当wikiはアニメ、覇穹封神演義を検証するwikiです。

◆脚本:高橋ナツコ ◆絵コンテ・演出:田村正文 ◆作画監督:遠藤大輔・山中いづみ・高井里沙・井本美穂

楊戩を蝕む王天君の寄生宝貝生物。
しかし、それは楊戩だけでなく、崑崙山側の仙人たちをも蝕んでいた。
哪吒を除く金鰲島に潜入した仙人たちの誰もが体力を削られていき、
早くもピンチを迎える太公望たち。
そんな中、崑崙山の液体プールで療養中だった楊戩の姿が、
忽然と消えていてーー。
一方、太公望のもとには新たな味方・韋護が合流。
王天君の策略が張り巡らされた金鰲島で、太公望はこの状況を打開できるのか?(アニメ公式サイトから引用)




お詫びと訂正

十四話本編終了後、予告にて次回は総集編であるということが告知された。
当wikiの十三話『鏡』の項目において、「今回は実質的な総集編回である」という記述が複数回見られる。
しかしその前話の十二話の予告において、次回が総集編であるという告知は見られなかった。
つまり、十三話は総集編でなかった可能性が高い。例え時系列が前後とかみ合わず、本編の半分以上がこれまでの回想、使いまわし映像であったとしても。
閲覧者の皆様には誤解と混乱を招く記述があったことを謝罪し訂正したい。
しかしどうやら、混乱しているのは視聴者だけではないようである。
なにせこれを知らせる次回予告の画面では使い回しの映像が流れるのみで次の話のサブタイトルすら提示していないのだから。
ちなみに六話の後に声優特番が入った際は、次回のサブタイトルはもちろん予告映像も完成していた。
これまでも大丈夫ではなかったがこれからは益々大丈夫ではないかもしれない。


哪吒の回想の矛盾


冒頭に「四聖戦前」時点、つまり覇穹4話以前の回想として、太乙真人と戦闘するも敗北し行動不能になった哪吒の場面が始まる(※)。
前後の流れや細かい描写はカットされているが原作四巻通りの流れで、哪吒は太乙の修理を受けながら彼の宝貝「金磚」と「火尖槍」の提供を条件に、太公望の援軍に向かうことを約束する。
修理が終わった後、哪吒は1人で地上に飛び去り、太乙はそれを見送る。当然哪吒との戦闘で負傷していない太乙は無傷である

だがしかしこのシーンの後につながるべき覇穹4話では、太乙真人は哪吒と一緒に西岐の太公望の元に現れる。
しかもこの時太乙は「哪吒に太公望の元へ行くよう命令を下したが従わず反抗された」、「宝貝の譲渡を条件に人間界に連れて来た」と語る。
当然ながらオリジナル展開であり、太乙はその際に“コテンパンにやられ”負傷している。上記の回想と全く噛み合わない。
哪吒の記憶が曖昧なのか?それとも太乙には虚言癖と自傷癖でもあったのだろうか?
まあ恐らくスタッフが忘れていたか、そもそも確認していないだけであろう。覇穹ではよくあることである。

※そもそも「四聖戦」という表現は我々視聴者からの通称のようなメタ視点の呼び方であり、劇中用語として使われているわけでもないのだから本来は作劇上忌諱すべき名称である。

楊戩の台詞の改変


楊戩がこの後重要なシーンにおいて発する台詞が改変されてこの話で使われてしまっている。
その重要なシーンがどのような演出になるのかはまだ不明だが、原作と同様の演出をするのは難しくなったように思える。

悲しいくらい弱い地烈陣


原作ではほとんど描かれることのなかった地烈陣がアニメオリジナルで一部描写されている。
詳細に描かれたわけではないので推測を含むが、その内容は荒野のような異空間を形成し巨大な地割れを起こしてそこへ敵を飲み込むというものだと思われる。
普通に考えれば中々に強力そうな陣であるが、悲しいことに当作品には飛行能力を持った仙道、霊獣、宝貝が数多く存在する。
現に飛行宝貝を持つ哪吒には特別何かをすることもなく容易く回避され、そのまま集中砲火を貰って封神されてしまう。
飛行出来なければ必殺とも言えるものではあるとはいえ、もう少し何かなかったのだろうか。

お前は妲己の何を知っているのか


十天君との正面対決を隠れ蓑にし、金鰲島全域に放った寄生ダニ宝貝で崑崙勢をまとめて戦闘不能に陥れようとする王天君の陽動作戦にまんまと嵌められたことに気付いた太公望は、
あやつ、思った以上に策士であったわ! 妲己を思い出させるのう!
と無念がる。
実際王天君と妲己には繋がりがあるし、妲己は(少なくとも原作では)作中でも一、二を争う切れ者というキャラクター設定なのは間違いない。
だがしかし太公望が妲己と直接“知略対決”とでも言うべき戦いをする物語最序盤の話は覇穹第1話にて大胆すぎるほどカット、圧縮されている。
改めてその内容を振り返ろう。ほぼ全くの無策で敵陣に突っ込んだ太公望は、黒幕である妲己のすぐ隣に座る紂王の誘拐を何の下準備もなく真正面から敢行。
当たり前のように妲己の命令を受けた周囲に取り押さえられ、投獄された。
……言ってしまえばただの現行犯逮捕である。誰だってそうする、しない奴はただの馬鹿かそれ以下である。

この策を弄するどころかまるで頭を使っていない展開が、覇穹封神演義の始まりであり、太公望と妲己の今のところ唯一のマッチングである。
つまり、そもそもこのアニメの太公望は妲己の策士っぷりをその身で感じたことなどないのだ。
原作ファンに多大な衝撃を与えたこのあまりに雑な展開は、策士同士が頭脳を競い合って、主人公が印象に残る敗北を喫した描写になったとはとても言い難い。

以降も覇穹の妲己は一応頭脳派アピールをされてはいるが、2話で聞仲を殷から引き離したり、3話で黄飛虎の妻や妹を追い詰めた手管については太公望はその場にいない為直接知ることが出来ない。4話で伯邑考を手ずから殺した顛末は頭脳派キャラの対極のような妖怪仙人らしい安直な暴力であった。
そして5話や7話以降にて太公望が相手取っているのは妲己ではなく聞仲と現在金鰲島に住まう十天君などの妖怪仙人達である。
もはや太公望が妲己の策士っぷりを伝聞で知っているのかすらも怪しい。

まあしかし全体的に怪しいこのアニメのことなので、天化の傷や三姉妹のように描写されていない範囲で実は妲己と知略勝負をしていたという可能性は残っている。
その為断言することは出来ない。描かれていないことは分からない。導はもう見失ってしまったのだ。

クレイジーサイコレズマッチョストーカーと化したビーナス

でも私は太公望さまの妻!
雲霄三姉妹の長女・雲霄ことビーナスは、カット改変の影響によって同じ台詞を繰り返したり会話が成立しなかったり、エンドカードイラストでは実妹にレズっ気を出して迫ったりといった、ややアレなキャラクターになっていた(他のキャラも似たようなものだが)。
そして今度は何の前触れもなく、自分は太公望の妻であると言い出した。覇穹ではビーナスと太公望は一度も顔を合わせたことが無いにも関わらずである。
とうとう会ったことが無い男の妻を名乗るという、妄想で事実を補完するストーカーじみたキャラへと至ってしまった。

無論原作ではこの二人の関係も描写されている(勿論正式に夫婦となったわけではない)が、例によって彼女の登場した趙公明編そのものがバッサリカットされている。
そもそも彼女らの素性も同行している理由も全く説明していないとはいえ、主人公を含む人間関係を誤解させるような描写まで容赦なくぶっこんでくるのがこのアニメのスタイルである。
原作の彼女(達)はなんだかんだ頼れるキャラクターなのだが、覇穹では一向に周囲関係が説明されない謎ばかりが深まるキャラクターでしかない。どうしてこうなった。

「お主とは違うっつーの!」←同じだろ!

12話で危惧されていた通り、原作通りに太公望と合流した韋護は無報酬の仕事を嫌がり、それを見た普賢はヌケヌケと「無償って素晴らしいことと思わない?」と言って説得しようとするシーンが何の工夫も無く流された。
そういうキミも12話では犯罪の報いでタダ働き(というか懲役)させられた思い出を数十年経っても反省するどころか逆恨みして執念深く忘れずにいる性分を見せたじゃないの、と画面に向かって指摘せずにはいられない。これでは原作に忠実なアニメ化どころか、二次創作界隈で見られる腹黒普賢ネタの再現の方が近い。

太公望は「お主とは違うっつーの!」とツッコんでいたが、むしろ叫ぶべきは「お主が言うな!」ではないのか。

架空の歴史は史実に非ず

仙界大戦もいよいよ折り返し、といったところですわぁん。つまり、女媧様の指令通りに、歴史は流れてるってことねぇん♡
大西洋の空中に浮かぶ妲己一味の真のアジト・蓬莱島にて、妲己は二人の妹を従え、本作の真のボスである女媧に現況の報告会を行う。場面は原作20巻の、殷が周によって倒された後の人間界の様子を報告するシーンをアレンジしている。
12話同様のツッコミだが、少年漫画的SFファンタジーながらも歴史物語の側面も備えるのが本作・封神演義なのであり、その作品中における大きな歴史の分岐点とは、繰り返すように「古い国・殷」が「新しい国・周」によって革命されて滅ぼされる時以外に有り得ない。
だが本アニメのスタッフはまったくこのことを理解したがらないらしく、史実である殷周革命ではなく伝説上の物語でしかない仙界大戦こそが歴史の重大イベントだと繰り返し主張したいらしい。

この下敷きにされている原作20巻のシーンでは、この14話で挿入された場面の後に、妲己自身の台詞によって「仙人道士がいた神話の時代は終わる」ということがハッキリと示されている。当初から2つの仙人界を滅ぼす予定で進行するのが女媧のスケジュールなのだから、仙界大戦をいつ佳境に入らせ誰をどう戦わせ何名を生き残らせるか等について女媧が細かく指令を出しているとは考えにくい(原作漫画でも、殷王朝滅亡や仙人界崩壊をお膳立てするまでの手段は妲己の采配に任されていたようだった)。故に、わざわざ勿体ぶって女媧に途中経過を報告するほどの重要性など仙界大戦には全く無いということが読み取れないのだろうか。
いくら話の盛り上がりを仙界大戦にしたいアニメ企画だったとはいえ、この点まで外されては原作のスピリットを尊重した話作りになっていない。

→第18話にて、まったく描写されていない人間界も実は殷周革命が急展開を迎えていることが明らかになった。だがあまりに急展開すぎて別の不安を生み出している。詳細は十八話 死闘のページを参照。
そして、それならそれでこのシーンの妲己はなおさら仙人界より人間界を映し出して報告すべきではなかっただろうか

このページへのコメント

「お前は妲己の何を知っているのか」の項目、天化の字が天下になってる

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Posted by 名無し(ID:r4SytYa+FA) 2018年04月25日(水) 10:08:21 返信

「あやつ思った以上の策士であったわ、妲己を思い出させるのう」
……何?何の話?実は石琵琶関連はあったの?また過去捏造なの?

↓どうやら0157に当たったようね……

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Posted by 名無し(ID:y0nhryiVSw) 2018年04月23日(月) 01:17:40 返信

後に未亡人となったビーナスが太公望との子供を身籠もるシーンがあるから間違いではないよ

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Posted by 名無し 2018年04月23日(月) 00:29:03 返信

初見で視聴継続してる人がまだ残ってることに驚き

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Posted by 名無し(ID:Eoc1aLs+Lw) 2018年04月22日(日) 23:10:17 返信

なお「太公望の奥さんだったの?」とビーナスの言い分をガチで信じた初見を2人発見

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Posted by 名無し(ID:Y6Zxn2B7EQ) 2018年04月22日(日) 22:03:31 返信

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