【定義】
�＾跟�の顆は、珠や果実など球形の物を数えるための量詞であり、意味は個と同じである。明珠とは、真如や仏性、或いは正法などを形容したもので、この世界そのものが常に円満で欠けることが無い様子が、あたかも一個の珠のようであると示したものである。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では4巻、75巻本では7巻。嘉禎4年（1238）4月18日、興聖寺にて学人に示された。
【内容】
�｜羚�禅宗に於いて多用される正法のメタファーとして、この一顆明珠は使用されており、中でも玄沙師備の用法は特筆すべきものである。
黒山の鬼窟裏とは、鬼が住むという黒山にあって身動きが取れなくなっている様をいい、転じて思慮分別にとらわれてしまい、未だ自由な言葉を発し切れていない学人を戒める言葉である。玄沙は、まさに自己を含めたこの世界全体が、一顆明珠であることを示したにもかかわらず、それを舌先の上だけで計ろうとした学人を戒めた公案である。
��道元禅師は、この�，量篥�を採り上げながら、まさに自己と世界とが一体であるとき、さらに一顆明珠がどのように働くのかを独自に直観して、『正法眼蔵』として提唱している。その意味で、この尽十方世界とは、どこかの観察者に当てはまるような空間として存在しているのではない。まさに今ここで自己自身を含めて生死している事実であると説く。
そして、この世界そのものが、一顆明珠であるからには、我々自身には、ただ働きとして捉えられるべきものである。そして、働きが仏陀の正法であると捉えられたとき、この世界の全ては光り輝ける珠となるのである。
そして、�，任枠歡蠹�に捉えられた黒山の鬼窟裏であっても、道元禅師はこれを対象化できないほどに一体化した一顆明珠の事実として捉えていく。
�＾跟�の顆は、珠や果実など球形の物を数えるための量詞であり、意味は個と同じである。明珠とは、真如や仏性、或いは正法などを形容したもので、この世界そのものが常に円満で欠けることが無い様子が、あたかも一個の珠のようであると示したものである。
��道元禅師の『正法眼蔵』の巻名の一。95巻本では4巻、75巻本では7巻。嘉禎4年（1238）4月18日、興聖寺にて学人に示された。
【内容】
�｜羚�禅宗に於いて多用される正法のメタファーとして、この一顆明珠は使用されており、中でも玄沙師備の用法は特筆すべきものである。
福州玄沙宗一大師〈雪峰に嗣ぐ、諱は師備〉因みに僧問う「和尚言えること有り、尽十方世界これ一箇の明珠、と。学人、如何が会することを得ん」と。師曰く「尽十方世界これ一箇の明珠。会を用いて作麼」と。師、来日、却ってその僧に問う「尽十方世界これ一箇の明珠。汝、作麼生か会す」と。対えて曰く「尽十方世界これ一箇明珠。会を用いて作麼」と。師曰く「知りぬ、汝、黒山鬼窟裡に向て活計を作すことを」と。 『真字正法眼蔵』上−15則
黒山の鬼窟裏とは、鬼が住むという黒山にあって身動きが取れなくなっている様をいい、転じて思慮分別にとらわれてしまい、未だ自由な言葉を発し切れていない学人を戒める言葉である。玄沙は、まさに自己を含めたこの世界全体が、一顆明珠であることを示したにもかかわらず、それを舌先の上だけで計ろうとした学人を戒めた公案である。
��道元禅師は、この�，量篥�を採り上げながら、まさに自己と世界とが一体であるとき、さらに一顆明珠がどのように働くのかを独自に直観して、『正法眼蔵』として提唱している。その意味で、この尽十方世界とは、どこかの観察者に当てはまるような空間として存在しているのではない。まさに今ここで自己自身を含めて生死している事実であると説く。
尽十方世界は、広大にあらず、微小にあらず、方円にあらず、中正にあらず、活鱍々にあらず、露廻廻にあらず、さらに生死去来にあらざるゆえに生死去来なり。
そして、この世界そのものが、一顆明珠であるからには、我々自身には、ただ働きとして捉えられるべきものである。そして、働きが仏陀の正法であると捉えられたとき、この世界の全ては光り輝ける珠となるのである。
既是恁麼は、尽十方界にてある一顆明珠なり。しかあればすなはち、転不転のおもてをかへゆくににたれども、すなはち明珠なり。まさにたまはかくありけるとしる、すなはちこれ明珠なり。
そして、�，任枠歡蠹�に捉えられた黒山の鬼窟裏であっても、道元禅師はこれを対象化できないほどに一体化した一顆明珠の事実として捉えていく。
明珠にあらぬがありておこさせける行にも念にもにてはあらざれば、ただまさに黒山鬼窟の進歩退歩、これ一顆明珠なるのみなり。
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