スティッフパーソン症候群(stiff-person syndrome:SPS)[別名:スティッフマン症候群(stiff-man syndrome:SMS)、全身硬直症候群、全身強直症候群]という病気のまとめwikiです。

メモ > HLA

SPSの遺伝的な要素について、さまざまなHLAが研究されている。


SPSに関連したHLAの研究
  • Cerebrospinal fluid T cell responses against glutamic acid decarboxylase 65 in patients with stiff person syndrome
    (SPS患者中のGAD65に対する脳脊髄液T細胞反応) J Autoimmun. 2009 Feb;32(1):24-32.
    Journal of Autoimmunity Volume 32,Issue 1で全文表示)
    • T細胞は胸腺内で分化するが、上記研究はGAD65抗体をつくるのに特有なT細胞があり、
      分化には、HLA(ヒト白血球型抗原)の一種(HLA-DR or HLA-DP)が作用しているとの内容。
    • GAD65のアミノ酸位置474のシステイン(C474)がエピトープとなり、T細胞に認識され、抗GAD抗体がつくられる
      →このエピトープをシステイン以外のものにしたGAD65からは、抗GAD抗体がつくられなかった。
    • アミノ酸位置475のロイシン(L475)はHLA-DPB1*0401と関係があるとの報告があるが、C474については不明?
    • 他に関連があるとされたHLAは、DRB1*0801、DRB1*1301、DRB1*0408が記載されている。
    • これらのHLA(とエピトープ)は、個々のケースで確認できたもので、文献に出てきた全ての患者に共通ではないようだ。
      『脳脊髄液のT細胞は4つのGAD65エピトープを認識した。そして、それは各々の患者に特有だった。』
  • Association of HLA-DQB1*0201 with stiff-man syndrome.
    (SPSとHLA-DQB1*0201の関連) J Clin Endocrinol Metab. 1993 Dec;77(6):1550-3.
    • SPSとHLA-DQB1*0201対立遺伝子(アリル)の発生とが相関しているという内容。
  • The clinical spectrum of anti-GAD antibody-positive patients with stiff-person syndrome
    (抗GAD抗体が陽性であるスティッフパーソン症候群患者の臨床上の範囲) Neurology 2000;55:1531-1535
    • HLA-DRB1*0301対立遺伝子の頻度(白人での調査)。白人のSPS患者は70.5%。標準的な白人の平均は13%。

HLAの分類
HLAの分類には遺伝子上(例:DQB1*0201)と血清学上(例:DQ2)の2種類がある。
血清学分類は、主に臓器移植の際に用いられる。血清学分類で同一とされる中には、複数の遺伝子分類が対応する場合がある。
HLA以外の遺伝子の関連
Trak1(trafficking protein, kinesin binding 1)遺伝子の関与(マウスを使った実験)
Trak1 mutation disrupts GABA(A) receptor homeostasis in hypertonic mice
(Trak1突然変異は、緊張亢進マウスでGABA(A)受容体の安定性を崩壊させる)[ PubMed ]
緊張亢進の変異体マウスは中枢神経でGABA(A)受容体の働きがとても低いレベルになっている。これにはTrak1遺伝子異常が関与していると考えられる。



コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

メンバーのみ編集できます