The Japan Association for Transnational Studies

第1報告


金融危機が変えたアメリカのコーポレート・ガバナンス

 報告者:佐藤 剛氏(全米取締役協会会員、元日立化成工業株式会社副社長)
 司会者:平田 光弘氏(当学会会長、中央学院大学大学院特任教授)

報告要旨

本報告は2008年の金融危機後、アメリカの信頼を取り戻すべく全米取締役協会が主導して進めたビジネス界でのコーポレート・ガバナンスの再構築活動をベンチマークに日本のコーポレート・ガバナンスの改善提案を行うものである。

第1章では、全米取締役協会が推進した「基本に返ろう運動」と「コーポレート・ガバナンス白書」で取り上げた「リスクと戦略のオーバーサイト」、「役員報酬の承認プロセス」、「株主への説明の透明性」の各テーマがこの3年間でどのように変革されたかを、活動に参加した私の経験から紹介した。

第2章では、根本的な改革を求めて全米取締役協会のメンバーと議論して抽出した「ハイブリッド・コーポレート・ガバナンス」の5つの基本条件である「会社の価値観」、「会社の文化」、「会社のビジョン」、「CEOのダイナミック・リーダーシップ」、「取締役のパワー・ガバナンス」を紹介した。

第3章では、上記をベンチマークに日本の問題点である「不足している説明力と発信力」の改善、「外から見えないガバナンスの構造」の再構築、「CEOと取締役の意識改革」を訴えた。
(佐藤 剛記)


関連ページ:2011年度研究会第3回-32011年度研究会第4回-2

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