JURASSIC THREAD STORAGE

94 無題 Name としあき 21/06/04(金)11:10:28 No.14329001 そうだねx11
――遥か昔 その地は豊かな緑に包まれていた
彼方此方からジュラシックが顔を出し 木々の隙間から溢れる木漏れ日の中で遊ぶ子ジュラシックを暖かく見守っているのが常だった
yasaiもnikuも豊富で食べ物にも棲家にも困らない広大な楽園
皆それが当たり前だと思っていたし 永遠に続くものだと信じて疑わなかった

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95 無題 Name としあき 21/06/04(金)11:11:39 No.14329003 そうだねx10
ある日 夜の帷を引き裂くように赫い流星が空を横切った
元々この地は流星の多い土地であり 流れ星といえば願い事を叶えてくれるすごいものだと代々伝わっていたので ジュラシックたちは皆住処から出てきて各々流れ星に願った
だがその流星はジュラシックたちの思うようなそれではなかった
かっ!と暗闇が赫き光によって薙ぎ払われた
それと同時に赫い隕石が空から燦々と降り注いだのだ
ジュラシックたちは大慌てで住処に戻った
隕石は木々を薙ぎ倒し大地を焼き払いジュラシックたちをその住処ごと圧し潰した
ジュラシックたちは半狂乱になり彼方此方へ散り散りに逃げ出した

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96 無題 Nameとしあき 21/06/04(金)11:13:11 No.14329005 そうだねx10
だが災厄はこれだけで終わらなかった
隕石の光を見たジュラシックが体調不良を訴え出し ほどなくして亡くなった
幸運にも生き残ったジュラシックたちは流星という現象を心の底から畏怖した
そして逃げ果せた新天地でその恐怖を語り継いだという

――あぁ恐れ見よ恐れ見よ あの赫き流星を 空を焼き大地を穿ち命を絶やす災厄の光を 決して見るな決して寄るな決して触れるな さもなくばその身 二日と保たぬであろう――

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97 無題 Name としあき 21/06/04(金)11:14:50 No.14329008 そうだねx11
……と、ハニャミドロはまだ寝たくないとぐずるまゆまじろたちに言い聞かせました まゆまじろたちは怖くなり慌てて丸まり睡眠の体勢をとりました ハニャミドロはやれやれと溜息を吐くと一匹空を見上げました
ここは砂原 かつて赫き流星によって滅ぼされた地の成れの果て 生きていくにはまだ厳しい環境でしたが、ハニャミドロの植林や泥による創造の力によって少しずつですが在りし日の賑わいを取り戻しつつありました
願わくばこの子たちが平穏無事にこの地で過ごせますようにと、ハニャミドロは赫くない流星に願ったのでした

続き?