◆SFKuV9i.3U様

緑色の液体を満たしたガラスのフラスコからぽこぽこと湯気が出ている。
魔導士のたまご、オーレリアは液体が緑色からオレンジ色に変わるさまをノートに書き留め、背伸びをした。
夜はとっぷりと暮れて街のランプが薄ぼんやりと見える程度だ。

階段を上がって来る音が聞こえてオーレリアはそちらに目を向けた。
ガシャガシャと鎧が擦れ合うような音が扉の前で止んで、エコーがかかったような声で
「オーレリア、マダ起キテマスカ?入リマス」
と言ってドアノブが捻られる。

魔導機械のブライはその体躯をかがめ、器用に部屋の中に入る。
散らかった机周辺プラス髪をくしゃくしゃにしたオーレリアを一瞥したあと、彼は大袈裟に排熱器官から呼気を長めに吐き出した。
詰まるところ、ため息なのだろう。
「熱心ニナルノモ解リマスガ、少シハ気ヲ使ッテ下サイ
不衛生デスヨ、湯ヲ用意シマスノデ入ッテ来ルヨウニ」
「あはは…ごめんごめん、つい夢中になってて…」
「部屋ハ私ガ片付ケテオキマス」
「大丈夫?」
「当然、何年貴女ト居ルト思ッテイルノデスカ」
ブライとはもう三年もの付き合いになる。
今よりもっと未熟な時に出会って、それから今まで組んでやってきた。

シャワーを浴び、髪を拭きながら部屋に戻る。
部屋はブライによって綺麗に片付けられ、彼は下で何か作業をしているようだ。
ふと見るとベッドの上で毛玉がぴょこぴょこ動いていた。
「リリ、どうしたの?」
「ママ!」
毛玉はベッドから飛び跳ねてオーレリアにかけよる。
リリと呼ばれたその獣はつい最近オーレリアのパーティに加わった子だった。
群からはぐれたのか、まだ目も開いていなかったリリを育ているうちにすっかり母親と慕われてしまったのだった。

オーレリアはベッドに腰掛け、すり寄ってきたリリの頭を撫でる。
「あのね、リリ寂しかったの」
甘えるようにすりすりとリリはオーレリアの首筋に顔をうずめた。
ふさふさの毛がくすぐったい。
「ごめんね。…あれ?リリ、なんか体が熱くない?」
「んぅ?んー、うん、なんか熱いの…」
リリがオーレリアにすり寄る力が強くなり、ついにはとさりとベッドに倒れ込む形になる。
「…リリ?」
「ママぁ…」
リリの息づかいが荒い、風邪かなと思い起きあがろうとしたオーレリアをリリの太い手が止める。
「やだっ、ママ、ここにいてっ!なんか変なのっ」
「ど、どうしたの?」
「体が熱いよう、変だよぅ…」
「え?ちょ…リリ…やっ!」
首筋を明らかな性感を狙ってなめられ、うわずった声が出た。
無意識に太股に押しつけているのだろう下半身にはそれとわかるものが。
リリはメスだがペニスも存在する。
彼女の種族は半陰陽でなりたっており、メスに発情するのは普通の事なのだが。
発情が早過ぎる。
リリの未成熟な体が訳も解らず火照りに困惑している状態だった。

「リリ、何したの?」
「ママのお薬なめたの…そうしたらピリッてぇ…」
「ええっ!?あっ…、やめ、やめてリリっ…!」
子供とは言え、強靭な力を持つリリに押さえつけられオーレリアは一方的になぶられていた。
「ママ、いい匂い…ママのおっぱい、ほしいなあ…」
服の上から胸をしゃぶられ、流石にオーレリアは助けを求める。

「ブライ!ブライーッ!助けてーっ!」
その声に階段を慌てたように登ってくる金属音、ややあってドアが開かれる。
「オーレリア、ドウシマシタ!?…リリ?何ガアッタノカ説明ヲ頂キタイノデスガ」

「今作ってるのはただの栄養剤のはずなのに…」
「彼女ニハ別ノ効果ガアッタヨウデスネ、レポートニマトメテオキマショウカ」
「うぅ…」
「やだやだ離して!ママにさわりたいの!」
ブライに押さえられてばたばた暴れるリリは、まだ混乱しているように見えた。
「どうすればいいんだろう…」
「マザーライブラリニアクセスシテイマス、対処法ガ見ツカルカモシレマセン」
そう言ってブライは膨大な情報を記録する図書館と交信を始めた。

「ワカリマシタ、トリアエズ生成シテシマッタ精子ヲ排出シテシマエバ良イヨウデス」
「えっ、えーと…」
気まずそうに口ごもるオーレリアにブライは声をかける。
「大丈夫デス、私モ手伝イマスカラ。細カナ要項ハ先程記録シマシタ」
「そんな、悪いよ…私のミスなのに」
ブライは手を振り拒絶を示すオーレリアをやんわりと制す。
「イエ、私モ貴女ガ忙シクテ、最近ハ全ク触レラレマセンデシタカラ…」
丁度良い、という事だろう。
ブライはオーレリアの洗いたての髪をそっと撫でる。
慣れた手つきだ。
オーレリアは恥ずかしそうに俯き、
「じゃあお願いするね」
と言ってリリをベッドに手招いた。
冷たい指がぷつぷつと器用にボタンを外していく。
オーレリアを後ろからブライが支え、前の方でリリが彼女の膝にすり寄っている。
「多分リリハ本能デ何ヲスレバ良イノカ解ッテイルハズデス。変ニ省略セズ貴女ニ負担ヲカケナイヨウ導クダケニシマショウ」
「うん。ごめんねリリ、すぐに楽になるからね」
「んー?」
オーレリアに頭を撫でられ、先程よりは落ち着いているように見える。
それでもまだ息が荒く苦しそうにしていた。

すぐに就寝するつもりだったのだろう、ボタンを外し終わるとすぐに肌が空気に触れた。
「ママ、いいの?ブライ、ママのおっぱいなめてもいいの?」
「今日ハ良イデスヨ」
言うが早いかリリはすぐに控えめな胸に顔をうずめ舐めだした。
「わっ、リリ…ん、んっ…」
快感よりくすぐったさを感じる、腹の上にふわふわした毛に埋もれて性器がぬるぬると液をすり付けていた。
ブライはそれを押し留めてオーレリアの細い腰を浮かせる。
「リリ、此処ニ貴方ノ性器ヲ挿レマス。トテモデリケートナノデヨク舐メルヨウニ」
リリの鼻先でくちゅくちゅと音を立ててそこをかき回して見せる。
「ブ、ブライッ…い、いくらリリでも恥ずかしいよ」
「私以外ノ誰ニモ見セテ居ナイノデスカラ当然デショウ。シカシ潤滑ガ足リナケレバ辛イノハ貴女デス」

金属の指が引き抜かれると粘液が糸を引いてシーツに落ちる。
「ここをなめるの?」
舌でべろりと表面を撫でると思わず腰が揺れる。
反応があったのを見てとり、リリはいそいそと舌を這わせた。
「あ、あぁっ…ん、んぅ…」
「ママ、きもちいの?もっとしてあげるね」
長くて柔らかい舌がぬるぬると膣肉を押し上げ、唾液と膣液が混ざり落ちる。
「ひぅ、あっあっ…!」
拙い愛撫でもオーレリアにとっては初めての感覚で、じゅるりと吸い上げられて軽く達した。

まだ敏感なそこに冷たい指が挿入され中のほぐれ具合を確かめられる。
「うあ…」
「充分ダト思イマス」
「そ、うかな…おいでリリ、いれていいよ」
手を伸ばしてリリの性器に触れる。
びくりと震えるのがわかるが、すぐに火照りに引き戻されるように腰を揺すり、押し付ける。
「ママぁ、なんかおしっこがでちゃいそうなの、変なの?だいじょうぶかな…」
「うん、大丈夫だよ。ほら、おいで」
つぷりと音を立てて柔らかな肉は堅い肉を飲み込む。
「きゃうっ…!ママ、ママのおなかあったかいよ、きもちいい?」
「ん、気持ちいいよ…あっ、やあ、ん…!」
ゆるゆると困惑したような動きが少し続く。
正直、まだ未成熟な彼女のそれは小さい。
決定的な快感がなかなか来ないので、こそばゆい。
刺激を逃がすために後ろのブライに寄りかかるとふと目があった。
頬に冷たい手のひらが押し当てられて気持ちいい。
「大丈夫デスカ」
「んん…ちょっと、あっ」
中に温かい液体が広がる感触、リリがぷるぷると震えてオーレリアを見上げた。
「ママ…まだとまんないの」
「いいよ、全部出しちゃって」
頭をふかふかと撫でてやると気持ちよさそうに目を瞑り、腰を揺する。
「あっ、ああっ…んっんうっ…!い、いいよリリ、気持ちいいっ」
「ママ、ぬるぬるであったかくて変なのっ、おなかきゅんって…きゃんっ」
中でぐちゅぐちゅと動く度に白濁の粘液が放出され、掻き出される。
拙い動きでもオーレリアの快感は確実に絶頂へと導かれつつあった。
「あ、あっ、あ…!い、イきそう…っリリっ…!って、えーっ!?」
見ればリリはすっきりした表情でくたりと胸に寄りかかっていた。
役目を終えた性器が収縮してちゅるんと膣から抜ける。

オーレリアは寝息を立て始めたリリをどかせるとため息をついた。
「不満デスカ」
「えっ、いや…リリがすっきりしたなら、いいんだけれど…」
足をもじもじさせ、見上げると頬に金属の手のひらがひた当てられる。
「私ハ若干不満デス。オーレリア、貴女ノ体ニ余裕ガアルノナラ、モウ少シ貴女ニ触レテイタイ」
「ブライ…。う、うん、私も…お願いしてもいいかな」

小柄なオーレリアの胸部は、ブライの手にすっぽりと包まれていた。
胸の敏感な部分を指の腹で押し潰され、嬌声が漏れる。
「っくぅ…。ねえ、ブライ、その…」
向かい合った状態だと、無表情でも僅かな感情が見て取れる。
自分は今じらされている、この機械はわざとだ。
言葉に出すのも気恥ずかしいので、オーレリアは彼の腕に手をかけて抗議した。
「解ッテマスヨ、オーレリア」
つつ、と指が腹をすべり、薄い茂みをかき分けると今にも垂れそうな愛液が指先に触れる。

膣口に冷たい指が触れ、思わずびくりと震えはしたが、すぐに快感への期待に胸が疼いた。
「っふ…ぅ…」
ゆっくりと冷たい指がそのぬかるみに差し込まれ、甘いため息が漏れる。
熱に弱い機械の指は、とろけるように熱い中の温度に馴染むことはない。
けれど、いや、だからこそ関節の起伏まで感じる事が出来る。
散々じらされたそこは、指の四本を飲み込み快感に震えていた。
「あぅ…!」
「充分ニ潤滑液ガ分泌サレテイマス、ドウシマショウカ」
「んく、ふっ…そのまま、いっかいっ…!」
無駄の無い動きで指が粘液をすくい、敏感な箇所に塗り込む。
前に計算されつくした動きだと言ったら、反応は毎日変わるからそうでもないと返された事をぼんやり思い出していた。

先ほど達し損ねたので、快感の波が大きい。
荒く短い吐息が聴覚器官の辺りに吹きかかるのを感じたブライは、指を軽く曲げて腹側の内壁を擦り上げた。
「っあ、あぁ…!」
腰が跳ね、背に回された手がふるふると震える。

かくりと全身から力が抜けたのか膝立ちが辛そうに見えたので、抱え上げてぽすりとベッドに下ろした。
見上げると瞬きのように点滅するカメラアイと視線がかち合う。
「ま、まだしたい?」
「私ハ、ソウデスガ…」
ふっくらとした輪郭をなぞり、汗ばむ額に張り付いた前髪をはらう。
「貴女ノ良イヨウニ」
シーツを握り深く息をつく、続けて欲しいと頷くために。

「あ、あのね…」
「ナンデショウ」
しらじらしいなあ、とオーレリアが苦笑したとき、
「ママ!」
がばりとシーツを剥ぎ取り、先ほどまですやすやと寝ていたリリが勢いよく起き上がる。
「あーっ!ブライ、ママは今日はリリのママなのっ!」
「駄目デス、順番ハ守ッテ下サイ」
「いっつもママを独り占めしてるんだもん!やだっ!ママ、今日は一緒にねてもいーい?」
「ナッ…!イイエ駄目デス、早ク寝ナサイッ」
先ほどの余裕はどこへやらブライはリリと言い争いを始めた。
そんな二人を横目に、どっと疲れが押し寄せてきたオーレリアは丸めた毛布に寝転ぶ。
「まったくもう…」
呆れたように苦笑すると、仲良く喧嘩している居候二人に背を向けてゆっくり睡魔に意識を沈めていった。


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