いわゆる慰安婦(日本軍性奴隷)について知り、考えるためのFAQです。

否定派の主張

もし日本軍兵士による強姦が多発していたなら、ベトナム戦争におけるライタイハン(韓越混血児)のように多数の混血児が生まれているはずだ。

反論

強姦の多発は必ずしも多数の混血児誕生とは結び付かない

慰安婦問題や、あるいは南京事件(における強姦の多発)についてネットで話題になると必ずといっていいほど持ち出されるのが「ライタイハン問題」です。おそらく「(慰安婦問題について文句ばかり言う)韓国だってこんな酷いことをしていたじゃないか」と日本の責任を相殺しようとする意図によるものだと思われますが、こうした反論?には幾重もの誤りがあります。

いわゆるライタイハン問題というのは、ベトナム戦争時に韓国人男性とベトナム人女性の間に生まれた混血児(2000人とも30000人とも言われています)がベトナムに置き去りにされたまま父親の支援も受けられず、 現地でも差別的な境遇を余儀なくされている問題を指します。上記のような主張をする人は、それを「韓国兵士による強姦の結果」と決めつけて持論を展開しています。

ベトナム戦争時には有名なソンミ事件のような米軍兵士による民間人虐殺事件が問題になりましたが、同様に韓国軍兵士による虐殺事件や強姦事件も起きました 。しかし、それが原因でライタイハン問題が発生したという証拠はありません。強姦の後に殺される被害者もいたでしょうし、辛うじて生き延び、その結果望まない妊娠をしても堕胎という選択をした人もいたでしょう。もちろん強姦された後に妊娠し、そのまま出産したケースもあり得ますが、それがライタイハンの主な原因であるという確固たる根拠はありません。野村進氏のルポルタージュ「コリアン世界の旅」(講談社/1996年)に、ベトナムでライタイハンの支援活動をする金永寛<キム・ヨング ワン>という牧師が登場しますが、この金牧師によると「この子たち(引用者注・ライタイハン)の父親の九○パーセントは、韓国人のビジネスマン」「ベトナム戦争中に技術者や労働者として南ベトナムに来ていた韓国人が、ベトナム人女性との間に子供をもうけ、そのま ま母子を置き去りにして帰国してしまった例が圧倒的に多い」とのことです。90%という数がどれだけ正確かはわかりませんが、少なくとも多数・あるいは全てが強姦の結果生まれた子供とする説よりは説得力があります(※注)

話を日本軍に戻すと、「強姦の多発」と「混血児の有無」に直接的な因果関係はありません。まず強姦が多発したことは当時の将校などが残した文書や証言からもゆるぎない事実です。その上で混血児がいない(というより、確認できない)理由としては(1)強姦された後、証拠隠滅のために殺された被害者も少なくなかったこと(2)妊娠した場合も、堕胎したケースが多いであろうこと(3)出産に至った場合でも、中国人や朝鮮人と日本人は人種的に近く、見た目で日本人との混血であるかどうかわかりにくいため、中国人として育てられた可能性が高いこと、などが挙げられます。

なお、慰安所の慰安婦について言えば、基本的に兵士には(性病防止の目的のため)避妊具の使用が義務づけられていました。しかしそれを守らない兵士もいたため、元慰安婦の宋神道<ソン・シンド>さんは何度も妊娠・ 堕胎を繰り返しています。出産もしましたが、生まれた子供も中国人に引き取られた後、消息不明になったそうです。


(※注)もちろんそうであったとしても、母子を置き去りにしてしまうという行為は人道上問題があり、韓国人の父親や韓国政府の責任は問われるべきですが、それと強姦の問題は分けて考える必要があります。

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