、リカルダは理解できないと言いたげにそう問いかけた。
「あ、ああ……」
「変わった子だね」
青年の性器を、リカルダは足の裏で踏みつけるように愛撫する。
リカルダの足元には、すでに青年が全裸で足を広げていて座っていた。
熱を持った性器を土踏まずの部分で擦り合わせ、ときには親指で軽く先をなぞってやる。
はっきり言って足をこんなふうに使うのは初めてなので、リカルダも手探りだ。……使っているのは足だが。
足の裏で強く擦りつけてやると、面白いほど先走りが流れ、余計擦りやすくなる。
「……やらしい顔だこと」
それは言葉責めというよりは、心底呆れた声であった。
軽蔑するような、憐れむような声音に、余計青年が興奮していることに彼女は気付かない。
そんなことより、自分よりはるかに腕のたつ青年が、足元で淫らに喘いでいるのに夢中になってしまう。
優越感は嗜虐心を増幅させていくのだろうか。青年の性器を足蹴にするという行為に、気がつけば笑みが漏れていた。
そんな自分に気付いて、思わず恥じた彼女は足を止めて擦っていた性器から離す。
ねとねととした感触が非常に気持ち悪い。
眉をひそめて、困った顔で青年の顔と性器をみる。満足するにはまだまだ物足りないようだった。
「はぁ……」
仕方なしに、また足で踏みつけ、今度は乱暴に擦リ始めた。青年は呻きつつも、心なしか喜んでそれを受けている。
「あっ!あっ!」
もっと刺激をくれといわんばかりに、かくかくと腰を揺らす青年が、とても滑稽に見えた。
さっさとイってくれ、とリカルダは心の中で呟きながら上下に強くしごきあげる。
4、5分ほど無言で擦り続けたが、青年はまだ達しそうにない。あと少しといったふうだ。
本当に困ったのはリカルダのほうだ、こんな足の使い方は今までしたことがなかったので疲れてきた。
もう無理だと、早々に判断して彼女を足をとめた。
「うっわ、べとべとだ……」
青年の先走りで濡れた足をあげて、彼女はさらに眉をひそめる。
「やっぱ、足だけじゃイけないもんだねぇ。もう自分で擦ったほうが早いんじゃない?」
その言葉に、青年は突然リカルダの足を掴み、指先を口に含んだ。
荒い息と生温かい唾液が、指を湿らせ、こりこりと指の股を舌でなめとられる。
始めての感覚に驚き、足で青年を蹴りあげそうになったが、どうにかそれを抑える。
青年はうっとりとした顔でリカルダの足を口にふくんでは舐め続け、空いた手で自らを慰めていた。
惜しみなく注がれる服従と奉仕の歪んだ愛情に、応えてやろうかと思い始めた事にリカルダは狼狽する。
優越感、母性本能、嗜虐心、そのすべてが混ざって子宮を熱くする。全部、目の前の青年のせいだ。
わずかな理性で、青年とこれ以上関係を結ばぬようにと自分に思い込ませるが、すでに濡れ始めているのも事実。
そろそろ、青年を止めるかか否かと迷っていると、ようやく小さく呻いて青年は吐精した。
舌の動きが止まり、射精の感覚にびくびくと腰を震わせている。
「うあ……」
「……まだ元気なの、ったく……」
精液を垂らしながらも、青年の性器はまだ上を向いていた。
「頼む……」
「何を?」
意地悪く笑って、リカルダは青年の次の言葉を待つ。
だが青年は言葉が思いつかないのか、言えないのか、言葉にならない声を出すだけだった。
両腕を交差させて、青年は真っ赤になった顔を隠す。その仕草に、リカルダはどこかまた、既視感を覚える。
「おいで」
青年にそのポーズをやめさせるためと、もうヤってもいいかと思ったので青年の腕をとってベッドに引きこむ。
「初めてって事はないだろうけど、私からやらせてもらうよ」
仰向けにさせた青年に跨ると、インナーをずらして愛液で濡れていた秘所に青年の性器をあてがった。
「ま、まて……」
「女みたいな事言うんじゃないよ」
リカルダはそう言って青年を切り捨てると腰を落とした。青年の泣くような悲鳴が聞こえた。
「おやおや、ずいぶんと可愛い声で鳴くんだねぇ」
「あっ!あっ!」
ガチガチに固くなった青年の性器を、リカルダは腰を動かし、内壁で締め付けていく。初めての行為に青年は身悶える。
その一方で簡単に青年のモノを受けいれることができて、彼女は安心していた。
「しっかしまぁ……いい体してるもんだ……」
つぅっと、青年の胸から割れた腹筋まで指でなぞってやれば、ビクリと大きく震える。
ずいぶんと敏感な体のようで、小さな胸のぽっちをはじいてやれば、また可愛い声で鳴く。
「やっ……はぁっ!はぁっ!」
青年はまた、両腕を交差させて赤い顔を隠す。
「何、生娘みたいに顔を隠してるんだい、ほぅら、見せてごらん」
「あ、やめ!う、動かすなぁ!ぐっ!うっ!あっ!」
ぴったりと青年に豊かな乳房をつけるようにして、のしかかり、青年の顔を隠す腕を掴む。

ここで、リカルダは、ようやく、あのギザミの癖を思い出す。
他のモンスターを退治した後や、この間カジキマグロを置いていった後、あのギザミもこんなふうに顔を隠していた。
まさか、そんなはずがない。似たような癖のだけだ……

リカルダの動きが止まったのを好機とみたのか、青年は腕で顔を隠すのをやめ、彼女の腰に手をまわした。
現れた青年の顔に、ギザミらしさなど感じさせない。
ただ、顔を赤くして必死に耐えている表情が可愛らしいなと思った途端、青年は乱暴に内部をかき混ぜ始めた。
「っはぁ!あっ!うあぁっ!!」
「こら、乱暴にするんじゃあないよっ……んっ…!」
上に乗っているリカルダが責める体位のはずなのだが、こうも強く突き上げられては先にリカルダが果てそうだ。
偶然にも彼女の内部のちょうど良い場所に、青年の亀頭が強くこすった。リカルダは嬌声をあげてのけぞったのを青年は見逃さない。
「こ、ここか!」
「こら、調子に乗るんじゃ……ない……」
がっちりと尻を掴まれ、ここぞとばかりに快感急所を何度も突かれる。
「は、離しなさい!こらっ!」
下腹部の内壁で大暴れしている青年の性器が一瞬止まり、膨張したような感覚に襲われる。
それが何か、数年ぶりの交りとはいえ、リカルダはとっさに理解した。

「くっ……あぁぁぁぁ……」

恍惚とした声と表情で、リカルダの中に青年は精を注ぎこんだ。
「ひっ!」
リカルダは思わず腰を震わせる。中で発射されているというのはわかる。わかるのだが……
過去の男より射精の勢いがあるように感じたのは、この青年が若いせいだろうか。

「……はい、おしまい」

二発も出せばさすがに満足だろうと、リカルダは体を起こそうとした。
が、青年にしっかりと腕を回され、抱きしめられて体を離すことを許されない。しかもまだ結合したままだ。
「ちょっと……もういいだろう?」
「嫌だ」
「わがままな子だねぇ」
とはいえ、男に抱きしめられるのもずいぶんと久しぶりだな、なんて思ってしまう。
自分がやらせてやろうと思ったのが原因でもあるし、しばらく青年のしたいようにさせることにした。
「……あなたの体は、ずいぶんと柔らかいな」
「そんなに肉はつけてないつもりなんだがねぇ……」
「柔らかい。あの頃の俺が抱きしめたら簡単にちぎれてしまいそうだ」
やはり、元は人間じゃない説を言い張りたいらしい。
可愛い子供の戯言みたいなものかと、リカルダは呆れ半分、冗談半分でその話に乗ってやる。
「あんた、元は人間じゃないんだって?元は何か当てて見せようか?」
「応」
「……ショウグンギザミ、とか?」
その問いに青年は答えず、それはそれは爽やかに笑ってこう返した。
「カジキマグロはうまかったか?」

リカルダは、ん?と変な笑みをして硬直した。
カジキマグロが家にたくさん配達されたことは、村の誰にも言っていないし、アイルー達も言わないはずだ。
しかも、運ばれたのはつい昨日。この青年が知るはずもない。他に知っているものといえば、運んできたショウグンギザミだけだ。

「……あれ?」
「なんだ?マグロは嫌いだったか?それなら今度は肉を持っていこう」
「いや、待て、本気?いや、そんなはずは……」
「何を言っているんだ」
リカルダは青年を薄気味悪く感じ、体を離そうとする。大体どうかしていた。相手は混乱していただけの青年だ。
自分は男日照りでもしていたのだろうかと、それなりに後悔してみるがもう遅い。
「……どこへいくつもりだ」
何かを察したのだろう。青年はすがるような目をしつつも、少し怒った声でリカルダを強く抱きしめる。
「あー……いや、そのね」
「嫌だ、行くな」
惜しみなくぶつけられる愛情に、ほんの少し心が動く。
しかし、相手は得体のしれないショウグンギザミ男だ。さっさと逃げたほうが、今後のためにも……
あぁ、でも、なんだか、愛おしく思えている自分が恐ろしい。子宮で物を考えているつもりはないのに。
いや、もしあのショウグンギザミなら、これぐらいはしてやってもいいんじゃないか。
彼にはずいぶんと助けられた。狩りで怪我をすることも少なくなり、装備の損傷が減り、修理に出さなくて良い分、金も溜まった。
だから、これぐらいの礼は許され……許されるのかなぁ……
リカルダの頭はぐるぐると混乱しはじめる。この青年を受け入れるかどうかだけで、こうも混乱してしまうとは思わなかった。
頭の中でも言い訳をするのは、自分は正常な人間であると、思っていたいからかもしれない。

「ちょいと聞きたいんだけど、どうやって人間に?」
こんな質問をした時点で、青年がギザミであると認めたようなものだ。
しかし、青年はリカルダが逃げようとしたことに腹を立てているのか、不満顔のまま答えない。
「……ほれ」
きゅっと、内部でまた青年の性器を締め付けてやると、ビクンと大きく青年が震えた。
「あっ!あっ!まっ!待て!うあっ!」
連続して蠢いて青年の性器を愛撫するものだから、再び硬度を増してくる。
「いや〜……若い子ってすごいねぇ……」
ちょっとからかうつもりが、こんなに早く回復するとは思わなかったので素直にリカルダは驚いた。
「質問に答えるたび、頑張らせてもらうけど?」
その言葉に、青年は期待と困惑の表情でリカルダを見る。
「ね、どうやって人間に?」
「こ……黒龍に頼んだ……あれは俺達とは違う力を持つ。俺達は本能でそれを知っていた。
……彼らならば良い知恵を持っているかと思い、火山に通って、彼らを探し、頼み込んだ……」
人間にとっては破滅の象徴でも、モンスターにとっては神のようなものなのかもしれない。
鳥が生まれながらに求愛のダンスを踊れるように、彼らは黒龍は畏怖すべきであると魂に刻まれているのだろう。
「そう、いい子だね」
リカルダは優しく青年に微笑んで、唇を重ねてやった。緩やかに舌で青年の口内を優しく愛撫してやる。
体を強張らせた青年ではあったが、恐る恐るといった具合に、舌を出してくる。その舌を絡めて吸い上げ、貪るようにキスを続ける。
もうリカルダが逃げないと思ったのか、青年はリカルダの腕を離すが、それでも不安なのか腰に手をまわしてくる。
不慣れなのだろう、青年がうまく呼吸ができずに苦しそうなのをみて一度口を離してやった。
苦しいかったくせに、名残惜しそうに青年は荒い息をして口を開けたままだ。
「あのギザミ装備はどうしたの?」
「あっ……人の……この体になるにおいて、元の体は捨てるよう言われた……元の体のほとんどは、黒龍に支払った。
あれは、人の身を覆うのに十分な量だけもらった余り物……」
黒龍は倒したハンターの装備を溶かして自らの甲殻にすると聞いたことがある。
おそらく、ギザミの支払った元の体は黒龍の甲殻の一部になったのではないだろうか。
「ふぅん、でもなんで工房のデザインになってるんだろうねぇ」
「こ、黒龍は言った……人に作れて、どうして自分に作れぬと思うかと……」
「ずいぶんと万能な龍なことで」
「質問に、こ、答えたぞ」
「ん?あぁ、いい子いい子」
再び舌で青年の口を愛撫し、腰を動かしてやる。
青年が興奮して息がより荒くなったり、我慢できないと体を動かすのを全身で感じることができる。
ぴったりと体を重ねる体位ならではの楽しみだろう。こうやって強く抱きしめられるのも久しぶりだから堪らない。
呻き、しかめっ面で頬を赤くして、必死に射精を耐えている青年に、リカルダは呆れて囁く。
「我慢しなくていいから」
「やっ……やだっ……!」
「子供みたいだねぇ」
「は、果てたら、あなたは逃げるだろうっ…!?」
それでも腰を振り続けて、自ら快楽の淵ぎりぎりまで追い詰めるのも、もはや本能か。
「逃げないから、さっさと出しちゃいな。そんな辛そうな顔されたらたまったもんじゃない」
その言葉を信じたのか、それとも限界だったのか、青年は耐えきれずとうとう果てた。


……―――
『リカルダ。俺か、家族か。お前が選ぶんだ』
狩りがうまくて、それなりに才能もあったあの男と、所帯を持つことを信じていた頃が遠い昔の事に思えた。
リカルダの初めてはすべてあいつにくれてやったようなものだ。
それが、あの男は村を出て大きな町に行くと言い出したのだ。そして彼女に、男か、家族か選ばせた。

家族を取ったリカルダに対し、、男は愛情の薄い女だと吐き捨てて、村から去って行った。
男を取れば、リカルダは家族を見捨てる冷たい女として、改めて捨てられただろうと、今ならわかる。
新しい町で、新しい生活をするのに、わざわざ古い女など必要なかったのだろう。
あの男はリカルダに待ってくれ、とは言わなかった。リカルダを待ってもくれなかった。
そうして彼女は、あっさりと捨てられたのだ。

「捨てる人あれば、拾うカニあり……なんてね」
全てを捨てられずに捨てられた女が、全てを捨てたカニに拾われるなんて、なかなか素敵な皮肉だと、彼女は心で笑う。

ぐったりとしている青年の横で、すでにクックD装備に着替え終えたリカルダは青年の装備を確認していた。
上等なギザミX装備に、重く鋭い太刀、ヒキサキ。しかし、どこを見ても制作した工房印はついていない。
良く見れば無理やり形を合わせたような酷い物で、一度工房に手直ししてもらう必要があるだろう。

しなければいけないことはたくさんある。
まずはギルドに黒龍の報告、と『おそらく記憶喪失のハンターだ』と偽報告。
たぶん、本部に連絡するだろうが、行方不明のハンターなんて山ほどいる。
しかたなくリカルダの所属するギルドに再登録されることになるだろう。住みかを用意してもらえるだろうか。
なければ、リカルダが引き取ってやるしかない。あぁ、そうだ。まずは名前を用意しなくちゃいけない。
「私もセンスがないからなぁ……アイルー族のネーミングセンスもあてにならんし……いいか、将軍で」
「もっとちゃんと考えてくれ」
「おや、起きてたの」
のっそりと、青年が起き上がり、リカルダの膝に頭を乗せてまた寝転がる。
「……固いぞ、これ」
「まぁ、クックの甲殻だからねぇ」
「外せ、柔らかいお前の足がいい」
「やだよ面倒くさい。それよりもう服を着な。」
不満そうな顔で見てくるが、今度は甘くしない。
「そろそろ村に戻るんだよ。あんたの今後も考えないと……」
「貴女と一緒にいれれば、俺はなんでもいい」
「おや、可愛い事言ってくれるんだねぇ」

本気にしていないようなリカルダの声に青年は反論しようとするが、すぐに黙ってニヤニヤと笑う。

「顔が赤いぞ、照れているのか」
「うるさい」

ぺちん、とニヤニヤ顔の青年の額をリカルダは軽く叩いた。
その顔は、照れているような、困ったような、笑っているような表情で。
人間はずいぶんと難しい表情をするものだと、元甲殻種はそれにすら見惚れるのであった。


2010年11月12日(金) 02:19:27 Modified by kongali




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