元ネタ 6-214様
6-221様

「聖なる夜ね」
「聖なる夜っすね」

 クリスマスイルミネーションがきらびやかに輝く街からも、次第に人影が減り始める頃。
そのはるか上空、キンと冷たく張り詰めた空気の中。
言葉と一緒に白い息を吐き、一人と一頭が街を見下ろしていた。
 一人の方は、白いボアに飾られた真っ赤な衣装。
一頭の方は、もちろん、頭に立派な角を持つトナカイ。
この日この時この場所にいる彼女らが何者であるかの説明は、もちろん必要ないだろう。
ただしそのサンタクロースは、一般的なイメージである髭を蓄えた老翁ではなく、ミニスカートから伸びる白いニーソックスの長い足が印象的な、むしろ眼下の街でケーキの売り子でもしていそうなサンタ子だった。

「でも正しくは性なる夜よね」
「赤ちゃんでも配りますか?」
「名案ね」

 だるそうに答えて「はーぁっ」と盛大にため息をつくと、持っていたワインボトルを一息に煽る。
「今年のヌーボーはここ数年で最低の出来ね」
「アネさん、この国は飲酒運転の罰金がシャレになりませんぜ」
「うっさいわね、アメリカ連邦航空局の飛行許可出てんだからお咎めなしよ!
 クリスチャンでもないくせにイベントにかこつけてあちこちでイチャイチャしてるような国なんて
 シラフでやってられっかってんのよ!ほら、さっさと行くわよ、一軒目!」
「へーい」

「どぉや〜、えぇか〜、ええのんか〜、最高か〜」
「ああ〜っ、アンタぁ〜、に、日本イチやぁ〜」
(・・・・・)
(・・・・・)
(イキナリ濃いわね)
(「サンタさんへ 妹がほしいです」って、こらワイらの出る幕ありまへんがな・・・アネさん!?)
 サンタ子は腰を振る男の背後に忍び寄り、腰を落とすと―――
「ちょああああっ!!」
 両の人差指が男のケツを真っ直ぐ貫いた。
「ほぁあぁぁぁぁっ!?」
 ドピドピドピ・・・
「あああああ、あんたあぁぁぁ!いっくぅぅぅぅ!」

 上空に舞い戻った一人と一頭。
「まったく、不可視やからってムチャしまんなァ」
「何よ、ちゃんとXとYを選別したげたのよ」
 指先のニオイに顔をしかめながら言う。
「産み分けは人権団体がうっさいッスよ」
「はいはい、次、次」

 ・・・・・

「だぁぁぁぁぁ!やってられっかぁぁぁぁ!」
 数軒目の仕事を終えたところで、サンタ子はあっさりキレた。
「どいつもこいつも、他にやる事ないんかい!
 エエ歳こいた大人が靴下ぶら下げといて、その脇でチチクリあいやがってぇぇ!
 プレゼント夢見て眠る純な子供はどこ行ったんや!
 ガキはガキで(ピー)学生の分際でナニやっとんねん!
 そのショタチンコをオネーさんにも吸わせなさいっての!」
「アネさん、そう荒れんと・・・な、仕事せな」
「うっさぁぁぁい、もう今年のクリスマスは中止よ、中止!
 サンタがシングルベルってどないやねん!うがあああ!」
「シングルベルはワイもやがな、な、ちょっと落ち着いて・・・」
「なぁぁんですってぇぇぇぇ!?ここにアタシという美少女がいながら、シングルとはどういう了見よ!?」
「じゃあカップルってことでいいじゃないスか、仕事を・・・」
「カップルならカップルらしく、こんな夜には仕事よりする事あるでしょーが!」
「ムチャ言わんといてぇな、トナカイとサンタが乳繰り合うなんて前代未聞・・・でもないけど、普通男女が逆やがな」
「普通がナニよ!アブノーマルけっこう!獣姦どんと来いってぇのよ!ほら、出すモン出せ!」
「ちょ、やめやめやめ!そんなとこ握ったって出ませんがな!気分の問題ですがな!」
「ほーぉ、アタシじゃ気分が出ないって?じゃあ・・・・」
 それまでトナカイの股間をまさぐったりしながらも、どう見ても冗談まじりだったサンタ子が、目に妖しい熱を帯びさせる。上着の前をはだけると下着をあらわにして、トナカイの正面に立った。
両手でトナカイの頬を撫でると、その頭をかかえるように抱く。
「ね、どう・・・?」
 トナカイは目の前の白い肌とブラに目を白黒させる。
「あ、アネさん、寒くないですかい・・・」
「案外あったかいわよ、アンタが」
 言いながらさらに頭を抱え込む。控えめな双丘の膨らみを押し付け、トナカイの湿った鼻先が柔らかいおなかに当たる。
「ちょ、マジでマズいっス。獣っけが出ちまうっスよ」
 両手を頬に添えたまま、抱いていた頭を離すと、その鼻先に顔を近づけ―――
「出せって言ってんのよ・・・」
 トナカイの口に唇を合わせ、その大きな舌に小さな舌を押し付け絡ませた。
最初は頭を引き気味だったトナカイも、徐々に吐息を熱くし、サンタ子の舌を責める。
「ン・・・ふが・・・」
 トナカイの大きな舌先がサンタ子の口いっぱいに差し込まれ、サンタ子がじっくりとそれをねぶる。
トナカイはサンタ子の口中を舐め回すように舌先を動かし、サンタ子の目がとろけて来る。
一人と一頭の熱い吐息と湿った音がしばらく続き、ようやく離れて間に糸を引いた。
「ふぁ・・・あんた上手いじゃないの。キスだけでちょっと濡れちゃったわよ・・・」
「ワイも、もうギンギンやがな・・・あ〜あ・・・」
「・・・わぁお」
 サンタ子は頭をずらしてトナカイの下腹を覗き込むと、歓声を上げた。
サンタ子の腕ほどあろうかというトナカイのピンクのペニスが湯気をまとって露わになっていた。


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