いわゆる慰安婦(日本軍性奴隷)について知り、考えるためのFAQです。

否定派の主張

国連人権委員会から慰安婦問題の解決(被害者に対する謝罪・賠償)を求める勧告が出されたが、この勧告は法的な拘束力を持つものではない

反論

国連加盟国・国際人権規約批准国として勧告を真摯に受け止めるのは当然

日本は、2014年7月24日にスイス・ジュネーブで開かれていた国連の自由権委員会から、人権問題に関する勧告を受けました。その中にはヘイトスピーチ禁止などと共に元慰安婦に対する謝罪や賠償を求める勧告もありました。


ところでこの件についての日本における報道では「勧告に拘束力はない」ということが、しばしば枕詞のように付け加えられています。

ハフィントンポスト日本版
国連人権委、ヘイトスピーチ禁止を日本に勧告 慰安婦問題は「国家責任認めて謝罪を」
勧告に拘束力はないが、今後日本政府に対して改善を求める声が内外で強まることも予想さる。

共同通信
ヘイトスピーチ禁止を勧告 国連人権委員会、従軍慰安婦問題も
勧告に拘束力はないが、日本が近隣諸国との間で抱える人権問題に国際的な関心が高まりそうだ。

朝日新聞
国連人権委、ヘイトスピーチ禁止勧告 日本に実行求める
勧告に強制力はない。今回で6回目の対日勧告だが、規約人権委は日本政府のこれまでの取り組みを不十分と見なしており、今回の勧告には実行を求める文言を盛り込んだ。ロドレイ委員長は「前例がないこと」と強調した。

あたかも「従う義務はない」とでも言いたげだ、というのはあながち穿った見方ではないでしょう。

確かに国連勧告に従わなかったとして、何らかのペナルティが科されるわけではありません。しかしペナルティがあろうがなかろうが、国際人権規約を批准している国がその精神を遵守するのは国際法の観点からも、また「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」とする日本国憲法(98条)に照らしても当然のことです。そうでなければ規約を批准した意味がありません。

慰安婦問題に対して否定的な反応を示す、いわゆる右派・保守派は一方で「国の誇り」ということを言います。ならば、人権問題解決を求める声に真摯に対応する国と、「法的拘束力はない(のだから従わなくてもいい)」と消極的な態度を示す国と、どちらが誇りある国・尊敬される国か、今一度考えてほしいものです。

なお、安倍晋三首相は国連集会で「世界は、今、深刻な危機に直面しており、我々は、国連の旗の下、結束すべきである」と発言したとのことです(※注)
。これが単なる建前ではなく本心からの言葉であるなら、今日本が取るべき態度は明らかでしょう。


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(※注)
平成26年9月25日 内外記者会見 首相官邸ホームページ

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