18/11/12のスレ

無題 Name としあき 18/11/13(火)17:10:24 No.11084600 del
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20XX年!行き過ぎた表現規制に支配されたディストピアの到来!
人々は法の目を掻い潜り性癖の開拓を進めた!
そして世界はじゅらぽに包まれた――
とかなるのかな…

無題 Name としあき 18/11/13(火)17:34:18 No.11084629 del
>人々は法の目を掻い潜り性癖の開拓を進めた!
>そして世界はじゅらぽに包まれた――
法の目何も見えてない…



18/11/13のスレ

無題 Name としあき 18/11/13(火)23:07:02 No.11085849 del
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「おお...すげえ...これがジュラポ...」
「おさらいおしまいプス...約束の金は用意できてるプスな?」

無題 Name としあき 18/11/13(火)23:33:45 No.11085977 del
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18/11/14のスレ

無題 Name としあき 18/11/14(水)23:35:56 No.11089201 del
時は西暦2300年代――。
2000年代から世界各地で急速に進行した少子化の原因を「生身の異性を対象としない性産業」の発達にあるとみなした各国政府はそれぞれ足並みを揃えて『健全繁栄法』を施行。
ポルノの所持・制作・譲渡・視聴などを禁じ、違反者には中世の魔女狩りもかくやと評されるほどの厳罰が与えられ、生身の異性へと関心を向けることが奨励――あるいは強制――されるようになった。
この政策によりあらゆるポルノは地球上から姿を消した。
しかしそれはあくまで表向きの話であり、秘密裡に禁止されたポルノをやりとりする好事家たちも未だ存在していた――。

26 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:36:22 No.11089203 del
「なぜ俺はジュラシックがこんなに好きなのか」と自身に問うてみても「好きだから好きなのだ」と同語反復をもって答えるより他はない。
理由はないのだ。多くの人が自然と異性を愛するように、俺は自然とジュラシックを愛していた。
彼らに言わせれば、俺は不自然、不道徳ということになる。加えて残念なことに、現行法もそう言っている。
人間のポルノでさえ厳罰の『健全繁栄法』だ、「ジュラシックを愛している」など口に出そうものなら……考えるだけでも恐ろしい。

俺には自らの愛情を自らの望む相手に向けることが許されていない。
仕方なく俺は街で見かけたジュラシックや各種メディアで見かけたジュラシックを想像の中で愛するに留めている。
ペットとして飼うことができればいいのだが、俺の収入では少々厳しい。
その代わりにジュラシックの集まる場所に足しげく通い、ジュラシックの写真集が出れば真っ先に購入するなどして行き場のない情熱を発散させている。おかげでいまや近所でかなりのジュラシックマニアだと噂されるまでになってしまった。

27 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:36:41 No.11089206 del
俺はこうした状況におおむね満足していた。善良な小市民たる俺は少々生きづらさを感じながらもひっそりと暮らしていくのだ。
そう思っていた。あれを見つけるまでは……。

最初にそれを目にしたのはネット上の、真偽不明のニュース記事だった。
『今でもなお、インターネット上のブラックマーケットでポルノが売買されている!』
キャッチーな見出しに惹かれて読んでみれば、なんのことはない、存在するかどうかも怪しい『関係者』がそれらしいことを言っているだけのよくある記事だった。
しかし、読み進めていくうちに関係者が内情を語るある一文が俺の目に留まった。
『ポルノと言っても人間のものばかりではありません。あらゆる性的嗜好に向けたジャンルがあります。例えばそう、ジュラシックとか』
この文章を理解した瞬間、自分の胸が高鳴っていることを俺は感じた。
この世から消滅したとされるポルノ。さらに人間のものではなく、ジュラシックのもの。それがこの時代、一体どれだけ希少価値を持つのかは言葉に表せないほどのものだ。

……欲しいッ!

28 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:37:02 No.11089208 del
実際に行動に移すまでに逡巡はほとんど無かった。
インターネット上に存在するブラックマーケット。自身の端末情報を偽装し、特殊なツールを用いなければたどり着くことのできないサイト。
それまでは別世界の話だとしか思えなかったそこには、思ったよりも簡単にたどり着くことができた。
見た目は普通の通販サイトとそう大差ないように思えるそのサイトはしかし、話の通りに危ない商品が並べられていた。
ドラッグ、銃、流出したものであろう個人情報、そしてポルノ。
くらくらしながら探し続けていると、ついにお目当ての品物――ジュラシックポルノにたどり着くことができた。

販売ページにはサンプルとしてジュラポ雑誌の表紙と中身数ページの写真が掲載されていた。
それを見たときの俺の興奮は筆舌に尽くしがたい。夢にまで見たものが現実に存在し、手に入ろうとしているのだ。昂らずにはいられない。
販売価格はなかなかに高いが手を出せないほどではなかった。

29 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:37:20 No.11089209 del
購入ボタンを押す直前、俺は躊躇した。今ならまだ引き返せる。ブラックマーケットへのアクセスはまず露見することはないだろうし、もししたとしても罪は軽い。
しかしジュラシックポルノの購入は明らかに重罪だ。このボタンを押すことはすなわち、一線を越えてしまうということだ。

重罪。馬鹿げた話だ。俺はただ世間の人がやっているようにただ愛したいだけなのだ。
それが認められていないのは百歩譲って我慢できる。しかしその代替手段であるポルノまでどうして奪われなければならないのだ?
世間に言わせれば、しょせん俺は不道徳の烙印を押された異常者だ。一線を越えるのではない、あるべきところへ戻ってやるのだ。法律がなんだ、俺の愛を誰にも邪魔立てはさせない……!

俺は激情に駆られボタンを押した。
その勢いのままサンプルで抜いたら急に全てがどうでもよくなったのでキャンセルしようとしたが、キャンセルは認められないということなので少し後悔しながら販売者とのやり取りを進める羽目になった。

30 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:38:03 No.11089212 del
「商品の受け渡し方法としては手渡し、代金についてもその場での現金手渡しを希望したい」という販売者からの申し出に俺は少々面食らった。
ものがものだけに普通の運送業者に任せられないのはともかく、このご時世に現金手渡しとは。
少なくない額を持ち歩いてスリに遭いでもしたら、と考えた俺は匿名性の高い電子通貨での決済を提案したが、
「私はインターネットを通じての金銭取引に完全な匿名性が保障されているなどという神話を信じてはいない」
と一蹴されてしまった。しぶしぶ俺は承諾し……数日後、取引当日となった。

31 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:38:38 No.11089215 del
受け渡し場所として指定されたところは人気の全くない路地裏だった。
表通りからは完全に見えず、街頭の光も届かないそこで相手を待っていると、望んだものが手に入るという高揚よりも、アングラな取引に足を突っ込んでいる故の不安がどんどん大きくなってきた。
そもそも相手は本当に売る気があるのか? ヤバいものを持ってきて売るなんてリスクをわざわざ取らずとも、金を持ってやってきた相手を襲って奪うほうがよっぽど楽ではないか?
仮に取引が成功したとして、警察に捕まりはしないか? 家に帰る途中で職務質問でも受けたらどうすればいい? 

32 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:39:41 No.11089221 del
「『かわいいからかわいそうなことしてもいいよね……』」

急にかけられた声が、それ以上の思考を中断させた。
声の方向へ顔を向けると、いつの間にか数メートル離れた場所に誰かがいた。暗くてよく見えないがかなりの巨体のようだ。

「か、『かわいいのがわるいんだからね……』」

かけられた言葉が事前に販売者から教えられた合言葉だと理解し、返事をする。
するとその影はゆっくりとこちらへ近づいてくる。
影の細部が少しづつ明らかになる。黒いスーツに赤黒のネクタイ、目にはサングラス、そして……巨大なオレンジ色のフリル。

33 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:40:23 No.11089223 del
「お待たせしたプス。トプがジュラポの売り主プス」
「り、鈴瑚トプス……? あ、あんた……ジュラシックだったのか……」
「驚くのも無理はないプス。文字でのやり取りだと語尾は出ないプスからね」

トプス系のジュラシックはどれだけ人間の言葉を流暢に話そうとも、独特な語尾が現れてしまうことはよく知られている。

「まあ売り主が人間だろうとジュラシックだろうと、そんなことはどうでもいいプス。お望みの商品はちゃんと持ってきたプス」

トプスが小脇に抱えていた紙袋を開け、中身であるジュラポ雑誌をこちらへ渡してくる。
モモサウルスがこちらに飛び掛かってくる瞬間を捉えた写真が飾られた表紙は、まさしく販売ページのサンプルで見たものだった。
俺はつい先ほどまで怯え切っていたのも忘れ、夢中でページをめくり始めた。

34 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:41:02 No.11089226 del
「おお……すげえ……これがジュラポ……」
「約束の金は用意できてるプスな?」
「ああ、もちろん。ここに……」

雑誌をいったん閉じ、懐から代金を取り出そうとしたその時だった。

「何してんのキミ」

聞こえるはずのない第三者の声が背後から投げかけられたことで、俺の興奮は一瞬で冷え切った。
声のした方向へ振り替えると、角に回転灯を装備したユウギケラスがいた。当局所属のジュラシックだ。
まずい、と即座に理解した俺は慌てて「いや、これは……違うんですよ……」としどろもどろになりながらも弁解を試みたが、プスー、と気の抜けるようなトプスのため息がその虚しさをあざ笑うかのように路地裏に響いた。

「取り繕っても無駄プス。お客さん、あんた尾けられたプス。心当たりがあるプス?」

心当たり……正直言って、いくらでもある。近所の人が俺をジュラシックマニアだと呼ぶとき、そこにわずかに侮蔑と嫌悪の念が見えたことはこれまでに何度かあった。いつの間にか密告されて当局にマークされていたのか……?

35 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:41:28 No.11089228 del
このやり取りを見ていたユウギケラスの回転灯が突然動き出し、サイレンがけたたましく鳴り響く。我に返った俺はトプスへとすがるように振り向く。赤い光に照らされたその顔は、トプス系ジュラシックにありがちな微笑みではなく、落ち着き払った無表情だった。

「困ったことになったプス。警官が来るプス」
「ど、どうする!?」
「トプはお先に失礼するプス。それじゃあ……」
「お、おい待ってくれ! どうやってこの場を切り抜けろって……」

そうやって縋り付いた俺を、トプスはひょいと抱え上げて肩に担いだ。

36 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:42:10 No.11089237 del
「うわっ!?」
「冗談プス。代金をまだ受け取ってないプス」

そう言ってトプスは走り出したかと思うと、次の瞬間にはジャンプし正面に立ちはだかるユウギケラスを飛び越えていた。
呆気に取られたユウギケラスの顔が見えた。ユウギケラスが一層激しくサイレンを鳴らし出したのとトプスの着地はほぼ同時で、休む間もなくトプスは再び走り始める。
路地裏を走っていくうちに、サイレンに警官の怒号が混じって聞こえるようになってくる。

37 無題 Name としあき 18/11/14(水)23:42:28 No.11089239 del
「まずい、警官が集まってきてるみたいだぞ」
「……これは奥の手を使わざるを得ないプス」

停止したトプスは俺を肩から降ろすと四つん這いになり、背中に乗るよう促してきた。そういえばこいつは元は四足歩行だった。俺は言われた通りに跨る。

「絶対に離すんじゃないプス。こんな思いまでしてせっかく手に入れたものプスからな……」

言い終わるが早いか、トプスは走り出す。二足歩行時とは比べものにならないスピードは、追っ手を撒くのに十分なものであることを俺に予感させた。

終わり



18/11/16のスレ

無題 Name としあき 18/11/16(金)21:21:28 No.11093889 del
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一昨日と言うか昨日のスレ間に合わなかったよー

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