BBSPINKの「甘えんぼうな女の子のエロパロ」スレまとめ@wikiの更新が6スレ目で止まっているので、それ以降のSSをまとめています。


「寒いな……」
学校の校舎から出た少年が一人、呟く。そして、ハッとした様に背後へと振り向く。
「ふぅ、いない……」
安堵のため息を少年が吐く。しかし、背後……元々の正面から声が掛かる。
「いるよ!」
その声に少年が振り向く。
「やっと“寒い”って言ったね、長政! 約束通り、これからは一緒に寝ようね!」
そこには満面の笑みを浮かべた少女がいた。
「……ああ、いたんだ布幸。気づかなかったよ。“寒い”っていうのは空耳じゃないの?」
ひとまず長政はそうごまかす。しかし、布幸は衣嚢から小さな機械を取り出し、操作した。
『寒いな……。! ……ふう、いない』
あからさまにそれは録音機具だった。
「……私がいない方が良い?」
先程とはうって変わり、布幸の声が落ち込んだそれになった。
「ご、誤解だよ、僕は布幸のことを嫌ってないよ、本当に。ただ、一緒に寝るのは不健全だから気にしただけだって」
長政は急いで慰めた。
「不健全じゃないもん、代々市毛家は望月家に仕えてきた家柄で、主家の命に従うのは当然だもん」
それを言われると弱い。普段からくっつく布幸を引き剥がす為に『寒くないのにくっつくのは禁止』と約束したのは長政自身だからだ。

「それはそうだけど……」
「望月家の嫡男に二言は入らないよ」
普段は家柄を気にしないで付き合っている二人だが、布幸は時折家の話を持ち出す。そして、家の話では長政が勝てた試しはない。
「というわけで、ドウキン確定! ……その、今夜からはよろしく」
「……寝るだけだよ?」
長政は諦観し、それでも釘を刺す。
「うん! 分かってるって。……でも、よ、よ、……夜伽を所望の時は遠慮なく言ってね」
最後は声が小さくなったが、それでも長政は聞き取れた。
「……うん」
つい、長政は頷いてしまった。
「話も一区切り付いたし、帰ろうか」
「うん」
そして、家路につく二人。その二人の手はしっかり結ばれていた。

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