19. 無題 Name としあき 2018/06/15 00:17:24 No.10535504
ジュラにゃんがラプトルのおミミをちょうちょ結びにする
ジュラにゃんはトプスを粘土をこねるように作り変えてしまう
ジュラにゃんは社会に庇護を受けて狡猾に立ち回る悪党だ
ジュラにゃんは
ジュラにゃんは

すべて人々が描いたものだ
すべてジュラにゃんに求められたものだ
それを実行したまでだ
ジュラにゃんは人に作られたから、ジュラにゃんは人の思うままに姿を取るべく生きる

ジュラにゃんは、ジュラにゃんは
どこで生まれた?

20. 無題 Name としあき 2018/06/15 00:26:01 No.10535545
昔、ジュラシックと人間は果て無く争った
ジュラシックを狩る人間、身体能力を駆使して人間を食らうジュラシック
生存闘争、生態系の頂点を巡り退く事をどちらも知らなかった

もう、ずっとずっと続いていたが、そのうち、人間は知恵をつけた
武器を作った、罠を作った、作戦を講じるようになった
ジュラシックは、今までよりも人間に負けることが増えていった

それでも、ジュラシックの方がまだまだずっと優れていた
力任せで罠は抜けられたし、傷をつけられてもその治りは人よりずっと早かった

一進一退の攻防を続ける両者にその時が、決定的に変わる時が来た

21. 無題 Name としあき 2018/06/15 00:33:59 No.10535570
鉄。金属。
人間はそれをどういった手段を経てか使い始めた
今までの倍などという生易しさもない速さで人はものを作れるようになった
今までよりも丈夫で、強い武器が山ほど作られた

ジュラシックの優位は崩れた、人間はネアンデルタール人にやった時と同じく、自分たちと同じ力を得うる存在への限りない敵意という敬意を込め、最大の攻撃を行った

「いてぇプスねぇ…もう長くはねぇプスな」
「所詮、トプらもまた脅かされるものだったってことプスねぇ」

かつて人間にとって最大の脅威だった草という草や作物を食らいつくすトプスの大群は、肉が自分からやってくる食糧確保の機会に変わった

22. 無題 Name としあき 2018/06/15 00:43:24 No.10535592
それから、ジュラシックは敗れ去った
巣は燃やされた、住処は汚された、帰る場所を徹底的に壊された
みな、すごすごと地の底から行くべき場所へ逃れて行った、地球内部の空洞へ

妖怪や神の類は長い争いのひと段落を、薄笑いを浮かべつつ見守った

人間が地上の覇権を手に入れ、繁栄を謳歌するその裏でジュラシックは静かにその力を蓄え続けていた
そうして気が遠くなるほどに長い時が流れ、22世紀ごろの人間による地底探査により、引き金は引かれた

23. 無題 Name としあき 2018/06/15 00:51:36 No.10535613
「人類の地底への進行、意図はどうであれトプたちはこれをいい機会と断ずるプスねぇ…」

ジュラシック文明は人類文明に対して宣戦を布告、今一度人間と生態系の頂点を巡る大戦争が勃発するかに思えた

あっさりと決着はついてしまった
回線数時間で首都は陥落、ジュラシックはまたも人間に敗退したのだ

現代人類文明に対し、ジュラシック文明のそれは21世紀前半ほどの技術、大きく劣っていた
抵抗は長く、五十年ほども続いたがそれでも、ジュラシックは勝てなかった

24. 無題 Name としあき 2018/06/15 01:01:13 No.10535633
そもそも探査が始まる前の時点でジュラシック文明の全ては調査され切っていた、勝てるはずのない戦いだった
後のジュラシックは珍獣のような扱いを受けるもの、辱められるもの、トプす者、奴隷のような扱いを受けるものなどどれもろくでもない
ジュラシックはありとあらゆる非道を受けた

地球上の第二文明保持者たるジュラシックに勝利した人類は、それらより自分たちが勝っていることを誇示すべくある暴挙に出た

「トプ自身、こいつを認める事はできんプスねぇ…」

ジュラシックにゃんにゃんだ
様々なジュラシックの細胞を用いて生み出された名実ともに最高のジュラシック
生まれながらの高い知能、生まれながらの超能力
応用生命技術を駆使して作成された、神をも恐れぬ人の所業
人間はこれをジュラシックたちの管理者として量産した

この時代でも陰ながらに存在した妖怪や神の類は、これを人類文明の崩壊の序説として悟った

25. 無題 Name としあき 2018/06/15 01:14:11 No.10535658
人間に忠実なジュラにゃんらは、最初こそジュラシックたちを上手く管理した
人間の思うが儘、ジュラシックの暴君としての役割を
本能的に遊び半分でラプトルの耳をリボン結びにするのを愛する、そんな存在をいくらでも生み出せる技術の誇示を

知能の高さが災いした、何が悲しくて己らは圧制者として存在せねばならぬのか
何を思って自分たちは生まれつきの高い能力を持たされたのか

ジュラ=ニャンたちはさりげなく話し合い、ついに行動を起こすに至る

26. 無題 Name としあき 2018/06/15 01:15:19 No.10535660
「トプはトプ太陽」
「引き抜きまし」
「プスーッ!」

暴走だ、世界各地で一斉に行動を起こし、混乱を広げるとそれに紛れて主要都市に配置される玉兎型黄色竜使用人工発電装置トプ太陽に押し入り、
制御棒を無理やり引き抜いて不全を引き起こさせるとそれらは大爆発を放った

同時多発的にそれが行われ、社会はさらなる混迷を極め、暴徒すらも街にあふれ始める
ジュラにゃんの行動はなおも続く、生き残ったジュラにゃんらはインターネットの通信拠点や電波塔などを間接的な手段や直接的な手段を択ばず的確に破壊し尽くし、人類から情報を奪い取った

その後は何が起こったか、情報を遮断された人間にはもはやそれを知るすべもない

ジュラにゃんはとにかく世界中を焼け野原にした

27. 無題 Name としあき 2018/06/15 01:28:40 No.10535683
世界の環境は劣悪となり、文明も一からやりなおさねばならなくなった
ありとあらゆる情報が失われ、ジュラにゃんの出自も闇へ消えた

殆ど限界近くまでその数を減らされたジュラシックと人間は協力せざるを得ず、呉越同舟を続けるうちにお互いを適度に無視しあえる距離感を得た

五百年たつ頃には、お互いが最初に共に居たのはいつかも思い出せなくなり
人世にもラプトルとかトプスとかアライグマがそこら辺ほっつき歩いていても気にされなくなった

長い時は走るように、歴史は似た道を辿りながらもようやく現代をまた取り戻すに至った

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