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EDLIN(エドリン)は、MS-DOSおよび、その後のマイクロソフト社のOSに含まれているラインエディタである。コマンド制御のインターフェースにより、テキストファイルを編集する基本的な機能を持つ。数字により行番号を指定し、1文字の英字コマンドにより操作を指示する。(たとえば、5dはファイルの5行目を削除する操作を指示する。)

初期のMS-DOSではシステム唯一のテキストエディタだったが、後のバージョンではフルスクリーンのエディタが付属するようになり(NEC版ではバージョン3.3DからSEDITが付属。その他のMS-DOSではバージョン5.0から付属)、バージョン6では削除された。しかし、EDLINは32-bit版Windows NTに含まれている(これは、NTVDMのDOSサポートがMS-DOSバージョン5.0に基づいているからである)。他のDOSコマンドとは異なり、ネイティブWin32プログラムに移植されていない。EDLINが存続していることは、標準入力からコマンドのスクリプトを入力することにより、テキストファイルの小さな変更を自動的に行うために起動できるという事実から説明できるかもしれない。

実際には、MS-DOSにはGW-BASICという他のヴィジュアルエディタが含まれていた。GW-BASICはマイクロソフトBASICのインタプリタであり開発環境でもあった。また、MS-DOSバージョン5.0から6.22のEDITエディタは、実際にはQBasicを起動していた。QBasicはGW-BASICを置き換えたもので、さらに現代的なユーザインタフェースを持っていた。

EDLINは1980年にティム・パターソン(en:Tim Paterson)が2週間で作ったものであり、6ヶ月の寿命しかないと思われていた。実際には、EDLINはもともとシアトル・コンピュータ・プロダクツ社の86-DOS(QDOS)のために書かれたものである。86-DOSはMicrosoft社が買い取り、MS-DOSとして販売したものである。

現在の環境でEDLINを使用する場合、ロングファイルネームをサポートしていないという制限がある。たとえば、"longfilename.txt"という名前の既存ファイルを編集しようとすると、EDLIN は"longfile.txt"という名前の新規ファイルを作成してしまう。これは、バージョン7.0までのMS-DOSの制限に関連していて、 EDLIN自体の問題ではない。ロングファイルネームは、EDLINが書かれた後でMS-DOSやMS-Windowsに追加されたものである。

ピーチ・グレゴリー(en:Gregory Pietsch)はGPL版のEDLINクローンを作成した。このクローンはロングファイルネームをサポートしていて、FreeDOSプロジェクトの一部としてダウンロード可能である。また、MS-DOSと同様にLinuxやUNIXでも動く。クローンの出力メッセージは様々なヨーロッパ言語や日本語にカスタマイズ可能であり、様々なCコンパイラでコンパイル可能である。





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EDLINは、現在では一般的に役に立たないにもかかわらず、他のエディタがない環境では、EDLIN用スクリプトのインタプリタとして使用されることがある。スクリプトはEDLINコマンドの列のように見える。以下のように起動される:

メンバーのみ編集できます