BBSPINKの「甘えんぼうな女の子のエロパロ」スレまとめ@wikiの更新が6スレ目で止まっているので、それ以降のSSをまとめています。


 今朝起きてくると、ずいぶんと寝癖が個性的だったらしい。
 姉貴の西安(しあん)がイスに座ってウトウトしてる俺の後に回り込んで。
 で、髪の跳ねたところを弄ったり押し潰したりして遊んできた。
「朝飯できたぞ」
 エプロンした兄貴の北斗(ほくと)が台所から呼ぶと、はーいと一転して配膳を手伝い始める。
「おはー……おや、はるくん」
 最後に部屋から出てきた末っ子で妹の阿南(あなみ)が、俺に注目する。
「ぷぷぷ、面ッ白い頭だこと」
「んだよ」
「よほど寝相が悪いンだねェ」
 阿南は横から俺の顔を覗くようにして、にやにや笑ってる。
「まだ枕とか抱いてるの? 一人部屋が寂しいならまた一緒に寝てあげようか?」
「……んん」
 眠くて適当に唸ったら、
「おや、割と素直だね。善き哉、善き哉」
「阿南も、ごはんだから座りなさい」
「うん」
 年の離れた兄貴のことはきちんと敬ってる阿南は、聞き分け良く傍から離れる。

「何で髪が跳ねるかなー、んー?」
 食後しばらくして、また姉貴がオモチャにしようとしてくる。
 いい歳して兄貴にはずいぶん甘え調子なのに、俺にはこれだ。
「直そうとしても、ほらぁ」
 楽しくて仕方なさそうに指が動く。
 俺はまだ寝不足感があってあまり機嫌は良くない。
「西安、東都で遊ぶんじゃない。嫌がってるだろ」
 そこに兄貴が助け舟を出してくれた。
 スーツのネクタイを締めながら、さすがに凛々しい社会人。
「でも、可愛いんだもん」
「仕事はどうした。置いてくぞ」
「あーん、やだー」
 この二人は仕事先が近いせいか、いつも途中まで一緒に行く。

 やっと解放してもらえたので、やれやれと洗面所に逃げて、顔を洗いつつ寝癖直しを考える。
「東都」
 クールで無骨というか、そんな兄貴は、何考えてるのか俺の所に来る。
「ちょっと、見せてみろ」
 とか言って、おもむろに俺の寝癖を触る。
 そして爽やかな、保護者のような微笑。
 ああ、妙にこの人、思わせぶりというかドキッとさせるんだよな。
「俺のヘアスプレー、使って良いぞ。寝癖はしっかり直してから行け」
「分かった。サンキュー」
 すると安心したように、あっさり兄貴は出て行った。
 あれだけ言いに来たんだろうか……何だろうこの胸のざわめき。

「北斗さんもはるくんのことが気になるンだよ」
「!?」
 いきなり背後から声がして、必要以上に吃驚した。
 誰もいないと思った風呂場から、引き戸が開いた。
「阿南か、脅かすなっての」
 明かり付けないのは趣味だとか前に言ってたが、シャワー音も立てず、何してんだか。
「何かやましいことでも? アア、実の兄との禁断の恋愛感情か」
「爆睡中の姉貴も一発で叩き起こしそうなこと言うな――って、お前裸かよ!」
「当たり前だ、バスタオルは外にあるンだから。ほれ、パス」
「自分で取れよ」
 恥じらいってものがないのか、全く呆れるぜ。

 水も滴る良い女かどうか、俺はそうは思わない。
 実際、出ようとした時に洗面所に来たので、息を潜めて観察しようと思ったと告白しやがる。
「で、何で俺に構うんだ」
「天然素材のはるくんからかうの面白いンだもの」
 姉貴みたいなこと言ってくれる。
「あと、寝癖が色ッぽいし。そんなので学校行かれたら、モテちゃうやん」
「モテて悪いかよ」
「はるくんがモテるとか、ありえん(笑)。そらもう地球が二つに割れて猫が腰ダンスよ」
 ド失礼な奴だ。
「ほっとけ」
 と、突然喋るのをやめて両手を見つめる阿南。
「……そうだ。では、私が直々にはるくんの寝癖直すわ」
 何かもう、完全に見下されてるよなこれ。

 阿南が濡れた裸を目の前に、中腰になった俺の髪を整えるように撫でる。
「兄貴のヘアスプレー使おうと思ってたのに」
「はるくんにゃ勿体無いね。でも、アア…北斗さんてほんと優しいンだなァ」
 姉にも妹にも、ついでに世間一般の女性にも、兄貴はモテる。
 俺は比べるまでもなく、ただの弄られ役である。
「てか、体は拭けよ。風邪引いても同情しないぞ」
「冷める前にもう一度浴びるよ。しッかしはるくんの髪は、強情だな」
 ああ、相変わらず一部浮いてる感はある。
「髪の毛はいくら宥めても立とうとするのに、下の子はまるで大人しいし」
「は?」
「年頃の異性にムラゝするような色気も無いンじゃァ、そらモテんわ」
 血迷うたか、って奴だ。
「当たり前だろ、兄妹なんだから。それにお前の体じゃな」
「あ、言ったな?」

 濡れた体のまま、阿南は俺の体を押すように接してきた。
 こっちまで濡れると抗議したかったが、その前に上半身が自然と逃げて、正座みたいな格好になった。
 尚も失礼な妹は人の膝に乗りかかるようにして、顔と顔を近づけてくる。
「阿南、一体何だよ?」
「さァ何でしょう」
 俺の手を捕まえて、自分の元に引きながら答えた。
「……」
 当ててきたのは、胸だった。
「……ん?」
 足音だ。
 兄貴と姉貴がこっちに来る。
「!!」
 俺は慌てて、お皿を割った子ども並に逃げに動いた。

「ん? はると、お風呂ー?」
 廊下から遠めの声が聞こえてくる。
「あーそう!」
 ここでようやく少し開いていた引き戸まで閉じきる。
「明かりも付けずにぃ?」
「…で、電球の調子が悪いみたいでさ!」
「ふーん。私はもう出かけるからぁ。行って来まーす!」
 声が遠のいた。
「――ふはっ! い、いきなり何するンだ!」
 掌で口を塞いでいた、うるさい奴が代わりに復帰だ。
「そりゃそもそもこっちの台詞」
「…ははァ、見られたらまずいという自覚はあるンだね」
「当たり前だ。あんなとこ見られたら姉貴が何て言うと思うんだよ」
「”私も混ぜて(性的な意味で)”」
 はぁ、溜息が出た。

「で、どこ触れてンの、はるくん?」
 どこ触ってようが、お前が全裸ってだけで如何わしい状況だろうよこれは。
「え? はるく…ひゃ!」
「さっき自分で胸を触らせただろ」
 無くはないが大きくはなく、小さめな妹の胸。
「きょ、兄妹では…なかったの?」
「お前の態度は最近目に余るから、ここでちょっと立場を分からせてやる」
「やッ…」
 ぐにぐにと揉みまくる。
 自分から誘ってくるだけあって、感じてるようだ。
「うんッ……はる、くん」
「何?」
 物足りなそうな阿南の表情が目に入る。
「キス、してくれなきゃ、嫌だなァ…」
「するかよ。そんな上から目線で」
「キスしてくだ、さい」
「誰に頼んでんだ」
「はるくんに」
「……ちゃんと”東都さん”か”お兄ちゃん”と呼べたらな」
「キスしてください、お兄ちゃん」
 さんづけはやんわりスルーか。
「分かったよ」

 唇寄せて触れ合わせながら、ふと何やってんだろうと頭に疑問が過ぎったが、放棄する。
 胸を揉みながら何度かキスをして、そのくらいじゃまだ足りないのか、舌を差し込もうとしてくるくらい積極的だ。
「ン…ふあ…」
 阿南の手は俺の肩を捕まえるようにしていたが、段々下に降りていき、手を捕まえた。
 片方がまた、誘導するように引いてくる。
 下腹部に沿って、今度は股間だ。
 元々シャワーを浴びて濡れていただろうが、少し他の肌の部分とは感じが違う。
「…最初は、悪戯のつもり…でも、イキたい、から」
 そこは敏感になってるようで、少し指が動いただけで体がビクつく。
「スケベな奴だな」
 割れ目に少し食い込むようにさすると、それだけで間から水じゃないものが染み出してくる。
 中でも一番感じるっぽいのは、小さな突起の所だろう。
 摘むように弄ってみていたら、
「あッ!」
 支える体が一際強く、ビクリと震えた。

 力が抜けたか、俺の腕からゆっくりと体を崩し、風呂の床に尻餅を突いた阿南。
「外だけで…気持ち良かった…」
「はぁぁぁ……」
「…? どうした、はるくん」
「朝から精神的に疲れる。やるんじゃなかった」
「何を言ってるンだい。今度ははるくんの番じゃないか」
「いや、俺は良いよ。こういうこと、苦手だし」
 自慢じゃないが昔からメンタル弱い。
 だがこっち見上げた妹の顔には、快感と一緒に不敵な笑みが浮かんでいた。
「それに、学校、行かないと」
「ここまでして、それで終われると思うかい? それに私は、お前の体では欲情しないみたいに言われたことが気に食わン!」
 逃げようと思ったが、また手を捕まえられていた。
「それとも、私にしたことを、北斗さんと西安さんにバラそうか」
「……ちぇ」
 別にどの道、いつかはバレるだけのことだろう。
 でも、面倒臭いし、つい手を出してしまった、俺も俺かなぁ。
「でもお前、一体何がしたいんだよ」
「さァね。ただ、はるくんは…寝癖が似合う間は私だけのものにしたいと、思うンだ」


おしまい

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