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 空中に浮かぶ巨大な円形闘技場、セリオンズ・リング。日夜様々な機械が戦い、休むこと無く闘争を続けているこの場所では、今日もまた試合が繰り返されていた。

 今戦っているのは水を操る防御型の機械“リーパー”ファム。そしてファムに相対しているのは、外部から来た術師風の男だった。

 ファムは空中を泳ぐように自由に動き、盾を油断なく構えながら水流を放って攻撃する。攻防一体の構えの前に男は防戦一方のようで、反撃することもなくリング内を逃げ回っていた。

「フ、フフ……もう少し、もう少しだ……」

 男は息を切らしながら回避を続け、ひたすらにファムの攻撃を凌ぎ続ける。時折ブツブツと呟き何かの術を使おうとしているようだったが、結局攻めに回ることはなく回避に徹している。

 あまりにも攻め気のない男をファムも警戒しているのか、彼女は近付くこともなく一定の距離を保って攻め続ける。その仮面のような無機質な瞳は一瞬たりとも男から視線を切らず、どんな動きにも対応できるよう冷静に戦況を見極めていた。

 そのまま一方的な攻撃が続き、リング内を円を描くように逃げ続けた男がちょうど一周した瞬間。

「よし……今だ!」

 男が地面に手を付き魔力を走らせると、リング内の地面から大量の鎖がファムに飛び出して行った。

『……! 回避――』

 ファムは瞬時に盾で受けることは不可能だと判断し、迫る鎖を避けようとその身をくねらせて離れようとする。しかし鎖は四方八方から次々と、男が逃げ回ったルートから大量に現れ襲いかかっており、ファムは回避しきれず鎖に絡め取られていった。

「フフフ……この日のために用意した特別な罠だ。傷付けることなく力を奪い、対象を完全に無力化するデモンズ・チェーンさ」

 男は勝ちを確信した様子で不気味に笑い、ファムに向かってゆっくりと歩いていく。ファムは両手や触腕を動かしてまだ戦おうとしているようだったが、男の言葉通りに彼女の身体からは力が奪われているようで、鎖を引きちぎることも水流を放つこともできず完全に無力化されていた。

「好きなだけ試してみるといい。無駄だとわかったら負けを認めてくれ」

 ファムはその後も戦おうとしていたが、次第にその動きは鈍くなっていき、触腕からも勢いのある水流は出ず力無くチョロチョロと水が垂れるだけになっていく。

 そして完全に自由を奪われ、ガシャガシャともがく音すら鳴らなくなった時。

『……出力低下。武装使用不能。原因不明。脱出不可能と判断。ファムの敗北です』

 無機質な機械音声でそう言い、彼女は一切の抵抗をやめた。

 男はその言葉を聞くと指を鳴らし、ファムに絡みついていた鎖の罠を解く。何事もなかったかのように鎖は即座に消滅し、ファムはまた自由な状態になったが、敗北を認めた彼女はそれ以上戦闘を続ける気はないようだった。

『勝利報酬の授与を行います。ファムの武装を選択してください』

「いや、私では君の武装を使うことはできない。だから代わりに私の要求を聞いてもらえないか」

『了解しました。代替報酬としてあなたの要求を承認します。ファムに何を求めますか』

 ファムの返答を聞き、男はにやりと笑みを浮かべる。戦闘機械である彼女はロジカルな思考で動いており、理屈を通し順序立てて話せば要求を通すことができるのを、男は知っていたのだ。

「要求は一つだ。君に一つ、とある行為をしてほしい」

『了解しました。要求をどうぞ』

 了解しました、という台詞を受け、男はさらに笑みを深める。そしてファムの流線的なボディを眺めながら、どこか恍惚を含んだ笑みで口を開いた。

「私の童貞を、貰ってほしい」

『……』

 その変態的な言葉を聞き、ファムは無言のまま反応を返さず思考を続け、

『……?』

 結局理解できなかったのか、小さく首を傾げた。



※※※

『理解しました。ファムによる性的欲求の処理をご所望ですね』

「ああ、その通りだ」

 次の試合が始まるためリングからファムのベースに場所を移し、そこで男はファムに説明をしていた。

「旅をしている最中、偶然このリングを見つけてね。まったく驚いたよ。魔術や研究一筋で生きてきた私には、戦闘機械の存在は非常に新鮮で魅力的に映ったんだ」

 そして密かにリングの観察を続けていた時、男は偶然ファムが戦う姿を見たのだと言う。

「稲妻に撃たれたような感覚だったよ。その流麗で女性的なフォルム、冷たく美しくありながらも愛嬌のある顔、空を泳ぎ華麗に優雅に戦う姿……すべてが群を抜いて魅力的だ。私はすっかり君の虜になってしまったのさ」

 だからそれからも観察を続け、敗者は勝者に従うというリングのルールを見抜き、ファムの戦いを分析し続けて攻略法を見出した。先程使った縛鎖もそのために用意したもので、万が一にも傷付けることなく無力化するために”攻撃“ではなく”拘束“という方法を取ったのだ。

「と、いうわけだ。私の情熱は理解してもらえたかね」

『理解しました。ファムの戦闘を分析し適切な対策を行い無力化した手腕、とても見事です』

 機械ゆえか少しずれた返答をするファムだが、男はその返答すら喜ばしいようで満足気に頷いていた。

『ですが、ファムには性的欲求を処理する機能はありません。性器に該当するパーツは存在しないため、あなたの要望を実行することは不可能です』

 戦闘機械である彼女は人間の生殖に関するデータに乏しいのか、性処理=セックスと認識しているようだ。

「そうでもないさ。刺激を加え、快感を与えることができればどんな存在でもセックスはできる。例えば君なら、手を使ってもいいし、胸を使ってもいいし……」

 そう言いながら、男はファムのボディをゆっくりと舐め回すように眺める。女性的な丸みを持ったボディを、腹部にある臍のような窪みを、長くしなやかな両手を眺め、そして最後に自在に動き水流を放つ触腕へと視線を向ける。

「……その武装だって使えるだろう。むしろ私としてはそこを使ってほしいくらいだ」

『……』

 うっとりと自身の身体を眺める男に対して、ファムは何も言わず黙ってふよふよと浮かんでいたが、しばらくの間をおいて返答を返す。

『対象の認識を理解しました。ファムを戦闘ユニットではなく、異性、女性として認識していると判断します。対象の要求を叶えるため、ファムのボディから女性の特徴と近似している箇所を分析、男性の性処理方法を算出します』

 ファムがそう言うと、男はまたねっとりとした笑顔を浮かべる。無機質な女性型の機械が、自分の要求に従って性的な情報を淡々と分析しているという光景を見て、男はぞくぞくと興奮が高まっていくのを感じていた。

『対象の発言及び視線から、ファムのバトルアーム、メインアーム、ボディを用いた性処理を優先します。最適な性処理を構築中です。しばらくお待ち下さ、完了しました。いつでも実行可能です』

 ファムは男の発言や視線から情報を分析し、それらを的確に組み合わせることで必要な動作を算出する。すぐに彼女の演算は完了し、本来対応していないはずの性処理という動作を実行する準備が整った。

「それでは早速頼もうか!」

 興奮を抑えきれない様子で、男は無機質なベッドに腰掛けて下半身を露出する。晒された性器はすでに硬く勃起しており、目の前の機械に抜かれる時を今か今かと待ち構えている。

『了解しました。性処理を開始します』

 ファムはまず手を伸ばし、男の竿を迷いなくすりすりと撫で始める。彼女の手付きは無機質な見た目に反して柔らかく滑らかで、機械らしいひんやりとした冷たさもあり触れられているだけで心地よい感覚があった。

「うっ、んん……いいぞ。できればどういう動作をしているのか解説もしてくれないか」

『了解しました。ファムは現在、メインアームで男性器を摩擦しています。同時に男性器の硬度及び形状をインプットし、データとすり合わせて動作を最適化しています』

「そうだ、それでいい。そのままもっと頼む……」

『了解しました』

 男の変態的な要求を、ファムは淡々と受け入れて実行する。羞恥心も無く、根本的に生物ですらない彼女にとって、この行為はなんの意味も無い模倣行為でしかない。

『男性器の硬度が規定値を超えました。続いてバトルアームを使用し、砲口部で亀頭を包み圧迫及び摩擦を加えます』

 男の性器がより硬くなるとファムは背中から伸びている触腕を動かし、その砲口で性器を包み込みゆっくりと動かしていく。内部は意外にも軟質素材になっており、ひんやりとした柔らかい感触に包まれた性器はビクビクと激しく反応し始める。

「おおっ、こ、これは……想像以上の……!」

『想定より過剰な反応を検知しました。予定を早め次のフェイズへ移行します』

 男の限界がもう近いことを察すると、ファムは片手と触腕で愛撫をしながら男の方に身を乗り出す。そしてそのまま愛撫を続けながら、空いている手を男の背中に回し、自分のボディに押し付けるように抱き寄せた。

「……!?」

『メインアーム及びバトルアームでの刺激を継続。同時にボディによる刺激も与え興奮を促します。視線が集中していた胸部軟質装甲を中心に接触、効果的と判断します』

 ファムの女性的なボディを、それも胸に顔を埋める形で押し付けられ、男の頭は言葉にならない驚きと興奮で埋め尽くされる。ファムの胸は鱗のように滑らかで柔らかく、押し付けられればふにふにと歪んで男の顔を包み込んでいる。その間も彼女の手と触腕は刺激を続け、ただ機械的に射精を促していた。

『指部より男性器に強い反応を検知。射精の兆候と判断します。メインアーム及びバトルアームによる刺激を強化、同時に頭部の圧迫を強化します』

 その言葉通り、彼女の手と触腕は動きを一段回早め、さらに男を抱き寄せている腕にもより一層力が入る。正確無比な機械の手で責められ、戦うための武装で卑猥な行為を行わせ、無機質だが柔らかく女性的なボディを押し付けられ、男の頭はもう快感でいっぱいになってしまっていた。

「ううっ、あああっ!射るぞっ!受け止めてくれ!」

『了解しました。バトルアームを放水モードから吸水モードに変更、スタンバイ完了』

「おおおああああっ!!」

 ファムが言い終えると同時、男は腰をビクビクと跳ねさせながら無様に絶頂した。痙攣するように腰が震え、ファムの胸の中でだらしない顔を晒して恥も外聞もなく快感に浸る。性器もビュルビュルと射精し激しく震えていたが、ファムの手と触腕は精液を一滴もこぼさず、触腕の中にすべて飲み込んでいった。

『性処理の完了を確認しました。対象の要求を完遂しました。貴重なデータをありがとうございます』

 ファムはそう言うと手を離し、男から離れて元の姿勢に戻る。男は腰が抜けてしまったのか、しばらく荒い息のまま、しかし満足気にベッドに倒れていた。

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