日商簿記検定試験の3級と2級の情報をまとめています。頭の整理、試験対策、試験攻略にお役だてください。

分記法を三分法に書き直す問題が出題されます。


分記法と三分法の違い

分記法の儲けは商品売買益

分記法は取引ごとに利益が確定する方式です。
商品の購入
かりかし
商品200か(買掛金)200
商品の販売
かりかし
う(売掛金)300商品200
商品売買益100
値引して販売
かりかし
う(売掛金)250商品200
商品売買益50
割戻、割引など
かりかし
商品売買益20う(売掛金)20
返品
かりかし
商品100う(売掛金)150
商品売買益50

三分法の儲けは売上と仕入の差額

売上と仕入の残高は刻々と変化します。
したがって、その差額を求めるには決算にて売上/仕入を確定する必要があります。

解答するときのポイント

分記法を三分法に書き直す問題では、かならず決算の処理が絡みます。
といっても全てを締め切る必要はなく、ポイントとしては「し・くり・くり・し」を処理することです。

例題

商品
1/1前期繰越1004/1う(売掛金)200
3/3か(買掛金)2004/13か(買掛金)20
8/12う(売掛金)3010/25う(売掛金)130
10/12と(当座預金)150---
商品売買益
8/12う(売掛金)154/1う(売掛金)40
10/26う(売掛金)1010/25う(売掛金)20
12/31損益35---
損益
---12/31商品売買益35

総勘定元帳から、仕訳へと戻してみましょう。
まずは総勘定元帳に書かれている順番に記入してみます。
商品に関する仕訳
かりかし
3/3商品2003/3200
8/12商品308/1230
10/12商品15010/12150
4/12004/1商品200
4/13204/13商品20
10/2513010/25商品130
商品売買益に関する仕訳
かりかし
8/12商品売買益158/1215
10/26商品売買益1010/2610
12/31商品売買益3512/31損益35
4/1404/1商品売買益40
10/252010/25商品売買益20
損益に関する仕訳
仕訳なし(商品売買益ですでに記入済)

次に日付順に並び替えます。
仕訳
かりかし
3/3商品2003/3200
4/12004/1商品200
4/1404/1商品売買益40
4/13204/13商品20
8/12商品308/1230
8/12商品売買益158/1215
10/12商品15010/12150
10/2513010/25商品130
10/252010/25商品売買益20
10/26商品売買益1010/2610
12/31商品売買益3512/31損益35

同じ日付に関連のある項目があるので、それをまとめます。
仕訳
かりかし
3/3商品2003/3200
4/12404/1商品200
商品売買益40
4/13204/13商品20
8/12商品308/1245
商品売買益15
10/12商品15010/12150
10/2515010/25商品130
商品売買益20
10/26商品売買益1010/2610
12/31商品売買益3512/31損益35

ここまでで不明点がありましたら、仕訳、転記、分記法を復習してみましょう。

ここからが本番です。
三分法に書き換えます。
仕訳説明
かりかし-
3/3シ→(仕入)2003/3200-
4/12404/1→ウ(売上)240商品と商品売買益をまとめて売上とします
4/13204/13シ→(仕入)20仕入の逆仕訳なので返品した仕訳です
8/12→ウ(売上)458/1245売上の逆仕訳なので返品された仕訳です
10/12シ→(仕入)15010/12150-
10/2515010/25→ウ(売上)1504/1同様にまとめます
10/26→ウ(売上)1010/2610もとは商品売買益と売掛金の逆仕訳なので値引です
12/31シ→(仕入)10012/31繰越商品100-
12/31繰越商品13012/31シ→(仕入)130商品が借方残高130ですのでその数字を当てはめます
通常、「し・くり・くり・し」の後半「くり・し」は、商品有高帳の簿価を基準に棚卸しの結果と照らし合わせて決定します。
今回のケースでも商品有高帳を作成してやってもいいのですが、使える数字は使って時間短縮したほうがいいでしょう。

そして、作成した仕訳から転記を行います。
仕入
3/32004/1320
10/1215012/31繰越商品130
12/31繰越商品10012/13損益300
売上
8/12454/1240
10/261010/25150
12/31損益335-
繰越商品
1/1前期繰越10012/31シ→100
12/31シ→130-
損益
12/31シ→30012/31→ウ335
12/31純利益35-

例題をやってみて気づいた点

分記法での「商品」と「商品売却益」が、三分法の「仕入」と「売上」に変換される。
決算にて「仕入」と「売上」の残高を「損益」へ振り替える。
決算にて「し・くり・くり・し」を行い、売上原価や商品の来期繰越を求めます。

素早く解くには

  1. 「商品」と「商品売買益」で、借り貸し同じ側にあり、同じ日付のものを探す。
  2. 「商品」の各日付について「売上」に分類されるか「仕入」に分類されるかを決める。
  3. 「し・くり・くり・し」を実行する。
  4. 「仕入」と「売上」から「損益」に振り替える。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Menu

簿記の基礎知識

日商簿記検定試験3級

日商簿記検定試験2級

3級との違い

まあまあ重要

試験対策

メンバーのみ編集できます