【定義】
�）寨茲琉嫐�は修行者を眠り・迷いなどから覚醒させる手段のこと。潙山霊祐の著作『大潙警策』は、その語意を用いたもの。
��坐禅や読経などの際に、睡眠を貪ったり、作法に従わない者へ警告し、修行を策励するための道具のこと。禅杖や竹箆、棒や喝などが用いられていたが、最近では、長さ１メートルほどの扁平な棒を指す。
【内容】
時代によって、この警策に使われる器物についても変遷があり、例えば道元禅師は本師である如浄禅師が、居眠りする僧に対して、素手で殴ったり、靴で打ったりしている様子を伝えている。
なお、これについては、ただ怒りに任せて行った手段ではなく、あくまでも修行僧への慈悲心の発露であったことが指摘され、むしろ弟子達は打たれることを喜んだという。
この記述からは、警策になる器物として、竹箆を使ったことが見える。他にも、色々と使われたと思われるが、江戸時代の面山和尚は、江戸時代には正しい警策が無いことを指摘して、自ら再現してみせたという。
今のような警策ではなくて、笞のようなもので修行僧を打ち、それで眼を覚ましていたのだという。面山和尚のいうように、これは非法であり、法の衰微を嘆くべきであろう。また、さらにこの打つ作法についても、別の機会に提唱されていて、それは以下のようなものである。
江戸時代当時、修行僧がお互いに、ストレスの発散でもするかのような警策打ち合戦の様相を呈していたことが理解できる。現在でも、もし類似したような事例があるとすれば、切に誡めるべきである。また、警策のことを知らずに坐禅会に参加されたような場合には、その音などに驚かれることもあると思うが、それを鈴木正三の語録に、以下のように記録する。
なお、曹洞宗に於ける警策の使用について、古い記述としては以下のことが知られる。
�）寨茲琉嫐�は修行者を眠り・迷いなどから覚醒させる手段のこと。潙山霊祐の著作『大潙警策』は、その語意を用いたもの。
��坐禅や読経などの際に、睡眠を貪ったり、作法に従わない者へ警告し、修行を策励するための道具のこと。禅杖や竹箆、棒や喝などが用いられていたが、最近では、長さ１メートルほどの扁平な棒を指す。
【内容】
時代によって、この警策に使われる器物についても変遷があり、例えば道元禅師は本師である如浄禅師が、居眠りする僧に対して、素手で殴ったり、靴で打ったりしている様子を伝えている。
また云、我大宋天童禅院に居せし時、浄老住持の時は、宵は二更の三点まで坐禅し、暁は四更の二点三点よりおきて坐禅す。長老ともに僧堂裏に坐す。一夜も闕怠なし。其間衆僧多く眠る。長老巡り行て睡眠する僧をば或は拳を以て打、或はくつをぬいで打恥しめ勧めて睡リを覚す。 『正法眼蔵随聞記』巻3-20
なお、これについては、ただ怒りに任せて行った手段ではなく、あくまでも修行僧への慈悲心の発露であったことが指摘され、むしろ弟子達は打たれることを喜んだという。
先師天童浄和尚住持の時、僧堂にて衆僧坐禅の時、眠リを警むるに履を以て是を打謗言呵嘖せしかども、僧皆打る事を喜び、讃嘆しき。ある時、また上堂の次でには、常に云、「我已に老後の今は、衆を辞し、庵に住して老を扶て居るべけれども、衆の知識として各々の迷を破り、道を助けんがために住持人たり。是に因て或は呵嘖の言を出し、竹箆打擲等の事を行ず。是レ頗る恐あり。然れども、代仏化儀揚式なり。諸兄弟、慈悲をもてこれを許し給へ」と言へば、衆僧流涕しき。 『正法眼蔵随聞記』巻2-5
この記述からは、警策になる器物として、竹箆を使ったことが見える。他にも、色々と使われたと思われるが、江戸時代の面山和尚は、江戸時代には正しい警策が無いことを指摘して、自ら再現してみせたという。
今時、洞下に用ゆる警策は明様なり。その形を三才図絵に載て、名を笞と称す。字書に策とも云ふ。支那にて馬の笞に用ふ、亦は罪人を打にも用ふ。ゆへにその尺に長短あり。〈中略〉法中の坐禅の時は、仏在世より禅杖を用ふ。永平祖の時までは、支那にもありて、帰朝の時将来せらる。〈中略〉右の刑鞭を用ひて、坐禅の睡を除く道具とせり。法の衰へ悲むべし。 『考訂別録』巻八
今のような警策ではなくて、笞のようなもので修行僧を打ち、それで眼を覚ましていたのだという。面山和尚のいうように、これは非法であり、法の衰微を嘆くべきであろう。また、さらにこの打つ作法についても、別の機会に提唱されていて、それは以下のようなものである。
その痛打、杖刑に異ならず。策を受ける人、強者なれば、肩が腫れ腕委する。弱者は殆ど悶絶す。或いは既に睡るに自ら覚める者を見れば、特に往って先の睡りの債を撃つ。或いは痛打を被って、忿恨を含めば、自ら策を行ずるに当たる時を待って、痛打を前の倍にして、その讐を酬いる者あり。 『建康普説』「第四 新製禅杖普説」
江戸時代当時、修行僧がお互いに、ストレスの発散でもするかのような警策打ち合戦の様相を呈していたことが理解できる。現在でも、もし類似したような事例があるとすれば、切に誡めるべきである。また、警策のことを知らずに坐禅会に参加されたような場合には、その音などに驚かれることもあると思うが、それを鈴木正三の語録に、以下のように記録する。
一日僧曰、何某殿、内の者を集め、共に坐禅を作、警策を打するに、始めは驚き有。後は驚き休て、只気味悪く覚へ、日久く功を積ければ、今は其声に乗てひしと取心相に成と申されたり。師聞曰、是慥に機熟して、心次第に強ふ成位也。 『驢鞍橋』上−７１
なお、曹洞宗に於ける警策の使用について、古い記述としては以下のことが知られる。
警策を行う、警策と者、能く困散の二形を打つを義也。無心に落在せず、有心に落在せず、此の二形を打つべし。故に強く打つこと莫れ、柔く打つこと莫れ、有心無心に堕すこと莫れ。是れを坐禅と謂う。 大安寺蔵『回向并式法?』
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