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【定義】

経典を開き、講読する場合に唱えられる偈のこと。法話や説法会、提唱の前に唱えられることが多い。なお、経典などでの出典は不明だが、中国宋代に作られた経論への註釈書に「開経偈」として記載されてくる。禅宗でも、元代の清規には、採用例が見え、徐々に敷衍されてきたのであろう。用いるには、訓読せずにそのまま読誦する場合や、訓読する場合がある。

むじょうじんじんみみょうほう
無上甚深微妙法(無上甚深微妙の法は)
ひゃくせんまんごうなんそうぐう
百千万劫難遭遇(百千万劫にも遭い遇うこと難し)
がこんけんもんとくじゅじ
我今見聞得受持(我今見聞し受持することを得たり)
がんげにょらいしんじつぎ
願解如来真実義(願わくは如来真実の義を解せん)

【内容】

恵心僧都源信撰ともされる『読経用心』(『大日本仏教全書』巻24所収)に、以下の「開経偈」が見える。

無上甚深微妙法
百千万劫難遭遇
我今見聞得黒白

以上である。たった3句の偈となっており、意味も経典を読んで、道理の黒白を明確にする、という程度でしかない。本論がそもそも恵心僧都の親撰かは知られないため、時期も確定できないが、斯様な伝承があったことのみ指摘しておきたい。

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