BBSPINKの「甘えんぼうな女の子のエロパロ」スレまとめ@wikiの更新が6スレ目で止まっているので、それ以降のSSをまとめています。


 我が家は先祖がえらい殿様だったらしい。お陰で曰く付きの倉やら家宝やらがごまんとある。あ、あと忍者も。
 ……この21世紀に説明するだけ頭が痛いが、親戚に我が家を主家とした『御庭番』の家系があるのだ。
 んで、本家の当主は代々その御庭番の家から身を守る為の忍者を派遣され……って流石にこの平成の世では有名無実もいいとこなのだが。
「なあ、久那ちゃん」
「はっ、殿」
「……近けぇよ」
 振り向けばすぐ背後、目と鼻の先に俺を見上げる前髪ぱっつんなちんまい女の子が常に一人。
 俺が街中出歩く度に背後にすっと佇むこいつが、その忍者になります。
 ……黒スパッツに上半身だけ浴衣姿とか、何か外人が勘違いした忍者っぽいけども。
「殿をお守りするのが任務なのです」
「いや、命を狙われるとかそういうのないからね」
「それはわたしが日々殿の行く先々を先回りして回避してるからですよ!」
「どんな?」
「どんな、って……その、つまづかないように小石をどかしたり、吠えそうな犬の注意を玩具で逸らしたりですねっ」
「……地道なのはいいけど、どれも致命傷には至らないから」
「はうっ!?」
 自分のやってる事に気付いてか、途端に涙目になる忍者子・久那ちゃん。
「うぅぅっ、だ、だってぇっ、おじいさまやひいおじいさまの時代みたいに、御当主様が闇に暗躍してくれないと忍びの役目もないんですよぉ!」
「あー……うちの親父の代から一般人になったって言ってたもんなぁ……。いいんじゃない? 平和が一番で」
「あうぅ……必殺技とか覚えたかったのにぃ……」
 無念だと言わんばかりにがっくりとうなだれる久那。この娘の頭の中はどんだけ山田風太郎な世界が展開されてたんだろうか。
「いや、忍者の技術生かして別のことやればいいんじゃないの? スポーツ選手でも、警察官でもさ」
「そう言いますけどね、殿っ。わたしは運動音痴ですからっ!」
「胸張って言うことかそれ……」
「でもっ、でもっ! わたしくノ一ですからっ、他にも色々出来ますよ! ほらっ、籠絡の術とか!」
「ろうらく?」
「色仕掛けで相手をオトす術です! ほら、このないす、ばでぃー……で……」
 威勢のいい言葉もだんだん萎れていく。自分でも言ってて気付いたらしい。胸を張れば張るほど、うすぺたい隆起はみじんも揺れてはくれないことに。
「ひっ、ひぐっ、いいんですっ、どーせひんにゅーですからっ、わたしぃ……」
「や、そのっ、そういうニーズもあることはあるから、ねっ」
「……殿も、ろりこんなんですか?」
「ちっ、ちがっ、そんなことがあるはずはっ!?」
「じー……」
「そ、そんな目で見ちゃらめぇぇっ」
 ……正直、合法ロリにジト目で見つめられるのはそんなに悪い気はしないというか、ねえ?
「……じゃ、じゃあっ、殿をろーらくします」
「俺を籠絡してどうするんだよ」
「わっ、わたしのみりょくでとりこにしてっ、お、おっ、お嫁さんにしてもらうんですっ!」
「ぶはぁっ!? な、何言ってんですかぁっ!?」
 顔真っ赤にして叫んでるけど、それ告白じゃねえかよっ!? しかも人前で――ああもう周りの奴らがにやにやしてこっち見てるし!
(何だ、バカップルかよ……爆発すればいいのに)
(あんなちっちゃい子を手籠めにするなんて……もげてしまえロリコン野郎)
 ああしかも周囲の目の色がすっごい緑色な感じだし。嫉妬の視線が突き刺さる……。
「だ、だってっ、永久就職しか他にないと思ったんですからっ! だめですかっ、殿っ!」
「だ、だめっていうか、そ、そういうのは冷静に考えないと……!」
 ああもうなだめてる俺もキョドってしまってるし。なんだこの状況。
 久那は久那で真っ赤な顔を隠すように、俺の胸元に顔埋めてぎゅーって抱きついてくる始末です。何これ。どうしてこうなった。
「す、好きじゃなかったら、殿にお仕えしなかったし……殿のくノ一には、ならなかったですもん……」
「しゅ、主従としての好きじゃ、なくてか……」
「そ、それにっ! くノ一やめたら、元の女に戻るだけじゃないですかっ! だったら……
 だったら……殿の女がいいな……なんて……お、おもっ、思っちゃったんですからっ!」
 叫ぶだけ叫んで、また久那が顔をぐりぐりと胸元にこすりつけてきてるし。
 ……ああ、ご先祖様。俺は自分の家臣に手ぇ出してしまいそうです。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

About Wiki

どなたでも編集できます