The Japan Association for Transnational Studies

第1報告

中国電力企業におけるTPMの導入に関する一考察 ―CSRの視点から―
 報告者:魏 爽氏(桜美林大学大学院 博士後期課程)
 司会者:岩井 清治氏(桜美林大学)

報告要旨

中国では、改革開放以来高い経済成長を維持している。それに伴い、エネルギー消費が急速に増加している。
 近い将来米国を越えて最大のエネルギー消費国、CO2排出国になると予想されている。なお、石炭に依存し、無駄遣いがひどいエネルギー消費は深刻な大気汚染やエネルギー供給不足といった問題を引き起こしているだけではなく、世界のエネルギー安定供給にも影響している。

 このような状況の中で、第11次五ヵ年(2006〜2010年)計画では、「エネルギー消費効率を2010年まで20%改善すること」という省エネの目標値が設定されている。
この目標を実現するために、官民一体の努力が必要となる。とくに、経済活動において大きなプレゼンスを占める企業の積極的かつ自主的な取り組みが強く求められている。
 本発表は省エネ・環境保全に深く関わる電力企業に着目している。2002年の「電力供給体制改革」により、電力産業はようやく市場経済化へと移行してきた。

 近年厳しくなる市場競争や石炭価格の高騰により、発電企業の収益が減少しているので、これから電力企業における現代企業制度やマネジメント技術の導入がさらに加速すると思う。
 本発表では、今年の8月に調査を行った、日本的管理技術の導入に成功し、しかも電力企業の模範とされている火力発電企業をケースとして、そのリーン・マネジメントを支えるTPM活動の特徴や重要性を分析した。
(魏 爽記)


関連ページ:2008年度研究会第1回-32008年度研究会第2回-2

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