いわゆる慰安婦(日本軍性奴隷)について知り、考えるためのFAQです。

否定派の主張

日本の公文書で「官憲による慰安婦の強制連行」という証拠は見つかっていない。「慰安婦強制連行」とは嘘・捏造である。

反論

「強制連行」が問題の本質なのではない

この設問にはいくつもの欺瞞があります。第一にいわゆる慰安婦問題とは「強制連行(本人の意思に反して無理矢理連れていく)」だけにあるのではありません 。むしろ動員後の苛酷な人権蹂躙に問題の本質があります。「強制連行があったかなかったか」という点に のみ殊更焦点を当てるのは、問題の本質を隠し、矮小化しようとする態度の表れに他なりません。実際、外国などで慰安婦問題が取り上げられるたびに、いわゆる右派の文化人や政治家が「強制連行の証拠はない」と言いますが、これは言い訳にも反論にもなっていない、ということは周知される必要があります(※注)

また、終戦直後には多くの関係書類が証拠隠滅の為に 焼却された上、その残り少ない公文書も関係省庁が公開を渋っているのが現状です。日本にアメリカのような情報公開法が制定されない限り、慰安婦に関する公文書が発見されるのは難しいでしょう。

朝鮮や台湾で「強制連行」があったという物的証拠は確認されていませんが、それ以外の地域−中国 ・東南アジアなど、日本内地・植民地以外の占領地ではそうした例が確認できます。代表的なのが当時オランダの植民地だったスマランでオランダ人女性が軍人によって強制的に慰安婦にさせられたケース(スマラン事件白馬事件とも呼ばれる)です。これは1948年にオランダの軍事裁判(バタビア裁判)によって裁かれ、軍人・軍属(業者)が有罪判決を受けました。同様に、マゲランやフローレス島において女性たちを慰安婦にするために強制連行したという記録(捜査報告書)も残っています。また東京裁判ではインドネシアのモア島で女性を強姦・連行した陸軍中尉の供述がありました。

関連記事:Transnational History 公文書からみるスマラン事件(白馬事件)、他の解説

(※注)
たとえば2007年にアメリカ下院で可決された非難決議を見ても、どこにも強制連行という言葉は使われていません。こうした抗議に対して「強制連行はなかった」と訴えても、主張が受け入れられるどころか、「そもそも問題の本質がわかっていない」と呆れられるのがオチでしょう。

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