ゲーム向けの素材の作り方やノウハウを補完していこうってwikiです。フリー素材もあるよ。








painter10を使った私の背景の描き方を書きます。
painterの機能を使って説明しますので、
painterを使用しない方には技術的な面では役に立たないと思いますが、
手順だけでも参考にして頂けたらと思います。


【目次】
  • 1.構図と配色
  • 2.線画とパース
  • 3.着色
  • 4.ディテール
  • 5.効果


1.構図と配色


ゲームの背景なので、一枚のイラストの様にどんな構図でも良いという訳ではなく、
キャラクターの視線に消失点をあわせる必要があります。
この場合、消失点(Vanishing Point ; VP)は地面より150cm上に設定される事が多いです。
この数値は日本人の平均的な視線の高さを表しています。



しかし、上の画像を見ると、キャラクターの視線(150cm上)に消失点を設定したのにも関わらず、
キャラクターの目の位置がグリッド上に来ていません。
これは、キャラクターの位置に消失点を移してしまうと背景が下に向きすぎてしまうからです。
逆に、無理やり背景の消失点の位置にキャラクターの目線を移動すると、キャラが目立ちにくくなってしまいます。
なので、ゲームの背景とバストアップの絵のパースは合っていないケースが多数なのです。

では、どのような消失点の位置が適切か、これから解説しています。

背景の消失点


普通、私たちが地面に水平に目を向けているとき、視界の半分の位置に消失点がきます。
これを基準に考えていきます。
AVGのゲーム画面はプレーヤーの視界と同義なので、それに合わせるのが妥当です。
また、AVGのジャンルのゲームにはテキストボックスが存在する事が多いです。
これも考慮する必要があります。すなわち、
垂直方向にテキストボックスを除いた部分を二分するような消失点が適切だと考えられます。
またそうすることにより、キャラクターと背景のパースのズレによる違和感も軽減することが可能です。



今回の背景では、空の部分に重みがある事を考慮して、
若干消失点を下にずらしています。

構図取りと配色


消失点が決まったので配色と構図を決めていきます。
全体の構図を決めるのでエネルギーを沢山消費しますが、
一番クリエイティブな段階です。
ここではディテールにこだわらず、大きめのサイズのブラシで
キャンバスを塗り固めていきます。


【使用ブラシ】
透明度:50〜100(セパレ)、透明度:10(グラデ) サイズ:any ジッター:0.00
-ティントの標準丸筆は透明度を変える事で、ぼかしからくっきり塗ったりと、いろいろできるブラシです。
-ぼかすときは透明度10で。その時、レイヤーウインドウの(下の色を拾う)にチェックを入れると、すべての下のレイヤーの色を含んでぼかしてくれます
-もっとなめらかにぼかしたい時は、ティントのグレース丸筆(ソフト)を使ってください。



ファーストスケッチ。
影が多くて没案



セカンドスケッチ。
前に構造物が多くて没案



サードスケッチ。
良くなったけど、大通りのイメージなのに、建築物が遠すぎる。



建築物を手前に寄せて、噴水を付けてみた。
問題も解決したし、イメージもよくなったので構図を確定する。

テクニック:空気遠近法
対象物が奥にあればある程、その対象物の色は大気の色(青)にそまっていきます。
これを利用することで奥行き加減を表現することが可能です。
その応用として、染める色を青から橙色にすれば、夕焼けの空気感が。
濁った黄色にすれば砂埃といった具合に表現する事が可能です。
テクニック:光の反射
対象物に光が当たっている時、その対象物と書き手の視点の角度の開き具合で反射をします。
角度(書き手の目に入る光の入射角)が開いていない時は、その対象物自体が持つ色と光源の色が対象物の色を決定します。
角度(書き手の目に入る光の入射角)が十分に開いている時、その物体は光源の色を反射します。
光源が太陽光の場合は、そこにハイライトが生まれるのです。
また、丸みを帯びた物体(円柱など)は、いずれかの面で入射角が鋭利になりやすいので、
ハイライトが生じやすいです。建築物の角にもこの概念が適応されます。
テクニック:空の色
季候や季節、時間帯によって空の色も変化します。
青が鮮やかであれば夏の青空に。
青がくすめば、秋空といった感じに情報を盛ることが可能です。
テクニック:雲(順光)
エアブラシとブレンドブラシを使って作ります。
使用ブラシ
透明度10〜100 ジッター1.00〜2.00
使用ブラシ
透明度10〜100 ジッター0.00

エアブラシにジッターをかけることで雲のふわふわ感が出せます。
ジッターとは、ブラシのストロークの際に、それがジッター数値の範囲内の倍数でズレるという機能です。
実際に使ってみるとわかりやすいですが、ランダムなストロークを作る事ができます。
透明度50%くらいで雲の輪郭をはっきりと仕上げていきます。

雲の流動性を出したいときには、ブレンドの色伸ばしブラシで雲をなぞります。


2.線画とパース

パースと距離感


構図が確定したので、具体的な形を作る作業に入ります。
まずパースを確認します。



ペインターの遠近感グリッドを使います。グリッドの消失点を合わせたら、保存していつでも呼び出せる形にしておきます。
それと同時に人を新規レイヤーに描いて保存しておきます。こうすることで対象物の大きさを把握しやすくなります。
今回は消失点を人の視点上(地面150cm上)に設定したので、消失点の平行ラインが人の目の位置に来るように描くと正確です。


線画


アバウトに線画を描きます。
アバウトに仕上げることで、今後の着色の段階で浮かんできたアイデア等を試し易いという利点があります。
あと単純に時間の節約が理由です。




この時に窓の位置やドアの高さ等に注意する必要があります。
これらの高さ方向の基準は消失点の位置です。
人の目線の高さに設定してあるので、例えば一階の窓はだいたいこの線の上にきます。(一階部分が地面より高くなっている時はそれを考慮します。)
ドアは人が入れるように。ドアは民家ならば200cm程度なので、消失点の高さの150cmと比べて比率を作ります。



こうやって各要素を書き易いのも、消失点を目線の位置にもってくる事の利点です。




とりあえずここまで。また後で書きます・・・

このページへのコメント

dxZNLc Im grateful for the post.Really looking forward to read more. Awesome.

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Posted by awesome things! 2014年01月22日(水) 15:46:29 返信

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