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指輪を落とした。



男がそれに気づいたのは、港町の観覧車に乗る直前だった。



「どうした主殿?乗らないのか?」



菖蒲色の長い髪をなびかせた女性、妖眼の相剣師ことフルルドリスが、不思議そうに尋ねてくる。

慌てて男は観覧車に乗り込むが、頭は指輪のことでいっぱいだった。



妖眼は男が持っていたカードから現れた精霊だった。

男を主殿と呼び慕っており、生活を共にする中でいつしか恋仲になっていた。

そして、男は今日、妖眼へのプロポーズを考えていた。男は普段から彼女にリードされっぱなしだった。彼女と恋人になった時も、彼女と初めて口づけをした時も、彼女と初めて肌を重ねた時も、彼女に手を引かれてきた。

自分を常にリードしてくれる彼女に男らしさを感じていた。

現に今日の妖眼はトレンチコートにジーンズというマニッシュコーデで決めてきているし、これまで何度も彼女が女の子に逆ナンされているところに遭遇してきた。

そうやって彼女にリードされる度に男は、自信というものを失ってきた。

リードされっぱなしになるわけにはいかないと考えていた。

そして、プロポーズで男らしいところを見せようと、こっそり指輪を用意し観覧車の中で渡すつもりだったのだが…



「ん?どうした、景色も見ないで…何かあったのか?さっきから心ここにあらずという感じだが?」



急いでポケットの中を漁る男に妖眼は不審そうに尋ねる。

男は必死にごまかす。彼女は目を細めて見つめてくると、にやりと笑みを浮かべる。



「そういえば、さっきこんなものを拾ったんだがな?心当たりはないか?」



そう言って彼女が取り出したのは、手のひらサイズの小さな箱。

男は思わず目を見開く。見まごうはずもない。それは男が落とした指輪の箱だった。



「その反応、やはり主殿の物だったか…さて、中身は…っと」



彼女は箱を開けると指輪を取り出す。そしてそれを目にした瞬間、彼女の顔が驚きに染まる。

男は思わず立ち上がって左手を伸ばそうとするが、固まってしまう。



「あはは…まったく、こういったものを落としてしまうとは…緊張していたのははたから見てもわかっていたが、さすがに注意散漫ではないか?そんな男に嫁入りするというのは、どうにも先が思いやられるぞ?」



妖眼は笑いながら、ポケットから何かを取り出す。そのまま男の左手をつかむと、その薬指にはめ込む。それは、男と同じ指輪だった。



「だから、主殿を私の婿にする。君と共に、幸福な未来を歩むことを誓おう……私と結婚してくれ」



男は実感する。この人にいつまでも勝つことはできないのだと。しかし、それでも構わないと、男は思う。



「まさか、プロポーズしようとする日も、そのために買った指輪の種類まで一致するとは…こんな安っぽい言葉は使いたくないが、私たちはまさに運命の相手だったらしい…」



そして彼女は男の首に腕を回し、口づけをした。何度も何度もついばむように唇を重ねる。

観覧車の外の景色など二人は一瞥もしない。ただ、二人だけの世界を噛みしめながら、時間だけが過ぎていくのだった。

妖眼は観覧車から降りると、男の腕を抱いて街を歩く。まるで周りに見せつけるように、二人はぴったりとくっついて歩く。

すこし恥ずかしそうにすると、妖眼はまた笑う。



「自分が手に入れたものを周りに見せびらかしたくなるのは、人間の性だろう。それに君は私の物だと見せつけておかないとな?」



男は苦笑すると、そのまま二人は歩いていく。しばらく歩くと、妖眼は男をラブホテルへ連れ込んだ。

部屋に入ると、妖眼は男を壁に押し付け、キスをする。



「ちゅうっ…むちゅっ…んれぇ…じゅるっ」



激しく舌を絡ませながら、何度も唇を重ねていく。そのうちに妖眼は男の腰に手を回し、彼の体を引き寄せた。



「ぷはっ……ふふっ、デート中に主殿があまりに可愛い顔をしていたからな…観覧車では何とか普通のキスで我慢していたが…もう我慢の限界だ…」



男がキスに夢中になっている間に、妖眼は男の服を脱がしていく。あっという間に全裸になった男をベッドに押し倒すと、その上にまたがった。



「まだキスしかしていないのに…もう主殿のここが硬くなっているぞ?まったく、いけない子だ……」



そう言って妖眼は男の股間を撫で回す。すでにそこは天を向いており、先端からは透明な液体を滴らせている。それは彼女の手に絡みつき糸を引いた。



「ふふ……先走りもこんなに出ている…そんなに私との口づけが気持ちよかったのか?それとも、これからされることを期待してこんな風になってしまったのかな?」



そのまま妖眼は男のそれを扱き始める。その手つきは慣れたもので、優しく快楽を与えるものだった。



「それにしても……主殿は本当に可愛いな?私の手でいじめられているだけなのに、こんなにも気持ちよさそうな顔をして……襲ってくださいと言っているようなものじゃないか…」



耳元で囁かれながら優しく愛撫される。男は妖眼の顔を見つめていると、その服を脱ぎ始める。



「そう熱心に見つめられると…触ってほしくなってしまうな…私の身体の好きなところを触ってくれ、主殿…触れ……」



男は妖眼のはだけた胸元に手を伸ばし、尻にもその手をしのばせる。彼女に乳房は手で持ち上げても、重力に従って指が沈みこんでしまうほどに重く、やわらかい。尻は鍛えていることもあってか反発力がありも見ごたえがある。その美しく鍛えられた身体に、男は興奮を隠しきれない。

甘く嬌声を漏らしながらも妖眼は余裕の笑みを浮かべる。



「その優しい手つき…好きだぞ、主殿…もっと激しくてもいいのに…そういうところも本当にかわいいな」



妖眼はそう言いながら男を扱く腕を速くさせる。

歯をくいしばって耐えようとすると、再び口をふさがれて口内を舌で犯される。



「じゅるっ、むちゅっ、れぇろっ……ふふ、我慢などする必要はない。好きなだけ出してくれ……」



妖眼は手を動かしながら舌を絡めてくる。男は限界を迎え、大量の精液を噴き出した。それは彼女の手に収まらず、腹や胸にかかってしまう。

彼女はそれを指で掬うと口に運ぶ。そして恍惚の表情を浮かべたまま呟いた。



「……主殿の味だ……あぁ、今度は…こっちに出してくれると嬉しいな…私の身体の中に、主殿の愛をたっぷり注いでくれ……」



妖眼はベッドから立ち上がると、壁に手をついて男に尻を突き出す。

濡れそぼった淫裂はひくひくと物欲しそうに蠢き、男を誘っているかのようだ。



「ほら…おいで、主殿……」



男は誘われるがまま彼女の腰をつかむと、一気に奥まで突き入れる。



「んあぁっ!きたぁっ…主殿のおちんちんっ、奥まで来てるっ!」



膣内は熱くうねっており、無数の襞が男根を包み込んでくる。男はそれに抗うように腰を動かした。



「主殿は…足の長い女が好きだものな…こうして立ってする方が…足の長い女を犯していることを実感できるだろう?さぁ、もっと激しく突いてくれ……」



妖眼は挑発するように男を誘惑する。男は彼女の尻をつかむと、さらに強く腰を打ち付けた。

妖眼は嬌声を上げながらも、男を誘惑するように囁く。



「そんなに私の身体で興奮してくれたんだな…うれしいよ…必死に腰を打ち付けて…かわいいぞ、主殿」



男はさらに腰を打ち付け、激しく抽挿を繰り返す。そのたびに妖眼の豊満な乳房が揺れ動き、男はそれを乱暴に掴みながら腰を振った。



「あぁあっ!いいぞ…もっと私を求めろ…私だけを見続けろ……君の心は私のものだ……君の身体も、心も……すべては私のものだ……」



さらに煽る妖眼の身体を、男は後ろから激しく責め立てる。彼女の膣内は男根を離さないと言わんばかりにきつく締め付けてくる。



「そろそろイキそうなのだろう?いいんだぞ……私の中に主殿の子種を全て吐き出すんだ……」



妖眼の言葉に男は限界を迎えようとしていた。

しかし、それは彼女も同じだったようで、膣壁がうねって射精を促してくる。

やがて二人は同時に果てた。妖眼の尻に男の腰が強く押し付けられ、子宮の入り口に押し当てられた亀頭から勢いよく精液が放出される。



「んあぁああ!たくさん奥に出してくれたな……私も気持ちよかったぞ…」



妖眼は嬉しそうにつぶやくと、男をベッドに押し倒す。耳元に口を近づけてささやいてくる。



「まだ……するぞ?一回では満足できそうにない…それどころか、完全にスイッチが入ってしまった……」



そしてそのまま男の上に覆いかぶさり、キスをしながら再び腰を動かし始める。



「このまま…馬乗りで君から精液を搾り取ってやる…耐えてくれよ?」



妖眼は騎乗位で激しく腰を振る。男も下から突き上げようとするが、巧みに腰を動かされ翻弄されてしまう。



「ふふっ……主殿のおちんちんも元気だな……だが、今は私が動きたいんだ。主殿はただ気持ちよくなってほしい…」



可能な限り肌を密着させて、妖眼は耳元で囁く。いつもの低音ながらも発情した声を、熱い吐息交じりに男の鼓膜を震わせる。



「愛しているぞ主殿…いつも私を見てくれている君が好きだ…私に犯されて涙を浮かべているときの顔が好き…そんな顔をしていても私の身体を抱きしめてくれる腕が好き…いつも後背位でエッチするとき、私を喜ばせようと必死に腰を振ってくれるところが好き…いつも私に追いつこうと、カッコつけたがるところも、かわいくて好きだ…」



相愛の言葉を耳元で浴びせると、妖眼は三度キスをして腰を打ち付ける。指は男の乳首をフェザータッチで刺激して、さらなる快感を与えてくる。



「あぁ…なんていやらしい顔をするんだ…そんなに私に犯されるのが気持ちいいのか?」



妖眼は男を見下ろして微笑む。彼女は男の身体を抱き上げ、その顔を自身の胸に押し付ける。

かろうじて息ができる程度にその双丘に顔を覆われる。なんとか息をしようとすると、彼女の甘い香りに頭がくらくらしてしまう。

媚薬か何かと錯覚してしまうほどに、そのにおいが鼻腔を満たすたびに男の情欲を高める。



「こんなにかわいい君に…悪い虫がつかないように…毎日こうして私の発情した雌の匂いをマーキングする…だから、毎日私とエッチしてくれ……」



妖眼は男を強く抱きしめる。その抱擁に男は苦しくなりながらも、同時に安心感を覚える。



「毎日毎日私が満足するまで肌を重ねて……君が疲れているときは…無理やりこうして騎乗位で犯してしまうかもしれないが……許してくれ…その分たっぷり気持ちよくするから…」



妖眼は腰を激しく動かす。そのたびに豊満な乳房が揺れ動き、男の顔に当たって形を変える。まるで極上の枕のように男の緊張をほぐしていく。



「もうイキそうって顔だな…私もそろそろ限界だ…君の好きなタイミングで射精しろ…」



完全に緊張の糸が切れると、その白い劣情を彼女の膣内に吐き出す。



「んぁあっ……!またたっぷりと出してしまったな…主殿も私にマーキングしたかったのかな…?そんなことしなくても、私が君以外の物に靡くはずもないのに……」



男はつい謝罪を口にする、しかし妖眼は男の頭を撫でて、微笑みかける。



「何、気にすることではない。私の身体が気持ちよくて、私の身体で興奮してくれた。女冥利に尽きるというものだ」



妖眼は再び男にキスをする。そして、耳元で囁いた。



「でももし、私をもっと喜ばせたいのなら…わかるよな?」



今度は男が上体を起こし、彼女をベッドに寝かせる。

これで今日何度目かもわからないキスをすると男は妖眼に覆いかぶさるのだった。









翌朝、男がベッドから体を起こすと、隣にいるはずの妖眼はいなかった。



「やぁ…おはよう、主殿」



部屋の入口の方から二つのコーヒーカップを持った妖眼が出てくる。

ゆっくりと意識を覚醒させ、妖眼からカップを受け取ると、その黒い液体を喉に流し込む。



「今日から恋人ではなく…夫婦か…ふふっ、思わず口がほころんでしまうな…」



妖眼は男の隣に座ると優しい笑みを浮かべる。その笑顔に男の表情もつられていた。



「あぁ、そうだ…」



何かを思い出したかのような表情を見せると、妖眼は男に左手を差し出す。

男はそれに対して疑問符を浮かべる。



「何をきょとんとした顔をしている。せっかく、君のことも立ててやろうとしたのに」



すこし不機嫌そうな顔をする妖眼。その言葉から数秒後に、男ははっとした顔をして、昨日来ていた服から小さな箱を取り出す。

僕と結婚してください。

その言葉を聞くと、妖眼は普段見せたことのない表情を見せる。



「あぁ…私が主殿を幸せにする分、主殿も私を幸せにしてくれ…」



妖眼の左手の薬指にその指輪を通すと、互いに指輪を見せ合う。数分後のチェックアウトの連絡が来るまで、微笑みあう声がその空間を包むのだった。

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