最終更新:ID:xIMMYhU0IQ 2013年01月12日(土) 23:13:14履歴
日曜日の午後の事。新婚の時と全く変わる様子のない妻と一緒に近所のスーパーの買い物に付き合った。
今し方、必要な物を買い終わり、後、五分程すれば家に着く距離まで歩いてきた。行きではしゃいでいた娘はすっかり疲れて、背中に乗って安らかな寝息を立てている。
「ねぇ」
「んー?」
腕に抱き付いている妻に不意に呼びかけれた。何とはなしに視線を落とすと、小さな妻の愛らしい笑顔が視界に入った。あどけなさの残る微笑みは今でもドキッとする。
「あの、ね……」
ぎゅっと、大事な物を離さないと言わんばかりに抱き締める。
「……もう1人ぐらい、子供欲しいかなぁ……って」
「……う、うん」
「……やっぱり、ね……今の生活もいいんだけど、もう少し賑やかになっても、いいかな……って思って……」
「……うん」
妻の消え入りそうな囁き。頷くものの、顔が段々と熱くなっていくのが分かる。妻も恥ずかしいのだろうか、顔を背けている。今2人とも顔は真っ赤に違いない。
「……もう1人、頑張ってみよっか」
「……おう」
学生時代に感じた、初々しさと甘い空気が2人の間にずっと漂っていた。
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