最終更新:ID:71rICvfmmQ 2012年12月02日(日) 22:54:19履歴
「ショートケーキ、おいしいな」
「お前は甘い物好きだよなー。それもほんっとに幸せそうに食べる」
「えへへーあげないよ」
「時に、そのショートケーキにも乗ってるイチゴがあるだろ?」
「うん」
「それっていつ食べる派?」
「最後までとっとく」
「ふーん」
「えー何?」
「……ケーキの食べ方はあなたの恋愛に対する姿勢を表しています。イチゴは性の象徴、キスの暗喩です」
「キス?」
「そう。つまりお前は、恋愛においてキスがとっておき、つまり最も大切だと思っている」
「……それ、ほんと?」
「ウソ。今思いついた口からでまかせ」
「なんだぁ。……でも間違いじゃないかな」
「へぇ?」
「キスするの、好きだよ? いつもは遠慮しちゃうけど」
「いつもは遠慮してるのかー。その割にスキンシップは遠慮しないよね」
「うん、ちょっと違うの。頭なでてもらったり、ぎゅーって、いつでもしてもらいたい」
「お前は甘えんぼうさんだからなぁ」
「でもキスとかえっちはね、特別な感じ。たまにいっぱいするのが、好き」
「イチゴばかり食べていても飽きるもんな」
「そんな感じ」
「しかし、イチゴを最後に食べる感覚は、心理テスト染みたことは関係なく、分かる」
「なぁに?」
「生クリーム甘さが残るより、後味はすっきりするっていうか」
「私は、後味? とかは考えないなぁ。でもイチゴって、見ていると何となく、かわいいから」
「食べちゃうのがもったいない、って奴?」
「そうかも。でも、食べちゃう」
「……ん? どうした?」
「……やっぱり、あなたにあげても良いかなって」
「俺に、イチゴをくれるの?」
「うん。今日もこんなにおいしいケーキ、ごちそうしてもらったし」
「いいよ。お前の食べる顔が見たいんだからな」
「えー? じゃあ、お言葉に甘えます」
「食べた?」
「うん。ごちそうさま」
「じゃあ、イチゴ貰っても良いかな」
「え……さっき言った、キスのこと?」
「お前が特別な気分なら、是非欲しいです」
「なんか……ずるいなぁ」
「そう?」
「……でも、特別にあげる」
「やった」
「……ぷは」
「おいしいイチゴをありがとう」
「えへへ……どういたしまして」
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